JP2518851B2 - 弱酸性カチオン交換繊維の製造方法 - Google Patents

弱酸性カチオン交換繊維の製造方法

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JP2518851B2 JP62144025A JP14402587A JP2518851B2 JP 2518851 B2 JP2518851 B2 JP 2518851B2 JP 62144025 A JP62144025 A JP 62144025A JP 14402587 A JP14402587 A JP 14402587A JP 2518851 B2 JP2518851 B2 JP 2518851B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、弱酸性カチオン交換繊維の新しい製造方法
に関する。
〔従来の技術〕
弱酸性カチオン交換繊維は、多くのカルボキシル基を
持ち、しっかりした架橋結合をも備えている必要があ
り、かかる条件を満足する繊維は直接紡糸出来ないの
で、これまで工業化学雑誌、1304(1965)や繊維学会
誌,T−364(1980)に見られるように、アクリル繊維を
原料としそのニトリル基の加水分解反応によりカルボキ
シル基を導入し、その反応の前、或は反応と同時に架橋
結合を形成させる等の方法が採られている。
しかしこれらの方法により得られた弱酸性カチオン交
換繊維は、残存するニトリル基がアルカリにより加水分
解される性格を有し、架橋結合が化学的、物理的に限界
があるため、イオン交換体として使用中に膨潤性が増し
強度が低下するなどの問題が見られた。
本発明者らは、かかる現状に鑑み、これらの問題のな
い製造方法を目標として、特に、耐酸、耐アルカリ性に
優れたポリカルボン酸及びポリビニルアルコールを紡糸
原料とする方向から鋭意研究を進めた結果、これまでに
ない、優れた性能を有するインターポリマータイプの弱
酸性カチオン交換繊維の製造に成功し本発明に到達し
た。
〔発明が解決すべき問題点〕
本発明の目的は、多くのカルボキシル基としっかりし
た架橋結合を有し、交換容量が高く、耐薬品性にすぐ
れ、繊維物性の良好な弱カチオン交換繊維を、紡糸方式
によってつくるための新規な製造方法を提供することに
ある。
〔問題点を解決するための手段および作用〕
すなわち本発明の弱酸性カチオン交換繊維の製造方法
は、少なくとも7meq./gのカルボキシル基を有し平均分
子量が10,000〜3,000,000であるポリカルボン酸または
その部分中和塩(A)および平均重合度が500〜5,000の
ポリビニルアルコール(B)とを原料として、A/B(重
量比)が0.2から5.0で混合紡糸し、得られた繊維を塩酸
ガスの存在下でポリビニルアルコールの脱水反応を行う
ことを特徴とする。
以下、本発明の実施に当たっての諸条件について具体
的に説明する。
まず、本発明法において原料として用いることのでき
るポリビニルアルコールとしては、乾式紡糸法に適した
濃度−粘度関係を満足するために平均重合度が500から
5,000にあり、鹸化度については脱水反応を円滑に進め
る上で99モル%以上が必要である。
もう一方の原料であるポリカルボン酸としては、アク
リル酸、クロトン酸、フマール酸、無水マレイン酸など
カルボキシル基を有するモノビニルモノマー、これらの
金属のアルカリ金属塩または1価アミン塩から選ばれた
モノマーの単独重合物、或はこれらのモノマーとアクリ
ルニトリル、スチレン、アクリルアマイド、メタクリル
アマイド等との共重合物;またアクリルアマイド、メタ
クリルアマイド、アクリルニトリル、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステルのうち少なくとも一種のモノ
マーを主成分として得られた重合物を加水分解して得ら
れるポリカルボン酸がある。
さらにポリエチレンイミン、ポリアリルアミンのよう
なポリアミンに対し、モノハロ酢酸を作用させ、カルボ
キシル基を導入して得られるポリカルボン酸もまた用い
ることができ、これらを原料とする場合、単にカチオン
交換性のみならずキレート機構による選択イオン吸着性
を期待することが出来る。
これらのポリカルボン酸のカルボキシル基が少ないと
低いイオン交換容量しか得られず、最低7meq./gは必要
である。
また平均分子量が低いとイオン交換繊維となってから
の溶出傾向がみられ、逆に平均分子量が高くなり過ぎる
と紡糸原液を加温しても、粘度が高くて紡糸できず、原
液濃度を下げると粘度は低下するが乾燥が追随できなく
なるため、平均分子量としては10,000から3,000,000の
範囲が必要である。
これらのポリカルボン酸は、未中和でもよく、あるい
はリチウム、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属イ
オンまたはアンモニア、モノエタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン等の一価アミンの
中より選ばれた少なくとも一種によりカルボキシル基の
75%以下が中和された部分中和塩であってもよい。
カルボキシル基の75%以上が中和されていると、強い
塩析効果が働きポリビニルアルコールを凝固させる現象
が出るため好ましくない。
これらの条件を満たすポリカルボン酸の特に好ましい
例として、アクリル酸および/またはメタクリル酸を75
モル%以上構成単位として含む重合度2,000から10,000
のポリカルボン酸、またはこのカルボン酸でそのカルボ
キシル基の50モル%以下が上記のアルカリ金属イオンま
たは1価アミンにより中和された部分中和物がある。
以上の条件を満たすポリカルボン酸またはその部分中
和度物とポリビニルアルコールとを原料として、繊維を
製造する。
ここでポリカルボン酸または中和度が低いポリカルボ
ン酸とポリビニルアルコールとの混合水溶液では、両者
の間にエステル結合が生じゲル化する傾向があり、この
傾向はポリカルボン酸の中和度が低い(pHが低い)はど
また温度が高いほど顕著である。
そこでポリカルボン酸の中和度が比較的高く、こうし
た紡糸原液のゲル化が問題にならない場合には、繊維学
会誌,330(1961)および繊維学界誌,325(1961)等に提
案されているような均一混合液を用いる紡糸法が採用で
きる。
しかし、ポリカルボン酸の中和度が比較的低く、混合
紡糸原液のゲル化が障害になるような場合には、二種類
の重合体を別々に溶解し、混合後、徐々に起こるエステ
ル化反応を避けるためできるだけ速やかに繊維化してし
まう必要がある。
さらに、エステル化が速い場合で、両者の混合が完全
に行われると乾燥−延伸−熱処理の行程中でエステル結
合の形成のため、繊維の延伸が出来ないことが起きるこ
とがある。この場合には、ノズル部直前の配管に配置し
たスタチックミキサー、或はスタチックミキサーをノズ
ルブロック内に組み込んだノズルを用い、両者をある程
度不完全な混合状態とすることが有効な解決策となる。
次に原料となる2種類の重合体の混合比についてであ
るが、一般的にポリビニルアルコールが多いとイオン交
換容量は抑えられ、繊維物性の良好な繊維が得られ、ポ
リカルボン酸が多い場合にはその逆となるため、ポリカ
ルボン酸に対するポリビニルアルコールの混合比(重量
比)は、0.2ないし5とする必要がある。
この様な条件で混合された二種類の原液は、乾式紡糸
法の場合、熱風中に吐出され延伸−熱処理されることに
よりポリビニルアルコールとポリカルボン酸の混合繊維
が得られる。延伸は延伸温度140ないし240℃で延伸倍率
2から6倍、熱処理は温度150から250℃で数秒から数十
秒の時間をかけて目的を達することが出来る。
かくして得られた繊維は、最後にポリビニルアルコー
ル成分の脱水反応を行なう。
この脱水反応とはビニルアルコール1単位から1分子
の水を奪いポリビニルアルコールをポリエン構造物とす
るもので、反応は脱水触媒として塩酸ガスの存在下100
から250℃の温度範囲で行なうことが出来る。脱水反応
の進行度は、ポリビニルアルコール成分の重量に対する
重量減少率で把握でき、塩酸ガス濃度が高いほど、反応
温度が高いほど、脱水効果が上がる。この際、副反応と
しての酸化反応を避けるために酸素フリーの雰囲気でこ
の脱水反応を行うのは好ましいことである。
なお、脱水反応が完全に進行した場合の重量減少は、
ポリビニルアルコール重量に対し理論値で40重量%強と
なるが、本発明目的に対しては10〜35%の範囲で好まし
い結果が得られる。
この工程により、ポリビニルアルコール成分はポリエ
ン構造となり、色は真っ黒となり、いかなる溶剤にも不
溶性となり、同時にポリカルボン酸の溶出が実質的に無
くなって、イオン交換体としての使用が可能になる。
ここで、2種の原料の混合状態が極めてよい場合に
は、エステル結合の生成に消費されたカルボキシル基の
減少が観察されるが、苛性ソーダなどの強アルカリ水溶
液で処理することにより、回復出来る。
以下、実施例により本発明の説明を続ける。なお、例
中、部は重量部を意味する。
実施例1 平均重合度約1,200、鹸化度99.9モル%のポリビニル
アルコール50部を水で溶解し、濃度34.1%の紡糸原液A
を得た。
また、平均重合度約5,000のポリアクリル酸25重量%
水溶液(東亜合成化学工業KK製品、商品名アロンA−10
H)を濃縮して濃度36.6重量%の紡糸原液Bを得た。
これらの紡糸原液を、別々の保温用ジャケットのつい
たタンクに入れ100℃で保温し、これをタンク底部のパ
イプを通じ取り出しギヤーポンプにより、A/B(固形分
重量比)が1/1の供給比で配管途中に配置された15エレ
メントのスタチックミキサーを通じノズルブロックに送
り込み、孔径100μ、100ホールのノズルより150℃の熱
風中に吐出した。
これを、約4メートルの乾燥ゾーンを通る間に1.1倍
のドラフトをかけ、180℃で1.4倍の延伸をかけ、最後に
230℃で8秒乾熱処理した。
かくして450デニール/100フィラメントで強力2.4g/
d、伸度13.5%のフィラメント糸を得た。
この繊維を約500,000デニールの繊維束とし直径5cmの
ガラス管内に長さ方向に平行に挿入し、ガラス管の両端
にシリコーンゴム栓を介してガス通気用のテフロン製キ
ャピラリーを付け片側より窒素ガスと1.2vol%の乾燥塩
酸ガスを送り込みつつ、ガラス管をグリセリンを熱媒と
する加温浴に入れ、40℃から140℃まで30分かけ昇温し
たのち140℃で180分間保持した。
この処理により、繊維はポリビニルアルコール成分が
脱水され黒色となり12.6重量%の重量減少と22%の収縮
が観察され、ポリアクリル酸成分の溶出は全く無くな
り、交換溶量(カルボキシル基含有量)は5.1meq/gを示
した。
これをさらに2N−NaOH水溶液中で100℃120分間処理す
ることにより、交換容量は7.3meq/gとなり、これ以上の
増加はほとんど見られ無くなる。
かくして得られた繊維は0.01N−NaOHで含水率113重量
%であり、卓越した耐薬品性と繊維物性を備えカチオン
交換体として使用できる。
実施例2 含有するカルボキシル基の35mole%を苛性ソーダを加
え中和した平均重合度5,000のポリアクリル酸と平均重
合度2,4000、鹸化度99.8mole%のポリビニルアルコール
とを重量比3対2で混合し、濃度29.2重量%の水溶液と
した。
これを孔径120μ、20ホールのノズルを用い乾式紡糸
法により105デニール/20フィラメントの繊維を得た。
この繊維を筒状の編地としガラス製容器に入れ窒素置
換したのち塩酸ガスを送り込みつつ210℃で1時間処理
して繊維のポリビニルアルコール成分に対し31.4重量%
減少を伴った黒色の繊維を得た。
このものは2.3meq/gの交換容量を示したが、さらに2
規定の苛性ソーダ水溶液中95℃で60分間処理することに
より、8.3meq/gの交換容量と0.01N−NaOH中で85重量%
の含水率を有する。繊維(布)状弱酸性カチオン交換体
を得た。
〔発明の効果〕
本発明の弱酸性カチオン交換繊維の製造方法は、特定
のポリカルボン酸またはその部分中和塩と特定のポリビ
ニルアルコールとを混合紡糸し、得られた繊維に対し特
定の条件下でポリビニルアルコールの脱水反応を行なう
新規な製造方法であり、そのためこの製造方法によれ
ば、多くのカルボキシル基としっかりした架橋結合を有
し、交換容量が高く、耐薬品性にすぐれ、繊維物性の良
好な弱酸性カチオン交換繊維を得ることができるので、
工業的にも著しく有用である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも7meq./gのカルボキシル基を有
    し平均分子量が10,000〜3,000,000であるポリカルボン
    酸またはその部分中和塩(A)および平均重合度が500
    〜5,000のポリビニルアルコール(B)とを原料とし
    て、A/B(重量比)が0.2から5.0で混合紡糸し、得られ
    た繊維を塩酸ガスの存在下でポリビニルアルコールの脱
    水反応を行うことを特徴とする弱酸性カチオン交換繊維
    の製造方法
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