JP2516958Y2

JP2516958Y2 - 吸引排出水洗トイレ

Info

Publication number: JP2516958Y2
Application number: JP1993056386U
Authority: JP
Inventors: 正行中家
Original assignee: 正行中家
Priority date: 1993-10-19
Filing date: 1993-10-19
Publication date: 1996-11-13
Anticipated expiration: 2006-11-13
Also published as: JPH0725068U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、便器から水と共に屎
尿を吸引して破砕し、これらの水および屎尿が混濁した
汚水を排出する吸引排出水洗トイレに関する。

【０００２】

【従来の技術】周知のように、便器を水洗するだけでな
く、この水洗に伴い、便器から排出された水および屎尿
を破砕し、これらの水および屎尿が混濁した汚水を圧送
するトイレが利用されている。

【０００３】例えば、特開平４−７６２９９号公報に
は、「屎尿破砕圧送装置」が開示されている。この装置
は、カッターと水中ポンプを貯水槽に内蔵しており、屎
尿やトイレットペーパーを貯水槽に導入して、これらを
カッターによって破砕し、破砕したものを水中ポンプに
よって圧送する。

【０００４】また、カッターを貯水槽の外部に設置した
装置もある。この場合は、カッターによって破砕された
ものを貯水槽に導入し、破砕したものを貯水槽内の水中
ポンプによって圧送する。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の装置では、水洗に伴う、多量の水を貯水槽に一旦貯
めるので、十分な容積の貯水槽を必要とし、このために
装置を設置するスペースが広くなった。

【０００６】また、カッターと水中ポンプが嵩張ること
も、装置の小型化を困難にしており、貯水槽やカッタ
ー、更には水洗用の水を貯めるロータンク等の配置を工
夫して、設置スペースを削減するしかなかった。しか
も、メンテナンスのときの作業スペースを考慮すると、
スペースの削減にも限界があった。

【０００７】そこで、この考案の課題は、簡単な構造
で、かつ小型でありながら、便器から水および屎尿を吸
引して破砕し、これらの水および屎尿が混濁した汚水を
排出する吸引排出水洗トイレを提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この考案に係わる吸引排出水洗トイレは、便器に予
め定められた量の水を供給する給水手段と、この便器か
ら水と共に屎尿を吸引して破砕し、これらの水および屎
尿が混濁した汚水を排出する吸引破砕排出手段とを備
え、この吸引破砕排出手段は、中央に吸引口を持つ略円
形の吸引室、及び、この吸引室の周縁に連通し、この吸
引室の周縁で弧を描いて排出口に至る渦巻き室を形成す
るケーシングと、このケーシングの吸引室に配置され、
この吸引室の吸引口の部位に回転中心を持つ羽根車と、
この羽根車を回転させる電動機とを備えている。

【０００９】

【作用】この考案によれば、吸引破砕排出手段は、ケー
シングと、このケーシングに内蔵された羽根車と、この
羽根車を回転させる電動機とを備える。電動機によって
羽根車を回転させると、ケーシングの内側に流れが発生
する。これにより、水および屎尿が便器からケーシング
の吸引口を介して吸引室へと吸引される。これらの水お
よび屎尿は、羽根車によって破砕されて、汚水となり、
この汚水がケーシングの排出口から勢い良く排出され
る。したがって、この吸引破砕排出手段は、水および屎
尿の吸引と、水および屎尿の破砕と、水および屎尿が混
濁した汚水の排出とを同時に行う。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この考案は、便器に予め定められた量の水を供給す
る給水手段と、便器から水と共に屎尿を吸引して破砕
し、これらの水および屎尿が混濁した汚水を排出する吸
引破砕排出手段と、この吸引破砕排出手段を駆動する電
動機とを備える吸引排出水洗トイレにおいて、前記吸引
破砕排出手段は、吸引口を中央に形成した略円形の吸引
室、及び該吸引室の周縁に連通し、この吸引室の周縁で
弧を描いて排出口に至る渦巻き室を有するケーシング
と、このケーシングの吸引室に配置され、この吸引室の
吸引口の部位を回転中心とし、この回転中心の周囲に設
けられた複数の羽、及び該回転中心に設けられ、吸引室
の吸引口を臨む略円錐形の突起を有する羽根車とを備
え、この吸引破砕排出手段の羽根車の回転中心を前記電
動機の回転軸に連結している。

【００１１】図１は、この考案に係わる吸引排出水洗ト
イレの一実施例を示している。同図において、給水管１
は、便器２に接続されるとともに、電磁弁３を介して水
道管４に接続されている。この電磁弁３が開いたときに
は、水道管４から給水管１を通じて便器２へと水が供給
される。

【００１２】吸引破砕排出ポンプ５は、ケーシング６
と、このケーシング６に内蔵の羽根車７（図２に示す）
と、この羽根車７を回転させる電動機８とを備えてい
る。ケーシング６の吸引口９は、吸引管１０を通じて便
器２の底に接続されている。また、ケーシング６の排出
口１１は、排出管１２に接続されている。

【００１３】制御部１３は、スイッチ１４を備えてい
る。このスイッチ１４が押下されると、制御部１３は、
電磁弁３と吸引破砕排出ポンプ５を起動し、これらを制
御する。この制御については、後に述べる。

【００１４】図２は、吸引破砕排出ポンプ５を分解して
示している。この図２に示すように、羽根車７は、３枚
の羽７ａと、中央の突起７ｂとを持つ。この羽根車７を
電動機８の回転軸に連結し、この羽根車７の周囲に枠１
５を固定し、この枠１５の上にケーシング６を重ねて、
このケーシング６を固定する。

【００１５】図３は、ケーシング６の断面を示してい
る。この図３から明らかなように、ケーシング６は、吸
引室１６と、渦巻き室１７を持つ。吸引室１６は、上方
から見ると略円形であり、その中央に吸引口９が位置す
る。渦巻き室１７は、吸引室１６の周縁に連通し、この
吸引室１６の周縁で弧を描き、徐々に太くなって、排出
口１１に至る。

【００１６】ケーシング６を枠１５の上に重ねて固定し
た状態では、羽根車７の回転中心である突起７ｂがケー
シング６の吸引口９を臨み、羽根車７が吸引室１６に配
置される。

【００１７】さて、このような構成において、このトイ
レで用を足した後、制御部１３のスイッチ１４を押下す
ると、制御部１３は、電磁弁３を開いて、水道管４から
給水管１を通じて便器２へと水を供給させる。この給水
は、徐々に行われ、例えば２リットル〜２．５リットル
の水が供給される。

【００１８】この給水に際して、制御部１３は、吸引破
砕排出ポンプ５の電動機８を一定の時間だけ作動させ
る。この間、ケーシング６に内蔵の羽根車７が図２に示
す矢印Ａの方向に回転して、ケーシング６の内側に速い
流れが発生する。これにより、便器２に溜まっている屎
尿やトイレットペーパー、水等は、吸引管１０を通じて
ケーシング６の吸引口９に吸引され、ここから吸引室１
６に流入する。ケーシング６の内側では、羽根車７によ
って屎尿やトイレットペーパーが破砕され、屎尿やトイ
レットペーパー、水等が混濁して汚水となる。この汚水
は、渦巻き室１７を通って、ケーシング６の排出口１１
から排出管１２へと勢い良く送出され、この排出管１２
を通じて浄化槽や下水道に排出される。

【００１９】吸引破砕排出ポンプ５の電動機８の作動が
終了した後にも、水道管４から便器２へと給水が暫く行
われ、適宜の量の水が便器２に溜まると、電磁弁３を閉
じて、便器２への給水を停止する。

【００２０】このように便器２に僅かの水を供給しつ
つ、吸引破砕排出ポンプ５を作動させると、屎尿やトイ
レットペーパー、水等が便器２から吸引破砕排出ポンプ
５へと吸引されて破砕され、汚水が吸引破砕排出ポンプ
５から勢い良く排出される。

【００２１】ここで、吸引破砕排出ポンプ５は、吸引、
破砕、排出という３つの役目を果たしている。すなわ
ち、この吸引破砕排出ポンプ５は、従来の装置における
カッターの役目と、水中ポンプの役目を果たし、これら
の役目に加えて、吸引という新たな役目を果たしてい
る。

【００２２】このことは、まず装置の小型化を可能にす
る。また、部品点数の減少からコストの低減を実現でき
る。

【００２３】さらに、吸引という新たな役目によって、
便器に僅かの水を供給するだけで、屎尿やトイレットペ
ーパーを便器から排出することを可能にする。これによ
り、水を大きく節約することができ、しかも水洗用の水
を貯めるロータンクを省略できる。また、便器からの排
水量が少ないことから、従来の装置における貯水槽に該
当するものを必要としない。ロータンクや貯水槽の省略
は、設置スペースの低減、コストの低減を実現する。

【００２４】また、装置の小型化や、部品点数の減少、
ロータンクや貯水槽の省略は、トイレの全体的な構造を
極めて簡略化することであり、トイレのスペースの低減
や、保守管理の簡単化に結び付く。

【００２５】一方、屎尿および水を破砕してなる汚水を
排水管１２に送出しているので、排水管１２に固形物が
詰まるようなことはなく、この排水管１２の内径が３０
ミリあれば、汚水が十分に通る。このことは、配管工事
の容易性と、工事費用の低減を示唆している。

【００２６】また、例えば羽根車７として、直径１０セ
ンチのものを、電動機８として、２５００回転／分のも
のを適用すると、汚水が時速６０Ｋｍ程度で送出され
る。この場合、水平距離で５０ｍ、垂直上昇距離で６ｍ
まで、汚水を容易に排出することができる。このため、
このトイレは、地下室、あるいは浄化槽や下水道から離
れた場所等に設置できる。

【００２７】なお、電動機８を逆転できるようにしてお
けば、ケーシング６の吸引口９に異物が吸い込まれたと
きに、羽根車７を逆転させて、吸引口９から異物を吐き
出させることができる。

【００２８】

【考案の効果】以上説明したように、この考案に係わる
吸引排出水洗トイレは、便器に予め定められた量の水を
供給する給水手段と、この便器から水と共に屎尿を吸引
して破砕し、これらの水および屎尿が混濁した汚水を排
出する吸引破砕排出手段とを備えるものであるが、従来
の装置と比較すると、次の様な多くの利点を持つ。

【００２９】（１）吸引破砕排出手段は、従来の装置に
おけるカッターの役目と、水中ポンプの役目を果たし、
これらの役目だけでなく、吸引という新たな役目も果た
す。このことは、まず装置の小型化を可能にする。ま
た、部品点数の減少からコストの低減を実現できる。

【００３０】（２）吸引という新たな役目によって、便
器に僅かの水を供給するだけで済む。これにより、水を
大きく節約することができ、しかも水洗用の水を貯める
ロータンクを省略できる。

【００３１】（３）便器への給水量が少ないことから、
排水量も少なくなるので、従来の装置における貯水槽に
該当するものを必要としない。ロータンクや貯水槽の省
略は、設置スペースの低減、コストの低減を実現する。

【００３２】（４）装置の小型化や、部品点数の減少、
ロータンクや貯水槽の省略は、トイレの全体的な構造を
極めて簡略化することであり、トイレのスペースの低減
や、保守管理の簡単化に結び付く。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係わる吸引排出水洗トイレの一実施
例を示す斜視図

【図２】この実施例のトイレにおける吸引破砕排出ポン
プを分解して示す斜視図

【図３】図２の吸引破砕排出ポンプにおけるケーシング
を示す断面図

【符号の説明】

１給水管２便器３電磁弁４水道管５吸引破砕排出ポンプ６ケーシング７羽根車８電動機９吸引口１０吸引管１１排出口１２排出管１３制御部１４スイッチ１５枠１６吸引室１７渦巻き室

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】便器に予め定められた量の水を供給する
給水手段と、便器から水と共に屎尿を吸引して破砕し、
これらの水および屎尿が混濁した汚水を排出する吸引破
砕排出手段と、この吸引破砕排出手段を駆動する電動機
とを備える吸引排出水洗トイレにおいて、前記吸引破砕排出手段は、吸引口を中央に形成した略円
形の吸引室、及び該吸引室の周縁に連通し、この吸引室
の周縁で弧を描いて排出口に至る渦巻き室を有するケー
シングと、このケーシングの吸引室に配置され、この吸
引室の吸引口の部位を回転中心とし、この回転中心の周
囲に設けられた複数の羽、及び該回転中心に設けられ、
吸引室の吸引口を臨む略円錐形の突起を有する羽根車と
を備え、この吸引破砕排出手段の羽根車の回転中心を前
記電動機の回転軸に連結した吸引排出水洗トイレ。