JP2517991Y2 - 把手付き壜 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本案は比較的大形の把手付き壜に係る。

「従来の技術」 合成樹脂製容器においては、吸込み成形により把手を
容器体と一体に成形したものが知られており、又樽形の
ビール容器にあっては壜下端部と上端部とに有底の脚筒
部と上筒部とを嵌着させ、それ等脚筒部と上筒部の各周
壁に把手両端を嵌着したものが知られている。

「考案が解決しようとする課題」 従来における壜等の把手形成は容易ではなく、例えば
合成樹脂材により吹込み成形して容器等と把手とを一体
成形するにはその吹込み成形用金型構造が複雑となり、
又脚筒部、上筒部等を成形してこれを壜底部と上部とに
嵌着してこれ等間に把手を架設する場合はコスト高とな
ることを避けられない。又それ等の把手形成は硝子製壜
に応用することが困難であった。

本案は壜の材質とは関係なく、極めて容易に壜に対し
て把手を付設できるよう設けたものである。

「課題を解決するための手段」 胴部上端から上方小径のテーパ状口頚部２を起立し
て、該口頚部の上部に外向きフランジ３を、かつ該フラ
ンジ下方の口頚部部分外面に縦断面三角形状の隆起部４
を、それぞれ付設した壜体１と、上記外向きフランジ３
下方の口頚部部分外面に、上記隆起部４を嵌合させた透
孔12付きの筒部８を、該筒部上端面を外向きフランジ３
下面に当てて、かつ筒部内面を口頚部外面に接して嵌合
させると共に、該筒部８の一部外面に把手９を付設した
装着部材７とからなり、上記透孔12下面を隆起部４底面
が形成する下向き段部５へ、かつ透孔側面を隆起部４側
面が形成する横向き段部6,6へ、それぞれ係合させると
共に、筒部８の上部には、該筒部上端面から複数の割溝
10…を縦設して、各割溝間に形成された各突片11…に、
上記外向きフランジ３を上方から下方へ乗越え可能な弾
性を持たせた。

「作用」 第２図が示すように壜体１の口頚部２上方へ装着部材
７を、隆起部７上方に透孔12が来るように位置させ、そ
のまま押下げると隆起部が透孔に嵌合すると共に筒部上
部を形成する各突片11…が弾性変形により外向きフラン
ジ３を乗越え、該乗越えにより各突片11…上端面が外向
きフランジ下面に係合して把手付き壜が形成される。

「実施例」 １は胴部上端から上方小径のテーパ状口頚部２を起立
する壜体で、その口頚部の上部には外向きフランジ３が
付設してある。その外向きフランジ下方の口頚部部分に
は隆起部４を付設している。該隆起部は第１図実施例の
ように一箇所でもよく、第２実施例のように左右二箇所
設けてもよい。その形状は縦断面三角形状とし、その底
辺で下向き段部５を、かつその左右側面で三角形状の横
向き段部6,6を形成している。該壜体は合成樹脂製でも
よく、又硝子製でもよい。

装着部材７は、上記外向きフランジ３下方の口頚部部
分外面へ内面を接して嵌合させた筒部８を有し、かつそ
の筒部外面の一部には把手９を付設したものである。そ
の筒部は口頚部２上方からの押下げによって外向きフラ
ンジ３を乗越えするよう設けたものであり、その乗越え
のため、筒部上部には複数の割溝10…が筒部上端面から
縦設してあり、各割溝間に形成された各突片11…には、
外向きフランジ３を弾性変形して乗越えした後、その上
端面が外向きフランジ下面へ係合する弾性を持たせてい
る。又筒部８に透孔12を穿設して、該透孔内への隆起部
４嵌合により口頚部２に対して筒部８が回動しないよ
う、かつ隆起部の下向き段部５が透孔12下面へ係合する
よう設ける。装着部材７は適宜弾性を有する合成樹脂材
で一体成形すればよい。

「考案の効果」 本案は既述構成とするものであり、口頚部２を上方小
径のテーパ状とすると共に、その口頚部の上部に外向き
フランジ３を付設し、又その外向きフランジ下方の口頚
部部分外面に縦断面三角形状の隆起部４を付設したか
ら、透孔12付き筒部８を有する装着部材７を口頚部上方
から押下げることで、筒部８を外向きフランジ下方の口
頚部部分外面へ、かつ隆起部４を透孔12内へ、それぞれ
嵌合させることが極めて容易であると共に、迅速に行う
ことが出来、しかも壜体１および装着部材７の構造は簡
易でよく、又該装着部材７嵌合時において、外向きフラ
ンジ３下面へ装着部材の突片11…上端が、かつ隆起部下
面の下向き段部５へ透孔12下縁が、更に隆起部側面の横
向き段部6,6へ透孔12側面が、それぞれ係合するよう設
け、上記口頚部２は上方小径のテーパ状としてそのテー
パ状口頚部外面へ上記装着部材７の筒部８を嵌合させる
から、壜体１と把手付き装着部材とを上下動不能且つ回
動不能に、一体的に確実に連結でき、よって把手９を介
して壜体１を持ち運びする際、又把手を介して壜体を傾
け、壜体内液体を注出する際のガタ付きを防止して、該
把手付き壜の品貭に対する消費者の信頼感を高めること
が出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案壜要部の一部を切欠いた側面図、第２図は
実施例を異にして示すその分解斜視図である。 １…壜体、７…装着部材

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】胴部上端から上方小径のテーパ状口頚部２
   を起立して、該口頚部の上部に外向きフランジ３を、か
   つ該フランジ下方の口頚部部分外面に縦断面三角形状の
   隆起部４を、それぞれ付設した壜体１と、上記外向きフ
   ランジ３下方の口頚部部分外面に、上記隆起部４を嵌合
   させた透孔12付きの筒部８を、該筒部上端面を外向きフ
   ランジ３下面に当てて、かつ筒部内面を口頚部外面に接
   して嵌合させると共に、該筒部８の一部外面に把手９を
   付設した装着部材７とからなり、上記透孔12下面を隆起
   部４底面が形成する下向き段部５へ、かつ透孔側面を隆
   起部４側面が形成する横向き段部6,6へ、それぞれ係合
   させると共に、筒部８の上部には、該筒部上端面から複
   数の割溝10…を縦設して、各割溝間に形成された各突片
   11…に、上記外向きフランジ３を上方から下方へ乗越え
   可能な弾性を持たせたことを特徴とする把手付き壜。