JP2519349Y2 - ディーゼル機関のクランク軸端シール構造 - Google Patents

ディーゼル機関のクランク軸端シール構造

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JP2519349Y2
JP2519349Y2 JP10740091U JP10740091U JP2519349Y2 JP 2519349 Y2 JP2519349 Y2 JP 2519349Y2 JP 10740091 U JP10740091 U JP 10740091U JP 10740091 U JP10740091 U JP 10740091U JP 2519349 Y2 JP2519349 Y2 JP 2519349Y2
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oil
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diameter
crankshaft
frame
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幸雄 岡野
五郎 常田
継雄 筏
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Daihatsu Diesel Manufacturing Co Ltd
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Daihatsu Diesel Manufacturing Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、ディーゼル機関のクラ
ンク軸端シール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、小形のディーゼル機関のクラン
ク軸の後端部は、連結用カップリングのフランジ部を有
さずにフレームから突出しており、オイルシールを装着
した油切カバーを上記クランク軸の後端から挿通してフ
レームの端面に固定することによって、フレーム内のク
ランク室からクランク軸を伝わって外部へ漏れる潤滑油
をオイルシールで封止している。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】ところが、中形,大形
のディーゼル機関においては、クランク軸の後端にフラ
イホイール連結用の大径のフランジ部があるため、小径
のオイルシールを軸端から挿通することができず、オイ
ルシール以外の封止手段によらなければ潤滑油の漏れ出
しを防げないという問題がある。また、オイルシール
は、構造が比較的に簡単で安価である反面、回転するク
ランク軸の外周に接触して潤滑油を封止するものである
ため、接触部たるリップ部などの摩耗が激しく、特に出
力の大きい中,大形ディーゼル機関では、耐用期間が短
縮するという問題がある。
【0004】そこで、本発明の目的は、上記フランジ部
を有するクランク軸端を非接触で封止する構造を工夫す
ることによって、大出力のディーゼル機関においても潤
滑油の外部への漏れ出しを長期間に亘って防止すること
ができるディーゼル機関のクランク軸端シール構造を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本考案のディーゼル機関のクランク軸端シール構造
は、第1,第2の径方向段部を介して軸端方向に順次連
なる大径部,中径部,小径部からなり、フレームから突出
するクランク軸の端部の外周を、フレーム端面に取り付
けた油切カバーで覆ってシールするものにおいて、上記
第1の径方向段部に、上記中径部の外径と同じ内径をも
ち、上記大径部の外径より小さい外径をもつように軸方
向に形成された環状溝と、上記油切カバーに突設され、
先端が上記環状溝に嵌合し、後端が上記小径部に外嵌す
る筒状部と、この筒状部の上記中径部に対向する内周面
に環状に形成されたラビリンス溝と、このラビリンス溝
に軸方向に連なりかつ上記第2の径方向段部に対向する
ように、上記筒状部の内周に環状に形成された油溜溝
と、上記油切カバー内に径方向に設けられ、一端が上記
油溜溝に開口し、他端がこの開口より径方向外側におい
て上記フレーム内に開口するU字状の連通油路を備えた
ことを特徴とする。
【0006】
【作用】フレーム内の潤滑油は、回転しているクランク
軸の表面を軸端方向に伝わって漏れ出そうとする。漏れ
出そうとする潤滑油は、クランク軸の大径部から第1の
径方向段部を経て中径部に向かうが、第1の径方向段部
には、軸端方向と逆方向に向けて環状溝が形成され、こ
の環状溝の開口に、油切カバーの筒状部の先端が僅な隙
間でもって嵌合している。そのため、潤滑油は、上記隙
間により大部分が、筒状部の先端より径の小さな筒状部
の外周を伝わってフレーム内に戻り、一部のみが環状溝
に侵入する。環状溝に侵入した潤滑油は、ミスト状にな
って中径部を伝わるが、対向する油切カバーのラビリン
ス溝の作用により次々に減圧され、通過を殆んど阻止さ
れる。さらに、ラビリンス溝を通過した微量のミスト
は、クランク軸の第2の径方向段部に達して、対向する
油切カバーの油溜溝に液となって捕集され、この油溜溝
に一端が開口したU字状の連通油路を満たす。ここで、
連通油路は、他端が上記一端より径方向外側においてフ
レーム内に開口しているので、捕集された潤滑油がフレ
ーム内に戻されるとともに、上記油溜溝内が、油柱差だ
けフレーム内より低い略大気圧に等しい圧力に維持され
て、油柱により潤滑油の逆流に伴う噴き出しが防止され
る。こうして、最終的にフレーム外へ漏れ出す潤滑油の
量は、大幅に減少する。
【0007】
【実施例】以下、本考案を図示の実施例により詳細に説
明する。図1は、本考案のクランク軸端シール構造を採
用したディーゼル機関の側面図であり、この図において
本考案と直接関係のない部分は、詳細を省略し外形のみ
を示している。このディーゼル機関は、中速で中大形の
列形6気筒で、主として、船舶や陸上の発電機を駆動す
るために用いられる例を示している。上記ディーゼル機
関のフレーム1の後端面1aからは、先端に連結用のフ
ランジ3を有するクランク軸2の端部が突出しており、
このクランク軸2の外周を、フレームの後端面1aおよ
びオイルパン4の上面に固定された油切カバー5で覆っ
てシールしている。
【0008】上記クランク軸2の端部は、図2に示すよ
うに、軸受メタル6を介してフレーム1で支承される支
承部7に連なり、フレームの後端面1aの外側近傍に位
置する大径部8と、この大径部8に第1径方向段部9,
第2径方向段部11を介して軸端方向に順次連なる中径
部10および小径部12からなり、小径部12の先端が
上記フランジ3となっている。上記第1径方向段部9に
は、中径部10の外径と同じ内径をもち、大径部8の外
径より小さい外径をもつ環状溝13を軸方向に形成して
いる。一方、上記油切カバー5は、図2の紙面により両
側(紙面に垂直な方向)に2分割でき、小径部12の基端
部までを覆ってクランク軸2に外嵌する。油切カバー5
の小径部12を取り囲む部分には、先端14aがクラン
ク軸2の上記環状溝13の開口に僅な隙間をあけて嵌合
し、後端14bが上記小径部12に外嵌する筒状部14
を軸方向内方へ突設しており、この筒状部14の内周面
に、上記中径部10に対向させて3本の環状のラビリン
ス溝15を、その軸端方向に連なりかつ上記第2径方向
段部11に対向させて環状の油溜溝16を夫々設けてい
る。
【0009】また、油切カバー5内に、一端17aが上
記油溜溝16の最低部に開口し、他端17bが上記一端
17aより径方向外側においてフレーム1内のクランク
室18に開口するU字状の連通油路17を設けている。
このU字状の連通油路17は、ドリル加工の関係上、油
切カバー5の表面から直線状に図2の如くあけられ、加
工の際の開口部をプラグ18,19,20で封鎖してい
る。なお、油切カバー5の上部内周には、上記筒状部の
先端14aとの間でクランク軸の大径部8の先端を挾む
ように、油切フランジ21を径方向に突設している。
【0010】上記ディーゼル機関におけるクランク軸端
シール構造は、次のように作用する。ディーゼル機関が
運転されると、オイルパン4(図1参照)から給油系を経
てピストンやクランクピンに供給された潤滑油の一部
が、回転するクランク軸2の表面を軸端方向に伝わっ
て、クランク室18からフレーム1外へ漏れ出そうとす
る。漏れ出そうとする潤滑油は、クランク軸2の大径部
8から第1径方向段部9に向かうが、大径部8の先端に
外嵌する油切カバー5の油切フランジ21でせき止めら
れ、一部が径方向外方へクランク室18内に飛ばされて
減少する。第1径方向段部9には、軸方向内方に向けて
環状溝13が設けられ、その開口に油切カバー5の筒状
部の先端14aが僅な隙間でもって嵌合している。その
ため、油切フランジ21を通過した潤滑油も、上記隙間
により大部分が筒状部14の先端よりも径の小さな筒状
部14の外周を伝わってクランク室18内に戻り、一部
のみが環状溝13に侵入する。
【0011】環状溝13に侵入した潤滑油は、ミスト状
になって中径部10を伝わるが、対向する油切カバー5
のラビリンス溝15の作用により次々に減圧され、通過
を殆んど阻止される。さらに、ラビリンス溝15を通過
した微量のミストは、クランク軸の第2径方向段部11
に達して、対向する油切カバー5の油溜溝16に液とな
って捕集され、この油溜溝16に一端17aが開口した
U字状の連通油路17を満たす。ここで、連通油路17
は、他端17bが上記一端17aより鉛直下方側において
クランク室18内に開口しているので、油溜溝16の内
圧は、クランク室18の内圧に比して油柱差ΔHだけ低
い略大気圧に等しい圧力に維持される。そして、ディー
ゼル機関の運転条件や大気圧の変動で、フレーム内外の
圧力差が増えれば、より多くの潤滑油が溜まってΔHが
増え、圧力差が減れば、その分潤滑油がクランク室18
に戻されてΔHが減る。こうして、最終的にフレーム1
外へ漏れ出す潤滑油の量は、大幅に減少する。
【0012】このように、クランク軸2の突出端部に大
径のフランジ3があるため、オイルシールの使用の難し
いディーゼル機関においても、上述の非接触形のクラン
ク軸端シール構造で潤滑油を確実に封止でき、オイルシ
ールの場合のような摩耗の問題もないので、シール構造
の耐用寿命が大幅に延びるのは勿論である。上記実施例
では、油切カバー5の上部内周に、クランク軸の大径部
8の先端に外嵌する油切フランジ21を設けているの
で、漏れ出そうとする潤滑油を、せき止めて飛散させ、
クランク室18へ戻すことができ、封止効果を一層高め
ることができるという利点がある。なお、上記実施例で
は、列形で中速,中大形のディーゼル機関について説明
したが、本考案のクランク軸端のシール構造が他の種類
のディーゼル機関に適用できるのはいうまでもない。
【0013】
【考案の効果】以上の説明で明らかなように、本考案の
ディーゼル機関の軸端シール構造は、第1,第2の径方
向段部を介して軸端方向に順次連なる大径部,中径部,小
径部からなるクランク軸端の外周を、フレーム端面に取
付けた油切カバーでシールするものにおいて、第1の径
方向段部に、中径部の外径と同じ内径および大径部の外
径以下の外径をもつ環状溝を軸方向に形成する一方、油
切カバーに、先端が上記環状溝に嵌合し、後端が小径部
に外嵌する筒状部を突設し、この筒状部の内周面に中径
部に対向させて環状のラビリンス溝を、続いて第2の径
方向段部に対向させて環状の油溜溝を夫々形成するとと
もに、油切カバー内に、一端が上記油溜溝に開口し、他
端がこの開口より径方向外側において上記フレーム内に
開口するU字状の連通油路を設けているので、クランク
軸を伝わる潤滑油の外部への漏れ出しを、非接触の封止
構造で効果的かつ長期に亘って防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案のクランク軸端シール構造を採用した
ディーゼル機関の側面図である。
【図2】 図1のII部の拡大断面図である。
【符号の説明】
1…フレーム、2…クランク軸、3…フランジ、4…オ
イルパン、5…油切カバー、7…支承部、8…大径部、
9…第1径方向段部、10…中径部、11…第2径方向
段部、12…小径部、13…環状溝、14…筒状部、1
4a…先端、14b…後端、15…ラビリンス溝、16…
油溜溝、17…U字状の連通油路、17a…一端、17b
…他端、18…クランク室。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平2−35948(JP,U) 実開 平1−102412(JP,U)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1,第2の径方向段部を介して軸端方
    向に順次連なる大径部,中径部,小径部からなり、フレー
    ムから突出するクランク軸の端部の外周を、フレーム端
    面に取り付けた油切カバーで覆ってシールするディーゼ
    ル機関のクランク軸端シール構造において、 上記第1の径方向段部に、上記中径部の外径と同じ内径
    をもち、上記大径部の外径より小さい外径をもつように
    軸方向に形成された環状溝と、 上記油切カバーに突設され、先端が上記環状溝に嵌合
    し、後端が上記小径部に外嵌する筒状部と、 この筒状部の上記中径部に対向する内周面に環状に形成
    されたラビリンス溝と、 このラビリンス溝に軸方向に連なりかつ上記第2の径方
    向段部に対向するように、上記筒状部の内周に環状に形
    成された油溜溝と、 上記油切カバー内に径方向に設けられ、一端が上記油溜
    溝に開口し、他端がこの開口より径方向外側において上
    記フレーム内に開口するU字状の連通油路を備えたこと
    を特徴とするディーゼル機関のクランク軸端シール構
    造。
JP10740091U 1991-12-26 1991-12-26 ディーゼル機関のクランク軸端シール構造 Expired - Lifetime JP2519349Y2 (ja)

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