JP2001296625A - 画像読み取り装置 - Google Patents

画像読み取り装置

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JP2001296625A
JP2001296625A JP2000112182A JP2000112182A JP2001296625A JP 2001296625 A JP2001296625 A JP 2001296625A JP 2000112182 A JP2000112182 A JP 2000112182A JP 2000112182 A JP2000112182 A JP 2000112182A JP 2001296625 A JP2001296625 A JP 2001296625A
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light
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photomultiplier
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Application number
JP2000112182A
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English (en)
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Minako Adachi
みな子 足立
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルタユニットと光検出器との間の間隙か
ら、励起光が光検出器に入射することを防止して、高い
S/N比で、画像を読み取ることのできる画像読み取り
装置を提供する。 【解決手段】 レーザ励起光源1と、レーザ励起光源1
から発せられたレーザ光4により、画像担体22上を走
査して、レーザ光4によって、画像担体22を励起する
走査機構と、フィルタ部材31を備えたフィルタユニッ
ト28と、画像担体22が励起されて、発せられ、フィ
ルタ32を透過した光を光電的に検出する光検出器29
を備え、フィルタユニット28が移動されるときはフィ
ルタユニット28と干渉しない退避位置に保持され、光
検出器29が画像担体22から発せられた光を光電的に
検出するときは光検出器29とフィルタ部材31との間
の間隙を覆う遮光位置に保持される遮光部材64を備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像読み取り装置に関
するものであり、さらに詳細には、フィルタユニットに
取り付けられた複数のフィルタを選択的に使用して、励
起光をカットする画像読み取り装置において、励起光
が、フィルタユニットと光検出器との間の間隙から、光
検出器に入射することを防止して、高いS/N比で、画
像を読み取ることのできる画像読み取り装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】放射線が照射されると、放射線のエネル
ギーを吸収して、蓄積、記録し、その後に、特定の波長
域の電磁波を用いて励起すると、照射された放射線のエ
ネルギーの量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有す
る輝尽性蛍光体を、放射線の検出材料として用い、放射
性標識を付与した物質を、生物体に投与した後、その生
物体あるいはその生物体の組織の一部を試料とし、この
試料を、輝尽性蛍光体層が設けられた蓄積性蛍光体シー
トと一定時間重ね合わせることにより、放射線エネルギ
ーを輝尽性蛍光体に、蓄積、記録し、しかる後に、電磁
波によって、輝尽性蛍光体層を走査して、輝尽性蛍光体
を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的
に検出して、ディジタル画像信号を生成し、画像処理を
施して、CRTなどの表示手段上あるいは写真フイルム
などの記録材料上に、画像を再生するように構成された
オートラジオグラフィ画像検出システムが知られている
(たとえば、特公平1−60784号公報、特公平1−
60782号公報、特公平4−3952号公報など)。
【0003】さらに、光が照射されると、そのエネルギ
ーを吸収して、蓄積、記録し、その後に、特定の波長域
の電磁波を用いて励起すると、照射された光のエネルギ
ーの量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有する輝尽
性蛍光体を、光の検出材料として用い、蛋白質、核酸配
列などの固定された高分子を、化学発光物質と接触し
て、化学発光を生じさせる標識物質により、選択的に標
識し、標識物質によって選択的に標識された高分子と、
化学発光物質とを接触させて、化学発光物質と標識物質
との接触によって生ずる可視光波長域の化学発光を、蓄
積性蛍光体シートに設けられた輝尽性蛍光体層に、蓄
積、記録し、しかる後に、電磁波により、輝尽性蛍光体
層を走査して、輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体か
ら放出された輝尽光を光電的に検出して、ディジタル画
像信号を生成し、画像処理を施して、CRTなどの表示
手段あるいは写真フイルムなどの記録材料上に、放射線
画像を再生して、遺伝子情報などの高分子に関する情報
を得るようにした化学発光画像検出システムが知られて
いる(たとえば、米国特許第5,028,793号、英
国特許出願公開GB第2,246,197Aなど。)。
【0004】また、電子線あるいは放射線が照射される
と、電子線あるいは放射線のエネルギーを吸収して、蓄
積、記録し、その後に、特定の波長域の電磁波を用いて
励起すると、照射された電子線あるいは放射線のエネル
ギーの量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有する輝
尽性蛍光体を、電子線あるいは放射線の検出材料として
用い、金属あるいは非金属試料などに電子線を照射し、
試料の回折像あるいは透過像などを検出して、元素分
析、試料の組成解析、試料の構造解析などをおこなった
り、生物体組織に電子線を照射して、生物体組織の画像
を検出する電子顕微鏡による画像検出システム、放射線
を試料に照射し、得られた放射線回折像を検出して、試
料の構造解析などをおこなう放射線回折画像検出システ
ムなどが知られている(たとえば、特開昭61−517
38号公報、特開昭61−93538号公報、特開昭5
9−15843号公報など)。
【0005】これらの蓄積性蛍光体シートを画像の検出
材料として使用するシステムは、写真フイルムを用いる
場合とは異なり、現像処理という化学的処理が不必要で
あるだけでなく、得られた画像データに画像処理を施す
ことにより、所望のように、画像を再生し、あるいは、
コンピュータによる定量解析が可能になるという利点を
有している。
【0006】他方、オートラジオグラフィシステムにお
ける放射性標識物質に代えて、蛍光物質を標識物質とし
て使用した蛍光画像検出(fluorescence) システムが知
られている。このシステムによれば、蛍光画像の読み取
ることにより、遺伝子配列、遺伝子の発現レベル、蛋白
質の分離、同定、あるいは、分子量、特性の評価などを
おこなうことができ、たとえば、電気泳動させるべき複
数のDNA断片を含む溶液中に、蛍光色素を加えた後
に、複数のDNA断片をゲル支持体上で電気泳動させ、
あるいは、蛍光色素を含有させたゲル支持体上で、複数
のDNA断片を電気泳動させ、あるいは、複数のDNA
断片を、ゲル支持体上で、電気泳動させた後に、ゲル支
持体を蛍光色素を含んだ溶液に浸すなどして、電気泳動
されたDNA断片を標識し、励起光により、蛍光色素を
励起して、生じた蛍光を検出することによって、画像を
生成し、ゲル支持体上のDNAを分布を検出したり、あ
るいは、複数のDNA断片を、ゲル支持体上で、電気泳
動させた後に、DNAを変性(denaturation) し、次い
で、サザン・ブロッティング法により、ニトロセルロー
スなどの転写支持体上に、変性DNA断片の少なくとも
一部を転写し、目的とするDNAと相補的なDNAもし
くはRNAを蛍光色素で標識して調製したプローブと変
性DNA断片とをハイブリダイズさせ、プローブDNA
もしくはプローブRNAと相補的なDNA断片のみを選
択的に標識し、励起光によって、蛍光色素を励起して、
生じた蛍光を検出することにより、画像を生成し、転写
支持体上の目的とするDNAを分布を検出したりするこ
とができる。さらに、標識物質により標識した目的とす
る遺伝子を含むDNAと相補的なDNAプローブを調製
して、転写支持体上のDNAとハイブリダイズさせ、酵
素を、標識物質により標識された相補的なDNAと結合
させた後、蛍光基質と接触させて、蛍光基質を蛍光を発
する蛍光物質に変化させ、励起光によって、生成された
蛍光物質を励起して、生じた蛍光を検出することによっ
て、画像を生成し、転写支持体上の目的とするDNAの
分布を検出したりすることもできる。この蛍光画像検出
システムは、放射性物質を使用することなく、簡易に、
遺伝子配列などを検出することができるという利点があ
る。
【0007】これらのオートラジオグラフィ画像検出シ
ステム、化学発光画像検出システム、電子顕微鏡による
画像検出システム、放射線回折画像検出システム、蛍光
画像検出システムは、同様の目的に使用されるものであ
るため、これらのシステムの少なくとも2つのシステム
に共通して、使用できる画像読み取り装置の開発が望ま
れており、蓄積性蛍光体シートを用いたオートラジオグ
ラフィ画像検出システム、化学発光画像検出システム、
電子顕微鏡による画像検出システムおよび放射線回折画
像検出システムと、蛍光画像検出システムに共通して使
用可能な画像読み取り装置はすでに提案され、また、蓄
積性蛍光体シートを使用しないで、化学発光画像を形成
する化学発光画像検出システムと、蛍光画像検出システ
ムに共通して、使用可能な画像読み取り装置も提案され
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】これらオートラジオグ
ラフィ画像検出システム、化学発光画像検出システム、
電子顕微鏡による画像検出システム、放射線回折画像検
出システム、蛍光画像検出システムに使用される画像読
み取り装置にあっては、光検出器が、励起光を受光する
と、画像データ中にノイズが生成されるため、励起光を
カットするフィルタが設けられており、したがって、こ
れらの検出システムのうち、少なくとも2つのシステム
に共通して使用できる画像読み取り装置においては、放
射性標識物質を効率的に励起可能な励起光の波長が、蛍
光物質を効率的に励起可能な励起光の波長と異なり、ま
た、蛍光物質によっても、効率的に励起可能な励起光の
波長が異なるため、波長の異なる複数の励起光源を設け
るとともに、それぞれの励起光源から発せられる励起光
をカットする複数のフィルタを設けることが必要であ
る。
【0009】これらの複数のフィルタは、使用される励
起光源に応じて、また、画像担体に含まれる輝尽性蛍光
体や蛍光物質の種類に応じて、切り換えて使用する必要
があるため、これらのフィルタは、通常、機械的に移動
可能なフィルタユニットに取り付けられて、使用されて
いる。
【0010】したがって、これらの複数のフィルタと光
検出器との間には、フィルタユニットの機械的な移動を
許容するのに十分な間隙を設けることが要求されるが、
このような間隙を設ける場合には、画像読み取り装置の
内部において、種々の原因で発生する迷光などが、かか
る間隙を通じて、光検出器に入射し、画像読み取り装置
によって生成される画像データ中にノイズを生成し、高
いS/N比で、画像を読み取ることができないという問
題があった。
【0011】また、蛍光画像検出システムにおいて、試
料を標識するのに使用される蛍光物質は、その種類によ
って、効率的に励起可能な励起光の波長が異なるため、
蛍光画像検出システム専用の画像読み取り装置にあって
も、使用される励起光源の種類に応じて、また、画像担
体に含まれる蛍光物質の種類に応じて、複数のフィルタ
を切り換えて使用することが必要であり、同様の問題を
有していた。
【0012】したがって、本発明は、フィルタユニット
に取り付けられた複数のフィルタを選択的に使用して、
励起光をカットする画像読み取り装置において、励起光
が、フィルタユニットと光検出器との間の間隙から、光
検出器に入射することを防止して、高いS/N比で、画
像を読み取ることのできる画像読み取り装置を提供する
ことを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
少なくとも1つのレーザ励起光源と、画像担体が載置さ
れるステージと、前記少なくとも1つのレーザ励起光源
から発せられたレーザ光により、前記画像担体上を走査
して、前記レーザ光によって、前記画像担体を励起する
走査機構と、互いに透過波長を異にする少なくとも1つ
のフィルタを備えた少なくとも1つのフィルタ部材を備
えたフィルタユニットと、前記画像担体が励起されて、
発せられ、前記少なくとも1つのフィルタを透過した光
を光電的に検出する少なくとも1つの光検出器を備え、
前記フィルタユニットが、前記少なくとも1つのフィル
タ部材が選択的に前記画像担体から発せられた光の光路
内に位置するように移動可能に構成され、さらに、前記
フィルタユニットが移動されるときは、前記フィルタユ
ニットと干渉しない退避位置に保持され、前記少なくと
も1つの光検出器が前記画像担体から発せられた光を光
電的に検出するときは、前記少なくとも1つの光検出器
と前記画像担体から発せられた光の光路内に位置する前
記少なくとも1つのフィルタ部材との間の間隙を覆う遮
光位置に保持される少なくとも1つの遮光部材を備えた
ことを特徴とする画像読み取り装置によって達成され
る。
【0014】本発明によれば、少なくとも1つのフィル
タ部材が選択的に画像担体から発せられた光の光路内に
位置するように、フィルタユニットが移動されるとき
は、フィルタユニットと干渉しない退避位置に保持さ
れ、少なくとも1つの光検出器が画像担体から発せられ
た光を光電的に検出するときは、少なくとも1つの光検
出器と画像担体から発せられた光の光路内に位置する少
なくとも1つのフィルタ部材との間の間隙を覆う遮光位
置に保持される少なくとも1つの遮光部材を備えている
から、少なくとも1つのフィルタ部材を選択的に画像担
体から発せられた光の光路内に位置させるために、フィ
ルタユニットを移動させるときは、少なくとも1つの遮
光部材の干渉を受けることなく、フィルタユニットを移
動させて、少なくとも1つのフィルタ部材を選択的に画
像担体から発せられた光の光路内に位置させることがで
き、他方、少なくとも1つの光検出器が画像担体から発
せられた光を光電的に検出するときは、少なくとも1つ
の光検出器と画像担体から発せられた光の光路内に位置
する少なくとも1つのフィルタ部材との間の間隙から、
励起光が少なくとも1つの光検出器に入射して、検出さ
れることを確実に防止することができ、高いS/N比
で、画像を読み取ることが可能になる。
【0015】本発明の好ましい実施態様においては、画
像読み取り装置は、さらに、前記フィルタユニットを移
動させるフィルタユニット移動手段と、前記少なくとも
1つの遮光部材を、前記退避位置と前記遮光位置との間
で移動させる遮光部材移動手段を備えている。
【0016】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記少なくとも1つの遮光部材が、緩衝部材を備
え、前記遮光位置に位置するときに、前記少なくとも1
つの遮光部材の前記緩衝部材が、前記少なくとも1つの
フィルタ部材の前記少なくとも1つのフィルタと当接す
るように構成されている。
【0017】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、少なくとも1つの遮光部材は、緩衝部材を備え、緩
衝部材が少なくとも1つのフィルタ部材の少なくとも1
つのフィルタと当接することによって、少なくとも1つ
の光検出器と画像担体から発せられた光の光路内に位置
する少なくとも1つのフィルタ部材との間の間隙が覆わ
れるから、少なくとも1つのフィルタが損傷されること
を確実に防止することが可能になる。
【0018】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記少なくとも1つの遮光部材が、前記少なくとも
1つの光検出器のカバーとして、前記少なくとも1つの
光検出器と一体的に構成されている。
【0019】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記少なくとも1つのフィルタ部材が、前記少なく
とも1つの遮光部材とともに、前記フィルタユニットか
ら着脱可能に構成されている。
【0020】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、少なくとも1つのフィルタ部材と少なくとも1つの
遮光部材が、フィルタユニットから着脱可能に構成され
ているから、目的に応じて、所望の透過波長を有するフ
ィルタを備えたフィルタ部材をフィルタユニットに取り
付けて、画像を読み取ることが可能になる。
【0021】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記少なくとも1つの光検出器が第1の光検出器と
第2の光検出器を含むとともに、前記第1の光検出器お
よび前記第2の光検出器に対応して、前記少なくとも1
つの遮光部材が第1の遮光部材と第2の遮光部材を含
み、前記少なくとも1つのフィルタ部材が、互いに透過
波長を異にする第1のフィルタおよび第2のフィルタと
ビームスプリッターとを備え、前記ビームスプリッター
が、前記画像担体から発せられた光を、前記第1のフィ
ルタおよび前記第2のフィルタに指向させるように構成
されるとともに、前記第1の遮光部材および前記第2の
遮光部材が、それぞれ、前記フィルタユニットが移動さ
れるときは、前記フィルタユニットと干渉しない退避位
置に保持され、前記第1の光検出器および前記第2の光
検出器が前記画像担体から発せられた光を光電的に検出
するときは、前記第1の遮光部材が前記第1の光検出器
と前記第1のフィルタとの間隙を覆う遮光位置に保持さ
れ、前記第2の遮光部材が前記第2の光検出器と前記第
2のフィルタとの間隙を覆う遮光位置に保持されるよう
に構成されている。
【0022】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、少なくとも1つの光検出器が第1の光検出器と第2
の光検出器を含むとともに、第1の光検出器および第2
の光検出器に対応して、少なくとも1つの遮光部材が第
1の遮光部材と第2の遮光部材を含み、少なくとも1つ
のフィルタ部材が、互いに透過波長を異にする第1のフ
ィルタおよび第2のフィルタとビームスプリッターとを
備え、ビームスプリッターが、画像担体から発せられた
光を、第1のフィルタおよび第2のフィルタに指向させ
るように構成されるとともに、第1の遮光部材および第
2の遮光部材が、それぞれ、フィルタユニットが移動さ
れるときは、フィルタユニットと干渉しない退避位置に
保持され、第1の光検出器および第2の光検出器が画像
担体から発せられた光を光電的に検出するときは、第1
の遮光部材が第1の光検出器と第1のフィルタとの間隙
を覆う遮光位置に保持され、第2の遮光部材が第2の光
検出器と第2のフィルタとの間隙を覆う遮光位置に保持
されるように構成されているから、効率的に励起可能な
励起光の波長を異にする2種類の蛍光物質によって、試
料を選択的に標識し、一方の蛍光物質によって標識され
た試料の蛍光画像を第1の光検出器によって、読み取る
とともに、他方の蛍光物質によって標識された試料の蛍
光画像を第2の光検出器によって、同時に読み取ること
が可能となる。
【0023】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記少なくとも1つのフィルタ部材が、第1のフィ
ルタ部材および第2のフィルタ部材を含み、前記第1の
フィルタ部材および前記第2のフィルタ部材が、それぞ
れ、互いに透過波長を異にする第1のフィルタおよび第
2のフィルタとビームスプリッターとを備え、前記第1
のフィルタ部材の前記第1のフィルタおよび前記第2の
フィルタの一方が、前記第2のフィルタ部材の前記第1
のフィルタおよび前記第2のフィルタの透過波長と異な
る透過波長を有している。
【0024】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記少なくとも1つのフィルタ部材が、さらに、互
いに透過波長を異にする第1のフィルタおよび第2のフ
ィルタとビームスプリッターとを備えた第3のフィルタ
部材を含み、前記第1のフィルタ部材の前記第1のフィ
ルタおよび前記第2のフィルタの一方が、前記第2のフ
ィルタ部材の前記第1のフィルタおよび前記第2のフィ
ルタの透過波長と異なる透過波長を有し、前記第3のフ
ィルタ部材の前記第1のフィルタおよび前記第2のフィ
ルタの一方が、前記第2のフィルタ部材の前記第1のフ
ィルタおよび前記第2のフィルタの透過波長と異なる透
過波長を有している。
【0025】
【発明の好ましい実施の形態】以下、添付図面に基づい
て、本発明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加
える。
【0026】図1は、本発明の好ましい実施態様にかか
る画像読み取り装置の略斜視図である。
【0027】図1に示されるように、本実施態様にかか
る画像読み取り装置は、640nmの波長のレーザ光4
を発する第1のレーザ励起光源1と、532nmの波長
のレーザ光4を発する第2のレーザ励起光源2と、47
3nmの波長のレーザ光4を発する第3のレーザ励起光
源3とを備えている。本実施態様においては、第1のレ
ーザ励起光源は、半導体レーザ光源によって構成され、
第2のレーザ励起光源2および第3のレーザ励起光源3
は、第二高調波生成(Second Harmonic Generation) 素
子によって構成されている。
【0028】第1のレーザ励起光源1により発生された
レーザ光4は、コリメータレンズ5により、平行光とさ
れた後、ミラー6によって反射される。第1のレーザ励
起光源1から発せられ、ミラー6によって反射されたレ
ーザ光4の光路には、640nmのレーザ光4を透過
し、532nmの波長の光を反射する第1のダイクロイ
ックミラー7および532nm以上の波長の光を透過
し、473nmの波長の光を反射する第2のダイクロイ
ックミラー8が設けられており、第1のレーザ励起光源
1により発生されたレーザ光4は、第1のダイクロイッ
クミラー7および第2のダイクロイックミラー8を透過
して、光学ヘッド15に入射する。
【0029】他方、第2のレーザ励起光源2より発生さ
れたレーザ光4は、コリメータレンズ9により、平行光
とされた後、第1のダイクロイックミラー7によって反
射されて、その向きが90度変えられて、第2のダイク
ロイックミラー8を透過し、光学ヘッド15に入射す
る。
【0030】また、第3のレーザ励起光源3から発生さ
れたレーザ光4は、コリメータレンズ10によって、平
行光とされた後、第2のダイクロイックミラー8により
反射されて、その向きが90度変えられた後、光学ヘッ
ド15に入射する。
【0031】光学ヘッド15は、ミラー16と、その中
央部に穴17が形成された穴明きミラー18と、レンズ
19を備えており、光学ヘッド15に入射したレーザ光
4は、ミラー16によって反射され、穴明きミラー18
に形成された穴17およびレンズ19を通過して、ステ
ージ20にセットされたガラス板21上に載置された画
像担体22上に入射する。ステージ20は、後述する走
査機構によって、図1において、X−Y方向に移動可能
に構成されている。
【0032】本実施態様にかかる画像読み取り装置は、
蛍光色素によって標識され、ゲル支持体あるいは転写支
持体などに記録された蛍光色素の電気泳動画像および蓄
積性蛍光体シートに設けられた輝尽性蛍光体層に記録さ
れた放射性標識物質の位置情報に関するオートラジオグ
ラフィ画像を読み取り可能に構成されている。
【0033】蛍光色素によって標識された変性DNAの
電気泳動画像は、たとえば、次のようにして、転写支持
体に記録される。
【0034】すなわち、まず、目的とする遺伝子からな
るDNA断片を含む複数のDNA断片を、ゲル支持媒体
上で、電気泳動させることにより、分離展開し、アルカ
リ処理によって変性(denaturation) して、一本鎖のD
NAとする。
【0035】次いで、公知のサザン・ブロッティング法
により、このゲル支持媒体と転写支持体とを重ね合わ
せ、転写支持体上に、変性DNA断片の少なくとも一部
を転写して、加温処理および紫外線照射によって、固定
する。
【0036】その後、目的とする遺伝子のDNAと相補
的なDNAあるいはRNAを蛍光色素で標識して調製し
たプローブと転写支持体12上の変性DNA断片とを、
加温処理により、ハイブリタイズさせ、二本鎖のDNA
の形成(renaturation)またはDNA・RNA結合体の
形成をおこなう。次いで、たとえば、フルオレセイン、
ローダミン、Cy−5(登録商標)などの蛍光色素を用
いて、それぞれ、目的とする遺伝子のDNAと相補的な
DNAあるいはRNAを標識してプローブが調製され
る。このとき、転写支持体上の変性DNA断片は固定さ
れているので、プローブDNAまたはプローブRNAと
相補的なDNA断片のみがハイブリタイズして、蛍光標
識プローブを捕獲する。しかる後に、適当な溶液で、ハ
イブリッドを形成しなかったプローブを洗い流すことに
より、転写支持体上では、目的遺伝子を有するDNA断
片のみが、蛍光標識が付与されたDNAまたはRNAと
ハイブリッドを形成し、蛍光標識が付与される。こうし
て、得られた転写支持体に、蛍光色素により標識された
変性DNAの電気泳動画像が記録される。
【0037】また、放射性標識物質の位置情報に関する
オートラジオグラフィ画像は、以下のようにして、蓄積
性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層に記録され
る。ここに、位置情報とは、試料中における放射性標識
物質もしくはその集合体の位置を中心とした各種の情
報、たとえば、試料中に存在する放射性標識物質の集合
体の存在位置と形状、その位置における放射性標識物質
の濃度、分布などからなる情報の一つもしくは任意の組
み合わせとして得られる各種の情報を意味するものであ
る。
【0038】たとえば、サザン・ブロット・ハイブリタ
イゼーション法を利用した遺伝子中の放射性標識物質の
位置情報を、蓄積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍
光体層に記録する場合には、まず、目的とする遺伝子か
らなるDNA断片を含む複数のDNA断片を、ゲル支持
媒体上で、電気泳動をおこなうことにより、分離展開
し、アルカリ処理により変性(denaturation) して、一
本鎖のDNAとする。
【0039】次いで、公知のサザン・ブロッティング法
によって、このゲル支持媒体とニトロセルロースフィル
タなどの転写支持体とを重ね合わせ、転写支持体上に、
変性DNA断片の少なくとも一部を転写して、加温処理
および紫外線照射により、固定する。
【0040】さらに、目的とする遺伝子のDNAと相補
的なDNAあるいはRNAを放射性標識するなどの方法
によって調製したプローブと転写支持体上の変性DNA
断片とを、加温処理によって、ハイブリタイズさせ、二
本鎖のDNAの形成(renaturation) またはDNA・R
NA結合体の形成をおこなう。このとき、転写支持体上
の変性DNA断片は固定されているので、プローブDN
AまたはプローブRNAと相補的なDNA断片のみが、
ハイブリタイズして、放射性標識プローブを捕獲する。
【0041】しかる後に、適当な溶液で、ハイブリッド
を形成しなかったプローブを洗い流すことにより、転写
支持体上では、目的遺伝子を有するDNA断片のみが、
放射性標識が付与されたDNAまたはRNAとハイブリ
ッドを形成し、放射性標識が付与される。その後、乾燥
させた転写支持体と蓄積性蛍光体シートとを、一定時間
重ね合わせて、露光操作をおこなうことによって、転写
支持体上の放射性標識物質から放出される放射線の少な
くとも一部が、蓄積性蛍光体シートに形成された輝尽性
蛍光体層に吸収され、試料中の放射性標識物質の位置情
報が、画像の形で、輝尽性蛍光体層に蓄積記録される。
【0042】光学ヘッド15から、レーザ光4が画像担
体22上に入射すると、画像担体22が、蛍光物質の画
像を担持したゲル支持体や転写支持体などの場合には、
レーザ光4によって、蛍光物質が励起されて、蛍光が発
せられ、また、画像担体22が、放射性標識物質の位置
情報に関するオートラジオグラフィ画像を担持した蓄積
性蛍光体シートの場合には、輝尽性蛍光体層に含まれた
輝尽性蛍光体が励起され、輝尽光が発せられる。
【0043】画像担体22から発せられた蛍光または輝
尽光25は、光学ヘッド15の凸レンズ19によって、
平行な光にされ、穴明きミラー17によって反射され
て、凹面ミラー26に入射する。凹面ミラー26に入射
した輝尽光25は、凹面ミラー27に集光される。
【0044】凹面ミラー26に集光された遅延蛍光25
は、図2に示されるように、凹面ミラー27によって下
方に反射され、フィルタユニット28に入射し、所定の
波長域の光がカットされて、フォトマルチプライア2
9、30に入射し、光電的に検出される。
【0045】図2は、フォトマルチプライア近傍の詳細
を示す略斜視図である。
【0046】図2に示されるように、フィルタユニット
28は、4つのフィルタ部材31a、31b、31c、
31dを備えており、フィルタユニット28は、モータ
(図示せず)によって、図2において、左右方向に移動
可能に構成されている。
【0047】図3は、図2のA−A線に沿った略断面図
である。
【0048】図3に示されるように、フィルタ部材31
aは、フィルタ32aおよびフィルタ33aならびにダ
イクロイックミラー34aを備えている。
【0049】ダイクロイックミラー34aは、640n
m以上の波長の光を反射し、640nm未満の光を透過
する性質を有しており、したがって、ダイクロイックミ
ラー34aによって反射された光はフィルタ33aに入
射し、ダイクロイックミラー34aを透過した光はフィ
ルタ32aに入射する。フィルタ33aは、第1のレー
ザ励起光源1を用いて、画像担体22に含まれている蛍
光色素を励起し、蛍光を読み取るときに使用されるフィ
ルタ部材であり、640nmの波長の光をカットし、6
40nmよりも波長の長い光を透過する性質を有してい
る。また、フィルタ32aは、第2のレーザ励起光源2
を用いて、画像担体22に含まれている蛍光色素を励起
し、蛍光を読み取るときに使用されるフィルタ部材であ
り、532nmの波長の光をカットし、532nmより
も波長の長い光を透過する性質を有している。
【0050】図4は、図2のB−B線に沿った略断面図
であり、図5は、図2のC−C線に沿った略断面図であ
る。
【0051】図4および図5に示されるように、フィル
タ部材31b、31cは、フィルタ部材31aと全く同
様の構造を有しており、それぞれ、フィルタ32b、3
3b、フィルタ32c、33cおよびダイクロイックミ
ラー34b、34cを備えている。
【0052】フィルタ部材31bに設けられたダイクロ
イックミラー34bは、640nm以上の波長の光を反
射し、640nm未満の光を透過する性質を有してお
り、ダイクロイックミラー34bによって反射された光
はフィルタ33bに入射し、ダイクロイックミラー34
bを透過した光はフィルタ32bに入射する。フィルタ
33bは、第1のレーザ励起光源1を用いて、画像担体
22に含まれている蛍光色素を励起し、蛍光を読み取る
ときに使用されるフィルタ部材であり、640nmの波
長の光をカットし、640nmよりも波長の長い光を透
過する性質を有している。また、フィルタ32bは、第
3のレーザ励起光源3を用いて、画像担体22に含まれ
ている蛍光色素を励起し、蛍光を読み取るときに使用さ
れるフィルタ部材であり、473nmの波長の光をカッ
トし、473nmよりも波長の長い光を透過する性質を
有している。
【0053】フィルタ部材31cに設けられたダイクロ
イックミラー34cは、532nm以上の波長の光を反
射し、532nm未満の光を透過する性質を有してお
り、ダイクロイックミラー34cによって反射された光
はフィルタ33cに入射し、ダイクロイックミラー34
cを透過した光はフィルタ32cに入射する。フィルタ
33cは、第2のレーザ励起光源2を用いて、画像担体
22に含まれている蛍光色素を励起し、蛍光を読み取る
ときに使用されるフィルタ部材であり、532nmの波
長の光をカットし、532nmよりも波長の長い光を透
過する性質を有している。また、フィルタ32cは、第
3のレーザ励起光源3を用いて、画像担体22に含まれ
ている蛍光色素を励起し、蛍光を読み取るときに使用さ
れるフィルタ部材であり、473nmの波長の光をカッ
トし、473nmよりも波長の長い光を透過する性質を
有している。
【0054】図6は、図2のD−D線に沿った略断面図
である。
【0055】図6に示されるように、フィルタ部材31
dは、単一のフィルタ32dを備えているのみで、ダイ
クロイックミラーを備えてはおらず、フィルタ部材31
aのフィルタ33aが設けられている開口部は、蓋部材
35によって、閉じられている。フィルタ33dは、第
1のレーザ励起光源1を用いて、画像担体22である蓄
積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層に含まれ
ている輝尽性蛍光体を励起して、輝尽光を読み取るとき
に使用されるフィルタ部材であり、輝尽性蛍光体から放
出される輝尽光の波長域の光のみを透過し、640nm
の波長の光をカットする性質を有している。
【0056】したがって、使用すべきレーザ励起光源に
応じ、また、画像担体22の種類および蛍光色素の種類
に応じて、フィルタ部材31a、31b、31c、31
dを選択的に、フォトマルチプライア29、30の前面
に位置させることによって、フォトマルチプライア2
9、30は、検出すべき光のみを光電的に検出すること
ができる。
【0057】本実施態様においては、フィルタ部材31
a、31b、31cには、それぞれ、ダイクロイックミ
ラー34a、34b、34cが設けられるとともに、そ
れぞれ、2種類のフィルタが設けられているため、2種
類の蛍光色素によって、選択的に標識された試料の蛍光
画像を担持した画像担体22に、同時に、2つのレーザ
励起光源から、レーザ光4を照射し、波長の異なる2種
類のレーザ光4によって、励起波長が異なる2種類の蛍
光物質を励起して、2種類の蛍光物質から放出された蛍
光を、2つのフォトマルチプライア29、30を用い
て、同時に検出することができる。
【0058】すなわち、画像担体22に含まれている試
料が、640nmのレーザ光4によって効率的に励起可
能な蛍光物質と、532nmのレーザ光4によって効率
的に励起可能な蛍光物質とによって、選択的に標識され
ている場合には、フィルタ部材31aが、フォトマルチ
プライア29、30の前面に位置するように、フィルタ
ユニット28を移動させる。その結果、レーザ光4によ
って、蛍光物質が励起されて、放出される蛍光の波長は
励起光の波長よりも長いため、640nmのレーザ光4
によって、試料を標識している蛍光物質が励起されて、
蛍光物質から放出され、ダイクロイックミラー34aに
入射した蛍光は、ダイクロイックミラー34aによって
反射され、フィルタ33aに入射し、他方、532nm
のレーザ光4によって、蛍光物質が励起されて、蛍光物
質から放出され、ダイクロイックミラー34aに入射し
た蛍光は、ダイクロイックミラー34aを透過して、フ
ィルタ32aに入射する。
【0059】フィルタ33aは、640nmの波長の光
をカットし、640nmよりも波長の長い光を透過する
性質を有しているため、励起光である640nmの波長
の光がカットされ、640nmのレーザ光4によって、
試料を標識している蛍光物質が励起されて、蛍光物質か
ら放出された蛍光のみが、フィルタ33aを透過し、フ
ォトマルチプライア30によって、光電的に検出され
る。
【0060】他方、フィルタ32aは、532nmの波
長の光をカットし、532nmよりも波長の長い光を透
過する性質を有しているため、励起光である532nm
の波長の光がカットされ、532nmのレーザ光4によ
って、試料を標識している蛍光物質が励起されて、蛍光
物質から放出された蛍光のみが、フィルタ34aを透過
し、フォトマルチプライア29によって、光電的に検出
される。
【0061】これに対して、画像担体22に含まれてい
る試料が、640nmのレーザ光4によって効率的に励
起可能な蛍光物質と、473nmのレーザ光4によって
効率的に励起可能な蛍光物質とによって、選択的に標識
されている場合には、フィルタ部材31bが、フォトマ
ルチプライア29、30の前面に位置するように、フィ
ルタユニット28を移動させる。その結果、レーザ光4
によって、蛍光物質が励起されて、放出される蛍光の波
長は励起光の波長よりも長いため、640nmのレーザ
光4によって、試料を標識している蛍光物質が励起され
て、蛍光物質から放出され、ダイクロイックミラー34
bに入射した蛍光は、ダイクロイックミラー34bによ
って反射され、フィルタ33bに入射し、他方、473
nmのレーザ光4によって、蛍光物質が励起されて、蛍
光物質から放出され、ダイクロイックミラー34bに入
射した蛍光は、ダイクロイックミラー34bを透過し
て、フィルタ32bに入射する。
【0062】フィルタ33bは、640nmの波長の光
をカットし、640nmよりも波長の長い光を透過する
性質を有しているため、励起光である640nmの波長
の光がカットされ、640nmのレーザ光4によって、
試料を標識している蛍光物質が励起されて、蛍光物質か
ら放出された蛍光のみが、フィルタ33bを透過し、フ
ォトマルチプライア30によって、光電的に検出され
る。
【0063】他方、フィルタ32bは、473nmの波
長の光をカットし、473nmよりも波長の長い光を透
過する性質を有しているため、励起光である473nm
の波長の光がカットされ、473nmのレーザ光4によ
って、試料を標識している蛍光物質が励起されて、蛍光
物質から放出された蛍光のみが、フィルタ32bを透過
し、フォトマルチプライア29によって、光電的に検出
される。
【0064】さらに、画像担体22に含まれている試料
が、532nmのレーザ光4によって効率的に励起可能
な蛍光物質と、473nmのレーザ光4によって効率的
に励起可能な蛍光物質とによって、選択的に標識されて
いる場合には、フィルタ部材31cが、フォトマルチプ
ライア29、30の前面に位置するように、フィルタユ
ニット28を移動させる。その結果、レーザ光4によっ
て、蛍光物質が励起されて、放出される蛍光の波長は励
起光の波長よりも長いため、532nmのレーザ光4に
よって、試料を標識している蛍光物質が励起されて、蛍
光物質から放出され、ダイクロイックミラー34cに入
射した蛍光は、ダイクロイックミラー34cによって反
射され、フィルタ33cに入射し、他方、473nmの
レーザ光4によって、蛍光物質が励起されて、蛍光物質
から放出され、ダイクロイックミラー34cに入射した
蛍光は、ダイクロイックミラー34cを透過して、フィ
ルタ32cに入射する。
【0065】フィルタ33cは、532nmの波長の光
をカットし、532nmよりも波長の長い光を透過する
性質を有しているため、励起光である532nmの波長
の光がカットされ、532nmのレーザ光4によって、
試料を標識している蛍光物質が励起されて、蛍光物質か
ら放出された蛍光のみが、フィルタ33cを透過し、フ
ォトマルチプライア30によって、光電的に検出され
る。
【0066】他方、フィルタ32cは、473nmの波
長の光をカットし、473nmよりも波長の長い光を透
過する性質を有しているため、励起光である473nm
の波長の光がカットされ、473nmのレーザ光4によ
って、試料を標識している蛍光物質が励起されて、蛍光
物質から放出された蛍光のみが、フィルタ32cを透過
し、フォトマルチプライア29によって、光電的に検出
される。
【0067】また、本実施態様にかかる画像読み取り装
置は、蓄積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層
に含まれている輝尽性蛍光体が、レーザ光4によって励
起され、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を、選択的
に光電検出して、画像担体22に担持された放射性標識
物質の位置情報に関するオートラジオグラフィ画像を読
み取ることができるように構成され、輝尽光を、選択的
に光電検出する場合には、フィルタ部材31dが、フォ
トマルチプライア29、30の前面に位置するように、
フィルタユニット28が移動される。
【0068】図6に示されるように、フィルタ部材31
dは、輝尽性蛍光体から放出される輝尽光の波長域の光
のみを透過し、640nmの波長の光をカットする性質
を有する単一のフィルタ32dを備えているのみで、ダ
イクロイックミラーを備えておらず、フィルタ部材31
a、31b、31cにおいて、フィルタ33a、33
b、33cが設けられている開口部は、蓋部材35によ
って、閉じられている。したがって、フィルタ部材31
dに入射した輝尽光は、フィルタ32dに導かれて、6
40nmの波長の光がカットされ、輝尽性蛍光体から放
出される輝尽光の波長域の光のみが、フォトマルチプラ
イア29によって、光電的に検出される。
【0069】このようにして、画像担体22から放出さ
れた蛍光または輝尽光は、フォトマルチプライア29、
30によって光電的に検出されて、アナログ画像データ
が生成され、生成されたアナログ画像データは、A/D
変換器36によって、ディジタル画像データに変換さ
れ、画像データ処理装置37に送られる。
【0070】図7は、光学ヘッドの走査機構の略平面図
である。
【0071】図7に示されるように、光学ヘッド15を
走査する走査機構は、基板40を備え、基板40上に
は、副走査パルスモータ41と一対のレール42、42
とが固定され、基板40上には、さらに、図7におい
て、Yで示された副走査方向に、移動可能な基板43と
が設けられている。
【0072】移動可能な基板43には、ねじが切られた
穴(図示せず)が形成されており、この穴内には、副走
査パルスモータ41によって回転されるねじが切られた
ロッド44が係合している。
【0073】移動可能な基板43上には、主走査パルス
モータ45が設けられ、主走査パルスモータ45はエン
ドレスベルト46を駆動可能に構成されている。光学ヘ
ッド15は、エンドレスベルト46に固定されており、
主走査パルスモータ45によって、エンドレスベルト4
6が駆動されると、図4において、Xで示された主走査
方向に移動されるように構成されている。図4におい
て、47は、光学ヘッド15の主走査方向における位置
を検出するリニアエンコーダであり、48は、リニアエ
ンコーダ47のスリットである。
【0074】したがって、主走査パルスモータ45によ
って、エンドレスベルト46が主走査方向に駆動され、
副走査パルスモータ41によって、基板43が副走査方
向に移動されることによって、光学ヘッド15は、図1
および図5において、X−Y方向に移動され、レーザ光
4によって、画像担体22の全面が走査される。
【0075】移動可能な基板43に設けられた主走査パ
ルスモータ45は、エンドレスベルト46を主走査方向
に駆動し、光学ヘッド15はベルト46の動きに連動し
て、V1メートル/秒の速度で、主走査方向に駆動され
る。光学ヘッド15の主走査方向における位置は、光学
ヘッド15に取り付けられたリニアエンコーダー47が
スリット48をカウントすることにより、モニターされ
る。一方、基板40に設けれた副走査パルスモータ41
はロッド44を回転駆動し、基板43はロッド44の回
転に連動して、一対のレール42に沿って、副走査方向
に移動される。
【0076】図8は、本発明の好ましい実施態様にかか
る画像読み取り装置の制御系、入力系および駆動系を示
すブロックダイアグラムである。
【0077】図8に示されるように、画像読み取り装置
の制御系は、画像読み取り装置全体を制御するコントロ
ールユニット50を備えており、また、画像読み取り装
置の入力系は、オペレータによって操作され、種々の指
示信号を入力可能なキーボード51を備えている。
【0078】図8に示されるように、画像読み取り装置
の駆動系は、4つのフィルタ部材31a、31b、31
c、31dを備えたフィルタユニット28を移動させる
フィルタユニットモータ52と、後に詳述するソレノイ
ド53、54を備えている。
【0079】コントロールユニット50は、第1のレー
ザ励起光源1、第2のレーザ励起光源2または第3のレ
ーザ励起光源3に選択的に駆動信号を出力するととも
に、フィルタユニットモータ52に駆動信号を出力可能
に構成されている。
【0080】図9は、フィルタユニット28、フォトマ
ルチプライア29およびフォトマルチプライア30の詳
細を示す略斜視図である。
【0081】図9に示されるように、フィルタユニット
28は、固定台60と、固定台60に取り外し可能に取
り付けられたフィルタ部材31a、31b、31c、3
1dを備えている。各フィルタ部材31a、31b、3
1c、31dは、それぞれ、個別に、固定台60に取り
付け、取り外すことができるように構成されている。
【0082】固定台60は、画像読み取り装置に設けら
れた一対のレール61、61に取り外し可能に取り付け
られ、フィルタユニットモータ52によって、一対のレ
ール61、61に沿って、移動可能に構成されている。
【0083】フィルタ部材31a、31b、31c、3
1dが、それぞれ、フォトマルチプライア29およびフ
ォトマルチプライア30に対向する位置に移動されたと
きに、フィルタ部材31a、31b、31c、31dの
それぞれに入射した蛍光または輝尽光が、フォトマルチ
プライア29およびフォトマルチプライア30に導かれ
ることが妨げられないように、フィルタ部材31a、3
1b、31c、31dのフィルタ32a、33a、32
b、33b、32c、33c、32dに対向する固定台
60の側面には、それぞれ、開口部(図示せず)が形成
されている。
【0084】フォトマルチプライア29は、受光部63
と、受光部63の中心軸方向に移動可能なカバー64と
を備え、カバー64の受光部63近傍には、緩衝部材6
5が設けられている。同様に、フォトマルチプライア3
0は、受光部66と、受光部66の中心軸方向に移動可
能なカバー67とを備え、カバー67の受光部66近傍
には、緩衝部材68が設けられている。
【0085】さらに、ソレノイド53およびソレノイド
54が設けられており、ソレノイド53は、ジョイント
70を介して、フォトマルチプライア29のカバー64
を、受光部63の中心軸方向に移動可能に構成され、ソ
レノイド54は、ジョイント71を介して、フォトマル
チプライア30のカバー67を、受光部66の中心軸方
向に移動可能に構成されている。
【0086】図10は、フォトマルチプライア29とフ
ィルタユニット28の詳細を示す略斜視図であり、簡易
化のため、固定台60、その他の要素は省略されてい
る。
【0087】図10に示されるように、フォトマルチプ
ライア29のカバー64とソレノイド53とは、ジョイ
ント70によって連結されており、ソレノイド53へ供
給される電流を制御することによって、フォトマルチプ
ライア29のカバー64を、受光部63の中心軸方向
に、移動させることができるように構成されている。す
なわち、ソレノイド53に電流が供給されていないとき
には、図10に示されるように、フォトマルチプライア
29のカバー64は、その先端部が、受光部63よりも
下方に位置する退避位置に位置させられ、フォトマルチ
プライア29とフィルタ部材31aとの間には間隙が形
成される。他方、ソレノイド53に電流が供給されてい
るときには、フォトマルチプライア29のカバー64
は、図10において、上方に移動され、カバー64に設
けられた緩衝部材65がフィルタ部材31aのフィルタ
32aと接触する遮光位置に保持される。
【0088】フォトマルチプライア30のカバー67も
全く同様に、ソレノイド54によって、受光部66の中
心軸に沿って、退避位置と遮光位置との間を、移動可能
に構成されている。
【0089】したがって、ソレノイド53およびソレノ
イド54への電流の供給を断って、フォトマルチプライ
ア29のカバー64およびフォトマルチプライア30の
カバー67を、それぞれ、退避位置に位置させることに
より、フィルタユニット28を、フォトマルチプライア
29の干渉を受けることなく、移動させ、4つのフィル
タ部材31a、31b、31c、31dのうち、所望の
フィルタ部材31a、31b、31c、31dを、フォ
トマルチプライア29およびフォトマルチプライア30
に対向する位置に移動させることができる。
【0090】こうして、4つのフィルタ部材31a、3
1b、31c、31dのうち、所望のフィルタ部材31
a、31b、31c、31dを、フォトマルチプライア
29およびフォトマルチプライア30に対向する位置に
移動させた後に、ソレノイド53およびソレノイド54
に電流を供給すると、フォトマルチプライア29のカバ
ー64およびフォトマルチプライア30のカバー67
は、それぞれ、遮光位置に移動する。その結果、フィル
タ部材31a、31b、31c、31dのフィルタ32
a、32b、32c、32dとフォトマルチプライア2
9のカバー64に形成された緩衝部材65が接触して、
フィルタ32a、32b、32c、32dと緩衝部材6
5とが、間隙を介在させることなく、密着し、他方、フ
ィルタ部材31a、31b、31c、31dのフィルタ
33a、33b、33c、33dとフォトマルチプライ
ア30のカバー67に形成された緩衝部材68が接触し
て、フィルタ32a、32b、32c、32dと緩衝部
材65とが、間隙を介在させることなく、密着し、した
がって、フィルタ部材31a、31b、31c、31d
と、フォトマルチプライア29、30との間の間隙を介
して、励起光が、フォトマルチプライア29、30の受
光部63、66に入射することを確実に防止して、高い
S/N比で、画像を読み取ることが可能になる。さら
に、フィルタ32a、32b、32c、32dと接触す
るのは、カバー64に形成された緩衝部材65であり、
フィルタ33a、33b、33c、33dと接触するの
は、カバー67に形成された緩衝部材であるため、フィ
ルタ32a、32b、32c、32dおよびフィルタ3
3a、33b、33cが損傷を受けることも確実に防止
することができる。
【0091】以上のように構成された本実施態様にかか
る画像読み取り装置は、以下のようにして、転写支持体
またはゲル支持体に担持された蛍光画像を読み取り、デ
ィジタル画像データを生成する。
【0092】まず、画像担体22である転写支持体ある
いはゲル支持体がステージ20のガラス板21上にセッ
トされる。
【0093】次いで、オペレータによって、キーボード
51に、試料を標識している蛍光物質の種類が特定さ
れ、転写支持体あるいはゲル支持体に担持された蛍光画
像を読み取るべき旨の指示信号が入力される。
【0094】キーボード51に入力された指示信号は、
コントロールユニット50に入力され、コントロールユ
ニット50は、指示信号を受けると、メモリ(図示せ
ず)に記憶されているテーブルにしたがって、使用すべ
きレーザ励起光源を決定するとともに、フィルタ部材3
1a、31b、31c、31dのいずれを用いるかを決
定する。
【0095】たとえば、試料がCy−5およびローダミ
ンによって、選択的に標識されているときは、Cy−5
は640nmの波長のレーザによって、最も効率的に励
起することができ、ローダミンは、532nmの波長の
レーザによって、最も効率的に励起することができる蛍
光色素であるから、コントロールユニット50は第1の
レーザ励起光源1および第2のレーザ励起光源2を選択
するとともに、フィルタ部材31aを選択する。
【0096】次いで、コントロールユニット50は、ソ
レノイド53およびソレノイド54への電流の供給を遮
断し、フォトマルチプライア29のカバー64を退避位
置に位置させるとともに、フォトマルチプライア30の
カバー67を退避位置に位置させて、フォトマルチプラ
イア29およびフォトマルチプライア30とフィルタユ
ニット28との間に間隙を形成させる。
【0097】その後、コントロールユニット50は、フ
ィルタユニットモータ52に駆動信号を出力して、一対
のレール61、61に沿って、フィルタユニット28を
移動させ、フィルタ部材31aを、フィルタ32aおよ
びフィルタ33aが、それぞれ、フォトマルチプライア
29およびフォトマルチプライア30に対向するよう
に、位置させる。ここに、フォトマルチプライア29お
よびフォトマルチプライア30とフィルタユニット28
との間には間隙が形成されているから、フォトマルチプ
ライア29およびフォトマルチプライア30の干渉を受
けることなく、フィルタユニット28を移動させること
ができる。
【0098】次いで、コントロールユニット50は、ソ
レノイド53およびソレノイド54への電流の供給を供
給し、フォトマルチプライア29のカバー64およびフ
ォトマルチプライア30のカバー67を、それぞれ、遮
光位置に位置させ、フォトマルチプライア29のカバー
64に形成された緩衝部材65とフィルタ部材31aの
フィルタ32aとを密着させるとともに、フォトマルチ
プライア30のカバー67に形成された干渉部材68と
フィルタ部材31aのフィルタ33aとを密着させる。
【0099】その後、コントロールユニット50は、第
1のレーザ励起光源1および第2のレーザ励起光源2に
駆動信号を出力し、第1のレーザ励起光源1および第2
のレーザ励起光源2を起動させ、640nmの波長を有
するレーザ光4および532nmの波長を有するレーザ
光4を発生させる。
【0100】第1のレーザ励起光源1から発せられたレ
ーザ光4は、コリメータレンズ5によって、平行な光と
された後、ミラー6によって反射され、第1のダイクロ
イックミラー7および第2のダイクロイックミラー8を
透過して、光学ヘッド15に入射する。
【0101】一方、第2のレーザ励起光源2から発せら
れたレーザ光4は、コリメータレンズ10によって、平
行な光とされた後、第1のダイクロイックミラー7によ
って反射され、第2のダイクロイックミラー8を透過し
て、光学ヘッド15に入射する。
【0102】したがって、光学ヘッド15には、第1の
レーザ励起光源1から発せられたレーザ光4と、第2の
レーザ励起光源2から発せられたレーザ光4の双方が入
射する。
【0103】光学ヘッド15に入射したレーザ光4は、
ミラー16によって反射され、穴明きミラー18に形成
された穴17を通過して、レンズ19により、ステージ
20のガラス板21上にセットされた画像担体22であ
る転写支持体あるいはゲル支持体上に集光される。
【0104】ステージ20は、図7に示された走査機構
によって、図1において、X−Y方向に移動されるた
め、レーザ光4によって、画像担体22である転写支持
体あるいはゲル支持体の全面が走査される。
【0105】レーザ光4の照射を受けると、画像担体2
2である転写支持体あるいはゲル支持体に含まれた蛍光
物質であるCy−5およびローダミンが励起されて、蛍
光が放出される。
【0106】画像担体22より発せられた蛍光25は、
レンズ19によって、平行な光とされた後、穴明きミラ
ー18によって反射され、凹面ミラー26に入射して、
凹面ミラー27に集光される。
【0107】凹面ミラー27に集光された蛍光25は、
図3に示されるように、凹面ミラー27によって下方に
反射され、フィルタ部材31aに入射する。
【0108】フィルタ部材31aには、640nm以上
の波長の光を反射し、640nm未満の波長の光を透過
する性質を有するダイクロイックミラー34aが設けら
れており、したがって、フィルタ部材31aに入射した
光のうち、640nm以上の波長の光は、ダイクロイッ
クミラー34aによって反射されて、フィルタ33aに
入射し、640nm未満の波長の光は、ダイクロイック
ミラー34aを透過して、フィルタ32aに入射する。
ここに、蛍光物質が励起光によって、励起されたときに
放出される蛍光の波長は励起光の波長よりも長いため、
転写支持体あるいはゲル支持体に含まれたCy−5が、
第1のレーザ励起光源1から発せられた640nmの波
長を有するレーザ光4によって励起されて、発せられた
蛍光がフィルタ33aに導かれ、転写支持体あるいはゲ
ル支持体に含まれたローダミンが第2のレーザ励起光源
2から発せられた532nmの波長を有するレーザ光4
によって励起されて、発せられた蛍光がフィルタ32a
に導かれる。
【0109】その結果、フィルタ33aは、640nm
の波長の光をカットし、640nmよりも波長の長い光
を透過する性質を有しているため、励起光の波長の光が
フィルタ33aによってカットされ、転写支持体あるい
はゲル支持体に含まれたCy−5から放出された蛍光の
みが、フィルタ33aを透過して、フォトマルチプライ
ア30によって、光電的に検出され、アナログ画像デー
タが生成される。
【0110】また、フィルタ32aは、532nmの波
長の光をカットし、532nmよりも波長の長い光を透
過する性質を有しているため、励起光の波長の光が、フ
ィルタ32aによって、カットされ、転写支持体あるい
はゲル支持体に含まれたローダミンから放出された蛍光
のみが、フィルタ32aを透過して、フォトマルチプラ
イア29によって、光電的に検出され、アナログ画像デ
ータが生成される。
【0111】ここに、フォトマルチプライア29のカバ
ー64およびフォトマルチプライア30のカバー67
は、それぞれ、遮光位置に位置させられ、フォトマルチ
プライア29のカバー64に形成された緩衝部材65と
フィルタ32aとが密着し、また、フォトマルチプライ
ア30のカバー67に形成された緩衝部材68とフィル
タ33aとが密着しており、フォトマルチプライア29
のカバー64およびフォトマルチプライア30のカバー
67と、フィルタ部材31aとの間に間隙は存在しない
から、フォトマルチプライア29およびフォトマルチプ
ライア30とフィルタ部材31aとの間の間隙から、励
起光が、フォトマルチプライア29の受光部63または
フォトマルチプライア30の受光部66に入射して、受
光されることを確実に防止して、高いS/N比で、蛍光
画像を読み取ることが可能になる。
【0112】フォトマルチプライア29およびフォトマ
ルチプライア30によって生成されたアナログ画像デー
タは、A/D変換器33によって、ディジタル画像デー
タに変換され、画像データ処理装置34に送られる。
【0113】他方、画像担体22である転写支持体ある
いはゲル支持体に含まれている試料が、異なる蛍光物
質、たとえば、Cy−5とフルオロセインによって標識
されている場合には、以下のようにして、画像担体22
に担持された蛍光画像が読み取られる。
【0114】まず、画像担体22である転写支持体ある
いはゲル支持体がステージ20のガラス板21上にセッ
トされる。
【0115】次いで、オペレータによって、キーボード
51に、画像担体22に含まれた試料を標識している蛍
光物質の種類、すなわち、ローダミンとフルオロセイン
が特定され、転写支持体あるいはゲル支持体に担持され
た蛍光画像を読み取るべき旨の指示信号が入力される。
【0116】ここに、ローダミンは532nmの波長の
レーザによって、最も効率的に励起することができ、フ
ルオロセインは、473nmの波長のレーザによって、
最も効率的に励起することができる蛍光色素であるか
ら、コントロールユニット50は第2のレーザ励起光源
2および第3のレーザ励起光源3を選択するとともに、
フィルタ部材31cを選択する。
【0117】次いで、コントロールユニット50は、ソ
レノイド53およびソレノイド54への電流の供給を遮
断し、フォトマルチプライア29のカバー64およびフ
ォトマルチプライア30のカバー67を、それぞれ、退
避位置に位置させ、フォトマルチプライア29のカバー
64およびフォトマルチプライア30のカバー67とフ
ィルタユニット28との間に間隙を形成する。
【0118】その後、コントロールユニット50は、フ
ィルタユニットモータ52に駆動信号を出力して、一対
のレール61、61に沿って、フィルタユニット28を
移動させ、フィルタ部材31cを、フィルタ32cおよ
びフィルタ33cが、それぞれ、フォトマルチプライア
29およびフォトマルチプライア30に対向するよう
に、位置させる。ここに、フォトマルチプライア29お
よびフォトマルチプライア30とフィルタユニット28
との間には間隙が形成されているから、フォトマルチプ
ライア29およびフォトマルチプライア30の干渉を受
けることなく、フィルタユニット28を移動させること
ができる。
【0119】次いで、コントロールユニット50は、ソ
レノイド53およびソレノイド54への電流の供給を供
給し、フォトマルチプライア29のカバー64およびフ
ォトマルチプライア30のカバー67を、それぞれ、遮
光位置に位置させ、フォトマルチプライア29のカバー
64に形成された緩衝部材65とフィルタ部材31cの
フィルタ32cとを密着させるとともに、フォトマルチ
プライア30のカバー67に形成された緩衝部材68と
フィルタ部材31cのフィルタ33cとを密着させる。
【0120】その後、コントロールユニット50は、第
2のレーザ励起光源2および第3のレーザ励起光源3に
駆動信号を出力し、第2のレーザ励起光源2および第3
のレーザ励起光源3を起動させ、532nmの波長を有
するレーザ光4および473nmの波長を有するレーザ
光4を発生させる。
【0121】第2のレーザ励起光源2から発せられたレ
ーザ光4は、コリメータレンズ10によって、平行な光
とされた後、第1のダイクロイックミラー7によって反
射され、第2のダイクロイックミラー8を透過して、光
学ヘッド15に入射する。
【0122】他方、第3のレーザ励起光源3から発せら
れたレーザ光4は、コリメータレンズ11によって、平
行な光とされた後、第2のダイクロイックミラー8によ
って反射され、光学ヘッド15に入射する。
【0123】したがって、光学ヘッド15には、第1の
レーザ励起光源1から発せられたレーザ光4と、第2の
レーザ励起光源2から発せられたレーザ光4の双方が入
射する。
【0124】光学ヘッド15に入射したレーザ光4は、
ミラー16によって反射され、穴明きミラー18に形成
された穴17を通過して、レンズ19により、ステージ
20のガラス板21上にセットされた画像担体22であ
る転写支持体あるいはゲル支持体上に集光される。
【0125】ステージ20は、図7に示された走査機構
によって、図1において、X−Y方向に移動されるた
め、レーザ光4によって、画像担体22である転写支持
体あるいはゲル支持体の全面が走査される。
【0126】レーザ光4の照射を受けると、画像担体2
2である転写支持体あるいはゲル支持体に含まれた蛍光
物質であるローダミンおよびフルオロセインが励起され
て、蛍光が放出される。
【0127】画像担体22より発せられた蛍光25は、
レンズ19によって、平行な光とされた後、穴明きミラ
ー18によって反射され、凹面ミラー26に入射して、
凹面ミラー27に集光される。
【0128】凹面ミラー27に集光された蛍光25は、
図3に示されるように、凹面ミラー27によって下方に
反射され、フィルタ部材31cに入射する。
【0129】フィルタ部材31cには、532nm以上
の波長の光を反射し、532nm未満の波長の光を透過
する性質を有するダイクロイックミラー34cが設けら
れており、したがって、フィルタ部材31cに入射した
光のうち、532nm以上の波長の光は、ダイクロイッ
クミラー34cによって反射されて、フィルタ33cに
入射し、532nm未満の波長の光は、ダイクロイック
ミラー34cを透過して、フィルタ32cに入射する。
前述のように、蛍光物質が励起光によって、励起された
ときに放出される蛍光の波長は励起光の波長よりも長い
ため、転写支持体あるいはゲル支持体に含まれたローダ
ミンが、第2のレーザ励起光源2から発せられた532
nmの波長を有するレーザ光4によって励起されて、発
せられた蛍光がフィルタ33cに導かれ、転写支持体あ
るいはゲル支持体に含まれたフルオレセインが第2のレ
ーザ励起光源2から発せられた473nmの波長を有す
るレーザ光4によって励起されて、発せられた蛍光がフ
ィルタ32cに導かれる。
【0130】その結果、フィルタ33cは、532nm
の波長の光をカットし、532nmよりも波長の長い光
を透過する性質を有しているため、励起光の波長の光が
フィルタ33cによってカットされ、転写支持体あるい
はゲル支持体に含まれたローダミンから放出された蛍光
のみが、フィルタ33cを透過して、フォトマルチプラ
イア30によって、光電的に検出され、アナログ画像デ
ータが生成される。
【0131】また、フィルタ32cは、473nmの波
長の光をカットし、473nmよりも波長の長い光を透
過する性質を有しているため、励起光の波長の光が、フ
ィルタ32cによって、カットされ、転写支持体あるい
はゲル支持体に含まれたフルオレセインから放出された
蛍光のみが、フィルタ32aを透過して、フォトマルチ
プライア29によって、光電的に検出され、アナログ画
像データが生成される。
【0132】ここに、フォトマルチプライア29のカバ
ー64およびフォトマルチプライア30のカバー67
は、それぞれ、遮光位置に位置させられ、フォトマルチ
プライア29のカバー64に形成された緩衝部材65と
フィルタ32cとが密着し、また、フォトマルチプライ
ア30のカバー67に形成された緩衝部材68とフィル
タ33cとが密着しており、フォトマルチプライア29
のカバー64およびフォトマルチプライア30のカバー
67と、フィルタ部材31cとの間に間隙は存在しない
から、フォトマルチプライア29およびフォトマルチプ
ライア30とフィルタ部材31cとの間の間隙から、励
起光が、フォトマルチプライア29の受光部63または
フォトマルチプライア30の受光部66に入射して、受
光されることを確実に防止して、高いS/N比で、蛍光
画像を読み取ることが可能になる。
【0133】フォトマルチプライア29およびフォトマ
ルチプライア30によって生成されたアナログ画像デー
タは、A/D変換器33によって、ディジタル画像デー
タに変換され、画像データ処理装置34に送られる。
【0134】これに対して、蓄積性蛍光体シートに形成
された輝尽性蛍光体層に含まれた輝尽性蛍光体をレーザ
光によって励起して、蓄積性蛍光体シートに担持された
放射性標識物質の位置情報に関するオートラジオグラフ
ィ画像を読み取るときは、まず、蓄積性蛍光体シートが
ステージ20のガラス板21上にセットされる。
【0135】次いで、オペレータによって、キーボード
51に、蓄積性蛍光体シートに担持された放射性標識物
質の位置情報に関するオートラジオグラフィ画像を読み
取る旨の指示信号が入力される。
【0136】キーボード51に入力された指示信号は、
コントロールユニット50に入力され、コントロールユ
ニット50は、指示信号を受けると、メモリ(図示せ
ず)に記憶されているテーブルにしたがって、第1のレ
ーザ励起光源1を選択するとともに、フィルタ部材31
dを選択する。
【0137】次いで、コントロールユニット50は、ソ
レノイド53およびソレノイド54への電流の供給を遮
断し、フォトマルチプライア29のカバー64およびフ
ォトマルチプライア30のカバー67を、それぞれ、退
避位置に位置させ、フォトマルチプライア29のカバー
64およびフォトマルチプライア30のカバー67とフ
ィルタユニット28との間に間隙を形成する。
【0138】その後、コントロールユニット50は、フ
ィルタユニットモータ52に駆動信号を出力して、一対
のレール61、61に沿って、フィルタユニット28を
移動させて、フィルタ部材31dを、フィルタ32dお
よび蓋部材35が、それぞれ、フォトマルチプライア2
9およびフォトマルチプライア30に対向するように、
位置させる。ここに、フォトマルチプライア29および
フォトマルチプライア30とフィルタユニット28との
間には間隙が形成されているから、フォトマルチプライ
ア29およびフォトマルチプライア30の干渉を受ける
ことなく、フィルタユニット28を移動させることがで
きる。
【0139】次いで、コントロールユニット50は、ソ
レノイド53およびソレノイド54への電流の供給を供
給し、フォトマルチプライア29のカバー64およびフ
ォトマルチプライア30のカバー67を、それぞれ、遮
光位置に位置させ、フォトマルチプライア29のカバー
64に形成された緩衝部材65とフィルタ部材31dの
フィルタ32dとを密着させるとともに、フォトマルチ
プライア30のカバー67に形成された緩衝部材68と
フィルタ部材31dの蓋部材35とを密着させる。
【0140】その後、コントロールユニット50は、第
1のレーザ励起光源1に駆動信号を出力し、第1のレー
ザ励起光源1を起動させ、640nmの波長を有するレ
ーザ光4を発生させる。
【0141】第1のレーザ励起光源1から発せられたレ
ーザ光4は、コリメータレンズ5によって、平行な光と
された後、ミラー6によって反射され、第1のダイクロ
イックミラー7および第2のダイクロイックミラー8を
透過して、光学ヘッド15に入射する。
【0142】光学ヘッド15に入射したレーザ光4は、
ミラー16によって反射され、穴明きミラー18に形成
された穴17を通過して、レンズ19により、ステージ
20のガラス板21上にセットされた画像担体22であ
る蓄積性蛍光体シート上に集光される。
【0143】ステージ20は、図7に示された走査機構
によって、図1において、X−Y方向に移動されるた
め、レーザ光4によって、画像担体22である蓄積性蛍
光体シートの全面が走査される。
【0144】レーザ光4の照射を受けると、画像担体2
2である蓄積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体
層に含まれた輝尽性蛍光体がが励起されて、輝尽光が放
出される。
【0145】画像担体22より発せられた輝尽光25
は、レンズ19によって、平行な光とされた後、穴明き
ミラー18によって反射され、凹面ミラー26に入射し
て、凹面ミラー27に集光される。
【0146】凹面ミラー27に集光された輝尽光25
は、図3に示されるように、凹面ミラー27によって下
方に反射され、フィルタ部材31dに入射する。
【0147】フィルタ部材31dに入射した輝尽光は、
フィルタ32dに入射する。ここに、フィルタ32d
は、輝尽性蛍光体から放出される輝尽光の波長域の光の
みを透過し、640nmの波長の光をカットする性質を
有しているため、フィルタ32dを通過することによ
り、励起光である640nmの波長の光がカットされ、
輝尽性蛍光体から放出された輝尽光のみが、フィルタ3
2dを透過して、フォトマルチプライア29によって、
光電的に検出され、アナログ画像データが生成される。
【0148】ここに、フォトマルチプライア29のカバ
ー64およびフォトマルチプライア30のカバー67
は、それぞれ、遮光位置に位置させられ、フォトマルチ
プライア29のカバー64に形成された緩衝部材65と
フィルタ32dとが密着し、また、フォトマルチプライ
ア30のカバー67に形成された緩衝部材68とフィル
タ部材31dの蓋部材35とが密着しており、フォトマ
ルチプライア29のカバー64およびフォトマルチプラ
イア30のカバー67と、フィルタ部材31dとの間に
間隙は存在しないから、フォトマルチプライア29およ
びフォトマルチプライア30とフィルタ部材31dとの
間の間隙から、励起光が、フォトマルチプライア29の
受光部63、フォトマルチプライア30の受光部66に
入射して、受光されることを確実に防止して、高いS/
N比で、蛍光画像を読み取ることが可能になる。
【0149】フォトマルチプライア29およびフォトマ
ルチプライア30によって生成されたアナログ画像デー
タは、A/D変換器33によって、ディジタル画像デー
タに変換され、画像データ処理装置34に送られる。
【0150】本実施態様によれば、画像読み取り装置
は、複数のフィルタ部材31a、31b、31c、31
dを備えたフィルタユニット28を有し、画像担体22
の種類および試料を標識している標識物質の種類によっ
て、所望のフィルタ部材31a、31b、31c、31
dを選択的に使用して、励起光をカットしているので、
転写支持体あるいはゲル支持体が担持している蛍光画像
および蓄積性蛍光体シートが担持している放射性標識物
質の位置情報に関するオートラジオグラフィ画像の双方
を読み取ることができるだけでなく、効率的に励起する
ことのできる波長を異にする種々の蛍光物質によって標
識された試料の蛍光画像を読み取ることが可能になる。
しかも、本実施態様によれば、フォトマルチプライア2
9およびフォトマルチプライア30は、それぞれ、受光
部63、66の中心軸方向に移動可能で、フィルタユニ
ット28に備えられたいずれかのフィルタ部材31a、
31b、31c、31dを選択するために、フィルタユ
ニット28を移動させるときは、フィルタユニット28
と干渉しない退避位置に位置し、フォトマルチプライア
29、30が、蛍光あるいは輝尽光を検出するときは、
フィルタユニット28を構成するフィルタ部材31a、
31b、31c、31dのフィルタ32a、32b、3
2c、32dおよびフィルタ33a、33b、33c
と、間隙を形成することなく、密着する遮光位置に位置
するカバー64、67を備えているので、フォトマルチ
プライア29、30とフィルタ部材31a、31b、3
1c、31dとの間の間隙から、輝尽光が、フォトマル
チプライア29の受光部63、フォトマルチプライア3
0の受光部66に入射して、受光されることを確実に防
止して、高いS/N比で、蛍光画像を読み取ることが可
能になる。
【0151】さらに、本実施態様によれば、カバー64
およびカバー67には、それぞれ、緩衝部材65および
緩衝部材68が形成され、カバー64およびカバー67
が遮光位置にあるときに、フィルタ32a、32b、3
2c、32dと接触するのは、カバー64に形成された
緩衝部材65であり、フィルタ33a、33b、33
c、33dと接触するのは、カバー67に形成された緩
衝部材であるため、フィルタ32a、32b、32c、
32dおよびフィルタ33a、33b、33cが損傷を
受けることも確実に防止することができる。
【0152】本発明は、以上の実施態様に限定されるこ
となく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種
々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含
されるものであることはいうまでもない。
【0153】たとえば、前記実施態様においては、サザ
ン・ブロット・ハイブリタイゼーション法を利用した遺
伝子の電気泳動画像を、蛍光画像検出システムにしたが
って、転写支持体やゲル支持体に記録し、また、オート
ラジオグラフィ画像検出システムにしたがって、蓄積性
蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層に記録し、こ
れらを光電的に読み取る場合につき、説明を加えたが、
本発明は、かかる画像の読み取りに限定されることな
く、たとえば、蛍光検出システムによって、ゲル支持体
あるいは転写支持体に記録された蛍光物質の他の画像や
蛋白質の分離、同定、あるいは、分子量、特性の評価な
どをおこなうための蛍光物質の画像の読み取りや、蛋白
質の薄層クロマトグラフィ(TLC)により生成され、
蓄積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層に記録
されたオートラジオグラフィ画像、ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動法によって、蛋白質の分離、同定、あるい
は、分子量、特性の評価などをおこなうために、蓄積性
蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層に記録された
オートラジオグラフィ画像、実験用マウスにおける投与
物質の代謝、吸収、排泄の経路、状態などを研究するた
めに、蓄積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層
に記録されたオートラジオグラフィ画像などの蓄積性蛍
光体シートに形成された輝尽性蛍光体層に記録された他
のオートラジオグラフィ画像の読み取りはもとより、電
子顕微鏡を用いて生成され、蓄積性蛍光体シートに形成
された輝尽性蛍光体層に記録された金属あるいは非金属
試料の電子線透過画像や電子線回折画像、生物体組織な
どの電子顕微鏡画像、さらには、金属あるいは非金属試
料などの蓄積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体
層に記録された放射線回折画像、蓄積性蛍光体シートに
形成された輝尽性蛍光体層に記録された化学発光画像な
どの読み取りにも、広く適用することができる。
【0154】また、前記実施態様においては、カバー6
4およびカバー67は、それぞれ、ソレノイド53およ
びソレノイド54によって、遮光位置と退避位置との間
で、移動されているが、カバー64およびカバー67を
移動させる手段は、ソレノイドに限定されるものではな
く、モータなどの他の駆動手段を使用することもでき
る。
【0155】さらに、前記実施態様においては、画像読
み取り装置は、2つのフォトマルチプライア29、30
を備えているが、2種類の励起波長の異なる蛍光物質を
用いて、試料を選択的に標識する必要がない場合には、
単一のフォトマルチプライアを備えていればよく、ま
た、3種類の励起波長の異なる蛍光物質を用いて、試料
を選択的に標識し、蛍光画像を読み取る場合には、3つ
以上のフォトマルチプライアを設けるようにすることも
できる。ここに、単一のフォトマルチプライアが設けら
れている場合には、フィルタ部材31a、31b、31
c、31dは単一のフィルタを有していればよく、3つ
以上のフォトマルチプライアが設けられている場合に
は、フィルタ部材31a、31b、31c、31dに、
さらに、ダイクロイックミラーを設けるとともに、フォ
トマルチプライアの数に応じたフィルタを設けることが
必要である。
【0156】また、前記実施態様においては、画像読み
取り装置は、第1のレーザ励起光源1、第2のレーザ励
起光源2および第3のレーザ励起光源3を備えている
が、3つのレーザ励起光源を備えていることは必ずしも
必要がなく、転写支持体あるいはゲル支持体に担持され
た蛍光画像と、蓄積性蛍光体シートに形成された輝尽性
蛍光体層に記録された放射性標識物質の位置情報に関す
るオートラジオグラフィ画像、蓄積性蛍光体シートに形
成された輝尽性蛍光体層に記録された金属あるいは非金
属試料の電子線透過画像や電子線回折画像、生物体組織
などの電子顕微鏡画像、金属あるいは非金属試料などの
蓄積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層に記録
された放射線回折画像および蓄積性蛍光体シートに形成
された輝尽性蛍光体層に記録された化学発光画像の双方
を読み取り可能に構成されていれば足り、たとえば、第
2のレーザ励起光源2を設けなくてもよく、第1のレー
ザ励起光源1のみを設けて、640nmの波長のレーザ
光で効率よく励起可能なCy−5などを用いて、試料を
標識して生成した蛍光画像ならびに蓄積性蛍光体シート
に形成された輝尽性蛍光体層に記録された放射性標識物
質の位置情報に関するオートラジオグラフィ画像、電子
顕微鏡画像、放射線回折画像および化学発光画像を読み
取り可能に構成することもできる。
【0157】さらに、前記実施態様においては、第1の
レーザ励起光源1として、640nmの波長のレーザ光
4を発する半導体レーザ光源を用いているが、640n
mの波長のレーザ光4を発する半導体レーザ光源に代え
て、633nmの波長を有するレーザ光4を発するHe
−Neレーザ光源あるいは635nmのレーザ光4を発
する半導体レーザ光源を用いてもよい。
【0158】また、前記実施態様においては、第2のレ
ーザ励起光源2として、532nmのレーザ光を発する
レーザ光源を用い、第3のレーザ励起光源3として、4
73nmのレーザ光を発するレーザ光源を用いている
が、励起する蛍光物質の種類に応じて、第2のレーザ励
起光源2として、530ないし540nmのレーザ光を
発するレーザ光源を、第3のレーザ励起光源3として、
470ないし480nmのレーザ光を発するレーザ光源
を、それぞれ、用いることもできる。
【0159】さらに、前記実施態様においては、ステー
ジ20を静止状態に維持し、走査機構により、光学ヘッ
ド15を移動させることによって、レーザ光4によっ
て、画像担体22の全面を走査しているが、光学ヘッド
15を静止状態に維持し、ステージ20を移動させて、
レーザ光4により、画像担体22の全面を走査するよう
にようにして、また、光学ヘッド15を、図1におい
て、X方向にのみ移動させるとともに、ステージ20を
Y方向に移動させて、レーザ光4によって、画像担体2
2の全面を走査するようにしてもよい。
【0160】また、前記実施態様においては、穴17が
形成された穴明きミラー18を用いているが、穴17に
代えて、レーザ光4を透過可能なコーティングを施すこ
ともできる。
【0161】さらに、前記実施態様においては、光検出
器として、フォトマルチプライア29およびフォトマル
チプライア30を用いて、画像担体22から発せられた
蛍光あるいは輝尽光を光電的に検出しているが、本発明
において用いられる光検出器としては、蛍光あるいは輝
尽光を光電的に検出可能であればよく、フォトマルチプ
ライアに限らず、CCDなどの他の光検出器を用いるこ
とができる。
【0162】また、前記実施態様においては、フィルタ
部材31a、31b、31cは、それぞれ、ダイクロイ
ックミラー34a、34b、34cを備え、ダイクロイ
ックミラー34a、34b、34cによって、画像担体
22から発せられた蛍光を、フィルタ32a、32b、
32cおよびフィルタ33a、33b、33cに指向さ
せるように構成されているが、ダイクロイックミラー3
4a、34b、34cに代えて、任意のビームスプリッ
ターを用いることができる。
【0163】
【発明の効果】本発明によれば、フィルタユニットに取
り付けられた複数のフィルタを選択的に使用して、励起
光をカットする画像読み取り装置であって、励起光が、
フィルタユニットと光検出器との間の間隙から、光検出
器に入射することを防止して、高いS/N比で、画像を
読み取ることのできる画像読み取り装置を提供すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる画
像読み取り装置の略斜視図である。
【図2】図2は、フォトマルチプライア近傍の詳細を示
す略斜視図である。
【図3】図3は、図2のA−A線に沿った略断面図であ
る。
【図4】図4は、図2のB−B線に沿った略断面図であ
る。
【図5】図5は、図2のC−C線に沿った略断面図であ
る。
【図6】図6は、図2のD−D線に沿った略断面図であ
る。
【図7】図7は、光学ヘッドの走査機構の略平面図であ
る。
【図8】図8は、本発明の好ましい実施態様にかかる画
像読み取り装置の制御系、入力系および駆動系を示すブ
ロックダイアグラムである。
【図9】図9は、フィルタユニット、フォトマルチプラ
イアおよびフォトマルチプライアの詳細を示す略斜視図
である。
【図10】図10は、フォトマルチプライアとフィルタ
ユニットの詳細を示す略斜視図である。
【符号の説明】
1 第1のレーザ励起光源 2 第2のレーザ励起光源 3 第3のレーザ励起光源 4 レーザ光 5 コリメータレンズ 6 ミラー 7 第1のダイクロイックミラー 8 第2のダイクロイックミラー 9 ミラー 10 コリメータレンズ 11 コリメータレンズ 12 ミラー 13 ミラー 15 光学ヘッド 16 ミラー 17 穴明きミラー 18 穴 19 凸レンズ 20 ステージ 21 ガラス板 22 画像担体 25 輝尽光または蛍光 26 凹面ミラー 27 凹面ミラー 28 フィルタユニット 29 フォトマルチプライア 30 フォトマルチプライア 31a、31b、31c、31d フィルタ部材 32a、32b、32c、32d フィルタ 33a、33b、33c フィルタ 34a、34b、34c ダイクロイックミラー 35 蓋部材 36 A/D変換器 37 画像データ処理装置 40 基板 41 副走査パルスモータ 42 レール 43 基板 44 ロッド 45 主走査パルスモータ 46 エンドレスベルト 47 リニアエンコーダ 48 スリット 50 コントロールユニット 51 キーボード 52 フィルタユニットモータ 53 ソレノイド 54 ソレノイド 60 固定台 61 一対のレール 63 受光部 64 カバー 65 緩衝部材 66 受光部 67 カバー 68 緩衝部材 70 ジョイント 71 ジョイント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G06T 1/00 420 G06T 1/00 420C 5B047 G21K 4/00 G21K 4/00 L 5C072 H04N 1/113 H04N 1/04 104Z Fターム(参考) 2G020 AA04 BA02 BA03 BA14 CA01 CB04 CB23 CB43 CC26 CC47 CC55 CD23 CD34 CD41 CD52 2G043 AA03 BA16 CA03 DA02 DA05 EA01 EA19 FA01 GA04 GB01 GB03 GB19 GB21 HA01 HA02 HA03 HA09 JA03 KA02 KA05 KA09 LA02 MA04 MA11 2G083 AA03 AA04 AA09 AA10 BB04 CC09 CC10 DD13 DD16 EE02 2G088 EE27 EE29 FF05 FF20 GG17 GG18 GG30 JJ01 JJ09 JJ22 JJ37 KK32 LL02 LL11 LL12 2H013 AC05 5B047 AA15 AA17 BA01 BB08 BC05 BC07 BC09 BC12 BC14 CA17 5C072 AA01 BA11 CA06 DA02 DA06 DA09 DA15 DA21 DA23 EA02 HA02 VA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つのレーザ励起光源と、画
    像担体が載置されるステージと、前記少なくとも1つの
    レーザ励起光源から発せられたレーザ光により、前記画
    像担体上を走査して、前記レーザ光によって、前記画像
    担体を励起する走査機構と、互いに透過波長を異にする
    少なくとも1つのフィルタを備えた少なくとも1つのフ
    ィルタ部材を備えたフィルタユニットと、前記画像担体
    が励起されて、発せられ、前記少なくとも1つのフィル
    タを透過した光を光電的に検出する少なくとも1つの光
    検出器を備え、前記フィルタユニットが、前記少なくと
    も1つのフィルタ部材が選択的に前記画像担体から発せ
    られた光の光路内に位置するように移動可能に構成さ
    れ、さらに、前記フィルタユニットが移動されるとき
    は、前記フィルタユニットと干渉しない退避位置に保持
    され、前記少なくとも1つの光検出器が前記画像担体か
    ら発せられた光を光電的に検出するときは、前記少なく
    とも1つの光検出器と前記画像担体から発せられた光の
    光路内に位置する前記少なくとも1つのフィルタ部材と
    の間の間隙を覆う遮光位置に保持される少なくとも1つ
    の遮光部材を備えたことを特徴とする画像読み取り装
    置。
  2. 【請求項2】 さらに、前記フィルタユニットを移動さ
    せるフィルタユニット移動手段と、前記少なくとも1つ
    の遮光部材を、前記退避位置と前記遮光位置との間で移
    動させる遮光部材移動手段を備えたことを特徴とする請
    求項1に記載の画像読み取り装置。
  3. 【請求項3】 前記少なくとも1つの遮光部材が、緩衝
    部材を備え、前記遮光位置に位置するときに、前記少な
    くとも1つの遮光部材の前記緩衝部材が、前記少なくと
    も1つのフィルタ部材の前記少なくとも1つのフィルタ
    と当接するように構成されたことを特徴とする請求項1
    または2に記載の画像読み取り装置。
  4. 【請求項4】 前記少なくとも1つの遮光部材が、前記
    少なくとも1つの光検出器のカバーとして、前記少なく
    とも1つの光検出器と一体的に構成されたことを特徴と
    する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像読み
    取り装置。
  5. 【請求項5】 前記少なくとも1つの光検出器が第1の
    光検出器と第2の光検出器を含むとともに、前記第1の
    光検出器および前記第2の光検出器に対応して、前記少
    なくとも1つの遮光部材が第1の遮光部材と第2の遮光
    部材を含み、前記少なくとも1つのフィルタ部材が、互
    いに透過波長を異にする第1のフィルタおよび第2のフ
    ィルタとビームスプリッターとを備え、前記ビームスプ
    リッターが、前記画像担体から発せられた光を、前記第
    1のフィルタおよび前記第2のフィルタに指向させるよ
    うに構成されるとともに、前記第1の遮光部材および前
    記第2の遮光部材が、それぞれ、前記フィルタユニット
    が移動されるときは、前記フィルタユニットと干渉しな
    い退避位置に保持され、前記第1の光検出器および前記
    第2の光検出器が前記画像担体から発せられた光を光電
    的に検出するときは、前記第1の遮光部材が前記第1の
    光検出器と前記第1のフィルタとの間隙を覆う遮光位置
    に保持され、前記第2の遮光部材が前記第2の光検出器
    と前記第2のフィルタとの間隙を覆う遮光位置に保持さ
    れるように構成されたことを特徴とする請求項1ないし
    4のいずれか1項に記載の画像読み取り装置。
  6. 【請求項6】 前記少なくとも1つのフィルタ部材が、
    第1のフィルタ部材および第2のフィルタ部材を含み、
    前記第1のフィルタ部材および前記第2のフィルタ部材
    が、それぞれ、互いに透過波長を異にする第1のフィル
    タおよび第2のフィルタとビームスプリッターとを備
    え、前記第1のフィルタ部材の前記第1のフィルタおよ
    び前記第2のフィルタの一方が、前記第2のフィルタ部
    材の前記第1のフィルタおよび前記第2のフィルタの透
    過波長と異なる透過波長を有することを特徴とする請求
    項1ないし5のいずれか1項に記載の画像読み取り装
    置。
  7. 【請求項7】 前記少なくとも1つのフィルタ部材が、
    さらに、互いに透過波長を異にする第1のフィルタおよ
    び第2のフィルタとビームスプリッターとを備えた第3
    のフィルタ部材を含み、前記第1のフィルタ部材の前記
    第1のフィルタおよび前記第2のフィルタの一方が、前
    記第2のフィルタ部材の前記第1のフィルタおよび前記
    第2のフィルタの透過波長と異なる透過波長を有し、前
    記第3のフィルタ部材の前記第1のフィルタおよび前記
    第2のフィルタの一方が、前記第2のフィルタ部材の前
    記第1のフィルタおよび前記第2のフィルタの透過波長
    と異なる透過波長を有していることを特徴とする請求項
    6に記載の画像読み取り装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3211413A1 (en) * 2016-02-26 2017-08-30 Fujifilm Corporation Light detection apparatus

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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