JP2517875Y2 - 自動アーク溶接装置 - Google Patents

自動アーク溶接装置

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JP2517875Y2
JP2517875Y2 JP1990035096U JP3509690U JP2517875Y2 JP 2517875 Y2 JP2517875 Y2 JP 2517875Y2 JP 1990035096 U JP1990035096 U JP 1990035096U JP 3509690 U JP3509690 U JP 3509690U JP 2517875 Y2 JP2517875 Y2 JP 2517875Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この考案は、水平すみ肉溶接にて形成される、例えば
クレーンガーダのような断面ボックス形状の構造物の外
側溶接に使用して有用な、簡易自動アーク溶接装置に関
するものである。
(従来の技術) 所定長さの鋼板を断面コ字状に折曲してコ字状鋼板を
形成し、このコ字状鋼板の開口縁にフランジ鋼板を密着
して閉塞断面とし、その外側接合面を連続すみ肉溶接に
て溶着したクレーンガーダ(特公昭49−41777号公報)
が知られている。従来、このものの製造過程における外
側接合面の溶接は、通常次のように行なわれている。
第8図に示すように、レベルの出た床面50に位置した
フランジ鋼板51上に、コ字状鋼板52の開口縁を密着して
載置し、その接合面を外側から仮付け溶接W1する。そし
て、第9図に示すように横倒しを行ない、フランジ鋼板
51をガイドとして半自動アーク溶接やサブマージドアー
ク溶接によって片面の連続すみ肉溶接W2を行なう。その
後、第10図に示すように被溶接物を反転させ、同要領で
片面の連続すみ肉溶接W3を行なっている。
また、この溶接を自動化する方法としては、第11図に
示すように前記の仮付け溶接W1をした後、コ字状鋼板52
の両側に、それぞれ平行にレール53,53を設置し、この
レール53,53に沿って2台の全自動溶接機54,54を走行さ
せ、全自動溶接機54,54の溶接トーチ55,55で両側から同
時溶接を行なっている。
(考案が解決しようとする課題) このような従来の溶接において、前者のものでは被溶
接物の反転作業等を伴うので危険性が高く、また片側づ
つしか溶接できないので作業効率が悪い問題点があっ
た。さらに、片側づつの溶接の為、溶接熱による左右の
ひずみ差が生じ、被溶接物に曲がりが出やすい問題点も
あった。また後者のものでは、溶接の作業効率は向上す
るが、被溶接物の両側を自動溶接機が走行するので溶接
機の走行スペースを必要とし、また2台の溶接機の同調
を行なわなければならず、さらには溶接トーチの位置決
め機構が複雑となって、全体として設備費が高くつく問
題点があった。この考案は、このような問題点を解決課
題として成されたものである。
(課題を解決するための手段) 本考案は、上記課題を解決するための手段として、被
溶接物をガイドとして被溶接物に沿って走行する台車
に、一対のワイヤリールとワイヤ送給装置を設けるとと
もに、被溶接物を跨いで被溶接物の溶接箇所に向かうコ
字形マストを一体に装着し、このコ字形マストの起立部
のそれぞれに、下端部に位置決めローラーを備え、常時
下方に付勢された垂直移動体を滑動可能に係合し、これ
ら両垂直移動体には、内側方に位置決めローラーを備
え、かつ、内側方に付勢された水平移動体を滑動可能に
係合させ、この水平移動体には、微調整位置決め機構を
介して前記ワイヤ送給装置からコンジットケーブルを連
結した溶接トーチをそれぞれ支持させ、前記台車の走行
によって被溶接物への溶接を両側同時に行なうようにし
たことを特徴とするものである。
(作用) 本願考案は、上記したように、被溶接物をガイドとし
て被溶接物に沿って走行する台車に、一対のワイヤリー
ルとワイヤ送給装置及び、被溶接物を跨いで被溶接物の
溶接箇所に向かうコ字形マストを一体に装着させ、コ字
形マストの各起立部のそれぞれに、ワイヤ送給装置に連
結した2本の溶接トーチを支持させる。すなわち溶接ト
ーチを、コ字形マストに、常時下方へ滑動自在に付勢さ
せた垂直移動体と、この垂直移動体に滑動可能に、か
つ、内側方に付勢させた水平移動体と、この水平移動体
に設けた微調整位置決め機構とにより支持させ、被溶接
物の両側から溶接線に沿って確実に追動させて、被溶接
物に連続すみ肉溶接を両側同時に行なう。
(実施例) 以下、この考案に係る溶接装置の一実施例を、図面に
基づいて説明する。本溶接装置は、全体として2組の炭
酸ガスアーク溶接機によって構成される。この機器構成
を第7図で説明すると、1は電源用の配電箱、2は配電
箱1から2組の溶接電源3,3に電力を供給する入力用ケ
ーブル、4はガスボンベ、5はガス流量調整器、6はガ
スホース、7は溶接電源3の接地線、8は制御ケーブ
ル、9はトーチ用電流ケーブル、10は溶接ワイヤを巻装
したワイヤリール、11はワイヤ送給装置、12は前記ガス
ホース6、制御ケーブル8及びトーチ用電流ケーブル9
を一体にしたコンジットケーブル、13はコンジットケー
ブルの先端に連結した溶接トーチ、14は被溶接物15と溶
接電源3間に接続された母材用ケーブルである。
次に、本溶接装置の主要部について、第1図ないし第
6図で説明する。第1図及び第2図において、被溶接物
15となるコ字状鋼板52の上面には、車輪16,16…によっ
て走行する台車17が走行可能に載置している。この台車
17の内部には、電動機、減速機構及びクラッチ駆動機構
等が収納され、クラッチハンドル18の操作によって、台
車17の走行起動及び停止が行なわれる。台車17の先端部
には、被溶接物15の有無を検知するセンサ19を設けてい
る。このセンサ19は、台車17が走行してコ字状鋼板52の
先端部に達した時に、台車17の走行と溶接の停止を行な
うものである。
この台車17上には、前述した2組の炭酸ガスアーク溶
接機のそれぞれのワイヤリール10,10とワイヤ送給装置1
1,11が一対で設けられている。尚、20は本溶接装置の制
御盤であり、21は本溶接装置の移動用吊りピースであ
る。
また台車17の一端部には、コ字形マスト22を一体に装
着している。このコ字形マスト22は、その開口部がコ字
状鋼板52を跨ぎ、その各先端部がコ字状鋼板52とフラン
ジ鋼板51との溶接箇所に概略向かう長さ構成としてい
る。
台車17の両側部には、前記コ字状鋼板52の側面部を挟
むように、水平ガイドローラー23,23が回動自在に軸着
している。同様に、コ字形マスト22の対向する起立部両
内側には、コ字状鋼板52の側面部を挟むように、水平ガ
イドローラ24,24が回動自在に軸着している。これら水
平ガイドローラー23及び24は、コ字状鋼板52の幅寸法に
よって調整可能な取付け構造とし、前記台車17の走行を
案内するものである。
次に、コ字形マスト22の起立部に設けられた溶接トー
チの垂直及び水平方向の位置決め機構25について、第3
図ないし第6図で説明する。
コ字形マスト22の各起立部には、第3図及び第4図に
示すように、垂直ガイドレール26を適宜手段で一体に固
着している。この垂直ガイドレール26には、背面にガイ
ドブロック27を設けた垂直移動体28が垂直方向に滑動可
能に係合している。そして、この垂直移動体28の下端部
には、位置決めローラー29が回動可能に軸着し、被溶接
物15のフランジ鋼板51上を転動する。これにより、垂直
移動体28は、自重によって常時下方に付勢されるので、
位置決めローラー29のフランジ鋼板51上への当接によっ
て、垂直移動体28の垂直方向下側の位置規制が行われ
る。尚、30は垂直ガイドレール26の上端部に設けた垂直
移動体28の抜け防止用ストッパーであり、31は本溶接装
置の移動時に、垂直移動体28を持上げて、コ字形マスト
22に一時的に固定する係止装置である。
垂直移動体28の表面には、第3図及び第4図に示すよ
うに、水平ガイドレール32を適宜手段で一体に固着して
いる。この水平ガイドレール32には、第5図に示すよう
に、背面にガイドブロック33を設けた水平移動体34が水
平方向に滑動可能に係合している。そして、この水平移
動体34の一側方には、位置決めローラー35が回動可能に
軸着している。また、垂直移動体38の上端部に設けられ
た突片28aと、水平移動体34の上端部に設けられた突片3
4aとの間には、水平移動体34を常時内方に付勢するよ
う、スプリング36が介装されている。このため、位置決
めローラー35は、被溶接物15のコ字状鋼板52の側面部に
当接して転動することになり、水平移動体34の水平方向
内側の位置規制が行なわれる。尚、37は水平ガイドレー
ル32の一端部に設けた水平移動体34の抜け防止用ストッ
パーである。
水平移動体34には、第3図及び第6図に示すように、
ブラケット38を溶着し、このブラケット38には水平棒39
が固着している。この水平棒39には、ラックピニオン機
構等を介して、水平微調整ハンドル40の操作によって水
平方向に摺動可能なフレーム体41が嵌合している。同様
に、このフレーム体41には、垂直微調整ハンドル42の操
作によって垂直方向に摺動可能な垂直棒43が嵌合してい
る。この垂直棒43の下端には、トーチホルダー44が設け
られている。そして、このトーチホルダー44には、前述
したワイヤ送給装置11からコンジットケーブル12を介し
て連結した溶接トーチ13が取付けられる。
このように構成された位置決め機構25は、垂直移動体
28及び水平移動体34に設けられた各位置決めローラー29
及び35によって位置規制を行ない、水平移動体34に設け
られた垂直水平の微調整位置決め機構45によって、溶接
トーチ13が被溶接物15の溶接箇所へ確実に向くように位
置決めを行なう。
このように構成された溶接装置を使用する手順につい
て説明する。先ず、第8図に示すような仮付け溶接W1を
した後、図示を略したクレーンのフックで本溶接装置の
吊りピース21を吊り、台車17をコ字状鋼板52上に載置す
る。そして、水平ガイドローラー23及び24と、位置決め
ローラー29及び35の各セットを行ない、溶接トーチ13の
先端が所定の溶接箇所に向かうよう微調整位置決め機構
45で調整する。次いで、炭酸ガスの流量をチェックし、
溶接ワイヤの調整をした後、溶接電源3と台車17に通電
して溶接が開始される。台車17が溶接最終端まで走行す
ると、台車17の先端部に設けられたセンサ19によって、
台車の走行と溶接が自動的に停止する。そこで、溶接電
源3と台車17の通電を解除する。その後、係止装置31に
よって、垂直移動体28を持上げてコ字形マスト22に固定
し、溶接装置の吊りピース21に、クレーンのフックを係
止して被溶接物から本溶接装置を取外し、溶接作業が終
了する。
(考案の効果) この考案は、以上詳細に説明したように構成したもの
であるから、次のような効果を奏するものである。
溶接台車に一対の溶接トーチを設け、被溶接物の両側
面(2箇所)から同時に一度の連続すみ肉溶接を可能と
しているので、溶接熱による左右ひずみ差が生じにく
く、溶接作業性が著しく向上する。また、2台の溶接機
の同調が容易に行なえる。
ワイヤ送給装置に連続した2本の溶接トーチは、コ字
形マストに滑動可能に設けられた垂直移動体と、この垂
直移動体に滑動可能に設けられ、かつ内側方に付勢され
た水平移動体と、この水平移動体に設けられた微調整位
置決め機構によって支持されているので、被溶接物に多
少の高低差や幅差が有っても吸収され、溶接トーチは被
溶接物の両側から溶接線に沿って確実に追動することが
出来る。従って、溶接性が向上する。
しかも、2本の溶接トーチの位置決めは、自重によっ
て常時下方に滑動可能に付勢された垂直移動体と、常時
内側方に滑動可能に付勢された水平移動体とで行うよう
にしたので、極めて簡単な構成でありながら、確実に溶
接を行うことが出来る。
被溶接物の反転作業が不要となるので、安全性が向上
する。
被溶接物をガイドとしてその上面を走行するので、溶
接機の走行スペースを必要としない。
構造が極めて簡単な自動溶接機を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係る自動アーク溶接装置の正面図、第
2図は第1図のものの右側面図、第3図は位置決め機構
の正面図、第4図は第3図のIV−IV線矢視図、第5図は
第3図のV−V線矢視図、第6図は第3図のVI−VI線矢
視図、第7図は本考案に使用される溶接機の機器構成説
明図、第8図乃至第11図は被溶接物の従来の製造工程を
示した説明図である。 10…ワイヤリール 11…ワイヤ送給装置 12…コンジットケーブル 13…溶接トーチ 15…被溶接物 17…台車 22…コ字形マスト 25…位置決め機構

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】被溶接物をガイドとして被溶接物に沿って
    走行する台車に、一対のワイヤリールとワイヤ送給装置
    を設けるとともに、被溶接物を跨いで被溶接物の溶接箇
    所に向かうコ字形マストを一体に装着し、このコ字形マ
    ストの起立部のそれぞれに、下端部に位置決めローラー
    を備え、常時下方に付勢された垂直移動体を滑動可能に
    係合し、これら両垂直移動体には、内側方に位置決めロ
    ーラーを備え、かつ、内側方に付勢された水平移動体を
    滑動可能に係合させ、この水平移動体には、微調整位置
    決め機構を介して前記ワイヤ送給装置からコンジットケ
    ーブルを連結した溶接トーチをそれぞれ支持させ、前記
    台車の走行によって被溶接物への溶接を両側同時に行な
    うようにしたことを特徴とする自動アーク溶接装置。
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JPH0312455Y2 (ja) * 1984-12-04 1991-03-25

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