JP2516738B2 - 光学手段駆動装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の技術分野］ この発明は、光学式ディスクプレーヤ等において採用
される光学手段駆動装置に関するもので、特に情報が記
録されたディスクの情報記録面に対する光スポットの焦
点ずれと、ディスクのトラックに対する光スポットのト
ラックずれとを検知し、これらの検知量に応じて光学手
段の位置を適正に駆動制御する光学手段駆動装置に関す
るものである。

［従来の技術］ 従来のこの種の装置として、光学式ディスクプレーヤ
において使用される対物レンズ装置がある。

第１図がその１例で、図において（10）はディスク、
（20）は対物レンズ、（30）は偏向ミラー、（40）は光
ビームである。

次に動作について説明する。

光ビーム（40）は、偏向ミラー（30）により方向を変
えられ、対物レンズ（20）により集光されてディスク
（10）上に焦点を結ぶ。ディスク（10）の記録面の光軸
方向のずれ及びトラック方向のずれに応じて、それぞれ
対物レンズ（20）をＡ方向の様に上下方向に、偏向ミラ
ー（30）をＢ方向の様に回転させて正確に記録面のトラ
ック上に焦点を結ぶ様に制御する。

従来の光学手段駆動装置は、以上の様に構成されてい
るので、トラック方向の制御を行うには、偏向ミラーを
傾けなければならないため、光ビームの光軸が対物レン
ズの光軸に対して傾く等の欠点があった。

［発明の概要］ この発明は上記のような従来のものの欠点を除去する
ためになされたもので、 情報記録媒体となるディスクの情報記録面に対する光ス
ポットの焦点ずれと前記ディスクのトラックに対する光
スポットのトラックずれとを検知し、前記焦点ずれ及び
前記トラックずれを各々の検知量に応じて補償制御する
光学手段駆動装置において、 前記ディスク上の情報記録面にスポットを形成する光
学手段と、 前記光学手段をそのほぼ中心部に保持する円筒形状の
第１の可動ホルダと、 前記円筒形状の第１の可動ホルダと同軸をなすように
該第１の可動ホルダに巻回された焦点制御用コイルと、 前記第１の可動ホルダに対して対称形状を有し、該第
１の可動ホルダをそのほぼ中心部に嵌合保持する第２の
可動ホルダと、 前記第２の可動ホルダに対して対称形状をなすように
該第２の可動ホルダに巻回された複数のトラッキング制
御用コイルと、 前記焦点制御用コイルと対向するように配置され、前
記第１の可動ホルダを前記光学手段の光軸に平行な方向
に移動させる駆動力を発生させるとともに、前記複数の
トラッキング制御用コイルと対向するように配置され、
前記第２の可動ホルダを前記光学手段の光軸に垂直かつ
前記ディスクの半径方向に駆動する駆動力を発生させる
共通の磁気回路手段と、 前記磁気回路手段を固定した固定ホルダと、 前記固定ホルダに設けられ、前記第２の可動ホルダと
嵌合することのみで、該第２の可動ホルダを前記光学手
段の光軸に垂直かつ前記ディスクの半径方向に摺動可能
に支持する支持手段とを備えたものである。

本願発明に係る光学手段駆動装置は、上記構成によ
り、光軸を傾けることなく焦点方向制御、トラッキング
方向制御をそれぞれ独立した制御として行え、また、光
学手段をほぼ中央部に保持した第１の可動ホルダとこの
第１の可動ホルダを駆動する第１の駆動手段、及び、第
１の可動ホルダを支持する第２の可動ホルダとこの第２
の可動ホルダを駆動する第２の駆動手段のそれぞれを対
称形状に配置しているので、各々の可動ホルダの摺動部
における摩擦力を低減し、制御精度に狂いが生じるのを
防止できる。

［発明の実施例］ 以下、この発明の一実施例を図について説明する。

第２図ないし第５図はこの発明の一実施例を示すもの
で、第２図は平面図であり、第３図は第２図のIII-III
線における断面図であり、第４図は、第２図の光学手段
駆動装置の内、永久磁石を除いて示す斜視図であり、第
５図は第４図に示されたものの組み立て状態を示す分解
斜視図である。

これらの図面で示される光学手段駆動装置は、大きく
分けて固定部と、トラッキング制御用可動部と、焦点制
御用可動部とから構成されている。固定ホルダ（12）
は、固定部の一部を成すものであり、そこには軸受部
（11a），（11b）が設けられており、さらに、その両側
には永久磁石（9a），（9b）が固定配置されている。ま
た、この永久磁石（9a），（9b）のそれぞれの外側には
鉄板等からなる磁性体板（10a），（10b）が取り付けら
れている。

焦点制御用可動部である第１の可動ホルダ（２）に
は、焦点制御用コイル（３）が巻き付けられ、トラッキ
ング制御用可動部である第２の可動ホルダ（４）は、永
久磁石（9a），（9b）が通るような窓部（6a），（6
b）、トラッキング方向制御用コイル（5a），（5b），
（5c），（5d）、スライド軸受部（８）及び軸受部（11
a），（11b）を通る軸（7a），（7b）から構成され、こ
の軸（7a），（7b）に沿って第２の可動ホルダ（４）は
トラッキング方向に摺動自在にされている。

なお、第３図において、（13）は光ビーム、（14）は
対物レンズ（１）によって集光される光スポットを示し
ている。

次に動作について説明する。

この様に構成された光学手段駆動装置において、光源
（図示せず）から出射された光ビーム（13）は、第３図
に示されるように、対物レンズ（１）によって集光さ
れ、ディスクの情報記録面（図示せず）に光スポット
（14）を形成する。この時、ディスクの情報記録面に対
する光スポット（14）の焦点ずれやディスクのトラック
に対する光スポット（14）のトラックずれが検知される
と、それぞれの検知量に応じて焦点制御用コイル（３）
及び／またはトラッキング制御用コイル（5a），（5
b），（5c），（5d）に適宜の電流が与えられる。これ
によって、第５図に示す矢印Ｑの焦点制御方向と、矢印
Ｐのトラッキング方向にそれぞれ第１の可動ホルダ
（２）、第２の可動ホルダ（４）かそれぞれ独立に動作
し、応じて対物レンズ（１）のディスクに対する焦点ず
れやトラックずれが調整される。

以上、この発明を実施例に関連して説明したが、この
発明の範囲はこの実施例に限られるものではない。例え
ば、本実施例では、軸（7a），（7b）を第２の可動ホル
ダ（４）に取り付けた場合を示したが、可動部分の軽量
化をはかるという意味で固定ホルダ（12）の軸受部（11
a），（11b）に固定しても良い。また、上述の実施例で
は、磁性体板（10a），（10b）を設けて等価的にパーミ
アンスを向上させた。これによって永久磁石（9a），
（9b）は小さなもので済むことになるので経済的であ
り、かつ、装置の小型化を一層進めることができるとい
う利点があるが、これらの利点を望まなければ磁性体板
（10a），（10b）を設けなくても良い。また、この実施
例では、焦点制御方向、トラック制御方向ともに、支持
部材が無くて済み、どちらの方向ともリニアな特性を持
つという利点があるが、中立位置を得ることを望むなら
ば軸（7a），（7b）にバネを巻き付ける、あるいはトラ
ッキング制御方向の支持材を設ける等しても良い。

［発明の効果］ 以上のように、この発明によれば、 情報記録媒体となるディスクの情報記録面に対する光
スポットの焦点ずれと前記ディスクのトラックに対する
光スポットのトラックずれとを検知し、前記焦点ずれ及
び前記トラックずれを各々の検知量に応じて補償制御す
る光学手段駆動装置において、 前記ディスク上の情報記録面に光スポットを形成する
光学手段と、 前記光学手段をそのほぼ中心部に保持する円筒形状の
第１の可動ホルダと、 前記円筒形状の第１の可動ホルダと同軸をなすように
該第１の可動ホルダに巻回された焦点制御用コイルと、 前記第１の可動ホルダに対して対称形状を有し、該第
１の可動ホルダをそのほぼ中心部に嵌合保持する第２の
可動ホルダと、 前記第２の可動ホルダに対して対称形状をなすように
該第２の可動ホルダに巻回された複数のトラッキング制
御用コイルと、 前記焦点制御用コイルと対向するように配置され、前
記第１の可動ホルダを前記光学手段の光軸に平行な方向
に移動させる駆動力を発生させるとともに、前記複数の
トラッキング制御用コイルと対向するように配置され、
前記第２の可動ホルダを前記光学手段の光軸に垂直かつ
前記ディスクの半径方向に駆動する駆動力を発生させる
共通の磁気回路手段と、 前記磁気回路手段を固定した固定ホルダと、 前記固定ホルダに設けられ、前記第２の可動ホルダと
嵌合することのみで、該第２の可動ホルダを前記光学手
段の光軸に垂直かつ前記ディスクの半径方向に摺動可能
に支持する支持手段とを備えたので、可動ホルダの摺動
部における摩擦力を低減することで制御精度の低下を回
避することができるとともに、焦点制御及びトラッキン
グ制御の両制御を固定ホルダに設けた共通の磁気回路手
段で駆動させているので装置を小型化できる光学手段駆
動装置が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の光学手段装置の概略図、第２図はこの発
明の一実施例の平面図、第３図は第２図のIII−III線に
おける断面図、第４図は第１図に示した光学手段駆動装
置概要を示す斜視図、第５図は第４図に示されたものの
組立状態を示す分解斜視図である。 図において、（１）は対物レンズ、（２）は第１の可動
ホルダ、（３）は焦点制御用コイル、（４）は第２の可
動ホルダ、（5a）〜（5d）はトラッキング制御用コイ
ル、（9a），（9b）は永久磁石である。 なお、図中、同一符号は同一あるいは相当部分を示す。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】情報記録媒体となるディスクの情報記録面
   に対する光スポットの焦点ずれと前記ディスクのトラッ
   クに対する光スポットのトラックずれとを検知し、前記
   焦点ずれ及び前記トラックずれを各々の検知量に応じて
   補償制御する光学手段駆動装置において、 前記ディスク上の情報記録面に光スポットを形成する光
   学手段と、 前記光学手段をそのほぼ中心部に保持する円筒形状の第
   １の可動ホルダと、 前記円筒形状の第１の可動ホルダと同軸をなすように該
   第１の可動ホルダに巻回された焦点制御用コイルと、 前記第１の可動ホルダに対して対称形状を有し、該第１
   の可動ホルダをそのほぼ中心部に嵌合保持する第２の可
   動ホルダと、 前記第２の可動ホルダに対して対称形状をなすように該
   第２の可動ホルダに巻回された複数のトラッキング制御
   用コイルと、 前記焦点制御用コイルと対向するように配置され、前記
   第１の可動ホルダを前記光学手段の光軸に平行な方向に
   移動させる駆動力を発生させるとともに、前記複数のト
   ラッキング制御用コイルと対向するように配置され、前
   記第２の可動ホルダを前記光学手段の光軸に垂直かつ前
   記ディスクの半径方向に駆動する駆動力を発生させる共
   通の磁気回路手段と、 前記磁気回路手段を固定した固定ホルダと、 前記固定ホルダに設けられ、前記第２の可動ホルダと嵌
   合することのみで、該第２の可動ホルダを前記光学手段
   の光軸に垂直かつ前記ディスクの半径方向に摺動可能に
   支持する支持手段とを備え、 前記第１の可動ホルダと前記第２の可動ホルダをそれぞ
   れ独立して駆動制御する光学手段駆動装置。