JP2518682Y2 - 排水ます用高さ調整蓋 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、排水管路に使用する
汚水ます、雨水ます、掃除口等（以下排水ますという）
に用いる排水ます用高さ調整蓋に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】上記の排水ますは、地中に埋設した排水
管の接続部分、排水管路の屈曲部分、或は敷地境界部の
排水管路部分等に設置するものであり、図３は従来の排
水ますの断面図である。

【０００３】排水ます１は、配水管路に接続する排水ま
す本体２と、排水ます本体２から地表に向けて接続され
た立ち上がり管３、そして立ち上がり管３の上端開口に
被せた蓋４とからなっている。

【０００４】しかし、蓋４の上面は地表面５にほぼ一致
していることが望ましく、そのため塩化ビニール製等の
立ち上がり管３を現場で必要な長さに切断し、立ち上が
り管３の上部に蓋受け部材６を接着し、蓋受け部材６を
介して立ち上がり管３に蓋４を被せることが広く行なわ
れている。

【０００５】しかし、現場で立ち上がり管３を必要な長
さに切断することは面倒であり、また折角所定寸法に切
断しても排水ます本体２の埋め込み深さ、或は地表の整
地処理の結果等により、立ち上がり管３の長さが不適当
となることがある。そのために、蓋受け部材６の部分で
蓋の高さを調整できる排水ますが要望されている。

【０００６】図４は、上記要望に対応する排水ます用高
さ調整蓋の一例を示す側面図である。排水ます用高さ調
整蓋７は立ち上がり管３に挿入し摺動可能な挿入脚部８
と、挿入脚部８の上部に広がる傘部９と、傘部９の上部
に続く蓋受け部１０および蓋４とからなっている。挿入
脚部８の下部には浸水防止用のゴムリング１１が装着し
てある。

【０００７】そして、概略の必要長さに切断した立上が
り管３に挿入脚部８を必要なだけ挿入して周囲を埋めも
どし整地することにより、地表面５に蓋３が合致するよ
うに排水ますを構成・設置することが容易にできる効果
を有している。なお、傘部９の広がりにより排水ます用
高さ調整蓋７の埋設状態の保持が計られている。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
排水ます用高さ調整蓋７は、低いコストで容易に蓋４の
高さを調整できる構成ではあるが、軟弱な土地に使用し
たときは、傘部９の広がりだけでは蓋４にかかる荷重等
を支え切れず、挿入脚部８が立上がり管３に進入して排
水ます用高さ調整蓋７が沈下する。即ち蓋４が沈下する
ことを防止できないといった問題があった。

【０００９】この考案は、上記従来技術の問題点を解消
するために成されたもので、蓋の高さを容易に地表面に
合致させることができ、また蓋が沈下することのない排
水ます用高さ調整蓋を提供することを目的とするもので
ある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】このため、この考案に係
る排水ます用高さ調整蓋は、外面に複数の突起を有し、
かつ排水ます本体から地表に向かう立ち上がり管に接続
する下部枠と、該下部枠に摺動装着可能な上部枠と、前
記下部枠に設けた突起に係合させて下部枠に装着し、か
つ前記上部枠に当接して上部枠の摺動落下を規制する複
数の位置決めバーを有することを特徴とする構成によっ
て、前記の目的を達成しようとするものである。

【００１１】また、外面に複数の突起輪を有し、かつ排
水ます本体から地表に向かう立ち上がり管に接続する下
部枠と、該下部枠に摺動装着可能な上部枠と、前記下部
枠に設けた突起輪に係合させて下部枠に装着し、かつ前
記上部枠に当接して上部枠の摺動落下を規制する切断部
分を有する位置決めリングを有することを特徴とする構
成によって、前記の目的を達成しようとするものであ
る。

【００１２】

【作用】以上の構成により、排水ます本体から地表に向
かう立ち上がり管に接続した下部枠には、上部枠を摺動
可能に装着することができ、複数の位置決めバーは下部
枠の外面に設けた複数の突起に係合させることにより下
部枠に装着出来る。そして、上部枠と位置決めバーを当
接させることにより上部枠の摺動落下を規制することが
できるので、位置決めバーの下部枠への係合突起の選
択、または位置決めバーを適宜に切断して使用すること
により、下部枠に対する上部枠の高さ、即ち、蓋の高さ
を調整、決定し、その位置を保持することができる。

【００１３】また、下部枠の突起輪に位置決めリングを
装着する構成では、複数の突起輪より適当な突起輪を選
択して位置決めリングを装着することにより、下部枠に
対する上部枠の高さ、即ち、蓋の高さを調整、決定し、
その位置を保持することができる。

【００１４】

【実施例】以下、この考案に係る排水ます用高さ調整蓋
を実施例により説明する。図１は、この考案の第１実施
例の断面図である。

【００１５】この考案に係る排水ます用高さ調整蓋７
は、排水ます本体から地表に向かう塩化ビニール等の合
成樹脂または金属材料により形成された立ち上がり管
（不図示）に接続する下部枠１２と、下部枠１２に挿入
して摺動可能な上部枠１３と、蓋４と、下部枠１２に対
する上部枠１３の高さ位置を決定し保持する複数の位置
決めバー１４とからなっている。

【００１６】本実施例を家庭用等の中・小形の排水ます
に使用するときには、上記各部材は塩化ビニール等の合
成樹脂によって形成することが好都合であるが、金属材
料によって形成することもできる。

【００１７】下部枠１２の外周面には円周方向等間隔
に、そして上下方向に等ピッチで複数の突起１５が設け
てある。また蓋４の下部外周には上部枠１３との接触部
そして下部枠１２には上部枠１３との接触部に各々浸水
防止用のパッキン１６が挿入してある。

【００１８】位置決めバー１４には下部枠１２の突起１
５に係合できる窪み１７が縦方向に等ピッチで複数設け
てある。

【００１９】なお、下部枠１２の突起１５の断面形状は
角形に限らず円形であってもよく、位置決めバー１４の
係合用の窪み１７は下部枠１２の突起１５の断面形状に
合わせた凹形状であっても、表裏に通ずる溝であっても
よい。

【００２０】次に、上記各部材による組立・施工方法に
ついて説明する。概略の計画寸法に切断した立ち上がり
管３に下部枠１２を接着し、上部枠１３を下部枠１２に
挿入する。そして、上部枠１３の上端、即ち蓋４の表面
が地表面と一致する位置まで上部枠１３を下部枠１２に
押し込み、下部枠１２の外面の複数の突起１５に位置決
めバー１４の窪み１７を係合させ、上部枠１３の下端１
８に位置決めバー１４の上端１９が当接するように位置
決めバー１４の上部を切断して、複数の位置決めバー１
４を下部枠１２に取り付けし、位置決めバー１４の上端
１９と上部枠１３の下端１８を当接させて上部枠１３と
下部枠１２を連結する。

【００２１】上記した複数の位置決めバー１４の取付け
に当り、位置決めバー１４と下部枠１２の複数の突起１
５を選択しての係合、或は位置決めバー１４の切断位置
の選択により、下部枠１２に対する上部枠１３の高さ位
置を決定・保持することができ、蓋４にかかる荷重は、
複数の位置決めバー１４によって下部枠１２そして立ち
上がり管、排水ます本体へと伝わり、蓋４の沈下を防止
することができる。

【００２２】なお、上記実施例において、下部枠１２お
よび上部枠１３の断面形状は、円形に限らず角形とする
こともできる。また下部枠１２の突起は、外面全周に亙
る突起を上下に等ピッチで複数設けてもよい。

【００２３】次に、第２実施例について説明する。図２
は、この考案の第２実施例の位置決めリングの断面図で
ある。なお、第２実施例の下部枠、上部枠、蓋の断面形
状は、前記第１実施例の断面図に示す断面形状と同様に
つき、図１を参照して説明する。

【００２４】下部枠１２に設けた複数の突起１５は外周
方向に走る突起輪条となっており、位置決めリング２０
の内面には、下部枠１２の突起１５に係合できる窪み２
１が設けてあり、また位置決めリング２０を切断した切
断部分２２が一ヵ所あり、位置決めリング２０を下部枠
１２に装着するさい位置決めリング２０の直径を拡大し
て容易に下部枠１２に装着できる構造となっている。

【００２５】施工するさいは、概略の計画寸法に切断し
た立ち上がり管３に下部枠１２を接着し、位置決めリン
グ２０を下部枠１２に仮に装着する。そして上部枠１３
を下部枠１２に挿入し、下部枠１２の複数の突起１５を
選択して位置決めリング２０を係合させ、位置決めリン
グ２０に上部枠１３の下端１８を当接させることによ
り、下部枠１２に対する上部枠１３の高さ位置を決定・
保持させることができ、蓋４にかかる荷重は、位置決め
リング２０によって下部枠１２そして立ち上がり管、排
水ます本体へと伝わり、蓋４の沈下を防止することがで
きる効果を有している。

【００２６】

【考案の効果】以上説明したように、排水ます本体から
地表に向かう立ち上がり管に接続した下部枠には、上部
枠を摺動可能に装着することができる。そして、複数の
位置決めバーを下部枠の外面に設けた複数の突起を選択
して係合させ、或は位置決めバーを適切な長さに切断し
て下部枠に取付けし、位置決めバーと上部枠とを当接さ
せることにより、下部枠に対する上部枠の高さ、即ち、
蓋の高さを調整、決定し、その位置を保持することがで
きる。

【００２７】また、位置決めリングを使用する構成で
は、下部枠の外面に設けた複数の突起を選択して位置決
めリングを係合させ、位置決めリングと上部枠とを当接
させることにより、下部枠に対する上部枠の高さ、即
ち、蓋の高さを調整、決定し、その位置を保持すること
ができる。

【００２８】即ち、この考案は、蓋の高さを容易に地表
面に合致させることができ、また蓋が沈下することのな
い排水ます用高さ調整蓋を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 第１実施例の断面図である。

【図２】 第２実施例の位置決めリングの断面図であ
る。

【図３】 従来の排水ますの断面図である。

【図４】 従来の排水ます用高さ調整蓋の断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 排水ます ２ 排水ます本体 ３ 立ち上がり管 ４ 蓋 ５ 地表面管 ６ 蓋受け部材 ７ 排水ます用高さ調整蓋 １２ 下部枠 １３ 上部枠 １４ 高さ調整用バー １５ 突起 １６ パッキン １７，２１ 窪み ２０ 位置決めリング ２２ 切断部分

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 外面に複数の突起を有し、かつ排水ます
   本体から地表に向かう立ち上がり管に接続する下部枠
   と、該下部枠に摺動装着可能な上部枠と、前記下部枠に
   設けた突起に係合させて下部枠に装着し、かつ前記上部
   枠に当接して上部枠の摺動落下を規制する複数の位置決
   めバーを有することを特徴とする排水ます用高さ調整
   蓋。
2. 【請求項２】 外面に複数の突起輪を有し、かつ排水ま
   す本体から地表に向かう立ち上がり管に接続する下部枠
   と、該下部枠に摺動装着可能な上部枠と、前記下部枠に
   設けた突起輪に係合させて下部枠に装着し、かつ前記上
   部枠に当接して上部枠の摺動落下を規制する切断部分を
   有する位置決めリングを有することを特徴とする排水ま
   す用高さ調整蓋。