JP2516432Y2 - フイルタプレスにおけるろ過装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、フィルタプレスにお
いて、各ろ板間に設けるろ過装置の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、フィルタプレスにおいて、各ろ板
間に設けるろ過装置には、そのろ材として一般にろ布が
用いられ、また、ろ布に代えて金網等の金属ろ材も用い
られている。金属ろ材を用いたものとしては、例えば実
公昭３８−２３６８８号が知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】然しながら、ろ材とし
てろ布を用いるものでは、ケーキの排出時に付着したケ
ーキの剥離がむづかしく、このため、ろ布を振動させた
り、高圧流体で洗浄したりしているが、ろ布の目に詰ま
ったものは完全に除去できない。また、ケーキの剥離性
のよい金属ろ材を用いても目に詰まったケーキは除去し
にくく、前述実公昭３８−２３６８８号のようにろ材が
固定されているものでは、完全な剥離ができない。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この考案は、金属ろ材の
良好な剥離性と弾力性を利用して、上述のような課題を
解消したものであって、その要旨とするところは、水平
杆に沿って多数並列したろ板の各ろ板間にろ過室を形成
したフィルタプレスにおいて、上記ろ板のろ過床に沿う
凹部を有するとともに金属材で弾力性を有するろ過網を
構成し、このろ過網を上記ろ板のろ過床に設けたダイヤ
フラム上に載置して、その周辺部をろ板に取付けたもの
である。

【０００５】

【 作 用 】この考案に係る装置は、上述のように
構成されており、ろ板を閉板した状態では左右のろ板に
固定したろ過網の凹部でろ過室を形成することができ、
このろ過室に供給された原液をろ過することができる。
そして、その結果生じたケーキをダイヤフラムを膨張さ
せることによって圧搾ろ過することができる。

【０００６】次にケーキ排出するためろ板を開板する
と、ろ過網はダイヤフラムによってろ板の凹部から外方
に向って押圧されているので、その弾力性で以てろ過網
は外方が凸になるように変形する。したがって、凹部か
らケーキが押出される。そして、このろ過網の変形時
に、ケーキが付着した側のろ過網の目が開き、目に詰ま
ったケーキ迄も剥離除去することができる。このように
してケーキを剥離除去したのちは、ダイヤフラムを収縮
させてろ板を閉板することによって外方に凸に変形した
ろ過網は反転変形してろ過室を形成する。以下、図面に
基づいてこの考案を具体的に説明する。

【０００７】

【実施例】図１は、フィルタプレスのろ板列の中から一
対のろ板を取出してその縦断面を示すもので、図中、符
号１はろ板であり、その表裏に周囲のシール面１ａを残
して中凹状にろ過床１ｂを形成し、円板状に構成してあ
る。符号１ｃは給液通路、１ｄはろ過室１ｅへの原液の
供給路、１ｆはろ液の取出路、１ｇはろ液の排出路であ
る。

【０００８】次に、符号２は、ろ過床１ｂに設けたダイ
ヤフラムであり、表面には多数の突起を設けてろ液通路
が形成されていて、常態においては、ろ過床１ｂに沿っ
た状態でその周辺部がろ板１に固定されている。符号３
は、ダイヤフラム上に設けた金属材よりなるろ過網であ
って、その周辺部がろ板１の周部に固定してある。 この
ろ過網３は、図示のものでは反転性をよくするため弾性
をもたせて円形状に構成してある。

【０００９】このように構成したろ過装置では、ろ板１
を閉板すると、各ろ板に設けたろ過網３が互いに押圧し
合って、図１に示すように、各ろ板間にろ過室１ｅを形
成する。したがって、原液を給液路１ｃ、供給路１ｄを
経てろ過室１ｅに圧入供給すると、ろ過網３によってろ
過され、そのろ液は、取出路１ｆを経て排出路１ｇから
機外に取出される。そして、注水路１ｈからダイヤフラ
ム２内に注水することによってろ過室１ｅ内に生じたケ
ーキは、さらに圧搾ろ過することができる。

【００１０】上述のようにして、ろ過圧搾作業が完了し
たのち、ろ板１を図２に示すように開板すると、ろ過網
３は、ダイヤフラム３によって背後（ろ板側）から押圧
されているので、外方に凸状に反転する。従って、ろ過
網３に付着したケーキが剥離して落下する。すなわち、
反転によってケーキＳが付着した側のろ過網の目が開
き、目に詰まったケーキ迄も剥離するものである。この
とき、図例のようにろ過網３を円形に構成し、弾力性を
付加しておくと、反転時のインパクトによって剥離性が
良好である。

【００１１】以上のようにして、ケーキ剥離が完了した
のちは、ろ板１を閉板することによって、外方に凸状に
反転していたろ過網３は、各ろ板のものが互に押圧し合
うことによって、図１に示すように内側に凸状に反転
し、ろ過室１ｅを形成する。このとき、ダイヤフラム４
は収縮させてあるものである。

【００１２】

【 考案の効果 】以上の説明であきらかなように、こ
の考案は、ケーキの剥離が容易な金属材よりなるろ過網
を開いて、然も、ケーキを剥離するに際してこのろ過網
を反転させて、ケーキの付着したろ過網の目を拡張さ
せ、完全なケーキの剥離を達成したもので、従来、フィ
ルタプレス使用上、最大の課題を解決したものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係るろ過装置の縦断側面図である。

【図２】この考案に係るろ過装置の作動状態を示す縦断
側面図である。

【図３】この考案に係るろ過装置の原液の供給部を取出
して示す縦断側面図である。

【図４】この考案に係るろ過装置のろ液の取出部を取出
して示す縦断側面図である。

【図５】この考案に係るろ過装置の一部を取出して示す
正面図である。

【符号の説明】

１ ろ板 １ｂ ろ過床 ２ ダイヤフラム ３ ろ過網

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 水平杆に沿って多数並列したろ板の各ろ
   板間にろ過室を形成したフィルタプレスにおいて、上記
   相対する円板状のろ板１の凹状ろ過床１ｂに沿う凹所を
   有するとともに、金属材で弾力性を有するろ過網３を形
   成し、このろ過網３を上記ろ板１のろ過床１ｂに設けた
   ダイヤフラム２上に位置させてその周部をろ板１に取付
   けたことを特長とするフィルタプレスにおけるろ過装
   置。