JP2516907Y2 - 給水用半オス金具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、金具本体の外側に止め
突起を形成した摺動管をその外側に外筒をそれぞれ進退
可能に嵌挿し、本体の先端部外側に止めリングを突設さ
せた給水用半オス金具に関するもので、消防車のボン
プ、ホースの分岐管や継手、消火栓、散水車、その他の
給水装置において、内径の異なる接続管を選択的に連結
する場合に使用される。

【０００２】

【従来技術とその問題点】この種の内径の異なる接続管
を選択的に連結できるようにした半オス金具は、出願人
がすでに実公平２−３４５４９号として提案している。
この半オス金具は、金具本体の外側に凹凸を形成するこ
となく、その外側に嵌挿する摺動管の内側にパッキンを
取り付けた構造となっており、本体と摺動管との間隙を
小さく形成すると共に、常時パッキンによって両者が水
密状態を維持できるようになっている。

【０００３】火災発生時に大径のホースを摺動管の止め
突起に係止接続して消火を行う場合には、水道水のよう
な清潔な水を使用できるのはまれで、その多くは貯水槽
や池の溜水、川の水等が使用される。そのため、水に混
入している泥、砂、ゴミ等の微細な粒子は、そのままホ
ース側へ圧送されるため、本体と摺動管の間にも侵入す
ることになる。給水停止後には、これらの滞留物が乾燥
硬化してしてしまい、摺動管の進退に支障を来す不都合
があった。

【０００４】水を圧送すると水圧によってホースが径方
向に膨らみ、その分だけ長さ方向で収縮しようとするた
め、ホースは金具の外方ヘ引っ張られて摺動管は本体の
止めリング側へ押圧される。しかしながら、粒子の侵入
を完全に阻止することはできず、長期にわたる使用によ
って前記粒子は隙間に滞留してしまうのである。

【０００５】使用の都度、きれいな水を使用して洗い流
そうとしても、本体の基端部側にパッキンが位置して本
体と摺動管との水密状態を維持しており、しかも、両者
間の隙間が小さいことも相まち、注入した水が滞留して
いる粒子を円滑に流出することはできない。摺動管の移
動が不能になると、ついにはホース径を選択して金具を
使用できなくなるのである。

【０００６】

【技術的課題】本考案は、金具本体１の外側に止め突起
１２を形成した摺動管１１をその外側に外筒２１をそれ
ぞれ進退可能に嵌挿し、本体１の先端部外側に止めリン
グ２を突設させた給水用半オス金具において、不使用時
における本体１と摺動管１１との間の水密状態を解除で
きるようにすることを課題としたものである。

【０００７】

【技術的手段】この技術的課題を解決するための技術的
手段は、 （イ）本体１の基端部外側に膨出段部３を形成してパッ
キン４を配置し、 （ロ）本体１の外側と摺動管１１の内側との間に間隙９
を形成し、 （ハ）摺動管１１の基端部内壁にテーパ段部１４を設け
てパッキン４と密接する小径部１３を形成すること、で
ある。

【０００８】

【技術的手段の作用】本体１と摺動管１１とは間隙を設
けて嵌挿させられているが、本体１の基端部外側に膨出
段部３が形成されており、且つ摺動管１１の基端部内壁
にはテーパ段部１４を設けた小径部１３が形成されてい
るために、摺動管１１が前進すると、この小径部１３が
本体の膨出段部３と近接し、この段部３に配置されるパ
ッキン４が両者間の水密状態を形成する。この場合、小
径部１３の前部はテーパ段部１４となっているために、
容易にパッキン４を乗り越え、小径部１３をパッキン４
上に位置させることができる。

【０００９】摺動管１１が後退すると、その小径部３は
パッキン４から離れ、テーパ段部１４の前方に位置する
大径部分がパッキン４と対面するため、本体１と摺動管
１１との間隔が大きくなり、且つ両者の水密状態が解除
されることになる。

【００１０】

【本考案の効果】半オス金具の不使用時における本体と
摺動管との間の水密状態を解除できる結果、本体と摺動
管との間における隙間が軸方向で連通するため、水道水
等を使用して金具を洗浄すると、本体と摺動管との間に
侵入している粒子を容易に洗い流せる利点があり、摺動
管の進退をいつまでも円滑に行なえることになる。

【００１１】

【実施例】図１は、ホースを接続しない状態における半
オス金具の断面図である。本体１、摺動管１１、外筒２
１は、本実施例では金属で形成したが、断面径の大き
さ、水圧、ホースの継手の種類等によっては樹脂等で成
形したものを使用することができる。本体１の先端に突
設した止めリング２は、ネジ嵌合によって固着した例を
示しているが、接着、溶着その他の固着手段を利用して
も良い。

【００１２】図２は、内径５０φのホース継手１０を接
続した状態を示したものである。継手１０の先端部内側
には、周方向に凹部２３が形成してあって、その中にバ
ネ体２６によって内方へ付勢させた状態で係止爪２４を
装入させている。係止爪２４の先端はテーパ壁２５とな
っており、継手１０を金具に押し込むと爪２４は止めリ
ング２によって自動的に拡開させられ、金具の外側を前
進し、爪２４がリング２を通過した段階で自動的に求心
方向へ復帰して両者の接続が完了する。

【００１３】継手１０を外す場合には、摺動管１１を前
進させると、その先端側に突出させた押片１５が係止爪
のテーパ壁２５を押圧して爪２４を拡開させるため、継
手１０を容易に抜き取ることができる。

【００１４】図３は、内径６５φのホース継手２０を接
続した状態を示したものである。継手２０自体は、上述
の継手１０と同じ構造であり、嵌合時に爪２４が摺動管
１１の止め突起に当接して拡開する以外は、同じ要領で
接続される。給水を開始すると、図示しないホースが長
手方向で収縮して摺動管１１は止めリング２側へ移動さ
せられ、摺動管の小径部１３がパッキン４と密着する。
このパッキンとしては、Ｏリングを好適に使用すること
ができる。

【００１５】継手２０を外す場合には、外筒２１を前進
させ、その先端部が係止爪のテーパ壁２５を押圧して爪
２４を拡開させて行うことになる。

【００１６】ホースの大きさは一例を示したに止まり、
継手の内径に対応させて本体及び摺動管の外径を設計す
れば良い。

【図面の簡単な説明】

【図１】半オス金具の断面図

【図２】小径ホースの継手を接続した状態の断面図

【図３】大径ホースの継手を接続した状態の断面図

【符号の説明】

１ 金具本体、 ２ 止めリング、 ３ 膨出段部、
４ パッキン、１０、２０ 継手、 １１ 摺動管、
１２ 止め突起、 １３ 小径部、２１ 外筒、 ２４
係止爪、 ２６ バネ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 金具本体の外側に止め突起を形成した摺
   動管をその外側に外筒をそれぞれ進退可能に嵌挿し、本
   体の先端部外側に止めリングを突設させた給水用半オス
   金具において、本体の基端部外側に膨出段部を形成する
   と共にパッキンを配置し、本体の外側と摺動管の内側と
   の間に間隙を形成し、摺動管の基端部内壁にテーパ段部
   を設けてパッキンと密接する小径部を形成した給水用半
   オス金具。