JP2520642Y2 - ハンガートロリー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は物流用ハンガーを懸吊し
て搬送するためのハンガートロリーに係り、特にトロリ
ーヘッドが一定角度以上は回転しないように構成したハ
ンガートロリーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、物流用ハンガーを懸吊するた
めのロードバーの両端部に支持フレームが回動可能に保
持され、該支持フレームの上端部にトロリーヘッドが取
り付けられていて該トロリーヘッドを搬送経路空間に設
置されたレールに懸吊するようにしたハンガートロリー
があり、トロリーヘッドは搬送経路空間に架設されたレ
ールによってあらゆる曲線搬送に対応できるように回動
自在な構成となっている。

【０００３】ハンガートロリーを搬送する他の装置との
関係から、ハンガートロリーには前後の向きがあるた
め、トロリーヘッドが必要以上回転できる構成では作業
者がレールにトロリーヘッドを掛ける場合に却って不便
となる。そこで従来よりトロリーヘッドが一定角度以上
には回転しないように廻り止めの工夫がされている。従
来の廻り止め手段は、ロードバー両端の軸受部の一部を
機械加工によって長孔状に切削して係合孔を形成すると
共にフレームの軸部にスプリングピンを打込んでこのス
プリングピンを係合孔に係合させるようにしていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】ところが従来のハンガ
ートロリーにあっては、軸受部に長孔状の係合孔を形成
するものであるから、最も重要な軸受部の機械強度が低
下し、また、ロードバーへの部分的機械加工や組立時の
スプリングピンの打込み作業などが必要となり、しかも
ハンガートロリーを落下させるなどの使用ミスによりス
プリングピンが切断したり、このためにスプリングピン
を交換する保守作業が必要になるなど、本来簡単な構成
のハンガートロリーに多大の手間と部品が必要になるな
どの欠点があった。

【０００５】本考案の目的は、上記した従来のハンガー
トロリーの欠点を解消し、ハンガートロリーの重要な部
分たる軸受部の機械強度を低下させることなく、また、
ハンガートロリーを構成する各部材に何等の機械加工や
ピンの打込み作業等を要することなく簡単な構成で、ト
ロリーヘッドの回転角度規制を確実になし得るようにし
たハンガートロリーを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案に係るハンガート
ロリーは、物流用ハンガーを懸吊するためのロードバー
の両端部に支持フレームが回動可能に保持され、該支持
フレームの上端部にトロリーヘッドが取り付けられてい
て該トロリーヘッドを搬送経路空間に設置されたレール
に懸吊するようにしたハンガートロリーにおいて、上記
支持フレームをダイキャスト等によって成形し、上端部
に形成されたヘッド取付部にはトロリーヘッドを取り付
けられると共に、下端部には軸取付部を形成して該軸取
付部に軸部を取り付けて、ロードバーの両端部に形成し
た軸受部で上記軸部を軸受けする構成とし、軸取付部の
下端には係合突部を一体に突成して、該係合突部がロー
ドバーに当接することによりトロリーヘッドが一定角度
以上は回転しないように構成したものである。

【０００７】

【作用】支持フレームはダイキャスト等により成形さ
れ、上部にはヘッド取付部が成形されると共に下部には
軸部を取り付けるための軸取付部が成形される。このと
き、軸取付部の下端に２か所程度の係合突部を一体に成
形する。支持フレームの上部のヘッド取付部にはトロリ
ーヘッドが取り付けられると共に下部の軸取付部には軸
部が取り付けられる。このように構成された前後一対の
トロリー本体のそれぞれの軸部をロードバー両端の軸受
部で軸受けすることによりロードバーで両者を連結して
ハンガートロリーが構成される。ハンガートロリーを搬
送経路空間に架設されたレールに懸吊すると共にそのロ
ードバーに多数の物流用ハンガーが掛けられ、所定の搬
送手段によって目的場所まで搬送される。支持フレーム
はロードバー両端の軸受部を中心として回動でき、従っ
てこの支持フレームの上端部に取り付けられているトロ
リーヘッドも回動できて、レールに曲線部分があっても
自由に走行することができる。支持フレームの軸取付部
下端には係合突部が突成されていて、支持フレームが必
要以上に回転しようとすると係合突部がロードバーに当
接するから、１回転することはなく、ハンガートロリー
をレールに掛ける際に作業者が前後の向きを誤ったりす
ることはない。

【０００８】

【実施例】本考案に係るハンガートロリーの実施例を図
面に基づいて説明するが、図１は一部除去したハンガー
トロリーの側面図、図２はトロリー本体の縦断面図、図
３は支持フレームの側面図である。図において、１はハ
ンガートロリーであり、前後一対のトロリー本体１０，
１０を衣類などのハンガーが多数懸吊されるロードバー
２で連結して構成されている。トロリー本体１０は、支
持フレーム３の上端部にトロリーヘッド５が取り付けら
れると共に下端部には軸部４が設けられて構成され、こ
の軸部４を上記ロードバー２の両端部に形成した軸受部
２１で軸受けすることにより回動自在に保持されるよう
になっている。

【０００９】支持フレーム３はダイキャストにより成形
され、略Ｌ字形に形成されていて垂直部の中間を断面略
Ｈ字形に形成すると共に上端部の平坦面をヘッド取付部
３１とし、下部の水平部を軸取付部３２としてある。こ
のとき、軸取付部３２の下端に２か所程度の係合突部６
を一体に成形する。そして、支持フレーム３のヘッド取
付部３１には前後にローラを備えた従来から一般に使用
されているトロリーヘッド５が枢軸１５を支点として揺
動し得るように取り付けられると共に下部の軸取付部３
２には別部材たる軸部４が下方に突出するように取り付
けられる。このように構成された前後一対のトロリー本
体１０のそれぞれの軸部４をロードバー両端の軸受部２
１で軸受けすることにより該ロードバー２で両者を連結
してハンガートロリー１が構成される。

【００１０】ハンガートロリー１を搬送経路空間に架設
されたレールＲに懸吊すると共にそのロードバー２に多
数の物流用ハンガーが掛けられ、所定の搬送手段によっ
て目的場所まで搬送される。軸部４がロードバー両端の
軸受部２１で軸受けされている支持フレーム３は回動で
き、従ってこの支持フレーム３の上端部に取り付けられ
ているトロリーヘッド５も回動できて、レールＲに曲線
部分があっても自由に走行することができる。しかし、
レールＲにハンガートロリー１を掛ける際には支持フレ
ーム３の軸取付部３２下端に係合突部６が突成されて、
支持フレームが必要以上に回転しようとすると係合突部
６がロードバー２に当接するから、１回転することはな
く、作業者がハンガートロリー１の前後の向きを誤った
りすることはない。

【００１１】

【考案の効果】本考案に係るハンガートロリーによれ
ば、支持フレームの軸取付部下端には係合突部が一体に
突成されていて、支持フレームが必要以上に回転しよう
とすると係合突部がロードバーに当接するから、１回転
することはなく、ハンガートロリーをレールに掛ける際
に作業者が前後の向きを誤ったりすることはない。支持
フレームはダイキャスト等によって成型され、上記係合
突部も一体に成形されるから、従来のように特にストッ
パーピンを打ち込んだりする必要はなく、また、このス
トッパーピンの切断や交換等の手間が不要であると共に
ハンガートロリーを構成する部材、特にロードバーの軸
受部を切削する必要はないから強度が低下することもな
い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るハンガートロリーの一部除去した
側面図である。

【図２】トロリー本体の縦断面図である。

【図３】支持フレームの側面図である。

【符号の説明】

１はハンガートロリー全体 １０はトロリー本体 ２はロードバー ２１は軸受部 ３は支持フレーム ３１はヘッド取付部 ３２は軸取付部 ４は軸部 ５はトロリーヘッド ６は係合突部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 物流用ハンガーを懸吊するためのロード
   バー（２）の両端部に支持フレーム（３）が回動可能に
   保持され、該支持フレーム（３）の上端部にトロリーヘ
   ッド（５）が取り付けられていて該トロリーヘッド
   （５）を搬送経路空間に設置されたレール（Ｒ）に懸吊
   するようにしたハンガートロリー（１）において、上記
   支持フレーム（３）はダイキャストによって成形され、
   上端部に形成されたヘッド取付部（３１）にはトロリー
   ヘッド（５）が取り付けられると共に、下端部には軸取
   付部（３２）が形成されて該軸取付部に軸部（４）が取
   り付けられていて、ロードバー（２）の両端部に形成し
   た軸受部（２１）で上記軸部が軸受けされる構成であ
   り、軸取付部の下端には係合突部（６）が一体に突成さ
   れていて、該係合突部（６）がロードバー（２）に当接
   することによりトロリーヘッド（５）が一定角度以上は
   回転しないように構成したことを特徴とするハンガート
   ロリー。