JPS6225443Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は載架スパン及び載架巾を変えて種々の
大きさ、形状の搬送物を載架できる搬送装置のハ
ンガに関するものである。

第１図に示すように、相互の間隔が一定に取付
けられた従来の前後一対のハンガ１′は、その載
架スパンｌを変更できず、小型車体２ａを載架す
るものでは、大型車体２ｂはその載架スパンが長
すぎて載架することができない。このように、従
来のハンガでは、搬送物の大きさが変つて載架ス
パンが変更になつた場合には、搬送物の大きさに
応じたハンガを必要とし、設備コストは多大で、
作業性も劣つていた。

そこで、本出願人は先に、前後一対のハンガの
うち少なくとも一方のハンガの搬送物支持腕を、
垂直面内で回動且つ固定自在にして、載架スパン
を変更できるように構成した搬送装置のハンガ
（実願昭57−018099（実開昭58−123810号））を提
案したが、手で重い搬送物支持腕を持ちあげて垂
直面内を回動させるので、作業性の点で問題があ
る。

そこで、本考案は上記欠点を解消した搬送装置
のハンガを提案するものである。

即ち、本考案の搬送装置のハンガは、下端に搬
送物の固定受座部を有し相互の間隔が一定に取付
けられた前後一対のハンガにおいて、少なくとも
一方のハンガの前記固定受座を中心として水平面
内を回動でき且つ該水平面内の複数位置でロツク
可能に取付けられた搬送物支持腕の先端に搬送物
の可動受座部を取付けたものである。

以下、本考案の一実施例を図面に基いて説明す
る。

第２〜３図において、相互の間隔が一定に取付
けられた前後一対のハンガ１は、前方のハンガ１
ａが小型車体２ａの前輪部分の後部下方を支持
し、車体を支持する受座部３がその位置を前後方
向（後方のハンガ１ｂに対する遠析方向をいう。
以下同じ）に変更することができない固定式のも
のであり、後方のハンガ１ｂはその下端に設けた
固定受座部２０と該受座部２０を中心として水平
面内を回動でき且つ該水平面内の複数位置でロツ
ク可能に取付けられた搬送物支持腕の先端に設け
た可動受座部４とを有し、該可動受座部４は前後
方向にその位置を変えることができ、小型車体２
ａを支持する場合は、実線で示す如く、前方に位
置を変えて後輪部分の後部下方を支持することが
できるものである。

以下、前記後方のハンガ１ｂの構成を第４〜７
図に基づいて説明する。

第４図は第２図及び第３図の部部分を示す平
面図であり、第５図は第４図の−矢視断面
図、第６図は第５図の要部断面平面図、第７図は
第４図の搬送物支持腕の先端部分の側面図であ
る。

ハンガ１ｂ下端の水平突出板５（６は補強リ
ブ）の先端部下面にはブロツク７が固設され、中
央部にピン孔８が垂直に貫設されている。又、ブ
ロツク７の対向側面位置には、夫々ピン孔８に向
かつて水平に穿設されピン孔８に開口するボール
孔９が形成されている。該ボール孔９は、ピン孔
８に開口する先端部がすぼめられ、後半部分には
ネジ１０が形成されている。そして、該ボール孔
９の先端部にボール１１が挿入され、ボール１１
はコイルバネ１２を介して前記ネジ１０に螺着す
るボルト１３により、ピン孔８方向に付勢され、
ボール孔９の先端部に突出保持される。１４はピ
ンで、前記ピン孔８に挿入され、上端部は水平に
延びる搬送物支持腕１５（１６，１７は補強リ
ブ）の基端に固着し、下端部はピン孔８に嵌合す
るフランジ１８を形成して、ピン孔８との隙間を
小さくして、グリースの漏洩を防ぎ、塵芥等の侵
入を防止する。そして、ピン１４外周面には、前
記ボール孔９より突出するボール１１の先端が嵌
り込む凹部１９を90゜間隔で４個所に形成してい
る。そして、可動受座部４は搬送物支持腕１５の
先端に設けられ、固定受座部２０は搬送物支持腕
１５の基端、即ち、ハンガ１ｂの下端に取付けら
れ、搬送物支持腕１５は、該固定受座部２０を中
心として水平面内で回動できる。なお、可動受座
部４及び固定受座部２０はウレタンゴム等で形成
される。

したがつて、後方のハンガ１ｂの下端に基端を
枢着した搬送物支持腕１５の先端部を持つて、該
搬送物支持腕１５を水平面内でピン１４を中心と
して回動すれば、ピン凹部１９に嵌つているボー
ル１１はコイルバネ１２による付勢力に打ち勝つ
てピン孔８内に押し戻され、押し戻されたボール
１１はピン１４の回動と共にピン１４の外周に当
接しながら次のピン凹部１９に嵌り込み、搬送物
支持腕１５はその位置でロツクされる。このよう
にして、後方のハンガ１ｂの可動受座部４はその
位置を前後方向及び外側方に変えることが可能
で、したがつて載架スパン及び載架巾を変更でき
るものである。

以上のように、搬送物支持腕１５は水平回動型
であり、又回動部はバネ１２により付勢されたボ
ール１１とピン１４との接触であるので、僅かな
力で搬送物支持腕１５を回動でき、作業が非常に
楽である。

そして、小型車体を搬送する場合には、第８図
に示すように後方のハンガ１ｂの搬送物支持腕１
５は可動受座部４を前方のハンガ１ａの方に向け
てロツクし（図のＡ位置）、前方のハンガ１ａの
固定受座部３で車体の前輪部分の後部下方を支持
し、後方のハンガ１ｂの可動受座部４で車体の後
輪部分の後部下方を支持する。

中型車体を搬送する場合には、後方のハンガ１
ｂの搬送物支持腕１５の基端部に形成した固定受
座部２０で車体の後輪部分の後部下方を支持し、
前方のハンガ１ａの固定受座部３で車体の前輪部
分の後部下方を支持する。

次に大型車体を搬送する場合には、後方のハン
ガ１ｂの搬送物支持腕１５は可動受座部４を前方
のハンガ１ａと反対の方に向けてロツクし（図の
Ｃ位置）、前方のハンガ１ａの固定受座部３で車
体の前輪部分の後部下方を支持し、後方のハンガ
１ｂの可動受座部４で車体の後輪部分の後部下方
を支持する。

更に、搬送物が車以外のもので、後部が巾の狭
い形状のものでも（例えば第９図ａ，ｂ参照）、
後方のハンガ１ｂの搬送物支持腕１５を第８図の
Ｂ位置でロツクすることにより載架できる（後方
のハンガ１ｂの搬送物支持腕１５の受座部は先端
部の可動受座部４を使用する）。又搬送物が後部
の巾が狭く非対称のものも（第９図ｃ参照）、第
８図のＢ位置で、後方のハンガ１ｂの左右の搬送
物支持腕１５の受座部を夫々先端部の可動受座部
４と基端部の固定受座部２０を使用することによ
り載架できる。このように、本考案のハンガは、
前後方向のみならず、左右方向にその大きさを変
える搬送物をも自在に載架できるものである。

なお、前記実施例では、ピン１４の凹部１９を
90゜間隔で４個所に形成し、その凹部１９の２個
所にボール１１を嵌装させていたが、勿論ピンの
凹部１９の数、位置等は前記実施例のものに限ら
ず、又その凹部１９の１個所以上にボール１１を
嵌装させればよい。したがつて、ピン１４外周に
多数の凹部１９を形成し、その凹部１９の１個所
以上にボール１１を対応させておけば、搬送物支
持腕１５は前記多数の凹部位置に対応する種々の
位置をとることができ、本考案のハンガが受け得
る搬送物の形状、大きさの種類は豊富となり、非
常に便利である。

又、実施例では、水平回動自在な搬送物支持腕
１５を後方のハンガ１ｂに設けたが、前後のハン
ガ１ａ，１ｂのうち少なくとも一方のハンガに設
ければよいことは勿論である。

又、実施例では、両持式のハンガを示したが、
片持式のハンガ等にも適用できることは勿論であ
る。

本考案は以上説明したように、異なる大きさ、
形状の搬送物でも、ハンガ下端に枢支した搬送物
支持腕を水平面内で回動させるという簡単な操作
により、載架スパンを変更して載架することがで
き、従来のように搬送物の大きさ、形状に応じた
数種のハンガを必要としないので設備面のコスト
が著しく低減し、且つ作業性においても、手で重
い搬送物支持腕を持ち上げて垂直面内を回動させ
るのと異なり、搬送物支持腕は水平面内を回動さ
せるので非常に作業が楽であるという極めて優れ
た効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は車体を載架した従来のハンガを示す正
面図、第２〜８図は本考案の実施例を示し、第２
図は車体を載架した本考案に係るハンガを示す正
面図、第３図は同側面図、第４図は第２図及び第
３図の部部分を示す平面図、第５図は第４図の
−矢視断面図、第６図は第５図の要部断面平
面図、第７図は第４図の搬送物支持腕の先端部分
の側面図、第８図は本考案のハンガの作用説明
図、第９図は夫々搬送物の外形を示す平面図であ
る。 １……ハンガ、１ａ……前方のハンガ、１ｂ…
…後方のハンガ、３，２０……固定受座部、４…
…可動受座部、７……ブロツク、８……ピン孔、
９……ボール孔、１１……ポール、１２……コイ
ルバネ、１３……ボルト、１４……ピン、１５…
…搬送物支持腕、１９……凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下端に搬送物の固定受座部を有し相互の間隔が
   一定に取付けられた前後一対のハンガにおいて、
   少なくとも一方のハンガの前記固定受座部を中心
   として水平面内を回動でき且つ該水平面内の複数
   位置でロツク可能に取付けられた搬送物支持腕の
   先端に搬送物の可動受座部を設けた搬送装置のハ
   ンガ。