JP2002062603A - 画像読み取り装置 - Google Patents

画像読み取り装置

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JP2002062603A
JP2002062603A JP2000248558A JP2000248558A JP2002062603A JP 2002062603 A JP2002062603 A JP 2002062603A JP 2000248558 A JP2000248558 A JP 2000248558A JP 2000248558 A JP2000248558 A JP 2000248558A JP 2002062603 A JP2002062603 A JP 2002062603A
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pinhole
light
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Taizo Akimoto
泰造 秋本
Moriyuki Igami
盛志 伊神
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 残蛍光を検出して、効率的に、かつ、高いS
/N比で、蛍光画像を読み取ることのできる画像読み取
り装置を提供する。 【解決手段】 レーザ励起光源1〜3と、画像担体21
が載置されるステージ20と、レーザ励起光源1〜3か
ら発せられたレーザ光4により、画像担体21上を走査
して、レーザ光4によって、画像担体21を励起する走
査機構と、レーザ光4によって励起されて、画像担体2
1から発せられた蛍光25を光電的に検出する光検出器
33と、画像担体21から発せられた蛍光25を光検出
器33に導く共焦点光学系とを備え、共焦点光学系と光
検出器33との間に、ピンホール32を有するピンホー
ル形成部材31を備え、ピンホール形成部材31が、移
動可能に構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像読み取り装置に関
するものであり、さらに詳細には、蓄積性蛍光体シート
を画像の検出材料として用いるオートラジオグラフィ画
像検出システム、化学発光画像検出システム、電子顕微
鏡画像検出システムおよび放射線回折画像検出システム
と共通して、使用可能で、残蛍光を検出して、効率的
に、かつ、高いS/N比で、蛍光画像を読み取ることの
できる画像読み取り装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】放射線が照射されると、放射線のエネル
ギーを吸収して、蓄積、記録し、その後に、特定の波長
域の電磁波を用いて励起すると、照射された放射線のエ
ネルギーの量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有す
る輝尽性蛍光体を、放射線の検出材料として用い、放射
性標識を付与した物質を、生物体に投与した後、その生
物体あるいはその生物体の組織の一部を試料とし、この
試料を、輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性蛍光体シー
トと一定時間重ね合わせることにより、放射線エネルギ
ーを輝尽性蛍光体層に含まれる輝尽性蛍光体に、蓄積、
記録し、しかる後に、電磁波によって、輝尽性蛍光体層
を走査して、輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から
放出された輝尽光を光電的に検出して、ディジタル画像
信号を生成し、画像処理を施して、CRTなどの表示手
段上あるいは写真フイルムなどの記録材料上に、画像を
生成するように構成されたオートラジオグラフィ画像検
出システムが知られている(たとえば、特公平1−60
784号公報、特公平1−60782号公報、特公平4
−3952号公報など)。
【0003】さらに、電子線あるいは放射線が照射され
ると、電子線あるいは放射線のエネルギーを吸収して、
蓄積、記録し、その後に、特定の波長域の電磁波を用い
て励起すると、照射された電子線あるいは放射線のエネ
ルギーの量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有する
輝尽性蛍光体を、電子線あるいは放射線の検出材料とし
て用い、金属あるいは非金属試料などに電子線を照射
し、試料の回折像あるいは透過像などを検出して、元素
分析、試料の組成解析、試料の構造解析などをおこなっ
たり、生物体組織に電子線を照射して、生物体組織の画
像を検出する電子顕微鏡による電子顕微鏡画像検出シス
テムや、放射線を試料に照射し、得られた放射線回折像
を検出して、試料の構造解析などをおこなう放射線回折
画像検出システムなどが知られている(たとえば、特開
昭61−51738号公報、特開昭61−93538号
公報、特開昭59−15843号公報など)。
【0004】これらの蓄積性蛍光体シートを画像の検出
材料として使用するシステムは、写真フイルムを用いる
場合とは異なり、現像処理という化学的処理が不必要で
あるだけでなく、得られた画像データに画像処理を施す
ことにより、所望のように、画像を再生し、あるいは、
コンピュータによる定量解析が可能になるという利点を
有している。
【0005】他方、オートラジオグラフィシステムにお
ける放射性標識物質に代えて、蛍光色素を標識物質とし
て使用した蛍光画像検出(fluorescence) システムが知
られている。この蛍光画像検出システムによれば、蛍光
画像の読み取ることにより、遺伝子配列、遺伝子の発現
レベル、実験用マウスにおける投与物質の代謝、吸収、
排泄の経路、状態、蛋白質の分離、同定、あるいは、分
子量、特性の評価などをおこなうことができ、たとえ
ば、電気泳動させるべき複数のDNA断片を含む溶液中
に、蛍光色素を加えた後に、複数のDNA断片をゲル支
持体上で電気泳動させ、あるいは、蛍光色素を含有させ
たゲル支持体上で、複数のDNA断片を電気泳動させ、
あるいは、複数のDNA断片を、ゲル支持体上で、電気
泳動させた後に、ゲル支持体を、蛍光色素を含んだ溶液
に浸すなどして、電気泳動されたDNA断片を標識し、
励起光により、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出
することによって、画像を生成し、ゲル支持体上のDN
Aを分布を検出したり、あるいは、複数のDNA断片
を、ゲル支持体上で、電気泳動させた後に、DNAを変
性(denaturation)し、次いで、サザン・ブロッティン
グ法により、ニトロセルロースなどの転写支持体上に、
変性DNA断片の少なくとも一部を転写し、目的とする
DNAと相補的なDNAもしくはRNAを蛍光色素で標
識して調製したプローブと変性DNA断片とをハイブリ
ダイズさせ、プローブDNAもしくはプローブRNAと
相補的なDNA断片のみを選択的に標識し、励起光によ
って、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出すること
により、画像を生成し、転写支持体上の目的とするDN
Aを分布を検出したりすることができる。さらに、標識
物質により標識した目的とする遺伝子を含むDNAと相
補的なDNAプローブを調製して、転写支持体上のDN
Aとハイブリダイズさせ、酵素を、標識物質により標識
された相補的なDNAと結合させた後、蛍光基質と接触
させて、蛍光基質を蛍光を発する蛍光物質に変化させ、
励起光によって、生成された蛍光物質を励起して、生じ
た蛍光を検出することにより、画像を生成し、転写支持
体上の目的とするDNAの分布を検出したりすることも
できる。この蛍光画像検出システムは、放射性物質を使
用することなく、簡易に、遺伝子配列などを検出するこ
とができるという利点がある。
【0006】これらのオートラジオグラフィ画像検出シ
ステム、化学発光画像検出システム、電子顕微鏡画像検
出システム、放射線回折画像検出システム、蛍光画像検
出システムは、同様の目的に使用されるものであるた
め、これらのシステムに共通して、使用できる画像読み
取り装置の開発が望まれている。
【0007】そこで、蓄積性蛍光体シートを用いたオー
トラジオグラフィ画像検出システム、化学発光画像検出
システム、電子顕微鏡画像検出システムおよび放射線回
折画像検出システムと、蛍光画像検出システムに共通し
て使用可能な画像読み取り装置がすでに提案されてい
る。
【0008】これらのシステムにおいては、励起光を用
いて、輝尽性蛍光体あるいは蛍光物質を励起し、輝尽性
蛍光体から発せられた輝尽光あるいは蛍光物質から発せ
られた蛍光を光検出器によって、光電的に検出して、画
像を読み取るものであり、したがって、励起光が光検出
器によって検出されると、ノイズとなるために、これら
のシステムのための画像読み取り装置は、フィルタを用
いて、励起光をカットし、光検出器に入射しないように
構成されている。
【0009】しかしながら、フィルタを用いて、励起光
が光検出器に入射することを完全に防止することは困難
であるため、蛍光画像検出システムにあっては、励起光
による照射が完了した後に、蛍光物質から放出される残
蛍光を検出することによって、励起光の影響を除去し、
S/N比を向上させる方法が提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように、蛍光画像
検出システムにおいては、残蛍光を検出することによっ
て、励起光の影響を除去して、S/N比を向上させるこ
とが可能になる。
【0011】しかしながら、従来の蛍光画像検出システ
ム用の画像読み取り装置は、用途が類似している蓄積性
蛍光体シートを画像の検出材料として用いるオートラジ
オグラフィ画像検出システム、化学発光画像検出システ
ム、電子顕微鏡画像検出システムおよび放射線回折画像
検出システムと共通して、使用可能なように構成されて
おり、蓄積性蛍光体シートを用いるオートラジオグラフ
ィ画像検出システム、化学発光画像検出システム、電子
顕微鏡画像検出システムおよび放射線回折画像検出シス
テムにおいては、輝尽性蛍光体から発せられる輝尽光
は、励起光の照射後、その強度がただちに低くなるた
め、励起によって、放出された輝尽光あるいは蛍光をた
だちに光電検出することが必要であった。そのため、従
来の画像読み取り装置においては、残蛍光を検出して、
蛍光画像を読み取るためには、励起光源を、機械的に断
続的して、オン・オフしつつ、励起光によって、転写支
持体やゲル支持体を走査し、励起光源がオフされている
間に、残蛍光を検出する以外に方法がなかった。
【0012】しかしながら、励起光を機械的に断続し
て、オン・オフさせることのできる周期は、短くても、
msecのオーダーであり、このような周期で、励起光
を断続的にオン・オフさせて、蛍光を検出する場合に
は、転写支持体やゲル支持体の全面を励起光によって、
走査するのに多大な時間を要し、効率的でないという問
題があった。
【0013】したがって、本発明の目的は、蓄積性蛍光
体シートを画像の検出材料として用いるオートラジオグ
ラフィ画像検出システム、化学発光画像検出システム、
電子顕微鏡画像検出システムおよび放射線回折画像検出
システムと共通して、使用可能で、残蛍光を検出して、
効率的に、かつ、高いS/N比で、蛍光画像を読み取る
ことのできる画像読み取り装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
少なくとも1つのレーザ励起光源と、画像担体が載置さ
れるステージと、前記少なくとも1つのレーザ励起光源
から発せられたレーザ光により、前記画像担体上を走査
して、前記レーザ光によって、前記画像担体を励起する
走査機構と、前記レーザ光によって励起されて、前記画
像担体から発せられた光を光電的に検出する光検出器
と、前記画像担体から発せられた光を前記光検出器に導
く共焦点光学系とを備えた画像読み取り装置において、
前記共焦点光学系と前記光検出器との間に、少なくとも
1つのピンホールを有するピンホール形成部材を備え、
前記ピンホール形成部材が、移動可能に構成されたこと
を特徴とする画像読み取り装置によって達成される。
【0015】本発明によれば、共焦点光学系と光検出器
との間に、少なくとも1つのピンホールを有するピンホ
ール形成部材を備え、ピンホール形成部材が、移動可能
に構成されているから、ピンホール形成部材を移動させ
て、少なくとも1つのピンホールを所望の位置に位置さ
せることによって、画像担体の任意の位置から発せられ
た光を光検出器に導くことができ、したがって、レーザ
励起光源を、機械的に断続的して、オン・オフさせるこ
となく、レーザ光の照射が終わり、走査機構によって、
レーザ光の照射位置から移動された画像担体から発せら
れる残蛍光のみを、少なくとも1つのピンホールを介し
て、光検出器に導いて、光電的に検出させ、高いS/N
比で、蛍光画像を読み取ることができるだけでなく、レ
ーザ光によって、輝尽性蛍光体が励起されて、発せられ
た輝尽光を、少なくとも1つのピンホールを介して、光
検出器に導いて、光電的に検出させて、オートラジオグ
ラフィ画像、化学発光画像、電子顕微鏡画像または放射
線回折画像を読み取ることが可能になる。
【0016】本発明の好ましい実施態様においては、前
記少なくとも1つピンホールが、前記画像担体から発せ
られ、前記共焦点光学系によって、前記光検出器に導か
れる光の光路中心と一致する第1の位置と、前記光路中
心から離れ、前記レーザ光の走査方向に対して、前記レ
ーザ光が照射される画像担体の点よりも、上流側に位置
する画像担体の点から発せられた光が、前記共焦点光学
系によって、結像される第2の位置との間で移動可能な
ように、前記ピンホール形成部材が構成されている。
【0017】本発明において、レーザ光の走査方向に対
して、レーザ光が照射される画像担体の点よりも、上流
側に位置する画像担体の点とは、走査機構によって、レ
ーザ光が移動されるか、画像担体が移動されるかにかか
わらず、その時点以前に、レーザ光が照射された画像担
体の点を指している。
【0018】本発明の好ましい実施態様によれば、少な
くとも1つピンホールが、画像担体から発せられ、共焦
点光学系によって、光検出器に導かれる光の光路中心と
一致する第1の位置と、光路中心から離れ、レーザ光の
走査方向に対して、前記レーザ光が照射される画像担体
の点よりも、上流側に位置する画像担体の点から発せら
れた光が、共焦点光学系によって、結像される第2の位
置との間で移動可能なように、ピンホール形成部材が構
成されているから、少なくとも1つピンホールを、画像
担体から発せられ、共焦点光学系によって、光検出器に
導かれる光の光路中心と一致する第1の位置に位置させ
ることによって、レーザ光によって、輝尽性蛍光体が励
起されて、発せられた輝尽光を、ピンホールを介して、
光検出器に導いて、光電的に検出させて、オートラジオ
グラフィ画像、化学発光画像、電子顕微鏡画像または放
射線回折画像を読み取ることができ、また、少なくとも
1つピンホールを、光路中心から離れ、レーザ光の走査
方向に対して、前記レーザ光が照射される画像担体の点
よりも、上流側に位置する画像担体の点から発せられた
光が、共焦点光学系によって、結像される第2の位置に
位置させることによって、レーザ励起光源を、機械的に
断続的して、オン・オフさせることなく、レーザ光の照
射が終わり、レーザ光が照射される画像担体の点より
も、上流側に移動された画像担体の点から発せられる残
蛍光のみを、少なくとも1つのピンホールを介して、光
検出器に導いて、光電的に検出させ、高いS/N比で、
蛍光画像を読み取ることが可能になる。
【0019】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第2の位置が、前記画像担体に担持された蛍光
色素の蛍光減衰時間に、前記走査機構によって走査され
る前記レーザ光の走査速度を乗じて得られる距離未満の
距離を隔てて、前記レーザ光が照射される画像担体の点
よりも、上流側に位置する画像担体の点から発せられた
光が、前記共焦点光学系によって、結像される位置に選
ばれている。
【0020】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、第2の位置が、画像担体に担持された蛍光色素の蛍
光減衰時間に、走査機構によって走査されるレーザ光の
走査速度を乗じて得られる距離未満の距離を隔てて、レ
ーザ光が照射される画像担体の点よりも、上流側に位置
する画像担体の点から発せられた光が、共焦点光学系に
よって、結像される位置に選ばれているから、確実に、
残蛍光のみを、少なくとも1つのピンホールを介して、
光検出器に導いて、光電的に検出させ、高いS/N比
で、蛍光画像を読み取ることが可能になる。
【0021】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、さらに、前記ピンホール形成部材を移動させるピン
ホール形成部材手段と、前記ピンホール形成部材手段を
制御するコントロールユニットとを備え、前記画像担体
が、蛍光画像検出システムによって生成された蛍光物質
の画像を担持しているときは、前記コントロールユニッ
トが、前記ピンホール形成部材手段を駆動して、前記少
なくとも1つのピンホールが第2の位置に位置するよう
に、前記ピンホール形成部材を移動させるように構成さ
れている。
【0022】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、画像担体が、蛍光画像検出システムによって生成さ
れた蛍光物質の画像を担持しているときは、コントロー
ルユニットが、ピンホール形成部材手段を駆動して、少
なくとも1つのピンホールが第2の位置に位置するよう
に、ピンホール形成部材を移動させるように構成されて
いるから、画像担体が、蛍光画像検出システムによって
生成された蛍光物質の画像を担持している旨を、画像読
み取り装置に入力することによって、自動的に、残蛍光
のみを、少なくとも1つのピンホールを介して、光検出
器に導いて、光電的に検出させ、高いS/N比で、蛍光
画像を読み取ることが可能になる。
【0023】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記画像担体が、オートラジオグラフィ画像を担持
した蓄積性蛍光体シート、電子顕微鏡画像を担持した蓄
積性蛍光体シート、放射線回折画像を担持した蓄積性蛍
光体シートおよび化学発光画像を担持した蓄積性蛍光体
シートよりなる群から選ばれる画像担体であるときは、
前記コントロールユニットが、前記ピンホール形成部材
手段を駆動して、前記少なくとも1つのピンホールが第
1の位置に位置するように、前記ピンホール形成部材を
移動させるように構成されている。
【0024】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、画像担体が、オートラジオグラフィ画像を担持した
蓄積性蛍光体シート、電子顕微鏡画像を担持した蓄積性
蛍光体シート、放射線回折画像を担持した蓄積性蛍光体
シートおよび化学発光画像を担持した蓄積性蛍光体シー
トよりなる群から選ばれる画像担体であるときは、その
旨を、画像読み取り装置に入力することによって、自動
的に、レーザ光によって、輝尽性蛍光体が励起されて、
発せられた輝尽光を、少なくとも1つのピンホールを介
して、光検出器に導いて、光電的に検出させて、オート
ラジオグラフィ画像、化学発光画像、電子顕微鏡画像ま
たは放射線回折画像を読み取ることが可能になる。
【0025】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記共焦点光学系が、前記画像担体から発せられた
光を集光する第1の集光手段と、前記第1の集光手段に
よって集光された光を集光する第2の集光手段とを備
え、前記第1の位置が前記第2の集光手段の焦点に一致
するように構成されている。
【0026】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第2の集光手段の焦点距離が、前記第1の集光
手段の焦点距離以上に設定されている。
【0027】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、第2の集光手段の焦点距離が、第1の集光手段の焦
点距離以上に設定されているから、試料を標識するため
に用いられる蛍光色素の減衰時間が短い場合にも、第2
の集光手段の焦点から第2の位置までの距離が大きくな
り、残蛍光のみを、確実かつ容易に、少なくとも1つの
ピンホールを介して、光検出器に導いて、光電的に検出
させ、高いS/N比で、蛍光画像を読み取ることが可能
になる。
【0028】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記少なくとも1つのピンホールが、互いに、径を
異にする2以上のピンホールより構成されている。
【0029】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、少なくとも1つのピンホールが、互いに、径を異に
する2以上のピンホールより構成されているから、感度
を重視するときは、径の大きいピンホールを第2の位置
に位置させ、分解能を重視するときは、径の小さいピン
ホールを第2の位置に位置させることによって、所望の
ように、残蛍光のみを、ピンホールを介して、光検出器
に導いて、光電的に検出させ、高いS/N比で、蛍光画
像を読み取ることが可能となり、また、感度を重視する
ときは、径の大きいピンホールを第2の位置に位置さ
せ、分解能を重視するときは、径の小さいピンホールを
第2の位置に位置させることによって、所望のように、
輝尽光を、ピンホールを介して、光検出器に導いて、光
電的に検出させ、高いS/N比で、蛍光画像を読み取る
ことが可能になる。
【0030】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記ピンホール形成部材が、前記少なくとも1つの
ピンホールが形成された1枚の板状部材によって構成さ
れている。
【0031】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、ピンホール形成部材が、少なくとも1つのピンホー
ルが形成された1枚の板状部材によって構成されている
から、簡易に、ピンホール形成部材を上下または左右に
移動させて、少なくとも1つのピンホールを所望の位置
に位置させることが可能になる。
【0032】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記ピンホール形成部材が、少なくとも1つのスリ
ットが形成された回転可能な回転板と、少なくとも1つ
のスリットが形成された固定板とを含み、前記回転板と
前記固定板とが相対的に回転可能に構成され、前記回転
板に形成された少なくとも1つのスリットと前記固定板
形成された少なくとも1つのスリットとの交点によっ
て、前記少なくとも1つのピンホールが形成されるよう
に構成されている。
【0033】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、ピンホール形成部材が、少なくとも1つのスリット
が形成された回転可能な回転板と、少なくとも1つのス
リットが形成された固定板とを含み、回転板と固定板と
が相対的に回転可能に構成され、回転板に形成された少
なくとも1つのスリットと固定板形成された少なくとも
1つのスリットとの交点によって、少なくとも1つのピ
ンホールが形成されるように構成されているから、固定
板に対して、相対的に、回転板を回転させることによっ
て、所望の位置に、所望の径を有するピンホールを形成
することが可能になる。
【0034】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記回転板および前記固定板の少なくとも一方に、
2以上のスリットが形成されている。
【0035】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、回転板および固定板の少なくとも一方に、2以上の
スリットが形成されているから、固定板に対して、相対
的に、回転板を回転させることによって、より大きな自
由度をもって、所望の位置に、所望の径を有するピンホ
ールを形成することが可能になる。
【0036】
【発明の好ましい実施の形態】以下、添付図面に基づい
て、本発明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加
える。
【0037】図1に示されるように、本実施態様にかか
る画像読み取り装置は、640nmの波長のレーザ光4
を発する第1のレーザ励起光源1と、473nmの波長
のレーザ光4を発する第2のレーザ励起光源2と、33
7.5nmの波長のレーザ光4を発する第3のレーザ励
起光源3とを備えている。本実施態様においては、第1
のレーザ励起光源は、半導体レーザ光源によって構成さ
れており、第2のレーザ励起光源2は、第二高調波生成
(Second Harmonic Generation) 素子によって構成さ
れ、第3のレーザ励起光源3は、Krガスレーザ光源に
よって構成されている。
【0038】第1のレーザ励起光源1により発生された
レーザ光4は、コリメータレンズ5によって、平行な光
とされた後、ミラー6によって反射される。第1のレー
ザ励起光源1から発せられ、ミラー6によって反射され
たレーザ光4の光路には、640nmの波長の光を透過
し、473nmの波長の光を反射する第1のダイクロイ
ックミラー7および473nm以上の波長の光を透過
し、337.5nmの波長の光を反射する第2のダイク
ロイックミラー8が設けられており、第1のレーザ励起
光源1により発生されたレーザ光4は、第1のダイクロ
イックミラー7および第2のダイクロイックミラー8を
透過して、ミラー11に入射する。
【0039】他方、第2のレーザ励起光源2より発生さ
れたレーザ光4は、コリメータレンズ9により、平行な
光とされた後、第1のダイクロイックミラー7によって
反射されて、その向きが90度変えられて、第2のダイ
クロイックミラー8を透過した後、ミラー11に入射す
る。
【0040】また、第3のレーザ励起光源3から発生さ
れたレーザ光4は、コリメータレンズ10によって、平
行な光とされた後、第2のダイクロイックミラー8によ
り反射されて、その向きが90度変えられた後、ミラー
11に入射する。
【0041】ミラー11に入射したレーザ光4は、ミラ
ー11によって反射され、さらに、ミラー12に入射し
て、反射される。ミラー12によって反射されたレーザ
光4は、さらに、ミラー13によって反射され、光学ヘ
ッド15に入射する。
【0042】光学ヘッド15は、ミラー16と、その中
央部に、穴17が形成された穴空きミラー18と、レン
ズ19とを備えており、光学ヘッド15に入射したレー
ザ光4は、ミラー16によって反射され、穴空きミラー
18に形成された穴17およびレンズ19を通過して、
ステージ20にセットされた画像担体21上に入射す
る。ステージ20は、後述する走査機構によって、図1
において、X−Y方向に移動可能に構成されている。
【0043】本実施態様にかかる画像読み取り装置は、
ゲル支持体あるいは転写支持体に担持された蛍光色素に
よって標識された変性DNAの電気泳動画像および蓄積
性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層に記録され
たサザン・ブロット・ハイブリタイゼーション法を利用
した遺伝子中の放射性標識物質の位置情報に関するオー
トラジオグラフィ画像を読み取ることができるように、
構成されている。
【0044】ゲル支持体あるいは転写支持体に担持され
た蛍光色素によって標識された変性DNAの電気泳動画
像を読み取る場合には、蛍光色素によって標識された変
性DNAの電気泳動画像を担持したゲル支持体あるいは
転写支持体が、ステージ20にセットされる。
【0045】蛍光色素によって標識された変性DNAの
電気泳動画像は、たとえば、次のようにして、転写支持
体に記録される。
【0046】すなわち、まず、目的とする遺伝子からな
るDNA断片を含む複数のDNA断片を、ゲル支持媒体
上で、電気泳動させることにより、分離展開し、アルカ
リ処理によって変性(denaturation) して、一本鎖のD
NAとする。
【0047】次いで、公知のサザン・ブロッティング法
により、このゲル支持媒体と転写支持体とを重ね合わ
せ、転写支持体上に、変性DNA断片の少なくとも一部
を転写して、加温処理および紫外線照射によって、固定
する。
【0048】その後、目的とする遺伝子のDNAと相補
的なDNAあるいはRNAを蛍光色素で標識して調製し
たプローブと転写支持体12上の変性DNA断片とを、
加温処理によって、ハイブリタイズさせ、二本鎖のDN
Aの形成(renaturation)またはDNA・RNA結合体
の形成をおこなう。次いで、たとえば、フルオレセイ
ン、ローダミン、Cy−5、SYPRO Ruby、E
3+キレート蛍光色素などの蛍光色素を用いて、それ
ぞれ、目的とする遺伝子のDNAと相補的なDNAある
いはRNAを標識して、プローブが調製される。このと
き、転写支持体上の変性DNA断片は固定されているの
で、プローブDNAまたはプローブRNAと相補的なD
NA断片のみがハイブリタイズして、蛍光標識プローブ
を捕獲する。しかる後に、適当な溶液で、ハイブリッド
を形成しなかったプローブを洗い流すことにより、転写
支持体上では、目的遺伝子を有するDNA断片のみが、
蛍光標識が付与されたDNAまたはRNAとハイブリッ
ドを形成し、蛍光標識が付与される。こうして、得られ
た転写支持体に、蛍光色素により標識された変性DNA
の電気泳動画像が記録される。
【0049】蛍光色素によって標識された変性DNAの
電気泳動画像が記録されている画像担体21に、レーザ
光4が入射されると、転写支持体あるいはゲル支持体に
含まれている蛍光色素が励起されて、蛍光が発せられ
る。
【0050】画像担体21から発せられた蛍光25は、
光学ヘッド15のレンズ19によって、平行な光にさ
れ、穴空きミラー17によって反射されて、ミラー29
に入射する。ミラー29に入射した蛍光25は、ミラー
29によって反射されて、レンズ30によって、集光さ
れる。ここで、レンズ19とレンズ30は、共焦点光学
系を構成しており、レンズ30の焦点の位置には、ピン
ホール形成部材31が設けられている。
【0051】図2は、ピンホール形成部材31を示す斜
視図であり、図3は、図1に示される光学ヘッド15の
内部構造を示す略断面図である。
【0052】図2に示されるように、ピンホール形成部
材31は、板状をなし、直径が50μmのピンホール3
2および直径が100μmのピンホール49が形成され
ている。ここに、直径が50μmのピンホール32は、
感度を重視せずに、高い分解能にて、画像読み取りを行
う場合に使用されるピンホールであり、直径が100μ
mのピンホール49は、分解能を重視せずに、高い感度
にて、画像読み取りを行う場合に使用されるピンホール
である。
【0053】また、ピンホール形成部材31は、モータ
(図示せず)によって、図2において、左右方向および
上下方向に移動可能に構成されており、上下方向に移動
されることによって、ピンホール32とピンホール49
のいずれかを、蛍光25の光路内に位置させることがで
きる。
【0054】図2に示されるように、ピンホール32、
49は、蛍光25の光路中心線38とピンホール形成部
材31との交点39から距離L1メートルだけ、図2に
おいて、左右方向に、ずれた場所に位置しており、この
ため、画像担体21から発せられ、ピンホール32、4
2を通過する蛍光25は、図3に示されるように、レン
ズ19の光軸上にある励起点36から距離L2メートル
だけずれた位置にある検出点37から発せられた蛍光2
5のみとなる。距離L1メートルと距離L2メートルと
の関係については、後述する。
【0055】ピンホール形成部材31のピンホール32
を通過した蛍光25は、4枚のフィルタ28a、28
b、28c、28dを備えたフィルタユニット27のい
ずれかのフィルタ28a、28b、28c、28dに入
射する。
【0056】フィルタユニット27は、モータ(図示せ
ず)によって、図1において、左右方向に移動可能に構
成され、使用されるレーザ励起光源の種類によって、所
定のフィルタ28a、28b、28c、28dが、蛍光
25の光路に位置するように構成されている。
【0057】ここに、フィルタ28aは、第1のレーザ
励起光源1を用いて、画像担体21に含まれている蛍光
物質を励起し、蛍光を読み取るときに使用されるフィル
タであり、640nmの波長の光をカットし、640n
mよりも波長の長い光を透過する性質を有しており、フ
ィルタ28bは、第2のレーザ励起光源2を用いて、画
像担体21に含まれている蛍光色素を励起し、蛍光を読
み取るときに使用されるフィルタであり、473nmの
波長の光をカットし、473nmよりも波長の長い光を
透過する性質を有している。さらに、フィルタ28c
は、第3のレーザ励起光源3を用いて、画像担体21に
含まれている蛍光色素を励起し、蛍光を読み取るときに
使用されるフィルタであり、337.5nmの波長の光
をカットし、337.5nmよりも波長の長い光を透過
する性質を有している。また、フィルタ28dは、画像
担体21が蓄積性蛍光体シートである場合に、第1のレ
ーザ励起光源1を用いて、蓄積性蛍光体シートに含まれ
た輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から発せられた
輝尽光を読み取るときに使用されるフィルタであり、輝
尽性蛍光体から発光される輝尽光の波長域の光のみを透
過し、640nmの波長の光をカットする性質を有して
いる。したがって、使用すべきレーザ励起光源の種類、
すなわち、画像担体21が担持しているのが、蛍光画像
か放射性標識物質の位置情報の画像か否か、試料を標識
している蛍光物質の種類に応じて、これらのフィルタ2
8a、28b、28c、28dを選択的に使用すること
により、ノイズとなる波長域の光をカットすることが可
能になる。
【0058】これらのフィルタ28a、28b、28c
または28dを通過した蛍光25は、フォトマルチプラ
イア33によって光電的に検出され、アナログ画像デー
タが生成される。フォトマルチプライア33によって生
成されたアナログ画像データはA/D変換器34によっ
て、ディジタル画像データに変換され、画像データ処理
装置35に送られる。
【0059】このように、レーザ光4が画像担体21の
励起点36に入射すると、画像担体21に含まれた蛍光
色素が励起され、励起点36から、蛍光が発せられると
同時に、レーザ光とほとんど同じ波長の励起散乱光が発
せられるが、本実施態様においては、励起点36から放
出された蛍光および散乱光は、フォトマルチプライア3
3には導かれず、光学ヘッド15が後述する走査機構に
よって、主走査方向に移動され、励起点36が検出点3
7に移動した際に、検出点37に移動した蛍光色素から
発せられた蛍光25を、フォトマルチプライアに導い
て、光電的に検出するように構成されている。
【0060】すなわち、蛍光色素は、レーザ光4によっ
て励起されると、ただちに同時蛍光(励起散乱光および
瞬時蛍光)と呼ばれる蛍光を発するが、レーザ光4が走
査された結果、レーザ光4が照射されなくなっても、引
き続き、残蛍光と呼ばれる蛍光を発する性質を有してい
る。本実施態様にかかる画像読み取り装置は、レーザ光
4によって、励起点36に位置する蛍光色素が励起され
て、ただちに発する同時蛍光は検出せず、励起点36が
検出点37に移動した際に、検出点37に移動した蛍光
色素から発せられた残蛍光を光電的に検出して、画像担
体21が担持している蛍光画像を読み取るように構成さ
れている。
【0061】図4は、光学ヘッドの走査機構の略平面図
である。
【0062】図4に示されるように、光学ヘッド15を
走査する走査機構は、基板40を備え、基板40上に
は、副走査パルスモータ41と一対のレール42、42
とが固定され、基板40上には、さらに、図4におい
て、Yで示された副走査方向に、移動可能な基板43と
が設けられている。
【0063】移動可能な基板43には、ねじが切られた
穴(図示せず)が形成されており、この穴内には、副走
査パルスモータ41によって回転されるねじが切られた
ロッド44が係合している。
【0064】移動可能な基板43上には、主走査パルス
モータ45が設けられ、主走査パルスモータ45はエン
ドレスベルト46を駆動可能に構成されている。光学ヘ
ッド15は、エンドレスベルト46に固定されており、
主走査パルスモータ45によって、エンドレスベルト4
6が駆動されると、図4において、Xで示された主走査
方向に移動されるように構成されている。図4におい
て、47は、光学ヘッド15の主走査方向における位置
を検出するリニアエンコーダであり、48は、リニアエ
ンコーダ47のスリットである。
【0065】したがって、主走査パルスモータ45によ
って、エンドレスベルト46が主走査方向に駆動され、
副走査パルスモータ41によって、基板43が副走査方
向に移動されることによって、光学ヘッド15は、図1
および図4において、X−Y方向に移動され、レーザ光
4によって、画像担体21の全面が走査される。
【0066】移動可能な基板43に設けられた主走査パ
ルスモータ45は、エンドレスベルト46を主走査方向
に駆動し、光学ヘッド15はベルト46の動きに連動し
て、V1メートル/秒の速度で、主走査方向に駆動され
る。本実施態様においては、光学ヘッド15の主走査方
向における走査速度V1メートル/秒は、4メートル/
秒である。光学ヘッド15の主走査方向における位置
は、光学ヘッド15に取り付けられたリニアエンコーダ
ー47がスリット48をカウントすることにより、モニ
ターされる。一方、基板40に設けれた副走査パルスモ
ータ41はロッド44を回転駆動し、基板43はロッド
44の回転に連動して、一対のレール42に沿って、副
走査方向に移動される。
【0067】図5は、本発明の好ましい実施態様にかか
る画像読み取り装置の制御系、入力系および駆動系を示
すブロックダイアグラムである。
【0068】図5に示されるように、画像読み取り装置
の制御系は、画像読み取り装置全体を制御するコントロ
ールユニット50を備えており、また、画像読み取り装
置の入力系は、オペレータによって操作され、種々の指
示信号を入力可能なキーボード51を備えている。
【0069】図5に示されるように、画像読み取り装置
の駆動系は、4つのフィルタ部材31a、31b、31
c、31dを備えたフィルタユニット28を移動させる
フィルタユニットモータ52と、ピンホール形成部材3
1を移動させるピンホール形成部材モータ53を備えて
いる。
【0070】コントロールユニット50は、第1のレー
ザ励起光源1、第2のレーザ励起光源2または第3のレ
ーザ励起光源3に選択的に駆動信号を出力するととも
に、フィルタユニットモータ52およびピンホール形成
部材モータ53に駆動信号を出力可能に構成されてい
る。
【0071】以上のように構成された本実施態様にかか
る画像読み取り装置は、以下のようにして、転写支持体
あるいはゲル支持体に担持された蛍光色素によって標識
された変性DNAの電気泳動画像を読み取り、ディジタ
ル画像データを生成する。
【0072】まず、画像担体21である転写支持体ある
いはゲル支持体がステージ20にセットされる。
【0073】次いで、オペレータによって、キーボード
51に、試料を標識している蛍光物質の種類が特定さ
れ、転写支持体あるいはゲル支持体に担持された蛍光画
像を読み取るべき旨の指示信号が入力されるとともに、
直径が50μmのピンホール32および直径が100μ
mのピンホール49のいずれを用いて、画像読み取りを
行うべきかを示す指示信号が入力される。
【0074】キーボード51に入力された指示信号は、
コントロールユニット50に入力され、コントロールユ
ニット50は、指示信号を受けると、メモリ(図示せ
ず)に記憶されているテーブルにしたがって、使用すべ
きレーザ励起光源を決定するとともに、フィルタ32
a、28b、32c、32dのいずれを蛍光25の光路
内に位置させるかを決定する。
【0075】たとえば、試料がEu3+キレート蛍光色
素によって標識されているときは、Eu3+キレート蛍
光色素は、337.5nmの波長のレーザによって、最
も効率的に励起することができるから、コントロールユ
ニット50は第3のレーザ励起光源3を選択するととも
に、フィルタ28cを選択し、フィルタユニットモータ
52に駆動信号を出力して、フィルタユニット27を移
動させ、337.5nmの波長の光をカットし、33
7.5nmよりも波長の長い光を透過する性質を有する
フィルタ28cを蛍光25の光路内に位置させる。
【0076】感度を重視せずに、高い分解能にて、画像
を読み取るべきときは、オペレータは、ピンホール32
を使用すべき旨の指示信号をキーボード51に入力し、
コントロールユニット50は、指示信号にしたがって、
さらに、ピンホール形成部材モータ53に駆動信号を出
力して、ピンホール形成部材31を移動させ、図2に示
されるように、ピンホール32が、蛍光25の光路中心
線38から距離L1メートルだけ離れた位置に位置させ
る。
【0077】次いで、コントロールユニット50は、第
3のレーザ励起光源3に駆動信号を出力し、第3のレー
ザ励起光源3を起動させ、337.5nmの波長のレー
ザ光4を発せさせる。
【0078】第3のレーザ励起光源3から発せられたレ
ーザ光4は、コリメータレンズ10によって、平行な光
とされた後、第2のダイクロイックミラー8に入射し
て、反射される。第2のダイクロイックミラー7によっ
て反射されたレーザ光4は、ミラー11に入射する。
【0079】ミラー11に入射したレーザ光4は、ミラ
ー11によって反射され、さらに、ミラー12に入射し
て反射される。ミラー12によって反射されたレーザ光
4は、さらに、ミラー13によって反射され、光学ヘッ
ド15に入射する。
【0080】図3に示されるように、光学ヘッド15に
入射したレーザ光4は、ミラー16によって反射され、
穴空きミラー18の穴17および凸レンズ19を介し
て、画像担体21の励起点36に導かれる。
【0081】レーザ光4が照射されると、画像担体21
の励起点36に位置する蛍光物質が励起されて、蛍光2
5が発せられ、光学ヘッド15によって受光されて、凸
レンズ19によって集光される。
【0082】図6は、レーザ光4による励起のタイミン
グと、蛍光色素から発せられる蛍光の強度との時間的関
係を示すグラフである。
【0083】図6に示されるように、レーザ光4が画像
担体22に含まれた蛍光色素に照射されると、蛍光色素
は、ただちに、蛍光を発する。蛍光色素から発せられる
蛍光の強度は、レーザ光4が照射されている期間に最大
となるが、光学ヘッド15が主走査方向に移動された結
果、レーザ光4が照射されなくなっても、蛍光色素から
発せられる蛍光は、ただちには消失せず、徐々に低下し
ていく。レーザ光4が照射されているときに、蛍光色素
から発せられる蛍光は、一般に、同時蛍光と呼ばれ、レ
ーザ光4が照射されなくなった後に、蛍光色素から発せ
られる蛍光は残蛍光と呼ばれている。
【0084】図6から明らかなように、蛍光色素が残蛍
光を発する時点では、レーザ光4はその蛍光色素に照射
されていないから、残蛍光を検出する場合には、励起光
であるレーザ光4をカットして、蛍光色素から放出され
た蛍光のみを確実に検出することが可能になる。
【0085】したがって、本実施態様においては、レー
ザ光4が照射されているときに、蛍光色素から発せられ
るいわゆる同時蛍光は検出せずに、主走査パルスモータ
45によって、光学ヘッド15が、主走査方向に距離L
2メートルだけ移動されて、励起点36が検出点37の
位置に達したときに、検出点37に移動した蛍光色素か
ら発せられる残蛍光25を、光学ヘッド15によって受
光し、凸レンズ19によって集光するように構成されて
いる。
【0086】すなわち、図6から明らかなように、励起
点36と検出点37との距離L2メートルと、光学ヘッ
ド15のX方向の主走査速度V1メートル/秒との比L
2/V1秒が、レーザ光4を励起点36に照射した後、
蛍光色素が残蛍光を発している時間に該当するように、
励起点36と検出点37との距離L2メートルと、主走
査速度V1メートル/秒とを選択すれば、残蛍光25を
検出することが可能になる。
【0087】たとえば、蛍光色素がEu3+キレート蛍
光色素である場合、その減衰時間は約1msであり、レ
ーザ光4が照射されなくなった後、約1ms後に、残蛍
光25は1/eに減衰するから、比L2/V1秒が、1
ms程度になるように、励起点36と検出点37との距
離L2メートルと、主走査速度V1メートル/秒とが選
択される。
【0088】本実施態様においては、光学ヘッド15の
主走査方向における走査速度V1メートル/秒が、4メ
ートル/秒に設定されているので、励起点36と検出点
37との距離L2メートルを0.004メートル未満に
設定すれば、残蛍光25を検出することが可能になる。
【0089】図7は、凸レンズ30の焦点距離f1およ
び凸レンズ19の焦点距離f2と、蛍光25の光路中心
線38とピンホール形成部材31との交点39、すなわ
ち、凸レンズ30の焦点39からピンホール32までの
距離L1および励起点36から検出点37までの距離L
2との関係を示す図である。図7においては、穴明きミ
ラー18およびミラー29は省略されている。
【0090】図7に示されるように、凸レンズ19の光
軸上にある励起点36から発せられた蛍光25は、ピン
ホール形成部材31上の凸レンズ30の焦点39に結像
されるが、凸レンズ19の光軸上にある励起点36から
距離L2メートルだけ離れた検出点37から発せられた
蛍光25は、凸レンズ30の焦点39には結像されず、
凸レンズ30の焦点39から距離L1メートルだけ離れ
たピンホール形成部材31上に結像する。ここに、距離
L1と距離L2との関係は、凸レンズ30の焦点距離f
1と凸レンズ19の焦点距離f2との関係に比例し、凸
レンズ30の焦点距離f1と凸レンズ19の焦点距離f
2とが等しければ、距離L1と距離L2も互いに等しく
なり、凸レンズ30の焦点距離f1が凸レンズ19の焦
点距離f2の2倍であれば、距離L1は距離L2の2倍
となる。
【0091】本実施態様においては、凸レンズ19およ
び凸レンズ30として、焦点距離の等しい凸レンズが選
択されており、したがって、凸レンズ30の焦点距離f
1と凸レンズ19の焦点距離f2は等しく、距離L1と
距離L2も互いに等しい。
【0092】その結果、蛍光色素として、Eu3+キレ
ート蛍光色素が使用されている場合には、光学ヘッド1
5の主走査方向における走査速度V1メートル/秒が、
4メートル/秒に設定されているので、励起点36と検
出点37との距離L2メートルが0.004メートル程
度であれば、残蛍光25を検出することができ、したが
って、ピンホール形成部材31上の凸レンズ30の焦点
39からピンホール32までの距離L1メートルを0.
004メートル程度に設定すれば、検出点37に移動し
た蛍光色素から発せられた残蛍光25の像を、ピンホー
ル32上に結像させることが可能となる。
【0093】この場合には、オペレータの指示信号にし
たがって、ピンホール32が、蛍光25の光路中心線3
8から距離L1メートルだけ離れた位置に位置するよう
に、ピンホール形成部材31が移動させられているか
ら、レーザ光4が照射されて、励起点36に位置する蛍
光色素が励起されて、蛍光色素から放出された同時蛍光
25は、光学ヘッド15が主走査方向に移動された結
果、その以前に、レーザ光が照射されて、励起され、励
起点36から検出点37に移動した蛍光色素か発せられ
た残蛍光25とともに、凸レンズ19によって集光さ
れ、いずれも、穴空きミラー18およびミラー29を介
して、レンズ30によって集光されるが、励起点36に
位置する蛍光色素から発せられた同時蛍光25は、ピン
ホール形成部材31上のレンズ30の焦点に結像され、
検出点37に移動した蛍光色素から発せられた残蛍光2
5はピンホール形成部材31に形成されたピンホール3
2上に結像する。
【0094】しかしながら、レンズ30の焦点に位置す
るピンホール形成部材31にはピンホールは形成されて
いないため、同時蛍光25は、ピンホール形成部材31
によって遮られ、フォトマルチプライア33には検出さ
れない。
【0095】したがって、検出点37に移動した蛍光色
素から発せられ、ピンホール形成部材31に形成された
ピンホール32上に結像した残蛍光25のみが、ピンホ
ール32を通過して、フィルタユニット27のフィルタ
28cに入射する。
【0096】フィルタ28cは、337.5nmの波長
の光をカットし、337.5nmよりも波長の長い光を
透過する性質を有しているので、さらに、励起光である
337.5nmの波長の光がカットされ、Eu3+キレ
ート蛍光色素から放出された残蛍光25の波長域の光の
みがフィルタ28cを透過して、フォトマルチプライア
33によって、光電的に検出される。
【0097】前述のように、光学ヘッド15は、基板4
2に設けられた主走査パルスモータ44によって、基板
42上を、図4において、X方向に移動されるととも
に、副走査パルスモータ41により、基板42が、図4
において、Y方向に移動されるため、転写支持体あるい
はゲル支持体の全面がレーザ光4によって走査され、そ
の結果、転写支持体あるいはゲル支持体に含まれ、試料
を標識しているEu3+キレート蛍光色素から放出され
た残蛍光25を、フォトマルチプライア33によって光
電的に検出することによって、転写支持体あるいはゲル
支持体に記録された蛍光物質であるEu3+キレート蛍
光色素の蛍光画像を読み取り、アナログ画像データを生
成することができる。
【0098】フォトマルチプライア33によって光電的
に検出されて、生成されたアナログ画像データは、A/
D変換器34によって、ディジタル画像データに変換さ
れ、画像データ処理装置35に送られる。
【0099】一方、分解能を重視せずに、高い感度に
て、蛍光画像を読み取るべきときは、オペレータによっ
て、キーボード51に、ピンホール49を使用すべき旨
の指示信号が入力される。
【0100】キーボード51に入力された指示信号は、
コントロールユニット50に入力され、コントロールユ
ニット50は、ピンホール形成部材モータ53に駆動信
号を出力して、ピンホール49が、図2におけるピンホ
ール32の位置に移動するように、ピンホール形成部材
31を、図2において、上方に移動させる。
【0101】その結果、検出点37に移動した蛍光色素
から発せられた残蛍光25は、ピンホール形成部材31
に形成されたピンホール49上に結像し、ピンホール4
9を通過して、フィルタユニット27のフィルタ28c
に入射する。
【0102】ここに、ピンホール49の直径は100μ
mであり、ピンホール32の2倍の直径を有しているた
め、フォトマルチプライア33が受光する残蛍光25の
光量を増大させることができ、より高い感度で、残蛍光
25を検出して、画像データを生成することが可能とな
る。
【0103】これに対して、蓄積性蛍光体シートに形成
された輝尽性蛍光体層に記録されたサザン・ブロット・
ハイブリタイゼーション法を利用した遺伝子中の放射性
標識物質の位置情報に関するオートラジオグラフィ画像
を読み取る場合には、放射性標識物質の位置情報に関す
るオートラジオグラフィ画像を担持した蓄積性蛍光体シ
ートが、ステージ20にセットされる。
【0104】放射性標識物質の位置情報は、以下のよう
にして、蓄積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体
層に記録される。ここに、位置情報とは、試料中におけ
る放射性標識物質もしくはその集合体の位置を中心とし
た各種の情報、たとえば、試料中に存在する放射性標識
物質の集合体の存在位置と形状、その位置における放射
性標識物質の濃度、分布などからなる情報の一つもしく
は任意の組み合わせとして得られる各種の情報を意味す
るものである。
【0105】たとえば、サザン・ブロット・ハイブリタ
イゼーション法を利用した遺伝子中の放射性標識物質の
位置情報を、蓄積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍
光体層に記録する場合には、まず、目的とする遺伝子か
らなるDNA断片を含む複数のDNA断片を、ゲル支持
媒体上で、電気泳動をおこなうことにより、分離展開
し、アルカリ処理により変性(denaturation) して、一
本鎖のDNAとする。
【0106】次いで、公知のサザン・ブロッティング法
によって、このゲル支持媒体とニトロセルロースフィル
タなどの転写支持体とを重ね合わせ、転写支持体上に、
変性DNA断片の少なくとも一部を転写して、加温処理
および紫外線照射により、固定する。
【0107】さらに、目的とする遺伝子のDNAと相補
的なDNAあるいはRNAを放射性標識するなどの方法
により調製したプローブと転写支持体上の変性DNA断
片とを、加温処理により、ハイブリタイズさせ、二本鎖
のDNAの形成(renaturation) またはDNA・RNA
結合体の形成をおこなう。このとき、転写支持体上の変
性DNA断片は固定されているので、プローブDNAま
たはプローブRNAと相補的なDNA断片のみが、ハイ
ブリタイズして、放射性標識プローブを捕獲する。
【0108】しかる後に、適当な溶液で、ハイブリッド
を形成しなかったプローブを洗い流すことにより、転写
支持体上では、目的遺伝子を有するDNA断片のみが、
放射性標識が付与されたDNAまたはRNAとハイブリ
ッドを形成し、放射性標識が付与される。その後、乾燥
させた転写支持体と蓄積性蛍光体シートとを、一定時間
重ね合わせて、露光操作をおこなうことによって、転写
支持体上の放射性標識物質から放出される放射線の少な
くとも一部が、蓄積性蛍光体シートに形成された輝尽性
蛍光体層に吸収され、試料中の放射性標識物質の位置情
報が、画像の形で、輝尽性蛍光体層に蓄積記録される。
【0109】次いで、オペレータによって、キーボード
51に、輝尽性蛍光体層に記録された放射性標識物質の
位置情報に関するオートラジオグラフィ画像を読み取る
べき旨の指示信号が入力されるとともに、直径が50μ
mのピンホール32および直径が100μmのピンホー
ル49のいずれを用いて画像読み取りを行うべきかを示
す指示信号が入力される。
【0110】キーボード51に入力された指示信号は、
コントロールユニット50に入力され、コントロールユ
ニット50は、指示信号にしたがって、フィルタユニッ
トモータ52に駆動信号を出力し、フィルタユニット2
7を移動させ、輝尽性蛍光体から発光される輝尽光の波
長域の光のみを透過し、640nmの波長の光をカット
する性質を有するフィルタ28dを輝尽光25の光路内
に位置させる。
【0111】感度を重視せずに、高い分解能にて、画像
を読み取るべきときは、オペレータは、ピンホール32
を使用すべき旨の指示信号をキーボード51に入力し、
コントロールユニット50は、指示信号にしたがって、
さらに、ピンホール形成部材モータ53に駆動信号を出
力して、ピンホール32が凸レンズ30の焦点39の位
置に位置するように、ピンホール形成部材31を移動さ
せる。
【0112】図8は、ピンホール形成部材31を示す斜
視図であり、凸レンズ30の焦点39の位置に、ピンホ
ール32が位置させられた状態が示されている。
【0113】次いで、コントロールユニット50は、第
1のレーザ励起光源1に駆動信号を出力し、第1のレー
ザ励起光源1を起動させ、640nmの波長のレーザ光
4を発せさせる。
【0114】第1のレーザ励起光源1から発せられたレ
ーザ光4は、コリメータレンズ5によって、平行な光と
された後、ミラー6に入射して、反射される。
【0115】ミラー6によって反射されたレーザ光4
は、第1のダイクロイックミラー7および第2のダイク
ロイックミラー8を透過し、ミラー11に入射する。
【0116】ミラー11に入射したレーザ光4は、ミラ
ー11によって反射され、さらに、ミラー12に入射し
て反射される。ミラー12によって反射されたレーザ光
4は、さらに、ミラー13によって反射され、光学ヘッ
ド15に入射する。
【0117】光学ヘッド15に入射したレーザ光4は、
ミラー16によって反射され、穴空きミラー18に形成
された穴17を通過して、凸レンズ19によって、ステ
ージ20上に載置された蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍
光体層に集光される。
【0118】その結果、蓄積性蛍光体シートに形成され
た輝尽性蛍光体層に含まれる輝尽性蛍光体が、レーザ光
4によって励起されて、輝尽性蛍光体から輝尽光25が
放出される。
【0119】図9は、図1に示される光学ヘッド15の
内部構造を示す略断面図であり、励起点36と検出点3
7とが一致している状態が示されている。
【0120】図9に示されるように、輝尽性蛍光体から
放出された輝尽光25は、光学ヘッド15の凸レンズ1
9によって、平行な光とされた後、穴空きミラー18に
入射し、さらに、ミラー29に入射する。ミラー29に
入射した輝尽光25は、ミラー29によって反射され
て、レンズ30によって、集光される。
【0121】図8に示されるように、オートラジオグラ
フィ画像を読み取る場合には、ピンホール形成部材31
のピンホール32が、輝尽光25の光路中心軸上の点3
8、すなわち、凸レンズ30の焦点39に一致するよう
に、ピンホール形成部材31が移動されているので、図
9に示されるように、励起点36に位置する輝尽性蛍光
体が励起されて、発せられた輝尽光25は、ピンホール
形成部材31のピンホール32上に、結像され、ピンホ
ール32を通過して、フィルタユニット27のフィルタ
28dに入射する。
【0122】フィルタ28dは、輝尽性蛍光体から発光
される輝尽光の波長域の光のみを透過し、640nmの
波長の光をカットする性質を有しているので、励起光で
ある640nmの波長の光がカットされ、輝尽光の波長
域の光のみがフィルタ28dを透過して、フォトマルチ
プライア33によって、光電的に検出される。
【0123】前述のように、光学ヘッド15は、基板4
2に設けられた主走査パルスモータ44によって、基板
42上を、図4において、X方向に移動されるととも
に、副走査パルスモータ41によって、基板42が、図
4において、Y方向に移動されるため、蓄積性蛍光体シ
ートに形成された輝尽性蛍光体層の全面がレーザ光4に
よって走査され、輝尽性蛍光体層に含まれた輝尽性蛍光
体から放出された輝尽光を、フォトマルチプライア33
によって光電的に検出することによって、輝尽性蛍光体
層に記録された放射性標識物質の位置情報に関するオー
トラジオグラフィ画像を読み取り、アナログ画像データ
を生成することができる。
【0124】フォトマルチプライア33によって光電的
に検出されて、生成されたアナログ画像データは、A/
D変換器34によって、ディジタル画像データに変換さ
れ、画像データ処理装置35に送られる。
【0125】一方、分解能を重視せずに、高い感度に
て、オートラジオグラフィ画像を読み取るべきときは、
オペレータによって、キーボード51に、ピンホール4
9を使用すべき旨の指示信号が入力される。
【0126】キーボード51に入力された指示信号は、
コントロールユニット50に入力され、コントロールユ
ニット50は、ピンホール形成部材モータ53に駆動信
号を出力して、ピンホール49が、図2におけるピンホ
ール32の位置に移動するように、ピンホール形成部材
31を、図2において、上方に移動させる。
【0127】その結果、検出点37に移動した蛍光色素
から発せられた残蛍光25は、ピンホール形成部材31
に形成されたピンホール49上に結像し、ピンホール4
9を通過して、フィルタユニット27のフィルタ28c
に入射する。
【0128】ここに、ピンホール49の直径は100μ
mであり、ピンホール32の2倍の直径を有しているた
め、フォトマルチプライア33が受光する残蛍光25の
光量を増大させることができ、より高い感度で、残蛍光
25を検出して、画像データを生成することが可能とな
る。
【0129】本実施態様によれば、画像読み取り装置
は、ゲル支持体あるいは転写支持体などに記録された蛍
光色素によって標識された変性DNAの電気泳動画像な
どの蛍光画像を読み取るときは、励起点36に位置して
いるときに、レーザ光4が照射されたが、その時点で
は、レーザ光4が照射されていない検出点37に移動し
た蛍光色素から放出される残蛍光25を検出しているの
で、レーザ光4が画像データ中にノイズを生成すること
を防止することができ、S/N比を向上させることが可
能となる。
【0130】また、本実施態様によれば、ピンホール形
成部材31上の凸レンズ30の焦点の位置から、距離L
1メートルだけ離れ、検出点37に移動された蛍光色素
から放出される残蛍光25の像が、凸レンズ30によっ
て結像される位置に、ピンホール32、49を位置させ
て、検出点37に移動された蛍光色素から放出される残
蛍光25のみをフォトマルチプライア33に導いて、光
電的に検出し、蛍光画像を読み取っているから、残蛍光
25を検出するために、第2のレーザ励起光源2を断続
的にオン・オフさせる必要がなく、したがって、きわめ
て簡易にかつ高速で、蛍光画像を読み取ることが可能と
なる。
【0131】さらに、本実施態様によれば、ピンホール
形成部材31が移動可能に構成されているため、ピンホ
ール32、49が、凸レンズ30の焦点に位置するよう
に、ピンホール形成部材31を移動させることによっ
て、輝尽光も検出することができるから、蓄積性蛍光体
シートに形成された輝尽性蛍光体層に記録された放射性
標識物質の位置情報に関するオートラジオグラフィ画像
をも読み取ることが可能になり、蛍光画像検出システム
用の画像読み取り装置としてだけではなく、蓄積性蛍光
体シートを用いたオートラジオグラフィ画像検出システ
ム用の画像読み取り装置としても、使用することが可能
になる。
【0132】また、本実施態様によれば、ピンホール形
成部材31は移動可能であるので、使用されている蛍光
色素の減衰時間に応じて、ピンホール32、49の位置
を移動させ、所望のように、距離L1メートルを設定す
ることにより、励起点36から検出点37までの距離L
2メートルを任意に設定することができる。
【0133】図10は、本発明の別の好ましい実施態様
にかかる画像読み取り装置における凸レンズ30の焦点
距離f1および凸レンズ19の焦点距離f2ならびに凸
レンズ30の焦点39からピンホール32までの距離L
1および励起点36から検出点37までの距離L2との
関係を示す図である。
【0134】本実施態様にかかる画像読み取り装置は、
凸レンズ30の焦点距離f1が凸レンズ19の焦点距離
f2の25倍となるように構成されている点を除き、図
1ないし図9に示された画像読み取り装置と同様の構成
を有している。
【0135】本実施態様にかかる画像読み取り装置は、
使用されている蛍光色素の減衰時間が非常に短い場合に
も、効果的に、残蛍光を読み取り可能に構成されてい
る。
【0136】すなわち、使用されている蛍光色素の減衰
時間が非常に短い場合には、励起点36から検出点37
までの距離L2メートルも非常に短くなるので、これに
比例して、距離L1メートルも非常に短くなってしま
う。しかしながら、距離L1メートルが、ピンホール3
2やピンホール49の径に近くなると、同時蛍光25の
一部が、ピンホール32やピンホール49を通過してし
まい、残蛍光25のみをフォトマルチプライア33に導
くことが困難となる。たとえば、試料がSYPRORu
byによって標識されている場合、SYPRORuby
の減衰時間は、約10μsであり、レーザ光4が照射さ
れなくなった後、約10μs後に、残蛍光25が消失す
る。
【0137】したがって、本実施態様においては、光学
ヘッド15の主走査方向における走査速度V1メートル
/秒が、上述のとおり、4メートル/秒であるので、励
起点36と検出点37との距離L2を4×10−5メー
トル未満に設定すれば、残蛍光25を検出することが可
能になる。このため、凸レンズ30の焦点39からピン
ホール32、49までの距離L1メートルを4×10
−5メートル未満に設定すれば、残蛍光25をピンホー
ル32、49を通過させることが可能であるが、ピンホ
ール32の直径は50μmであり、ピンホール49の直
径は100μmであるから、距離L1メートルが4×1
−5メートル未満に設定すると、同時蛍光25の一部
もピンホール32を通過してしまい、残蛍光25のみを
フォトマルチプライア33に導くことが困難となる。
【0138】そこで、本実施態様においては、SYPR
ORubyのように、使用されている蛍光色素の減衰時
間が非常に短い場合にも、残蛍光25のみを、効果的
に、フォトマルチプライア33に導くことができるよう
に、凸レンズ30の焦点距離f1が凸レンズ19の焦点
距離f2の25倍となるように構成されている。
【0139】すなわち、本実施態様においては、凸レン
ズ30の焦点距離f1が、凸レンズ19の焦点距離f2
の25倍に設定されているから、凸レンズ19の光軸上
に位置する励起点36から距離L2メートルだけ離れた
検出点37より発せられる残蛍光25は、凸レンズ30
の焦点39から、距離L2メートルの25倍である距離
L1メートルだけ離れたピンホール形成部材31上に結
像することになる。
【0140】したがって、たとえば、試料がSYPRO
Rubyによって標識されている場合には、SYPRO
Rubyの減衰時間は約10μsであり、光学ヘッド1
5の主走査方向における走査速度V1メートル/秒が4
メートル/秒であるので、励起点36と検出点37との
距離L2メートルを4×10−5メートル未満に設定し
たときは、凸レンズ30の焦点39からピンホール32
までの距離L1メートルを4×10−5メートル×25
=0.001メートル、すなわち、1mm未満に設定す
れば、残蛍光25がピンホール32を通過することにな
る。
【0141】ここに、ピンホール32の直径は50μm
であり、ピンホール49の直径は、100μmであるか
ら、凸レンズ30の焦点39からピンホール32、49
までの距離L1メートルが0.001メートル、すなわ
ち、1mm程度あれば、同時蛍光25が、ピンホール3
2、49を通過することを防止して、残蛍光25のみ
を、効果的に、フォトマルチプライア33に導くことが
可能になる。
【0142】本実施態様によれば、さらに、使用されて
いる蛍光色素の減衰時間が短い場合であっても、同時蛍
光25が、ピンホール32、49を通過することを防止
して、残蛍光25のみを、効果的に、フォトマルチプラ
イア33に導くことが可能になる。
【0143】図11は、本発明の他の好ましい実施態様
にかかる画像読み取り装置の制御系、入力系および駆動
系を示すブロックダイアグラムであり、図12は、ピン
ホール形成部材54を構成する回転円板55および固定
円板56の例を示す平面図、図13および図14は、本
実施態様にかかる画像読み取り装置において用いられる
ピンホール形成部材54の例を示す平面図である。
【0144】図13および図14に示されるように、本
実施態様にかかるピンホール形成部材54は、前記実施
態様にかかる画像読み取り装置に使用されたピンホール
形成部材31とは異なり、図12に示された回転円板5
5と固定円板56とが重ね合わされて、構成されてい
る。
【0145】また、図12に示されるように、回転円板
55には、幅が100μmであるスリット57と、幅が
50μmであるスリット58とが設けられており、固定
円板56には、幅が100μmであるスリット59が設
けられている。したがって、回転円板55と固定円板5
6とが重ね合わされて、スリット57またはスリット5
8とスリット59との交点によって、ピンホール60が
形成される。ここに、回転円板55の回転中心は、蛍光
25の光路中心軸38と一致するように、配置される。
【0146】図11に示されるように、本実施態様にか
かる画像読み取り装置の駆動系は、ピンホール形成部材
モータ53に代えて、回転円板55を回転させる回転円
板モータ70を備えている。
【0147】回転円板55と固定円板56は、相対的に
回転可能に、重ね合わされており、したがって、回転円
板モータ70によって、回転円板55が回転されても、
固定円板56は回転しない。
【0148】その結果、回転円板55および固定円板5
6によって構成されるピンホール形成部材54は、回転
円板55の回転によって、その中心部からピンホール6
0までの距離L1メートルを変化させることができると
ともに、ピンホール60の径を変化させることができ
る。
【0149】すなわち、回転円板55と固定円板56と
が、図13に示されるような位置関係にある場合には、
ピンホール60は、中心部から距離L1メートルだけ離
れて位置し、ピンホール60の径は約100μmとな
り、これに対し、回転円板55と固定円板56とが、図
14に示されるような位置関係にある場合には、ピンホ
ール60は、中心部から距離L1’だけ離れて位置し、
ピンホール60の径は約100μmとなる。
【0150】したがって、回転円板モータ70によっ
て、回転円板55を、固定円板56に対して、相対的に
回転させることによって、ピンホール60を所望の位置
に形成することができ、種々の直径を有するピンホール
60を形成することが可能となる。
【0151】本実施態様によれば、ピンホール形成部材
54は、相対的に回転可能に、互いに重ね合わされた回
転円板55と固定円板56によって構成されているか
ら、回転円板モータ70によって、回転円板55を、固
定円板56に対して、相対的に回転させることによっ
て、ピンホール60を所望の位置に形成することがで
き、種々の直径を有するピンホール60を形成すること
が可能となる。
【0152】本発明は、以上の実施態様に限定されるこ
となく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種
々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含
されるものであることはいうまでもない。
【0153】たとえば、前記実施態様においては、サザ
ン・ブロット・ハイブリタイゼーション法を利用した遺
伝子の電気泳動画像を、蛍光画像検出システムにしたが
って、転写支持体やゲル支持体に記録し、また、オート
ラジオグラフィ画像検出システムにしたがって、蓄積性
蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層に記録し、こ
れらを光電的に読み取る場合につき、説明を加えたが、
本発明は、かかる画像の読み取りに限定されることな
く、たとえば、蛍光検出システムによって、ゲル支持体
あるいは転写支持体に記録された蛍光物質の他の画像や
蛋白質の分離、同定、あるいは、分子量、特性の評価な
どをおこなうための蛍光物質の画像の読み取りや、蛋白
質の薄層クロマトグラフィ(TLC)により生成され、
蓄積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層に記録
されたオートラジオグラフィ画像、ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動法によって、蛋白質の分離、同定、あるい
は、分子量、特性の評価などをおこなうために、蓄積性
蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層に記録された
オートラジオグラフィ画像、実験用マウスにおける投与
物質の代謝、吸収、排泄の経路、状態などを研究するた
めに、蓄積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層
に記録されたオートラジオグラフィ画像などの蓄積性蛍
光体シートに形成された輝尽性蛍光体層に記録された他
のオートラジオグラフィ画像の読み取りはもとより、電
子顕微鏡を用いて生成され、蓄積性蛍光体シートに形成
された輝尽性蛍光体層に記録された金属あるいは非金属
試料の電子線透過画像や電子線回折画像、生物体組織な
どの電子顕微鏡画像、さらには、金属あるいは非金属試
料などの蓄積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体
層に記録された放射線回折画像、蓄積性蛍光体シートに
形成された輝尽性蛍光体層に記録された化学発光画像な
どの読み取りにも、広く適用することができる。
【0154】さらに、前記実施態様においては、画像読
み取り装置は、第1のレーザ励起光源1、第2のレーザ
励起光源2および第3のレーザ励起光源3を備えている
が、3つのレーザ励起光源を備えていることは必ずしも
必要がなく、転写支持体あるいはゲル支持体に担持され
た蛍光画像と、蓄積性蛍光体シートに形成された輝尽性
蛍光体層に記録された放射性標識物質の位置情報に関す
るオートラジオグラフィ画像、蓄積性蛍光体シートに形
成された輝尽性蛍光体層に記録された金属あるいは非金
属試料の電子線透過画像や電子線回折画像、生物体組織
などの電子顕微鏡画像、金属あるいは非金属試料などの
蓄積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層に記録
された放射線回折画像および蓄積性蛍光体シートに形成
された輝尽性蛍光体層に記録された化学発光画像の双方
を読み取り可能に構成されていればよく、たとえば、第
2のレーザ励起光源2を設けずに、第1のレーザ励起光
源1のみを設けて、640nmの波長のレーザ光で効率
よく励起可能なCy−5などを用いて、試料を標識して
生成した蛍光画像ならびに蓄積性蛍光体シートに形成さ
れた輝尽性蛍光体層に記録された放射性標識物質の位置
情報に関するオートラジオグラフィ画像、電子顕微鏡画
像、放射線回折画像および化学発光画像を読み取り可能
に構成することもできる。
【0155】また、前記実施態様においては、第1のレ
ーザ励起光源1として、640nmの波長のレーザ光4
を発する半導体レーザ光源を用いているが、640nm
の波長のレーザ光4を発する半導体レーザ光源に代え
て、633nmの波長を有するレーザ光4を発するHe
−Neレーザ光源あるいは635nmのレーザ光4を発
する半導体レーザ光源を用いてもよい。
【0156】さらに、前記実施態様においては、第2の
レーザ励起光源2として、473nmのレーザ光を発す
るレーザ光源を用いているが、励起する蛍光物質の種類
に応じて、第2のレーザ励起光源2として、470ない
し480nmのレーザ光を発するレーザ光源を用いるこ
ともできる。
【0157】また、前記実施態様においては、第3のレ
ーザ励起光源3として、337.5nmの波長のレーザ
光4を発するKrガスレーザ光源を用いているが、33
7.5nmの波長のレーザ光4を発するKrガスレーザ
光源に代えて、325nmの波長のレーザ光4を発する
UVHe−Cdレーザ光源、337nmの波長のレーザ
光4を発するNガスレーザ光源、355nmの波長の
レーザ光4を発するQ−SwitchedTHG(Th
ird Harmonic Generation)レ
ーザ光源、351.1nmの波長のレーザ光4を発する
Arガスレーザ光源を用いてもよい。
【0158】さらに、前記実施態様においては、第1の
レーザ励起光源1として640nmの波長のレーザ光4
を発するレーザ光源を用い、第2のレーザ励起光源2と
して473nmのレーザ光を発するレーザ光源を用い、
第3のレーザ励起光源3として、337.5nmのレー
ザ光を発するレーザ光源を用いているが、励起する蛍光
物質の種類に応じて、これら第1ないし第3のレーザ励
起光源のいずれか一のレーザ励起光源の代わりに、53
0ないし540nmのレーザ光を発するレーザ光源を用
いても良い。
【0159】また、前記実施態様においては、ステージ
20を静止状態に維持し、走査機構により、光学ヘッド
15を移動させることによって、レーザ光4によって、
画像担体21の全面を走査しているが、光学ヘッド15
を静止状態に維持し、ステージ20を移動させて、レー
ザ光4により、画像担体21の全面を走査するようによ
うにして、また、光学ヘッド15、図1において、X方
向にのみ移動させるとともに、ステージ20をY方向に
移動させて、レーザ光4によって、画像担体21の全面
を走査するようにしてもよい。
【0160】さらに、前記実施態様においては、穴17
が形成された穴空きミラー18を用いているが、穴17
に代えて、レーザ光4を透過可能なコーティングを施す
こともできる。
【0161】また、前記実施態様においては、光検出器
として、フォトマルチプライア33を用いて、画像担体
21から発せられた蛍光あるいは輝尽光を光電的に検出
しているが、本発明において用いられる光検出器として
は、蛍光あるいは輝尽光を光電的に検出可能であればよ
く、フォトマルチプライア33に限らず、CCDなどの
他の光検出器を用いることができる。
【0162】さらに、図1ないし図9に示された実施態
様においては、凸レンズ30の焦点距離f1と凸レンズ
19の焦点距離f2とが等しくなるように、凸レンズ3
0および凸レンズ19が選択され、また、図10に示さ
れた実施態様においては、凸レンズ30の焦点距離f1
が、凸レンズ19の焦点距離f2の25倍になるよう
に、凸レンズ30および凸レンズ19が選択されてい
る。しかしながら、凸レンズ30の焦点距離f1が、凸
レンズ19の焦点距離f2以上であることが、蛍光色素
の蛍光減衰時間が短くても、ピンホール32、49を所
望の位置に位置させることができて、好ましいが、凸レ
ンズ30の焦点距離f1と凸レンズ19の焦点距離f2
とは任意に選択することができる。
【0163】また、図11ないし図14に示された実施
態様においては、回転円板55と固定円板56には、そ
れぞれ、1本のスリット57、58、59が形成されて
いるが、回転円板55と固定円板56の一方あるいは双
方に、2以上のスリットが形成されていてもよい。
【0164】
【発明の効果】本発明によれば、蓄積性蛍光体シートを
画像の検出材料として用いるオートラジオグラフィ画像
検出システム、化学発光画像検出システム、電子顕微鏡
画像検出システムおよび放射線回折画像検出システムと
共通して、使用可能で、残蛍光を検出して、効率的に、
かつ、高いS/N比で、蛍光画像を読み取ることのでき
る画像読み取り装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる画
像読み取り装置の略斜視図である。
【図2】図2は、ピンホール形成部材31を示す斜視図
であり、ピンホール32が蛍光25の中心光軸38に一
致した位置39とは異なる場所に位置している状態が示
されている。
【図3】図3は、図1に示される光学ヘッド15の内部
構造を示す略断面図であり、励起点36と検出点37と
が一致していない状態が示されている。
【図4】図4は、光学ヘッドの走査機構の略平面図であ
る。
【図5】図5は、本発明の好ましい実施態様にかかる画
像読み取り装置の制御系、入力系および駆動系を示すブ
ロックダイアグラムである。
【図6】図6は、レーザ光による励起のタイミングと、
蛍光色素から発せられる蛍光の強度との時間的関係を示
すグラフである。
【図7】図7は、凸レンズ30の焦点距離f1および凸
レンズ19の焦点距離f2と、ピンホール形成部材31
上の点39からピンホール32までの距離L1および励
起点36から検出点37までの距離L2との関係を示す
図である。
【図8】図8は、ピンホール形成部材31を示す斜視図
であり、ピンホール32が輝尽光25の中心光軸38と
一致している状態が示されている。
【図9】図9は、図1に示される光学ヘッド15の内部
構造を示す略断面図であり、励起点36と検出点37と
が一致している状態が示されている。
【図10】図10は、本発明の別の好ましい実施態様に
かかる画像読み取り装置における凸レンズ30の焦点距
離f1および凸レンズ19の焦点距離f2ならびに凸レ
ンズ30の焦点39からピンホール32までの距離L1
および励起点36から検出点37までの距離L2との関
係を示す図である。
【図11】図11は、本発明の他の好ましい実施態様に
かかる画像読み取り装置の制御系、入力系および駆動系
を示すブロックダイアグラムである。
【図12】図12は、ピンホール形成部材54を構成す
る回転円板55および固定円板56の例を示す平面図で
ある。
【図13】図13は、本発明の他の好ましい実施態様に
かかる画像読み取り装置において用いられるピンホール
形成部材の例を示す平面図である。
【図14】図14は、本発明の他の好ましい実施態様に
かかる画像読み取り装置において用いられるピンホール
形成部材の他の例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 第1のレーザ励起光源 2 第2のレーザ励起光源 3 第3のレーザ励起光源 4 レーザ光 5 コリメータレンズ 6 ミラー 7 第1のダイクロイックミラー 8 第2のダイクロイックミラー 9 コリメータレンズ 10 コリメータレンズ 11 ミラー 12 ミラー 13 ミラー 15 光学ヘッド 16 ミラー 17 穴空きミラーの穴 18 穴空きミラー 19 凸レンズ 20 ステージ 21 画像担体 25 蛍光、輝尽光 27 フィルタユニット 28a、28b、28c、28d フィルタ 29 ミラー 30 レンズ 31 ピンホール形成部材 32 ピンホール 33 フォトマルチプライア 34 A/D変換器 35 画像データ処理装置 36 励起点 37 検出点 38 光路中心線 39 凸レンズの焦点 40 基板 41 副走査パルスモータ 42 レール 43 基板 44 ロッド 45 主走査パルスモータ 46 エンドレスベルト 47 リニアエンコーダ 48 スリット 49 ピンホール 50 コントロールユニット 51 キーボード 52 フィルタユニットモータ 53 ピンホール形成部材モータ 54 ピンホール形成部材 55 回転円板 56 固定円板 57 スリット 58 スリット 59 スリット 60 ピンホール 70 回転円板モータ
フロントページの続き Fターム(参考) 2G083 AA03 AA09 BB04 CC10 DD11 DD16 DD17 EE02 EE03 2H013 AC05 5B047 BC04 BC05 BC09 CA19 CB04 5C072 AA01 BA11 CA02 CA06 DA02 DA04 DA09 DA18 DA21 DA23 HA02 RA12 VA01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つのレーザ励起光源と、画
    像担体が載置されるステージと、前記少なくとも1つの
    レーザ励起光源から発せられたレーザ光により、前記画
    像担体上を走査して、前記レーザ光によって、前記画像
    担体を励起する走査機構と、前記レーザ光によって励起
    されて、前記画像担体から発せられた光を光電的に検出
    する光検出器と、前記画像担体から発せられた光を前記
    光検出器に導く共焦点光学系とを備えた画像読み取り装
    置において、前記共焦点光学系と前記光検出器との間
    に、少なくとも1つのピンホールを有するピンホール形
    成部材を備え、前記ピンホール形成部材が、移動可能に
    構成されたことを特徴とする画像読み取り装置。
  2. 【請求項2】 前記少なくとも1つピンホールが、前記
    画像担体から発せられ、前記共焦点光学系によって、前
    記光検出器に導かれる光の光路中心と一致する第1の位
    置と、前記光路中心から離れ、前記レーザ光の走査方向
    に対して、前記レーザ光が照射される画像担体の点より
    も、上流側に位置する画像担体の点から発せられた光
    が、前記共焦点光学系によって、結像される第2の位置
    との間で移動可能なように、前記ピンホール形成部材が
    構成されたことを特徴とする請求項1に記載の画像読み
    取り装置。
  3. 【請求項3】 前記第2の位置が、前記画像担体に担持
    された蛍光色素の蛍光減衰時間に、前記走査機構によっ
    て走査される前記レーザ光の走査速度を乗じて得られる
    距離未満の距離を隔てて、前記レーザ光が照射される画
    像担体の点よりも、上流側に位置する画像担体の点から
    発せられた光が、前記共焦点光学系によって、結像され
    る位置に選ばれたことを特徴とする請求項2に記載の画
    像読み取り装置。
  4. 【請求項4】 さらに、前記ピンホール形成部材を移動
    させるピンホール形成部材手段と、前記ピンホール形成
    部材手段を制御するコントロールユニットとを備え、前
    記画像担体が、蛍光画像検出システムによって生成され
    た蛍光物質の画像を担持しているときは、前記コントロ
    ールユニットが、前記ピンホール形成部材手段を駆動し
    て、前記少なくとも1つのピンホールが第2の位置に位
    置するように、前記ピンホール形成部材を移動させるよ
    うに構成されたことを特徴とする請求項2または3に記
    載の画像読み取り装置。
  5. 【請求項5】 前記画像担体が、オートラジオグラフィ
    画像を担持した蓄積性蛍光体シート、電子顕微鏡画像を
    担持した蓄積性蛍光体シート、放射線回折画像を担持し
    た蓄積性蛍光体シートおよび化学発光画像を担持した蓄
    積性蛍光体シートよりなる群から選ばれる画像担体であ
    るときは、前記コントロールユニットが、前記ピンホー
    ル形成部材手段を駆動して、前記少なくとも1つのピン
    ホールが第1の位置に位置するように、前記ピンホール
    形成部材を移動させるように構成されたことを特徴とす
    る請求項4に記載の画像読み取り装置。
  6. 【請求項6】 前記共焦点光学系が、前記画像担体から
    発せられた光を集光する第1の集光手段と、前記第1の
    集光手段によって集光された光を集光する第2の集光手
    段とを備え、前記第1の位置が前記第2の集光手段の焦
    点に一致するように構成されたことを特徴とする請求項
    2ないし5のいずれか1項に記載の画像読み取り装置。
  7. 【請求項7】 前記第2の集光手段の焦点距離が、前記
    第1の集光手段の焦点距離以上に設定されたことを特徴
    とする請求項6に記載の画像読み取り装置。
  8. 【請求項8】 前記少なくとも1つのピンホールが、互
    いに、径を異にする2以上のピンホールよりなることを
    特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の画
    像読み取り装置。
  9. 【請求項9】 前記ピンホール形成部材が、前記少なく
    とも1つのピンホールが形成された1枚の板状部材によ
    って構成されたことを特徴とする請求項1ないし8のい
    ずれか1項に記載の画像読み取り装置。
  10. 【請求項10】 前記ピンホール形成部材が、少なくと
    も1つのスリットが形成された回転可能な回転板と、少
    なくとも1つのスリットが形成された固定板とを含み、
    前記回転板と前記固定板とが相対的に回転可能に構成さ
    れ、前記回転板に形成された少なくとも1つのスリット
    と前記固定板形成された少なくとも1つのスリットとの
    交点によって、前記少なくとも1つのピンホールが形成
    されるように構成されたことを特徴とする請求項1ない
    し8のいずれか1項に記載の画像読み取り装置。
  11. 【請求項11】 前記回転板および前記固定板の少なく
    とも一方に、2以上のスリットが形成されたことを特徴
    とする請求項10に記載の画像読み取り装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011076024A (ja) * 2009-10-02 2011-04-14 Natl Inst Of Radiological Sciences 共焦点顕微鏡
WO2012063515A1 (ja) 2010-11-10 2012-05-18 住友電工ハードメタル株式会社 表面被覆切削工具

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011076024A (ja) * 2009-10-02 2011-04-14 Natl Inst Of Radiological Sciences 共焦点顕微鏡
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