JP2521083B2 - ヘパリノイド活性を有する多糖体及びその製造方法並びにそれを含有する抗血液凝固剤 - Google Patents

ヘパリノイド活性を有する多糖体及びその製造方法並びにそれを含有する抗血液凝固剤

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はヒトエグサ属の縁藻から得られたヘパリノイ
ド活性を有する多糖体及びその製造方法並びにそれを含
有する抗血液凝固剤に関する。
ここでヘパリノイド活性とはヘパリンと同様に抗トロ
ンビン活性によって示される血液の凝固阻止作用を言
う。
(従来の技術) 従来ヘパリノイド活性を有する多糖体としてはヘパリ
ンやデキストラン硫酸ナトリウム塩(以下デキストラン
硫酸と略する)、フコイダン等が知られている。
ヘパリンは高等動物の各種組織に広く分布するが、肝
臓やマスト細胞に多く存在しそれから抽出することによ
り得られており、通常ナトリウム塩として取り扱われ
る。その構造はD−グルコサミン残基とヘキスロン酸
(D−グルクロン酸とL−イズロン酸)残基が交互に1,
4結合した骨格を有している。
生物学的には血液の凝固を阻止する作用があり、血液
の凝固又は血栓の防止のために使用されている。更に、
リポプロテインリパーゼを活性化することにより血漿脂
質を清澄化する作用を有しているため過コレステリン血
症や動脈硬化症の治療に用いられることもある。
デキストラン硫酸はα−1,6−グルカンの硫酸エステ
ルであり、1945年A.Grnwallらによって合成されたも
のである。その中でも分子量6500程度で且つ硫黄含量16
〜18%のものがヘパリン同様に抗血液凝固作用並びに血
漿の清澄作用を有し、更に低毒性であることを理由に臨
床的に用いられている。
更に、フコイダンはフコースを主成分とする褐藻の硫
酸多糖であり構造等は不明の部分が多いがヘパリンと同
様に抗血液凝固作用を有していることが知られている。
しかしフコイダンは工業的に製造使用されていないため
血液凝固阻止剤として実用化されるに至っていない。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、これらヘパリノイド活性を有する公知
の多糖体は、次に示すように種々の問題点を有してい
た。
ヘパリンは高等動物の内臓等から抽出し精製する方法
によって製造されているがその品質及び製造方法等に問
題点を有していた。
すなわち、動物の組織を原料として使用するために、
製造上不快な臭気が発生し、抽出残渣の処理に多くの費
用を要し、また抽出物中に類似分子量の混在物質(β−
ヘパリン等)があるため特定の分子量のものを取得する
のに多くの工程を要する等の製造上の問題点があった。
更に又、製品の抗血液凝固活性を一定のレベルに収め
ることが極めて困難であり、各ロッドごとに標準ヘパリ
ンとの活性比較をする必要があること、及び強い抗血液
凝固作用が必要な場合は多量に使用する必要がある等の
使用上の問題点も有していた。
一方、ヘパリンの発見の後、合成により抗血液凝固作
用を有する多糖の製造方法が検討された。その結果デキ
ストラン硫酸が合成により製造されるに至ったがこれも
多くの問題点を有していた。
つまり、デキストラン硫酸は、合成の際、エステル
化反応の後に適切な分子量の画分を採取しなければなら
ず、更に適切な硫酸量の調節をしなければならないとい
う製造上の困難が有ること、デキストラン硫酸のヘパ
リノイド活性はヘパリンの活性に比べ比較的弱い場合が
多く、一般に多量に使用する必要があること、更にそ
のデキストラン硫酸は低毒性とはいっても毒性を有して
おり、硫酸基の量が多い場合には静脈注射したのちにケ
イレン等の副作用が発生することもある等の問題点を有
していた。
これらの他にもこれまでに多くの硫酸多糖が抗血液凝
固剤として開発検討されてきたが、全てヘパリンに比べ
て抗血液凝固活性が同程度か又は劣るものしか見出され
ていない。
以上からより強いヘパリノイド活性をもち、副作用の
すくない、製造上問題点の少ないヘパリノイド活性多糖
が切望されていた。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは永年海藻多糖の研究を重ねた結果ヒトエ
グサ属の緑藻から得られたラムナン硫酸を主成分とする
多糖体が高いヘパリノイド活性を有することを見い出
し、かかるヘパリノイド活性を有する多糖体の分子量、
硫酸基の含有量、及びヘパリノイド活性に影響する要因
等を確認し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、例えばヒトエグサ属の緑藻から得
られるヘパリノイド活性を有する新規な多糖体(以下、
本発明多糖体ということがある)、及びその製造方法、
並びにそれを含有する抗血液凝固剤を提供するものであ
る。
本発明多糖体は、ヒトエグサ属の緑藻から水又は熱水
で抽出し抽出液より、ヘパリノイド活性を有する多糖体
を採取、精製することにより製造される。
本発明の原料に使用しうるヒトエグサ属の緑藻として
は、例えばヒトエグサ(Monostroma nitidum Wittroc
k)、エゾヒトエグサ(M.angicava Kjellman)、ヒロハ
ノヒトエグサ(M.latissium Wittrock)、モツキヒトエ
(M.zostericola Tilden)等のヒトエグサ属の緑藻が挙
げられるが、ヒトエグサ又はヒロハノヒトエグサが経済
性及びヘパリノイド活性の点から好ましく、それらの中
でもヒトエグサから得られた多糖体が最も高いヘパリノ
イド活性を示すため特に好ましい。
ヒトエグサ属の緑藻からその抽出液を得るには、例え
ば次の如くして行うことができる。
原料であるヒトエグサ属の緑藻は、一般に藻体が柔ら
かく腐敗しやすいため、乾燥品として輸送・保存される
ことが多い。従がって、該緑藻からヘパリノイド活性を
有する多糖を抽出するときは、予め藻体を水に浸漬し膨
潤させておいたほうが抽出が容易になる。膨潤させるに
は、例えば、水分5%まで乾燥したヒトエグサの場合に
は、藻重量の約10倍量の蒸留水に浸漬させることが望ま
しい。
その後、藻体を細断し、ろ過又は遠心分離で水抽出を
済ませた藻体を得る。このとき、藻体を浸漬した水及び
細断後のろ液に抗血液凝固多糖が少量存在する。しか
し、そのヘパリノイド活性は弱く、ヘパリンの活性を1
とすると、その活性は0.5〜1程度である。また、その
量は、藻重量を100としたとき0.5〜2である。
細断する方法は、通常海藻を細断する方法ならば採用
されうるが、藻が柔らかいためにジューサーまたはミキ
サー、ホモジナイザーのような器具が使用可能である。
次いで細断後水抽出した藻体からヘパリノイド活性多
糖を熱水にて抽出する。その熱水の量は、藻体の5〜10
重量倍、温度及び時間は夫々60℃以上150℃以下、10分
以上5時間以内が好ましい。
このようにして得られた抽出液中のヘパリノイド活性
多糖の活性は、ヘパリンの活性を1とすると1.05〜4程
度である。また、その量は、藻重量を100としたとき6
〜10である。この多糖は、このままでも従来のヘパリノ
イド活性を有する硫酸多糖より強い活性を有しており利
用可能である。
更に、このようにして得られた抽出液から、ヘパリノ
イド活性を有する多糖体を採取・精製することにより、
活性の高い多糖を得ることができる。採取・精製は、例
えば上記により得られた水又は熱水による抽出液を透析
に付したのち、低温濃縮又は凍結乾燥し、好ましくはDE
AEイオン交換セルロースカラムクロマトグラフィー等の
カラムに保持させ、溶出剤により溶出して各種画分に分
け、凍結乾燥等の方法により乾燥させて活性の高い抗血
液凝固多糖を得る。
溶出剤としては、例ば水及び0.5〜2.5モルの塩化カリ
ウム溶液が好適である。溶出方法は、その溶出剤中の塩
化カリウムの濃度を連続的に変化させる方法及び段階的
に変化させる方法のどちらも実行可能であるが、画分を
明確に分離するためには、塩化カリウムの濃度を段階的
に変化させる方法がより好ましい。また、該カラムを使
用して分離する回数は、収率を高くしたい場合は1度に
とどめることが望ましいが、高い活性を望む場合には同
様の操作を2度以上繰り返して実施することもできる。
カラムによる分離回数が1度の場合、ヘパリノイド活性
は2.5〜4程度であり、カラムによる分離回数が2度の
場合、ヘパリノイド活性は3〜8程度である。
如上の如くして得られた本発明多糖体は、次の理化学
的性質を有する。
イ)色と形状: 色は本発明多糖体の精製の程度により変化するが、一
般に精製の程度が低い場合に淡黄色〜黄褐色となり精製
の程度が高い場合には白色となる傾向にある。又その形
状は乾燥の程度により粉末状〜蝋状に変化する場合があ
り、水分が少ない場合には粉末状となる。保存するとき
に水分を多く残すとカビが発生するなどの問題があるの
で乾燥粉末状態で保存することが好ましい。
ロ)分子量: 分子量は、分画分子量5万〜500万程度のゲルろ過カ
ラムクロマトグラフィー(例えばトヨパールHW−65)又
は光散乱法による測定で求めた場合、本発明多糖体の精
製の程度により変化する。精製の程度の低い場合は5万
〜30万となり精製の程度が高い場合には8万〜30万とな
る。
ハ)硫酸エステル含量: 本発明多糖体はその製造の一部に硫酸エステルを含む
がこれは抗血液凝固活性発現のために欠かすことのでき
ない官能基である。硫酸エステルの含量は本発明多糖体
乾燥重量あたり5〜35%であることが抗血液凝固活性の
発現のために適切であり、更に好ましくは7〜30%の範
囲にあるものがよい。
ニ)糖組成: 本発明多糖体の糖組成は、ラムノース及びグルクロン
酸が主成分であり、その構成比はラムノース:グルクロ
ン酸=1:1から9:1の範囲にあることが最も好ましい。
一般に、本発明多糖体の精製の程度が高くなるにつれ
てグルクロン酸の占める比率が低くなる傾向がある。更
に、他の糖類として含有されているものにアラビノー
ス、キシロース、マンノース、グルコース、ガラクトー
スがあるが、その量が比較的少なく各々ラムノースを1
としたときの量は0〜0.3程度である。
ホ)溶解性: 水に易溶、ジメチルスルホキシドに易溶、0〜6Nの塩
酸又は硫酸又は硝酸に可溶、0〜20%エチルアルコール
に可溶、0〜3Nの水酸化ナトリウムに可溶、ベンゼン、
シクロヘキサンに不溶 ヘ)蛋白質含量: 多糖体乾燥重量あたりの蛋白質の含量は0〜25%であ
るが多糖体の精製の程度によって変化し、精製の程度が
高くなるにつれて蛋白質の含量は減少する。
ト)赤外線吸収スペクトルが第2図に示す通りである。
チ)ヘパリノイド活性: ヘパリンの抗血液凝固活性を1とした場合の比活性が
1.05〜8である。
リ)比旋光度: 比旋光度が▲〔α〕25 D▼=−35゜〜−75゜である。
本発明多糖体を用いて抗血液凝固製剤を調製する場合
には本発明品を含有してさえいればよく、製剤の状態や
形、更には他の成分との混合は任意に調節することが可
能である。例えば、ヘパリンの製剤と同様に粉、液、軟
膏など、の形態に調製することが可能であり、用途も同
様に外科手術前の患者に投与したり、各種血液製剤に混
合したり、採血管に塗布したりすることもできる。
いずれにしても、ヘパリノイド活性が比較的高いため
に従来の硫酸多糖よりも少量で抗血液凝固活性を発揮さ
せることが可能になる。
(実施例) 次に実施例を挙げて本発明を説明する。
実施例1 1) ヒトエグサ(Monostroma nitidum Wittrock)100
g(水分5.0%)を1リットルの蒸留水にて30分間浸漬・
膨潤させる。
2) 1)にて得られた藻及び水を市販のミキサーに約
5分間かけ藻を細断し、30分静置したのち3枚重ねのガ
ーゼでろ過し藻体−1とろ液−1(固型分1.2g)とに分
離した。
3) 2)にて得た藻体−1に700ccの熱水を加え70〜1
00℃2時間加熱し、室温に冷却したのち3枚重ねのガー
ゼにて藻体−2とろ液−2(固型分8.2g)とに分離し
た。
4) 3)にて得たろ液−2を4000rpm20分の条件で遠
心分離してわずかに残った残渣を除去し、セロファン膜
を使用して流水にて3日間透析後、5mmHg1日の条件にて
凍結乾燥し、粗のヘパリノイド活性多糖体(多糖−1)
を得た。
5) 4)にて得たヘパリノイド活性多糖−1(1g)を
150mlの水に溶解し水不溶残渣を遠心分離(4000rpm,20
分)によって除去し、その上澄液をDEAE−セルロース
(OH型)を充填したカラム(直径4.5cm×長さ55cm)に
注入した。次に蒸留水約1.5リットルをカラムに流して
非吸着多糖画分を流しだした。そのときフェノール硫酸
反応が示されなくなるところを水による溶出の終点とし
た(画分−1)。
次にカラムに0.5モル,0.7モル,2.0モル、の塩化カリ
ウム水溶液を1000mlずついずれもフェノール硫酸反応が
示されなくなるまで流し、各画分を採取した(画分−2,
3,4)。各画分をセロファン膜を使用し、流水にて3日
間透析後、凍結乾燥し、多糖−1′,2′,3′,4′を各々
多糖−1に対し45%,27%,2.7%,3.0%の量得た。
6) 5)で得た多糖−2′600mgを100mlの水に溶解し
て再びDEAE−イオン交換セルロースカラム(直径4.5cm,
長さ55cm)に注入し、塩化カリウムの濃度を0から0.27
モルまで直線的に変化させ、流速1.2ml/分で溶出した。
溶出液を20ml毎の画分にわけ、フェノール硫酸法により
発色させ、480nmの吸光度を測定し第1図のチャートを
得た。
画分を第1図のようにA,B,C,Dにまとめ、各々透析し
凍結乾燥し、多糖−5,6,7,8を得た。
試験例1 実施例1で得られた各試料の血液凝固阻止活性を次の
方法により調べ下記第1表に示す結果を得た。
血液凝固阻止活性の測定方法: 血液凝固阻止活性は、ヘパリン・コファクターを加え
たin vitroの系での抗トロンビン活性として求めた(東
邦医学雑誌20巻p939 1971年参照)。
ヘパリン・コファクターとして牛血清の1%生理食塩
水溶液1mlに、トロンビンの生理食塩水1mlを加え、20mM
バルビタール緩衝液2mlと共に混合後、37℃の水浴に30
分間浸漬して温度平衡に到らしめた。この混液0.3mlに
対して、フィブリノーゲンの1%生理食塩水0.1mlを加
え、この直後からフィブリンの形成に到る迄の時間(T1
秒)を求め空試験とした。
この系において濃度の異なる海藻多糖の20mMバルビタ
ール緩衝液の溶液2mlを加えて37℃における温度平衡の
後、前述と同様な操作によってフィブリンの形成に到る
迄の時間(T2秒)を求めた。これはトロンビン活性が阻
害されることによって先のT1秒よりも長時間要するの
で、この両者の時間差(T2−T1秒)によって活性を示し
た。これらの測定は、各試料濃度において行い、そこで
フィブリン形成に到るまでの時間は、5回以上の測定か
ら平均値を求めた。
活性の表示は対照実験として、ヘパリンのバルビター
ル緩衝液の溶液(3mg/100ml)について同様な条件下で
測定を行い、この活性に対する相対値によって示した。
なお、表中のNDとは検出せずの意である。
多糖−6の赤外線吸収スペクトル(第2図)から次の
点が認められる。
1240nmにS=O,855nmにC−O−Sに対応する吸収
がみられることから、多糖−6には硫酸エステルが存在
する。
また、855nmでのC−O−S伸縮の赤外線吸収によ
り、この硫酸エステルはaxial配向であると判断され
る。
1440nm及び1550nmにおけるN−H基に対応する吸収
がヘパリンにあるのに対し、多糖−6にない。
この事実から、多糖−6には構成糖としてアミノ糖が
含有されず、硫酸エステルの存在型がスルホアミノ結合
ではないと判断される。このことは更に、Elson−Morga
n反応の結果からも支持される。
試験例2 多糖−6の各種溶媒に対する溶解性を次の方法により
調べた。
多糖−6 100mgを第2表に示す溶媒1mlと混合して室温
にて5分間撹拌した後、沈澱物の有無を観察した。その
結果も第2表に示した。
なお、表中の○は可溶、△は難溶、×は不溶であるこ
とを示す。
(発明の効果) 上記のように本発明のヘパリノイド活性を有する多糖
体は従来の抗血液凝固用硫酸多糖にくらべて抗血液凝固
作用が強く、比較的少量で血液凝固効果を発揮し、安価
な原料から製造されるため、高い経済性を発揮する。
又、本発明の製造方法は、従来のヘパリンの原料より
も臭いが弱く且つ不快な臭いを発生しない。更に、多糖
体を抽出・精製するのみでよく、デキストラン硫酸製造
工程のように硫酸の含有量を調節するなどの煩雑さがな
い。などの製造上の多くの問題点を克服することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は多糖−2′のイオン交換クロマトグラフィー・
グラジエント溶出曲線を示す図面である。 第2図は多糖−6及びヘパリンの赤外線吸収スペクトル
を示す図面である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒトエグサ属の緑藻から得られる次の理化
    学的性質を備えたヘパリノイド活性を有する多糖体。 イ)色と形状:白〜黄褐色の粉末 ロ)溶解性:水に易溶、ジメチルスルホキシドに易溶、
    0〜6Nに塩酸又は硫酸又は硝酸に可溶、0〜20%エチル
    アルコールに可溶、0〜3Nの水酸化ナトリウムに可溶、
    ベンゼン、シクロヘキサンに不溶 ハ)糖組成:ラムノース、グルクロン酸を主成分としそ
    の構成比がラムノース:グルクロン酸=1:1ないし9:1 ニ)分画分子量:5万〜500万のゲルろ過カラムクロマト
    グラフィーにて単一〜3個のピークを与え該クロマトグ
    ラフィー及び光散乱法による分子量が5万〜30万であ
    る。 ホ)硫酸エステル含量:多糖体乾燥重量あたり硫酸エス
    テル含量が5〜35%である。 ヘ)蛋白質含量:多糖体乾燥重量あたり蛋白質の含量が
    0〜25%である。 ト)赤外線吸収スペクトルが第2図に示す通りである。 チ)ヘパリノイド活性:ヘパリンの抗血液凝固活性を1
    とした場合の比活性が1.05〜8である。 リ)比旋光度が:比旋光度▲〔α〕25 D▼=−35゜〜−7
    5゜である。
  2. 【請求項2】ヒトエグサ属の緑藻から水又は熱水で抽出
    した抽出液より次の理化学的性質を備えたヘパリノイド
    活性を有する多糖体を採取することを特徴とするヘパリ
    ノイド活性を有する多糖体の製造方法。 イ)色と形状:白〜黄褐色の粉末 ロ)溶解性:水に易溶、ジメチルスルホキシドに易溶、
    0〜6Nの塩酸又は硫酸又は硝酸に可溶、0〜20%エチル
    アルコールに可溶、0〜3Nの水酸化ナトリウムに可溶、
    ベンゼン、シクロヘキサンに不溶 ハ)糖組成:ラムノース、グルクロン酸を主成分としそ
    の構成比がラムノース:グルクロン酸=1:1ないし9:1 ニ)分画分子量:5万〜500万のゲルろ過カラムクロマト
    グラフィーにて単一〜3個のピークを与え該クロマトグ
    ラフィー及び光散乱法による分子量が5万〜30万であ
    る。 ホ)硫酸エステル含量:多糖体乾燥重量あたり硫酸エス
    テル含量が5〜35%である。 ヘ)蛋白質含量:多糖体乾燥重量あたり蛋白質の含量が
    0〜25%である。 ト)赤外線吸収スペクトルが第2図に示す通りである。 チ)ヘパリノイド活性:ヘパリンの抗血液凝固活性を1
    とした場合の比活性が1.05〜8である。 リ)比旋光度:比旋光度が▲〔α〕25 D▼=−35゜〜−7
    5゜である。
  3. 【請求項3】ヒトエグサ属の緑藻から得られる次の理化
    学的性質を備えたヘパリノイド活性を有する多糖体を有
    効成分として含有することを特徴とする抗血液凝固剤。 イ)色と形状:白〜黄褐色の粉末 ロ)溶解性:水に易溶、ジメチルスルホキシドに易溶、
    0〜6Nの塩酸又は硫酸又は硝酸に可溶、0〜20%エチル
    アルコールに可溶、0〜3Nの水酸化ナトリウムに可溶、
    ベンゼン、シクロヘキサンに不溶 ハ)糖組成:ラムノース、グルクロン酸を主成分としそ
    の構成比がラムノース:グルクロン酸=1:1ないし9:1 ニ)分画分子量:5万〜500万のゲルろ過カラムクロマト
    グラフィーにて単一〜3個のピークを与え該クロマトグ
    ラフィー及び光散乱法による分子量が5万〜30万であ
    る。 ホ)硫酸エステル含量:多糖体乾燥重量あたり硫酸エス
    テル含量が5〜35%である。 ヘ)蛋白質含量:多糖体乾燥重量あたり蛋白質の含量が
    0〜25%である。 ト)赤外線吸収スペクトルが第2図に示す通りである。 チ)ヘパリノイド活性:ヘパリンの抗血液凝固活性を1
    とした場合の比活性が1.05〜8である。 リ)比旋光度:比旋光度が▲〔α〕25 D▼=−35゜〜−7
    5゜である。
  4. 【請求項4】剤型が静脈注射用注射液、筋肉注射用注射
    液、軟膏及び粉末から成る群から選ばれる1種である特
    許請求の範囲第3項記載の抗血液凝固剤。
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