JP2516112B2 - 核酸電気泳動パタ―ン読み取り方法 - Google Patents

核酸電気泳動パタ―ン読み取り方法

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JP2516112B2 JP3226398A JP22639891A JP2516112B2 JP 2516112 B2 JP2516112 B2 JP 2516112B2 JP 3226398 A JP3226398 A JP 3226398A JP 22639891 A JP22639891 A JP 22639891A JP 2516112 B2 JP2516112 B2 JP 2516112B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、核酸電気泳動パターン
読み取り方法および装置に関し、特に、共通の核酸電気
泳動パターン読み取り装置を用いて、比較的大きな核酸
の断片を分離するためのゲルの領域の読み取りから、細
部の各塩基配列を決定するための蛍光パターンの読み取
りまでの処理を一連に行うことのできる核酸電気泳動パ
ターン読み取り方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、核酸の塩基配列解析は、一般的に
は、次にようなステップに分けて行なわれる。 (ステップ1)細胞組織などからの試料DNAの抽出、
(ステップ2)DNAの制限酵素による分解、(ステッ
プ3)ゲル電気泳動を用いたDNAの分子量による分
画、(ステップ4)塩基配列を解析するDNAバンドを
選択しゲルから回収、(ステップ5)回収したDNAの
ベクター組み込み及びクローニング、(ステップ6)ダ
イデオキシ法などによる塩基配列決定、なお、ステップ
3において、DNAのサイズが大きい場合には、一般に
ゲルの網目サイズが大きいアガロースゲルを用いる。電
気泳動の状況確認を行う場合や、試料DNAの量が多い
場合は、エチジウムブロマイドで染色し、紫外線を照射
して発生する蛍光を目視により確認し、また、インスタ
ントカメラに写すことで確認または記録する。
【0003】DNAが1000塩基程度以下の長さで二
本鎖である場合は、電気泳動を行うベースのゲルとして
ポリアクリルアミドゲルが使用されることもある。ただ
し、塩基長が短い場合は高感度でないと観察は難しくな
る。高感度の蛍光読み取り装置としては、イメージイン
テンシファイアとCCDカメラを利用した装置が用いら
れる。電気泳動で分子量別に分画されたDNA断片の集
まり(以下バンドという)は、その移動量から各バンド
毎の総塩基量が求められ、制限酵素に対する大まかな遺
伝子地図を作成して、塩基配列決定の参考とする。ま
た、ステップ4ではサザーンブロット法などによって所
望の塩基配列を部分的に有しているバンドを特定し、そ
のDNAを回収して、塩基配列決定のための次のステッ
プに移る。
【0004】ステップ6においては、対象となるDNA
の長さが短いことに加えて、一本鎖DNAであるため、
エチジウムブロマイド染色ではDNAを充分に確認する
ことができない。したがって、通常の場合は、別途に放
射線アイソトープを用いて標識し、電気泳動後にX線フ
ィルムに転写して電気泳動パターンを得る。
【0005】最近、安全性などの問題から放射性アイソ
トープに替えて蛍光色素で標識したプローブを用いて、
その蛍光色素を励起し、電気泳動パターンの読み取りを
行う方法が試行されている。しかしながら、遺伝病診断
やDNAの塩基配列決定などを行う場合、試料の量が1
-15molオーダ前後であるため、放射性アイソトープな
みの信号対雑音比を等価的に得るには、微弱な光を検出
する高度な光学技術と信号処理技術を必要とする。
【0006】微少な試料を蛍光標識して検出する装置と
しては、例えば、特開昭61−62843号公報に記載
されているような蛍光検出法による電気泳動装置があ
る。このような蛍光検出法による電気泳動装置の構成
を、まず、具体的に説明する。
【0007】図13は、従来の蛍光式電気泳動装置の外
観を示す斜視図である。図13を参照すると、電気泳動
装置は、試料の電気泳動を行い、蛍光の分布を計測する
泳動計測装置51と、計測データを基にデータ処理を行
うデータ処理装置52と、それらを相互接続するケーブ
ルとから構成されている。泳動計測装置51には、扉5
1aがあり、扉51aを開いて、電気泳動を行うベース
となるゲルの注入を行い、更に電気泳動を行う試料(D
NA断片)を所定量だけ注入する。扉51aを閉じて、
操作表示パネル51bの泳動開始スイッチを押すと電気
泳動が開始される。電気泳動が開始されると、泳動計測
装置51では、操作表示パネル51bにあるモニタに動
作状態が表示される。泳動計測装置51により計測され
たデータは、データ処理装置52に転送され、予めプロ
グラムされている所定のデータ処理が行われる。なお、
データ処理装置52は、計算機本体54と、利用者から
の指令などを入力するためのキーボード55と、処理状
態や結果を表示するディスプレイ装置56と、データ処
理の結果を記録するプリンタ57とから構成されてい
る。
【0008】図14は、泳動計測装置の内部の構成を示
すブロック図である。泳動計測装置(51;図13)の
構成は、図14に示すように、電気泳動装置部63およ
び信号処理装置部64から構成されており、これらの2
つの部分がまとめられて、泳動計測装置の全体を構成し
ている。電気泳動装置部63は、電気泳動を行う泳動部
5と、泳動部5に電圧を印加するための第1電極2aお
よび第2電極2bと、泳動部5および各電極2a,2b
を支えるための支持板3と、泳動部5に電圧を印加する
ための電気泳動用電源装置4と、蛍光物質を励起するた
めの光を発光する光源11と、光源11からの光を導く
ための光ファイバ12と、蛍光物質から発生した蛍光1
3を集光して受光する光学系の集光器14と、特定波長
の光を選択的に通す光学フィルタ15と、受光した光を
電気信号に変換するための光センサ16とから構成され
ている。また、信号処理装置部64は、光センサ16か
らの電気信号を受けて増幅する増幅器17と、電気信号
のアナログ信号をディジタルデータに変換するアナログ
・ディジタル変換回路18と、ディジタル変換したデー
タに対して加算平均処理等の前処理を行う信号処理部1
9と、前処理したデータを外部のデータ処理装置へ送出
するインターフェース処理を行うインターフェース20
と、電気泳動装置部および信号処理系の全体を制御する
ための制御回路10とから構成されている。この信号処
理装置部64から出力されるディジタル信号OUTは、
データ処理装置(52;図13)に送られ、解析処理な
どのデータ処理が行われる。
【0009】次に、このように構成された電気泳動装置
の動作を説明する。図13および図14を参照する。泳
動計測装置51にある扉51aを開き、内部にある泳動
部5にゲルを注入し、更に蛍光物質で標識したDNA断
片の試料を注入する。操作パネル51bのスイッチを操
作して、電気泳動開始を指示すると、電気泳動用電源装
置4からの電圧が電極2a,2bにより泳動部5に供給
されて電気泳動が開始される。電気泳動によって、蛍光
物質で標識された試料は、例えば、図17に示すよう
に、各々の試料のレーン71,72,73,74におい
て電気泳動され、試料に含まれる分子の分子量毎に集ま
り、それぞれにバンド66を作る。分子量の軽い分子ほ
ど泳動速度が速いため、同一時間内に泳動される距離は
大きい。これらのバンド66の検出は、図15(A)に
示すように、光源からの光を光ファイバ12に通して光
路61上でゲルを照射することにより、ゲル中でバンド
66に集まっている標識の蛍光物質に蛍光13を発生さ
せ、蛍光13を検出する。発光する蛍光13は、蛍光物
質の吸光係数,量子効率,励起光の強度などにもよる
が、バンド当り、10-16mol程度と非常に微量な量しか
蛍光物質が含まれていない。このため、発光する蛍光は
非常に微弱な光となる。例えば、この蛍光物質として、
フルオレセインイソチオシアネート(Fluorescein Isot
hiocyanate)を使用した場合について説明すると、フル
オレセインイソチオシアネートによる励起光の励起波長
のピークが490nm、蛍光波長のピークが520nm
である。モル吸光係数は7×104mol-1・cm-1であり、
量子効率は0.65程度である。
【0010】1バンド内に10-16molの蛍光物質が存在
する場合、励起光に波長488nmの出力1mWのアル
ゴンイオンレーザを使用した場合を想定して計算する
と、ゲルの厚みなどで異なるが、発生する蛍光の光量
は、1010個/Sオーダの蛍光の光子しか発生しない。
したがって、非常に微弱な蛍光を感度よく検出しなけれ
ばならない。
【0011】泳動部5は、その正面図が図15(A)
に、その縦断面図が図15(B)に示されるように、ポ
リアクリルアミドなどのゲル5aと、該ゲル5aを両側
から狭んで支えるためのガラスの支持板5b,5cとか
ら構成されている。泳動部5のゲル5aに上部から例え
ばDNA断片の試料を注入し、第1電極2aおよび第2
電極2b(図14)に泳動電圧を印加して、電気泳動を
行いながら、光源から照射された光、例えばレーザ光
を、光ファイバ12からゲル5a中の光路61を通し
て、光路61上の蛍光物質を照射する。これにより、光
路61上に存在する蛍光物質が励起されて蛍光13を発
する。蛍光13はレンズの組合せで構成される光学系の
集光器14に到達し、集光された後に光学フィルタ15
で選択され、一次元の光センサ16において電気信号に
変換される。光センサ16では、微弱な光を効率よく電
気信号に変換するため、イメージインテンシファイアな
どを用いて、104〜105倍に光増幅し、その画像をC
CDの一次元光センサなどで電気信号に変換している。
光センサ16により得られた電気信号は、増幅器17に
より希望するレベルの信号に増幅され、アナログ・ディ
ジタル変換回路18によりアナログ信号からディジタル
信号に変換されて、信号処理部19へ送られる。信号処
理部19では、信号対雑音比(S/N比)を向上させる
ために加算平均処理等の信号処理が行われる。このよう
にして信号処理されたディジタル信号のデータは、イン
タフェース20により、データ処理装置52に送出され
る。
【0012】図16(A)および図16(B)は、泳動
計測装置51から送出されるDNA断片の蛍光強度パタ
ーン信号の例を説明する図である。例えば、図16
(A)に示されるように、電気泳動が行われた泳動部5
に対して光路61上でレーザ光が照射されると、光路6
1上に存在するゲルの蛍光物質が励起されて、蛍光を発
するので、この蛍光を、レーン毎に所定の検出位置で電
気泳動方向62の方向に時間の経過と共に検出する。こ
れにより、各レーンのバンド66が光路61上の位置を
通過する時に、蛍光が検出されることになり、1つのレ
ーンにおける蛍光強度のパターン信号が、図16(B)
に示すように、検出される。このため、バンド66が光
路61上の位置を通過するときに、蛍光強度のピークが
得られる。したがって、図16(B)に示す蛍光強度パ
ターン信号は、電気泳動方向62の方向におけるバンド
66の蛍光強度パターン信号となっている。すなわち、
この蛍光強度パターン信号は、蛍光濃度に比例したプロ
ファイル波形となっており、このピーク値を判定して、
例えば、DNAの各塩基配列を判定する処理を行う。
【0013】データ処理装置52では、計算機本体54
により泳動計測装置51から送出されるDNA断片の蛍
光強度パターン信号のデータを受けて、蛍光強度パター
ンのデータから分子量の比較やDNAの塩基配列を決定
するデータ処理を行う。データ処理を行い決定された塩
基等の並びは、記号化して出力され、ディスプレイ装置
56により画面表示し、またはプリンタ57により印刷
出力される。
【0014】以上の例では試料の標識法として蛍光色素
を用いる装置例を示したが、他の例として、同様に蛍光
色素で標識し、電気泳動を行った後に、電気泳動パター
ンによる蛍光パターンを読み取る装置が特開平1−16
7649号公報に開示されている。この他の例の装置
は、前述したような電気泳動を行いながら同時に読み取
り部を通過する蛍光パターンの分布を読み取るタイプと
は異なり、電気泳動を終了してから泳動部全体の蛍光パ
ターンを読み取るタイプとなっている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うに、DNA塩基配列決定のためには、制限酵素を用い
て断片化したDNA断片をアガロースゲルで分離し、紫
外線を用いて大まかにバンド位置を確認するための装置
と、バンド位置を確認して選択したDNA断片に対し
て、更に詳細に蛍光パターンの読み取りを行って、塩基
配列を決定するための装置とを必要とする。双方の装置
は、バンド位置確認と塩基配列の決定のための泳動パタ
ーンの読み取りを同様な処理プロセスを行うにもかから
わず、全く異なる構成となっている。したがって、DN
A塩基配列決定のためには、双方の装置を備なえなけれ
ばならず、コストアップになる。また、異なる双方の装
置間でのデータ表現形式が異なるため、統一的に管理で
きないなどの問題がある。
【0016】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたものであり、本発明の目的は、共通の核
酸電気泳動パターン読み取り装置を用いて、比較的大き
な核酸の断片を分離するためのゲルの大まかな領域の読
み取りから、各塩基配列を決定するための細部の蛍光パ
ターンの読み取りまでの操作を一連に行う核酸電気泳動
パターン読み取り方法を提供することにある。
【0017】また、本発明の他の目的は、エチジウムブ
ロマイド染色のDNA泳動パターンであっても、塩基配
列決定のための蛍光標識DNA泳動パターンであって
も、同一の読み取り操作のプロセスで電気泳動パターン
を読み取ることができる核酸電気泳動パターン読み取り
方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の核酸電気泳動パターン読み取り方法は、試
料の核酸をゲル電気泳動により分離し、エチジウムブロ
マイドを含む染色剤により染色する第1の段階と、該試
料の泳動パターンを532nmの波長を含むレーザ光を
用いて励起し、該試料から発生する蛍光強度の分布パタ
ーンを約600nmの波長域で読み取って試料の塩基配
列解析部分を選択して取り出す第2の段階と、取り出し
た試料の塩基配列解析部分を溶解して染色剤を除去した
後、溶解した試料に対して、核酸標識用蛍光物質として
532nmで励起可能で約600nm付近で蛍光を発生
する蛍光物質を用いて標識する第3の段階と、標識した
試料に対してゲル電気泳動を行い、蛍光パターンを読み
取る第の段階とからなることを特徴とする。
【0019】ここでのエチジウムブロマイドを含む染色
剤は、エチジウムブロマイドモノマーまたはエチジウム
ブロマイドダイマーのいずれかを含み、また、標識用蛍
光物質として532nmで励起可能で約600nm付近
で蛍光を発生する蛍光物質は、ローダミンX,テキサス
レッド,テトラメチル・ローダミン・イソチオシアネー
トのいずれかであることを特徴とする。
【0020】
【作用】本発明の核酸電気泳動パターン読み取り方法に
おいては、ひとつの波長の励起光源で、バンド位置確認
のための染色剤のエチジウムブロマイドと塩基配列決定
時の標識用蛍光物質が共に励起可能で、かつそれらがほ
ぼ同一の蛍光波長を有するような標識用蛍光物質を用い
る。このため、核酸電気泳動パターン読み取り方法のプ
ロセスでは、まず、第1の段階として、試料の核酸をゲ
ル電気泳動により分離し、エチジウムブロマイドを含む
染色剤により染色する。次の第2の段階では、該試料の
泳動パターンを532nmの波長を含むレーザ光を用い
て励起し、該試料から発生する蛍光強度の分布パターン
を約600nmの波長域で読み取って、試料の塩基配列
決定を行う塩基配列解析部分を選択して取り出す。
に、次の第3の段階で、取り出した試料の塩基配列解析
部分を溶解して染色剤を除去した後、溶解した試料に対
して、塩基配列決定のための標識用蛍光物質として53
2nmで励起可能であり、かつ約600nm付近で蛍光
を発生する蛍光物質を用いて標識し、更に、次の第4の
段階で、標識した試料に対して電気泳動を行い蛍光パタ
ーンを読み取る。
【0021】ここでの染色剤として用いるエチジウムブ
ロマイドの吸収度のピークは、紫外線領域だけでなく、
波長が530nmの前後にも存在している。したがっ
て、エチジウムブロマイドを含む染色剤により染色した
試料の核酸を、532nmの波長を含むレーザを励起光
源として用いて励起することができる。励起されたエチ
ジウムブロマイドの蛍光波長のピークは、約600nm
付近となっている。このため、この約600nmの波長
域で試料から発生する蛍光強度の分布パターンを読み取
って、試料の塩基配列決定を行う部分を選択して取り出
す。例えば、ゲルごと試料の塩基配列解析の対象とする
特定部分を切り出し、ゲルを溶解し、染色剤を洗浄して
除去し、試料を取り出す。取り出した試料に対しては、
核酸(DNA)の塩基配列決定のための標識用蛍光物質
として532nmで励起可能で約600nm付近で蛍光
を発生する蛍光物質を用いて標識する。そして、電気泳
動動を行い蛍光パターンを読み取る。また、ここで用い
る標識用蛍光物質は、例えば、ローダミンX,テキサス
レッド,テトラメチル・ローダミン・イソチオシアネー
トのいずれかである。これらの標識用蛍光物質は、上記
の条件に合う532nmで励起可能であり、かつ、約6
00nm付近で蛍光を発生する蛍光物質である。
【0022】また、このような核酸電気泳動パターン読
み取り方法を実施する装置は、このため、約532nm
の波長を含むレーザ光を発光する励起光源と、約600
nmの波長成分光を受光する受光部とを備えており、更
に、光照射機構と、光電変換部と、微弱な蛍光を受光し
て得た電気信号を増幅するための増幅器とを備えてい
る。光照射機構が、試料の染色済のゲルに対して励起光
源からの照射光を走査してゲルの厚み方向に照射する
と、受光部が、照射光の光軸とは異なる方向に受光面を
設定した受光経路の空間的位置関係により、蛍光パター
ンの蛍光を読み取り面の散乱光から分離して、約600
nmの波長成分の蛍光を受光する。光電変換部が受光部
で受光した光信号の光電変換を行って電気信号を出力す
ると、増幅器が光電変換部からの電気信号に対して、照
射光の走査と同期して積分動作を行って増幅し、順次に
蛍光パターンの電気信号を出力する。
【0023】このように、染色剤および標識用蛍光物質
の選択を行い、同一の蛍光パターン読み取り装置によ
り、大型断片のDAN断片のゲル電気泳動パターンと、
塩基配列決定時の短い断片のDNA断片の読み取りを行
うことができる。また、蛍光パターン読み取り装置で
は、上述のような機構を備えることにより、ゲル表面
や、ゲル支持板から発生する励起光を励起光の光軸と異
なる光軸に受光面を置くことにより分離し、安定に計測
することを可能としている。
【0024】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して具
体的に説明する。図1は本発明の一実施例にかかる核酸
電気泳動パターン読み取り方法を一態様で実施する装置
の全体構成を説明する概略図である。図1に示すよう
に、核酸電気泳動パターン読み取り装置は、電気泳動ユ
ニット1と読み取りユニット6とが分離されて、全体の
装置を構成している。電気泳動ユニット1は、電気泳動
を行うベースとなるゲルと該ゲルをガラス板などで挟み
込んで支持するゲル支持体とからなる泳動部ユニット5
と、泳動部ユニット5が装着されて当該泳動部ユニット
(以下では泳動部と略称する)5に電気泳動電圧を加え
る第1電極2aおよび第2電極2bと、第1電極2aお
よび第2電極2bを支えると共に泳動部5を支える支持
板3と、電気泳動電圧を供給する電気泳動用電源装置4
とから構成される。泳動部5は、前述したように、電気
泳動を行う試料を展開するベースとなるポリアクリルア
ミドなどのゲルと、当該ゲルを両側から挟んで支持する
ガラス板のゲル支持体とから構成される(前述した図1
5(A)および図15(B)を参照)。
【0025】電気泳動ユニット1には、泳動部5が装着
され、泳動部5のゲルの上部から電気泳動するDNAフ
ラグメントなど断片化した試料が供給され、電気泳動用
電源装置4から第1電極2aおよび第2電極2bに泳動
電圧が印加されて、電気泳動が行われる。電気泳動ユニ
ット1で電気泳動を行った後の泳動部5は、電気泳動ユ
ニット1から取り外して、次に、読み取りユニット6に
装着し、電気泳動パターンの読み取りを行う。
【0026】読み取りユニット6には、電気泳動ユニッ
ト1で電気泳動を行った泳動部5をそのままの状態で
(または泳動部5からゲルのみを取り出したゲルの状態
で)、計測部本体7に装着して、電気泳動パターンを読
み取って、データ処理を行う。読み取りユニット6は、
図1に示すように、計測部本体7を主要部として、構成
され、データ処理装置8およびイメージプリンタ9等が
付加されて構成されている。データ処理装置8およびイ
メージプリンタ9は、計測部本体7で読み取った電気泳
動パターンのイメージデータに対して、データ処理,イ
メージ処理,判定処理などを行い、読み取った電気泳動
パターンデータを加工して出力する。計測部本体7に
は、電気泳動ユニット1において既に電気泳動を行った
泳動部(ゲルおよびゲル支持体からなる泳動部ユニッ
ト)5を装着して読み取る読取り台が、本体上部の蓋7
aの直下に設けられている。
【0027】電気泳動ユニット1から取り外した泳動部
5は、計測部本体7において、計測部本体上部の蓋7a
を開けて読み取り台に装着される。読取り台に泳動部5
の読み取り対象のゲルを装着した後、蓋7aを閉じて、
計測部本体7の操作表示パネル7bの読み取り開始スイ
ッチを押下すると、計測部本体7が泳動部5のゲルの電
気泳動パターンの読み取りを開始する。電気泳動パター
ンの読み取りが開始されると、計測部本体7に内蔵する
点光源からの照射光の走査が開始され、装着した泳動部
5のゲルに励起光を照射し、蛍光物質を励起させ、これ
により発光した蛍光を受光して、蛍光物質の分布のパタ
ーンを計測する。データ処理装置8は計測部本体7で計
測した読み取りデータを基にデータ処理を行い、また、
計測部本体7の制御を行う。データ処理されたデータ
は、イメージプリンタ9により出力されて可視化され
る。
【0028】本実施例の核酸電気泳動パターン読み取り
装置を用いて、電気泳動パターン読み取りを行う場合、
試料のDNAのバンド位置確認のための染色剤として、
エチジウムブロマイドを用いる。また、塩基配列決定時
の標識用蛍光物質として、ローダミンX,テキサスレッ
ド,テトラメチル・ローダミン・イソチオシアネートの
いずれかを用いる。これらの標識用蛍光物質は532n
mで励起可能であり、かつ、約600nm付近で蛍光を
発生する蛍光物質である。
【0029】ところで、電気泳動を行う試料のDNAに
対して用いる染色剤のエチジウムブロマイドおよび標識
用蛍光物質のローダミンXのそれぞれの励起効率および
蛍光曲線の特性をみると、図12(A)および図12
(B)に示すような特性となっており、エチジウムブロ
マイドの吸収度(励起効率)のピークは、紫外線領域だ
けでなく、波長が530nmの前後にも存在している。
また、標識用蛍光物質のローダミンXの吸収度のピーク
は、波長が580nmの前後に存在しているが、第2の
ピークとして、波長が530nmの前後にも存在してい
る。このため、エチジウムブロマイドを含む染色剤によ
り染色した試料のDNAを、532nmの波長を含むレ
ーザを励起光源として用いて励起することができる。
【0030】励起されたエチジウムブロマイドの蛍光波
長のピークは、図12(B)に示すように、約600n
m付近となっている。このため、この約600nmの波
長域で試料から発生する蛍光強度の分布パターンを読み
取って、試料の塩基配列決定を行う部分を選択する。ま
た、選択した試料に対しては、標識用蛍光物質のローダ
ミンXを用いて標識を行い、電気泳動を行った後、蛍光
パターンの読み取りを行う。この場合にも、この約60
0nmの波長域で試料から発生する蛍光強度の分布パタ
ーンを読み取って、試料の塩基配列決定を行う。
【0031】すなわち、核酸電気泳動パターン読み取り
プロセスでは、まず、第1の段階として、試料の核酸を
ゲル電気泳動により分離し、エチジウムブロマイドを含
む染色剤により染色する。次の第2の段階では、該試料
の泳動パターンを532nmの波長を含むレーザ光を用
いて励起し、該試料から発生する蛍光強度の分布パター
ンを約600nmの波長域で読み取って、試料の塩基配
列決定を行う塩基配列解析部分を選択して取り出す。
に、次の第3の段階で、取り出した試料の塩基配列解析
部分を溶解して染色剤を除去した後、溶解した試料に対
して、塩基配列決定のための標識用蛍光物質として53
2nmで励起可能であり、かつ約600nm付近で蛍光
を発生する蛍光物質を用いて標識し、更に、次の第4の
段階で、標識した試料に対してゲル電気泳動を行い蛍光
パターンを読み取る。
【0032】次に、上述のような各々の段階での核酸電
気泳動パターン読み取りプロセスを行う核酸電気泳動パ
ターン読み取り装置(図1)の細部の構成を説明する。
図2は、計測部本体の要部の構成を示すブロック図であ
り、また、図3は、計測部本体に装着する泳動部の装着
位置を説明する図である。図2および図3を参照して説
明する。
【0033】蛍光式電気泳動パターン読み取り装置を用
いて、複数の各々の試料の電気泳動分析を行う場合、前
述したように、まず、電気泳動ユニット1を用いて、蛍
光色素(蛍光物質)により標識した試料(DNAフラグ
メント)の電気泳動を行う。ここでは、標識用の蛍光物
質として、例えば、ローダミンX,テキサスレッド,テ
トラメチル・ローダミン・イソチオシアネートのいずれ
かを用いる。これらの標識用蛍光物質は、532nmで
励起可能であり、かつ、約600nm付近で蛍光を発生
する蛍光物質である。
【0034】標識した試料(DNAフラグメント)に対
して、約5時間位の所定時間の電気泳動の終了後、泳動
部5を電気泳動ユニット1から取り外す。取り外した泳
動部5のゲルは、そのままの泳動部5の状態で、あるい
はゲル支持体のガラスを外した状態で、図3に示すよう
に、読み取りユニット6の計測部本体7の上部の蓋7a
を開き、内部の読み取り台7cの上部に載置する。そし
て、蓋7aを閉じて、読み取りユニットへのセットが完
了する。このとき、電気泳動を行ったゲルが蛍光色素で
標識されていない試料の場合には、この段階において、
試料に対して、エチジウムブロマイド・モノマー,また
はエチジウムブロマイド・ダイマーなどの蛍光色素をつ
ける染色処理を施す。また、このとき、ゲルの乾燥等の
処理も行うことも可能である。
【0035】次に、電気泳動パターンの読み取り開始を
指示する操作を行う。読み取り開始の操作は、操作表示
パネル7bの読み取り開始スイッチの押圧操作の開始指
示により、またはデータ処理装置8からの読み取り開始
指示により行う。データ処理装置8によって読み取り動
作を開始する場合には、計測部本体7における泳動部ユ
ニットの装着状態が制御信号線を通してデータ処理装置
8の側に送られ、その状態を確認してデータ処理装置8
が計測部本体7の読み取りユニット部の動作を制御して
行う。この場合には、動作時の読み取り速度などのパラ
メータ設定を予めデータ処理装置8の側に登録しておく
ことにより、読み取り開始の操作が自動的に行われるの
で、操作者のスイッチ操作負担が軽減される。
【0036】読み取られた蛍光色素の分布データは、デ
ータ処理装置8に送られる。データ処理装置8では、蛍
光強度のピーク検出処理、泳動距離を求める処理など予
めプログラムされている所定の処理を行う。データ処理
した結果のデータは、必要に応じてイメージプリンタ9
により、蛍光強度を濃淡画像で印刷出力し、または蛍光
強度を等高線形式または色や濃度で区分けした画像とし
て印刷出力する。蛍光強度に応じた濃淡画像で印刷出力
した画像は、従来から用いられている放射性物質で標識
して電気泳動を行った放射性Xフィルム像と同様な画像
となる。また、必要に応じて、データ処理を行った結果
データは、磁気的または光学的記録装置にディジタルデ
ータとして記憶される。
【0037】図2の計測部本体では、図2に示すよう
に、光源21から発光されたレーザビーム31が、ミラ
ードライバ30で駆動される振動ミラー22により図面
の表裏方向にスキャンされ、読み取り対象の泳動部5の
ゲルに加えられる。振動ミラー22によりスキャンされ
るレーザビーム31のスポット光は、移動しながら、泳
動部5のゲルを厚み方向に照射される。これにより、ス
キャンされたレーザビーム31のスポット光が照射され
た泳動部5のゲルからは、蛍光13が発する。ゲルから
発した蛍光は、集光器23を通して受光される。集光器
23は、後述するが、蛍光13を受光するため受光経路
の光軸が泳動部5を照射するスポット光の光軸とは異な
るように構成され、また、光学レンズ系により受光の光
学経路の空間的位置関係の構成から、散乱光を分離し
て、泳動部5の照射面から発する散乱光からの検出感度
を高めて、蛍光13を受光する。集光器23により受光
した光は、光電変換部24により電気信号に変換されて
増幅器25により増幅される。なお、ゲルを透過したレ
ーザビーム31が迷光として悪影響を与えないように、
泳動部5のレーザビーム31の照射面と反対側には、光
トラップ32が設けられる。
【0038】ここでレーザ光を発光する光源21として
は、エチジウムブロマイドおよび標識用蛍光物質の例え
ばローダミンXを励起するため、波長532nmのレー
ザ光を用いる。このため、例えば、ネオジウム添加イッ
トリウム,アルミニウムガーネットの結晶で発振する波
長1064nmの赤外レーザ光からKTiPO4を用い
て、2次高調波である波長532nmのレーザ光を用い
る。また、この他の例として、ネオジウム添加イットリ
ウム・アルニウム,酸化硼素の結晶(NYAB)により
直接に2次高調波の波長531nmのレーザ光を得て、
この波長531nmのレーザ光を光源21として用いる
ことができる。また、その他の2次高調波を用いて、波
長が532nm近傍のレーザ光を得て光源21として用
いるようにしてもよい。
【0039】このように、集光器23,光電変換部24
を通して、検出する蛍光13の受光感度を高くして受光
し、更に、受光した蛍光13を電気信号に変換し、変換
した電気信号を増幅器25に入力する。増幅器25にお
いて増幅された電気信号は、アナログ・ディジタル変換
回路26に入力されて、ディジタルデータに変換され
る。ディジタルデータに変換された蛍光の検出信号はメ
モリ28に記憶され、メモリ28に記憶されたデータ
が、インタフェース制御回路29を通してデータ処理装
置8に送られる。上述したような一連の信号処理の全体
の制御は、制御回路27が行う。
【0040】次に、このような構成の電気泳動パターン
読み取り装置の計測部本体における各部の構成を詳細に
説明する。図4は、振動ミラーを用いてゲル面をレーザ
ビームでスキャンする光走査機構を説明する図であり、
また、図5は振動ミラーの回転角とレーザビームのスポ
ット光の移動距離の関係を説明する図である。
【0041】計測部本体の光走査機構においては、光源
21,振動ミラー22,および泳動部5の配置位置が、
図4に示すような位置関係にあるため、例えば、振動ミ
ラー22がミラードライバ30により等角速度で振動す
るように駆動された場合、泳動部5においては、両端部
での光スポットの移動速度が中央部(X=0)の付近よ
りも速くなる。そのため、泳動部5の試料から検出され
る蛍光の検出感度は、中央部と端部とでは差が生ずるこ
とになる。このため、この実施例では、泳動部5のゲル
上でレーザのスポット光の移動速度が等速となるよう
に、振動ミラーを駆動する速度を補正制御する。すなわ
ち、スポット光の位置Xに対するミラーの角度θの関係
は、図5に示すような関係となり、振動ミラーの回転中
心と泳動部5の中央部との距離Zを用いると、ミラー角
度θは次式で表される。 θ=arctan(X/Z) ここで、Zは振動ミラー22の回転中心から泳動部5の
ゲルまでの距離であり、Xは振動ミラー22の回転中心
から泳動部5のゲルの面に垂線を下ろした点を原点とす
るゲルの面方向の距離である。
【0042】また、この種の光走査機構における回転角
と移動距離との間の関係を補正する方法としては、fθ
レンズを用いる方法があるが、fθレンズは高価であ
り、fθレンズを装着するため装置が重くなるので、こ
こでは、光走査機構の振動ミラー回転角と移動距離との
間の補正を、ミラードライバ30に振動ミラー22の回
転角速度を可変制御する制御回路を備え、振動ミラー2
2の回転駆動速度を補正制御することにより行う。
【0043】図6は、振動ミラーを回転駆動制御するミ
ラードライバの制御回路の要部構成を示すブロック図で
ある。振動ミラーのアクチュエータとしては直線モータ
を用いており、振動ミラーの回転角制御は、回転角対応
に比例した電圧を印加することによって制御する。ゲル
の照射面においてレーザビームのスポット光が等速で移
動するためには、照射面の距離Xと時間tが比例関係と
なるように制御すればよい。振動ミラーの回転角θとス
ポット光の移動距離Xとの関係は、図5に示すような関
係となっているので、図5のグラフの横軸を時間軸、縦
軸を電圧軸に対応させた電圧波形の信号を発生させ、こ
れを振動ミラーを駆動する駆動制御信号とする。このよ
うな駆動制御信号の発生は、ミラードライバ30におけ
る制御回路の起動により行い、発生した駆動制御信号を
振動ミラー22のアクチュエータに供給して、振動ミラ
ー22の駆動制御を行う。
【0044】ミラードライバ30は、図6に示すよう
に、関数波形を記憶した読み出し専用メモリ30aと、
読み出した関数データを電圧信号に変換するデジタル・
アナログ変換回路30bと、変換された電圧信号を増幅
して駆動制御信号として出力するドライバ30cと、メ
モリに対し時系列的に読み出しアドレスを与えるカウン
タ30dと、カウンタにクロック信号を与える発振回路
30eから構成されている。
【0045】計測部本体の制御回路27からの指示によ
り発振回路30eが動作し、発振回路30eからのクロ
ック信号がカウンタ30dに入力され、カウンタ30d
はクロック信号をカウントし、読み出し専用メモリ30
aに供給する読み出しアドレスを時系列的に発生する。
カウンタ30dにより発生された読み出しアドレスが時
系列的に読み出し専用メモリ30aに供給されると、読
み出し専用メモリ30aから予め記憶されている関数デ
ータが順次に読み出される。読み出し専用メモリ30a
には、予め振動ミラーの回転角に関する関数データ(図
5)が書き込んであり、このような関数データが時系列
的に読み出される。この例では、関数データのビット数
は、12ビットとしている。読み出された関数データ
は、ディジタル・アナログ変換回路30bにおいて振動
ミラーの回転角を制御するアナログ信号の電圧信号に変
換される。この電圧信号は、ドライバ30cにおいてス
テップ状のノイズをフィルタリングで除去し、更に電力
増幅して、駆動制御信号として、振動ミラー22に供給
される。これにより、泳動部におけるレーザビームのス
ポット光の移動速度(スキャン速度)が一定となるよう
な所望の回転角速度で振動ミラーを振動させることがで
きる。
【0046】また、ここでのスキャン速度は、対数的に
ほぼ等分となるように0.5Hz,1Hz,2Hz,5Hz,10Hz,20
Hz,50Hz,100Hz,および200Hzの各速度で可変できるよ
うにしてある。これは、電気泳動する試料に標識した蛍
光物質の量や蛍光物質の量子効率の差に応じて、読み取
り速度を変えられるようにし、効率的に読み取りを行う
ためである。この場合のスキャン速度の指定は、操作表
示パネル7bまたはデータ処理装置8から指定する。制
御回路27から、ミラードライバ30にスキャン速度の
指示データが送られると、カウンタ30dおよび発振回
路30eを制御して、所望のスキャン速度で振動ミラー
22を駆動させる。
【0047】このようにして、振動ミラー22の駆動制
御により、光源21からのレーザビームがスキャンさ
れ、泳動部5においては一定速度で移動するスポット光
として照射される。これにより、レーザ光の照射光によ
り照射された部分にある泳動部5のゲルの蛍光物質が励
起され、蛍光13を発する(図2)。
【0048】図7は、ゲルから発生する蛍光を受光する
ための集光器および光電変換部の要部の構成を光路を中
心に示す図である。前述したように、泳動部のゲル5a
は、ガラスのゲル支持体5b,5cに挾まれて支持され
ている。ゲル支持体5b,5cとしては、この実施例の
泳動部5では、ゲル支持体5b,5cに蛍光の比較的少
ない硼硅酸塩ガラスを使用している。この他に、ゲル支
持体5b,5cとしては、石英ガラスや各種光学ガラス
などが利用できる。
【0049】泳動部5において、スキャンされて移動す
るレーザビーム31の照射光が照射されると、このレー
ザビーム31の照射光はゲル支持体5b,5cを厚み方
向に透過し、ゲル5aに到達する。ゲル5aにおいても
その厚み方向にレーザビーム31の照射光が進行する。
ゲル支持板5b,5cおよびゲル5aの厚みは、それぞ
れ約5mmおよび約0.35mmとなっており、ゲル支持板
5b,5cおよびゲル5aの厚み方向に照射されるレー
ザビーム31の照射光は、泳動部5のどの位置において
もゲルに到達する光の強度は概ね等しい。また、ゲル5
aおよびゲル支持体5b,5cの照射光の入射面で発生
する光散乱によるレーザビーム31の広がり,強度減少
も、厚み方向に面に対し垂直に照射光を入射しているた
め、大幅に少なくなる。なお、ゲルを透過したレーザビ
ーム31は、迷光として悪影響を与えないように光トラ
ップ32に入り減衰させられる。
【0050】このように、励起光がスキャンされること
によって、ゲル5a内から発生する蛍光は、励起光によ
る散乱光などと共に集光器23で集められる。ゲル支持
体5b,5cにおいて発生する散乱光は、受光経路の空
間的位置関係により幾何光学的に分離され、ゲルからの
蛍光のみが取り出されて光電変換部24に送られる。光
電変換部24においては、ゲル内において発生する散乱
光と蛍光とが光学フィルタを用いて分離され、光電子増
倍管によって微弱な蛍光が電気信号に変換される。集光
器23および光電変換部24の構成は、図7に示される
とおりである。
【0051】集光器23および光電変換部24における
光学系の構成を説明すると、集光器23は、図7に示す
ように、泳動部5からの蛍光およびゲル支持体5b,5
cから発生する励起光の散乱光を、シリンドリカルレン
ズ23aで受けて集光する光学経路の構成となってい
る。
【0052】図7を参照すると、泳動部5からの蛍光1
3およびゲル支持体5b,5cから発生する励起光の散
乱光は、シリンドリカルレンズ23aに到達して、散乱
光および蛍光が、図示するように、シリンドリカルレン
ズ23aによりその反対側において結像する。図中のA
点はゲル5aからの蛍光およびゲル5aから発生する励
起光の散乱光に対する焦点である。また、ゲル支持体5
b,5cの表面において発生する励起光の散乱光は、例
えば、ゲル支持体5cの表面からの散乱光の場合、図中
のA′点に結像する。ここで光ファイバアレイ23b
は、光の入射口をゲル5aからの蛍光を受光するように
その結像点Aの位置に配設することで、受光経路の空間
的位置関係により幾何光学的に蛍光を、ゲル支持体から
の散乱光と分離する。照射光を厚み方向に照射する方法
は、ゲルとゲル支持体であるガラスとの屈折率が1.4
〜1.5前後と比較的近いこと、およびゲルとゲル支持
体のガラスの境界面が非常に密着していることにより、
この境界面において発生する散乱光は非常に少ない。し
たがって、A点で受光する光は、ゲル5aの表面で発生
する励起光の散乱光も少なくなっており、ゲル5aの内
部からの蛍光のみが大きく受光される。
【0053】ところで、ゲル支持体5b,5cのいずれ
か、または両方を取り外してゲル5aに対して直接に照
射光をスキャンさせる場合には、上述のようなゲル支持
体であるガラス表面から発生する量とほぼ同じの量の散
乱光がゲル表面から発生する可能性があるが、この場合
には、計測部本体7の読み取り台(7c;図3)の載置
ガラスの厚み分により、ゲル支持体のガラスと同様な効
果があるので、検出感度が低下することなく、ゲル面か
らの蛍光を確実に検出できる。なお、ゲル支持体5b,
5cのいずれかまたは両方を取り外した場合には、この
時点において、ゲル5aに対して色素を着色する処理な
どを行う。特に、ゲル支持体5b,5cの取り除きが必
要のない場合は、ゲル支持体5b,5cをつけたままの
状態で、ゲル5aの読み取りを行う方が信号対雑音比を
向上させられる。
【0054】光ファイバアレイ23bにより集光された
蛍光は、光ファイバ内を導かれ、光電変換部24に入射
される。光電変換部24に入力された蛍光は、第1のレ
ンズ24a,絞り24b,第2のレンズ24cを用いて
平行光成分のみを取り出し、光学フィルタ24dに入射
される。そして、光学フィルタ24dにより散乱光成分
を除いて、更に第3のレンズ24eで集光して光電子像
倍管24fに導き、検出された蛍光を電気信号に変換す
る。このように、光電変換部24では、光学フィルタ2
4dの波長分離性能を向上するため、入射する蛍光を含
む光を、第2のレンズ24cにより平行光成分のみと
し、光学フィルタ24dに直角に入射させる。そして、
光学フィルタ24dによりゲル内に於て発生する励起光
の散乱光を分離して、信号対雑音比を向上させ、第3の
レンズ24eで集光して光電子増倍管24fに導く。
【0055】このようにして蛍光が受光されて集光さ
れ、光学フィルタにより散乱光が除去された後、光電子
増倍管24fに導かれた蛍光は、光電子増倍管24fに
より電気信号に変換され、変換された電気信号は増幅器
(25;図2)に入力される。増幅器においては、微弱
な信号を積分回路を含む増幅段で十分に増幅する。
【0056】図8は、積分回路を含む増幅器の構成を示
す回路図である。この増幅器は、図8に示すように、前
段に演算増幅器25aで構成される積分回路が設けら
れ、次段に演算増幅器25bで構成される出力増幅回路
を設けて構成されている。光電子増倍管24fからの電
気信号は、演算増幅器25aに入力される。演算増幅器
25aは帰還回路にコンデンサ25cおよび積分動作を
制御するスイッチ25dを設けて、積分回路を構成して
いる。積分回路の出力は、演算増幅器25bに入力さ
れ、入力抵抗,帰還抵抗などの外付抵抗で決まるゲイン
での増幅を行い、後続するアナログデジタル変換回路に
送られる。
【0057】次に、このように構成される積分回路を含
む増幅器25における動作を、図9のタイミングチャー
トを参照して説明する。光電子増倍管24fの出力は、
非常に大きな出力インピーダンスを有するために、ほぼ
電流源と見みなすことができる。また、演算増幅器25
aには、FET(電界効果トランジスタ)入力型の高入
力インピーダンスのものが用いられる。したがって、ス
イッチ25dがオフ状態になっていると、光電子増倍管
24fの出力電流ipは、そのまま全部がコンデンサ2
5cを流れる電流となる。この電流により演算増幅器2
5aの出力電圧は、図9に示すように、ランプ関数状の
出力となる。このような積分増幅の制御動作は、1画素
に相当する時間だけ積分し、アナログ・ディジタル変換
回路26内にある標本化回路がS/Hクロックのタイミ
ングに合せてサンプリングし、そのままホールドする制
御を行う。ホールドされた出力は、アナログ・デジタル
変換回路26により、デジタル信号に変換される。
【0058】積分出力がホールドされた後は、スイッチ
25dに加えるC/D制御信号であるC/Dクロックを
アクティブにすることにより、コンデンサ25cに蓄積
した電荷を放電する。以下、同様に、この動作を繰り返
し、微弱な信号を十分に増幅する。
【0059】このような演算増幅器による積分回路を用
いる増幅段は、抵抗とコンデンサのみからなる疑似的な
積分回路とは異なり、光電子増倍管24fからの電荷
は、ほぼ完全に積分することができる。このため、高い
信号対雑音比を得ることができる。また、積分時間につ
いても、スイッチ25dに対するC/D制御信号のC/
Dクロックを変えることで任意に変えることができる。
このため、総合的に微弱信号を増幅する増幅度の調整が
容易に行える。この例では、図4に示したミラードライ
バ30の動作と同期させることにより、読み取り試料の
面積の大きさに合せて制御することが可能であり、読み
取りの無駄時間をなくすことができる。また、試料から
の蛍光の強度に合せて、励起光のスキャン速度と受光側
の増幅器の積分時間を自由に設定できるため、蛍光の検
度を非常にフレキシブルに設定できる装置を構成す
ることができる。
【0060】増幅器25(図2)で増幅された電気信号
は、次に、アナログ・デジタル変換回路26に入力され
て、デジタルデータに変換される。デジタルデータに変
換された蛍光検出信号は、メモリ28に記憶され、メモ
リ28に記憶されたデータがインタフェース回路29を
通してデータ処理装置8に送られる。このような一連の
信号処理の全体の制御は、制御回路27が行う。
【0061】次に、本実施例にかかる電気泳動パターン
読み取り装置を用いて、ゲル以外の媒体に泳動した試料
を転写して電気泳動パターンを読み取る読取り方法につ
いて説明する。これは、予め、蛍光色素で標識すること
が困難な場合などにおいて用いる方法である。この読み
取り方法の手順としては、まず、蛍光標識されていない
試料を電気泳動により分離し、電気泳動が終ったら、ゲ
ル上に薄膜フィルタをのせ、電気泳動と同じ原理を利用
して、ゲル中から試料を薄膜フィルタに吸い上げる。薄
膜フィルタとしては、ニトロセルロースやナイロンなど
の材質を用い、試料が吸着しやすいように表面処理が施
されているものを用いる。次に、この薄膜フィルタ上の
試料に結合しやすい物質(この物質をプローブという)
を蛍光標識して付着させて読み取る。
【0062】薄膜フィルタに転写し、蛍光プローブで標
識した試料は、当該薄膜フィルタを直接的に、計測部本
体7にセットして読み取ることも可能であるが、しか
し、薄膜フィルタ自体が白色となっているため、散乱光
が強く、蛍光の検出感度は、ゲルの場合と比較して例え
ば1桁程度低い。そのため、蛍光強度の弱いサンプルで
は、読み取ることが困難な場合もある。このような場合
において、散乱光の強度を低く抑えるための処理方法の
一例を説明する。この方法は、図10に示すように、読
み取り試料の処理を行う場合、ゲルから泳動した試料を
薄膜フィルタに転写し、蛍光標識したプローブを泳動試
料に付着させることにより、蛍光を発光するようにした
読み取り試料の薄膜フィルタ82を、まず、緩衝液81
に浸漬し、ガラス支持板5a,5bに挟む。この際、気
泡ができるだけ入らないように注意して、ガラス支持板
5a,5bに挟む。緩衝液81は、例えば、シリコンオ
イルを用いる。これ以外であっても、支持板や薄膜フィ
ルタと同様な光学的屈折率を有し、試料に悪影響を与え
ないものであれば問題はない。薄膜フィルタ82は微小
な穴の開いた素材であるため、これらの穴の空間は緩衝
液81などで覆われることになり、散乱光のレベルが大
幅に減少する。この薄膜フィルタ82をガラス支持板5
b,5cで挟んだ読み取り試料は、前述のようなゲルを
電気泳動した読み取り試料と同様に、計測部本体7で読
み取ることができる。さらに、無蛍光タイプの薄膜フィ
ルタを用いれば、更にS/N比がよく、読み取ることが
できる。また、乾燥ゲルを用いる場合においても、同様
な方法を用いて読みことが可能なことはいうまでもない
【0063】次に、本実施例の変形例について説明す
る。前述した図4に示したように、光走査機構として、
振動ミラーまたは回転多面体ミラーを用いるような構成
の場合には、ミラーの回転角速度と泳動部の走査面の移
動速度とが比例関係になく、泳動部5の試料から検出さ
れる蛍光の検出感度に、中央部と端部とで差が生ずるこ
とになる。このため、前述の図4の光走査機構において
は、図6に示すように、ミラードライバに補正制御回路
を設け、振動ミラーのミラードライバに回転角速度の駆
動速度を補正する構成としたが、これに替えて、蛍光の
検出感度特性を補正することにより、検出された蛍光の
電気信号をデータ処理する際に、データ処理の段階で補
正を行うようにしてもよい。
【0064】図11は、等角速度でミラーをスキャンす
る光走査機構によるスキャン補正を信号処理により行う
場合の補正の重み例を示す図である。すなわち、この場
合には、光走査機構は等速度(等回転角速度)でミラー
をスキャンし、これにより、読み取られた蛍光の強度
を、図11に示すように、スポット光の移動速度の関数
と逆関数の関係となる関数の特性により、各々の蛍光の
検出位置Xに対応して重み付けを行い、読み取られた蛍
光の強度を補正する。
【0065】以上、説明したように、本実施例の核酸電
気泳動パターン読み取り装置によれば、蛍光色素標識を
読み取るため光源から励起光を照射する際の走査する励
起光の光走査機構の駆動動作と、受光部の信号処理の増
幅器の動作を同期させて制御することにより、読み取り
試料のサイズや蛍光強度のレベルに合せて、読み取り感
度をフレキシブルに設定することが可能となる。また、
薄膜フィルタに試料を転写し、蛍光標識した試料を読み
取る場合などについても、薄膜フィルタから発生する散
乱光のレベルを低減することができるため、高い信号対
雑音比で蛍光パターンを読み取ることが可能となり、装
置における信号対雑音比を大幅に向上することが可能で
ある。
【0066】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、染色剤および標識用蛍光物質の選択を行うことによ
り、同一の蛍光パターン読み取り装置を用いて、大型断
片のDAN断片のゲル電気泳動パターンと、塩基配列決
定時の短い断片のDNA断片の読み取りを行うことがで
きる。これにより、共通の核酸電気泳動パターン読み取
り装置を用いて、比較的大きな核酸の断片を分離するた
めのゲルの領域の読み取りから、細部の各塩基配列を決
定するための蛍光パターンの読み取りまでの処理を一連
に行うことのできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施倒にかかる核酸電気泳動
パターン読み取り方法を一態様で実施する装置の全体の
構成を説明する概略構成図、
【図2】図2は計測部本体の要部の構成を示すブロック
図、
【図3】図3は計測部本体に装着する泳動部ユニットの
装着位置を説明する図、
【図4】図4は振動ミラーを用いてゲル面をレーザビー
ムでスキャンする光走査機構を説明する図、
【図5】図5は振動ミラーの回転角とレーザビームのス
ポット光の移動距離の関係を説明する図、
【図6】図6は振動ミラーを回転駆動制御するミラード
ライバの制御回路の要部構成を示すブロック図、
【図7】図7は集光器および光電変換部の光学系の詳細
な構成を示す図、
【図8】図8は積分回路を含む増幅器の回路構成を示す
回路図、
【図9】図9は増幅器の読み取り動作のタイミングを示
すタイムチャート、
【図10】図10は薄膜フィルタに転写した試料を読み
取るための方法を説明する図、
【図11】図11は等角速度でミラーをスキャンする光
走査機構によるスキャン補正を信号処理により行う場合
の補正の重み例を示す図、
【図12】図12は染色剤および蛍光物質の励起曲線お
よび蛍光曲線の特性をそれぞれ示す図、
【図13】図13は従来の蛍光式電気泳動装置の外観を
示す斜視図、
【図14】図14は泳動計測装置の内部の構成を示すブ
ロック図、
【図15】図15(A)および図15(B)はそれぞれ
蛍光法による電気泳動パターン検出の動作原理を示す泳
動部の正面図および縦断面図、
【図16】図16(A)および図16(B)は泳動計測
装置から送出されるDNA断片の蛍光強度パターン信号
の例を説明する図、
【図17】図17は電気泳動を行ったDNA断片の分布
例を示す図である。
【符号の説明】
1 電気泳動ユニット 2a 第1電極 2b 第2電極 3 支持板 4 電気泳動用電源装置 5 泳動部ユニット(泳動部) 6 読み取りユニット 7 計測部本体 8 データ処理装置 9 イメージプリンタ 10 制御回路 11 光源 12 光ファイバ 13 蛍光 14 集光器 15 光学フィルタ 16 光センサ 17 増幅器 18 アナログ・ディジタル変換回路 19 信号処理部 20 インタフェース 21 光源 22 振動ミラー 23 集光器 24 光電変換部 25 増幅器 26 アナログ・ディジタル変換回路 27 制御回路 28 記憶回路 29 インタフェース 30 ミラードライバ 31 レーザビーム 32 光トラップ 51 泳動計測装置 51a 扉 51b 操作パネル 52 データ処理装置 53 ケーブル 54 計算機本体 55 キーボード 56 ディスプレイ 57 プリンタ 63 電気泳動部装置 64 信号処理装置 61 光路 62 走査線 66 バンド 71,72,73,74 レーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大鐘 篤 神奈川県横浜市中区尾上町6丁目81番地 日立ソフトウェアエンジニアリング株 式会社内 (72)発明者 湯田 耕治 神奈川県横浜市中区尾上町6丁目81番地 日立ソフトウェアエンジニアリング株 式会社内 (72)発明者 藤宮 仁 神奈川県横浜市中区尾上町6丁目81番地 日立ソフトウェアエンジニアリング株 式会社内 (72)発明者 奈須 永典 神奈川県横浜市中区尾上町6丁目81番地 日立ソフトウェアエンジニアリング株 式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−313035(JP,A) 特開 昭61−62843(JP,A) 特開 平1−167649(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料の核酸をゲル電気泳動により分離
    し、エチジウムブロマイドを含む染色剤により染色する
    第1の段階と、該試料の泳動パターンを532nmの波
    長を含むレーザ光を用いて励起し、該試料から発生する
    蛍光強度の分布パターンを約600nmの波長域で読み
    取って試料の塩基配列解析部分を選択して取り出す第2
    の段階と、取り出した試料の塩基配列解析部分を溶解し
    て染色剤を除去した後、溶解した試料に対して、標識用
    蛍光物質として532nmで励起可能で約600nm付
    近で蛍光を発生する蛍光物質を用いて標識する第3の段
    階と、標識した試料に対してゲル電気泳動を行い、蛍光
    パターンを読み取る第の段階とからなることを特徴と
    する核酸電気泳動パターン読み取り方法。
  2. 【請求項2】 エチジウムブロマイドを含む染色剤は、
    エチジウムブロマイドモノマーまたはエチジウムブロマ
    イドダイマーのいずれかを含むことを特徴とする請求項
    1に記載の核酸電気泳動パターン読み取り方法。
  3. 【請求項3】 標識用蛍光物質として532nmで励起
    可能で約600nm付近で蛍光を発生する蛍光物質は、
    ローダミンX,テキサスレッド,テトラメチル・ローダ
    ミン・イソチオシアネートのいずれかであることを特徴
    とする請求項1に記載の核酸電気泳動パターン読み取り
    方法。
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