JP2516073Y2 - 電子管楽器 - Google Patents

電子管楽器

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JP2516073Y2
JP2516073Y2 JP20016087U JP20016087U JP2516073Y2 JP 2516073 Y2 JP2516073 Y2 JP 2516073Y2 JP 20016087 U JP20016087 U JP 20016087U JP 20016087 U JP20016087 U JP 20016087U JP 2516073 Y2 JP2516073 Y2 JP 2516073Y2
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【考案の詳細な説明】 [考案の技術分野] この考案は、ブレスセンサ手段またはリップセンサの
少なくとも一方を有し、これらのセンサ手段の検出出力
により楽音の特性を可変制御する電子管楽器に関する。
[従来技術とその問題点] 従来の電子管楽器の一例として、管楽器本体内に楽音
を生成し、これを出力する回路を内蔵したものが、例え
ば、特開昭57-42094号公報で公知である。この電子管楽
器は、次のように構成されて動作する。
すなわち、吹奏入力部(マウスピース)を介して演奏
者が息を吹きこむと、管楽器本体内のブレスセンサによ
り、その息の空気流の速さまたは息圧が検出され、この
検出値はマイクロプロセッサ内の中央処理装置(CPU)
内で、デジタルデータとして処理される。演奏時には、
この検出値に対するA/D変換の動作は常に行われ、CPUは
一定時間間隔ごとに、そのA/D変換によって得られたデ
ジタルデータを読み取ると共に、選択的に指定操作され
た音高指定スイッチ群からの音高情報を読み取り、この
2つの入力から楽音のパラメータの制御情報を生成し、
音源である楽音発生回路に転送する。音源はCPUより送
出される制御情報に基づいて所定の音高の楽音信号を発
生し、これを、アンプ、スピーカ等からなるサウンドシ
ステムに送り、ここで増幅、音響変換し、楽音として出
力するものである。
なお、ブレスセンサの他に、リップセンサを設けた場
合は、吹奏入力部を噛む強さが検出され、この検出値も
同様にデジタルデータ化され、CPUは上記2つの入力と
合わせて楽音のパラメータの制御情報を生成して、その
制御情報に基づいて楽音信号を発生して楽音を出力する
ものである。
ところで、この種の電子管楽器では、どの程度の吹く
息の強さから楽音が発音し始めるかという、ブレスセン
サにおけるオフポイント(ゼロポイント)の設定、ある
いは、どの程度の吹く息の強さでどれだけの音量の楽音
が放音されるかという、ブレスセンサにおける感度(ブ
レスコントロール量としてのゲイン)の調整は、演奏者
がブレスセンサ調整用ボリューム(可変抵抗器)を操作
することにより行っている。
また、どの程度の吹奏入力部を噛む強さによって、楽
音の発生がノーマルピッチ(正常な音高)となるかとい
う、リップセンサにおけるオフポイント(ゼロポイン
ト)の設定、あるいは、どの程度強く噛めばどれだけ音
高が変化するかという、リップセンサにおける感度(ピ
ッチベンド量としてのゲイン)の調整も、同様にリップ
センサ調整用ボリュームを操作することにより行ってい
る。
しかしながら、これらの設定や調整、特にオフポイン
トの設定は、実際に演奏者が吹奏しながらボリューム等
を操作して調整する必要があり、とりわけ、初心者には
その設定操作が難かしいという問題点がある。
[考案の目的] この考案は、このような問題点を解消するためになさ
れたもので、ブレスセンサまたはリップセンサのオフポ
ンント(発音開始レベルまたは正常音高レベル)のづれ
を自動的に補正することができる電子管楽器を提供する
ことを目的とする。
[考案の要点] この考案は、上記目的を達成するために、ブレスセン
サ手段またはリップセンサ手段の少なくとも一方の検出
出力の電源投入時または所定時間以上の無演奏状態にお
ける初期状態値を記憶手段に記憶し、これらのブレスセ
ンサ手段またはリップセンサ手段の少なくとも一方の検
出出力の演奏状態値と上記記憶手段に記憶された初期状
態値とに基づいて楽音特性制御手段を制御するようにし
たものである。
[実施例] 以下、図面を参照しながらこの考案の電子管楽器の実
施例について述べる。
〈構成〉 第1図(a)、(b)はこの考案の電子管楽器の実施
例の外観を示す正面図、及び左側側面図であり、管楽器
本体10の吹奏入力部1には、演奏者の吹く息の強さまた
は息の量を検知するブレスセンサ手段としてのブレスセ
ンサ2及び演奏者の吹奏入力部1を噛む強さを検知する
リップセンサ手段としてのリップセンサ3、音高指定ス
イッチ群4、楽音パラメータ切換スイッチとしての音色
・効果切換スイッチ群5、電源スイッチ6、スピーカ7
等がそれぞれ配置されている。
第2図は、第1図の電子管楽器本体10内の電気回路を
示すブロック図であり、第1図と同一参照符号を付した
ものは同一機能を有するものである。
この管楽器全体を制御する手段であると共に楽音特性
制御手段としてのCPU8は、次のような機能を有してい
る。すなわち、第1番目の機能は、音高指定スイッチ群
4から出力される音高情報を受け取り、これを楽音発生
回路9に出力することである。第2番目の機能は、ブレ
スセンサ2からのブレス情報を、まず電圧変換回路11に
て電圧に変換し、この電圧値をさらに、A/D変換器12に
てデジタル値のデジタルブレス情報に変換し、このデジ
タルブレス情報をCPU8は受け取り、これを楽音の発音開
始情報、音量や音色等の楽音制御情報として楽音発生回
路9に出力することである。また第3番目の機能として
は、リップセンサ3からのリップ情報を、まず電圧変換
回路13にて電圧に変換し、この電圧値をさらに、A/D変
換器12Bにてデジタル値のデジタルリップ情報に変換
し、このデジタルリップ情報をCPU8は受け取り、これを
例えば、楽音の音高をベントアップまたはベンドダウン
させる楽音制御情報として楽音発生回路9に出力するこ
とである。CPU8の第4番目の機能は、音高指定スイッチ
群4からの音高情報と音色・効果切換スイッチ群5にて
選択されている音色・効果情報を受け取り、これらの各
情報に従って、特定の音色・効果にて特定の音高の楽音
をアンプ14及びスピーカ7からなるサウンドシステム15
へ出力することであり、このサウンドシステム15は、入
力された楽音のレベルを増幅し、音響出力として楽音を
放音させる。
更に、CPU8の第4番目の機能は、この考案による電子
管楽器の特徴的な機能であり、電源スイッチ6がオン操
作され、管楽器本体10の外部に安定した電圧が供給され
ると、後述するように、A/D変換器12からのデジタルブ
レス情報をブレスセンサ手段の検出出力として受け取
り、それをその検出出力の無演奏状態における初期状態
値を記憶する記憶手段としてのセンサ初期値メモリ(セ
ンサ初期値バッファ)16へメモリしておき、データの変
換手段としての変換回路17によってブレスセンサ2から
の検出出力の演奏状態値から、先にメモリさせたセンサ
初期値を減算して得た情報値に対して圧縮・伸張あるい
は変換テーブルによるデータ変換を行い、そこで得た変
換情報値に基づき、楽音特性制御手段としてのCPU8にて
楽音発生回路9から発音されるべき楽音の特性が制御さ
れるというものである。この第4番目の機能については
後でさらに詳しく述べる。
また、第3図(a)は演奏者が吹く息の強さ、すなわ
ち、ブレス情報に対応して電圧変換回路11から出力され
るこの管楽器の工場出荷時における息の強さに対する電
圧出力Aの特性図であり、第3図(b)の点線で示した
電圧出力B、Cは、電源投入後の時間経過に起因するブ
レスセンサの周囲の温度等の環境変化による息の強さに
対する電圧出力の特性図であり、実線で示す工場出荷時
における電圧出力Aの特性との比較を示すものである。
〈動作〉 次に第2図、第3図、更に、第4図(a)の電源投入
時の初期状態値記憶設定フローチャート図、及び第4図
(b)の電源投入後の動作中における初期状態値の書き
換えフローチャート図、更に、第5図のデジタルブレス
情報処理フローチャート図に基づいて、この考案の電子
管楽器の動作、特にCPU8、センサ初期値メモリ16、変換
回路17、制御手段18等の動作について述べる。
第4図(a)において、まず、電源スイッチ6をオン
操作して電源電圧をこの管楽器の各回路に供給すると、
ステップ4−1において、A/D変換器12からのデジタル
ブレス情報をCPU8内のAレジスタへストアし、次のステ
ップ4−2で、いまステップAレジスタにストアしたデ
ータ値のレベルが、発音すべき吹奏入力が入力されたと
みなすデジタルブレス情報のレベル100を越えているか
否かを判断し、通常は未だ吹奏されていない状態である
からNOと判断される。そして、ステップ4−3において
そのAレジスタのデータ値をセンサ初期値メモリ16へメ
モリして、つまり、電源が投入されたときのブレスセン
サ2の検出出力の無演奏状態における初期状態値をメモ
リした後、メインルーチン(図示しない)にリターンす
る。ステップ4−2でYESのときは、演奏者が吹奏しな
がら電源スイッチ6をオン操作した場合であり、この場
合は、ステップ4−4でデータ値として、例えば1Vの電
圧値に担当するレベル51のデータ値をセンサ初期値メモ
リ16にメモリし、電源投入時のデジタルブレス情報値の
メモリ動作を終了してメインルーチンにリターンする。
第4図(b)において、このフローは、メインルーチ
ンのサブルーチンとして動作するものであって、サブル
ーチンの開始後、まず、ステップ4−5で電源投入後の
動作中(演奏中)に音高指定スイッチ群4その他各スイ
ッチ群、あるいはデジタルブレス情報等に変化があった
か否かを判断し、YESのときは、ステップ4−6でCPU8
内のイニシャルタイムバッファ(ITIMEバッファ)の内
容を0に、つまり所定時間間隔をカウントするためにそ
のカウント値を0にリセットして、何も他の処理を行わ
ずそのままメインルーチンにリターンする。NOのとき
は、無演奏状態であり、ステップ4−7でイニシャルタ
イムバッファの内容を1だけインクリメントし、ステッ
プ4−8においてそのイニシャルタイムバッファの内容
が所定カウント値の100になったか否か、つまり電源投
入後の動作中に無演奏状態が所定の時間だけ継続したか
否かを判断する。そこで、NOのときはそのままメインル
ーチンへリターンしてステップ4−5〜ステップ4−8
の動作を繰り返し、所定カウント値100となるとYESとな
り、ステップ4−9でそのイニシャルタイムバッファを
再び0にセットして次の時間経過のカウントに備える。
続いてステップ4−10において、電源投入後の無演奏
状態が所定時間継続した時点でのデジタルブレス情報の
データ値をAレジスタへストアし、ステップ4−11でそ
のAレジスタにストアしたデータ値が100を越えている
か否かを判断し、YESのときは演奏がなされてブレス情
報が入力されている場合なのでそのままメインルーチン
へリターンするが、NOのときはステップ4−12にてセン
サ初期値メモリ16にそのAレジスタのデータ値をストア
して、センサ初期値の値を書換手段19によって書き換え
た後メインルーチンにリターンする。
すなわち、この初期状態値書き換えフローにおいて
は、電源投入後の動作中(演奏中)であっても、実際に
演奏がなされない無演奏状態のまま所定の時間が経過す
るごとに、CPU8によるデータの書換作用によって、前
回、センサ初期値メモリ16にメモリした初期状態値をそ
の時点での新しいデジタルブレス情報、つまりA/D変換
器12からのデジタル信号入力値(但し所定のレベル100
を越えないデータ値、つまり演奏状態とみなすレベルに
達しないデータ値)に書き換えておくのである。このこ
とによって第3図(b)に示すように電源投入後の時間
の経過により管楽器の周囲の環境、例えば温度の変化に
起因して電圧出力・ブレス特性が変化した場合(同図
(b)中、BまたはCの電圧出力特性参照)でも、先に
設定したブレスセンサ2のオフポイント(ゼロポイン
ト)のづれを自動的に補正して設定し直しているのであ
る。
次に、この実施例のデジタルブレス情報処理フローチ
ャートを示す第5図について述べると、このフローはメ
インルーチンに対して所定時間間隔で繰り返し動作する
か、または、タイマインタラプトにより割り込み動作す
るものである。まず、ステップ5−1においてA/D変換
器12からのデジタルブレス情報をCPU8内のAレジスタへ
ストアする。
次のステップ5−2では、この実施例の動作のポイン
トである処理がなされる。すなわち、変換回路17によっ
て、Aレジスタにストアしたデータ値Aから先にセンサ
初期値メモリ16にメモリさせた初期状態値を減算して得
た値を新しいAレジスタにストアする。つまり、このス
テップ5−2においては、ブレスセンサ手段としてのブ
レスセンサ2の検出出力の演奏状態値から、記憶手段と
してのセンサ初期値メモリ16に予め記憶されている初期
状態値を減算して新たな情報値を得ているのである。
続いてステップ5−3でAレジスタにおけるいまスト
アした新しいブレス情報値のデータ値が負の値ではない
か否かを判断し、負の値ではないときは、ステップ5−
4において、そのデータ値がレベル153を越えているか
否かを判断する。YESのときはステップ5−5でそのデ
ータ値に153をセットし、次のステップ5−6に進みそ
のデータ値Aに対してA×5/3を演算してその結果をA
レジスタにセットする。つまりこのステップ5−6にお
いては、ステップ5−2で得た新しい情報値を変換回路
17によって8ビット(レベル0〜レベル255)のデータ
に伸張してデータの変換を行い、変換情報値を得る処理
を行っているものである。なお、ステップ5−4におけ
る153というレベルは、5/3倍して丁度レベル255となる
レベルとして設定したものであり、8ビットのデータ容
量に合わせたものである。なお、ここでは変換回路17に
よって、ブレスセンサ2よりの検出出力の演奏状態値で
あるデジタルブス情報値から、ブレス初期値メモリ16に
記憶した初期状態値を減算して得た情報値に対して、デ
ータを伸張させるデータ変換を行っているが、逆に情報
値の圧縮あるいは別途設けたブレスデータ変換テーブル
(図示しない)によって変換情報値を得ることもでき
る。
次にステップ5−7において、変換情報値であるAレ
ジスタの内容が変換ブレス情報レジスタBREATHにストア
された前回の変換ブレス情報値と同一か否かを判断し
て、YESの場合は、CPU8から新しい楽音制御情報を楽音
発生回路9へ出力する必要はないので、そのままメイン
ルーチンへリターンする。
ステップ5−7において、NOのときは、ステップ5−
8において、今回のAレジスタのストアデータを変換ブ
レス情報レジスタBREATHのデータと書き換え、ステップ
5−9において、その変換ブレス情報値であるAレジス
タの内容をブレス情報値として楽音発生回路9へ出力す
るよう、CPU8にて指示して、メインルーチンにリターン
する。
ステップ5−4において、NOのときは、Aレジスタの
データ値が153以下の場合でありそのままステップ5−
6に進み、以下はYESのときと同様に動作する。また、
ステップ5−3においてNOのとき、つまりステップ5−
2においてAレジスタにいまストアした新しいブレス情
報値の値が負の場合は、実際のデジタルブレス情報の値
がセンサ初期値メモリ16にメモリした初期値よりも小さ
い場合であり、その場合はステップ5−10にてAレジス
タのデータ値に0をセットして、ステップ5−6に進
み、以下は、ステップ5−3においてYESのときと同様
な処理動作がなされる。
このように、この第5図に示したブレス情報処理フロ
ーチャートにおいては、演奏者が実際に吹奏入力した場
合に、そのブレス情報と予め自動的にセンサ初期値メモ
リ16にメモリさせたセンサ初期値とのレベルの減算を演
奏処理して新しい情報値を得、その情報値をデータ伸張
して変換情報値を得ることにより、その変換情報値に基
づき楽音の発音処理を行っているものである。このよう
に実際のブレス情報を修正、変換することによって、発
音が開始されるデジタルブレス情報のデータ値、すなわ
ち、楽音が発音し始めるオフポイントを自動的に設定し
ているのである。
〈実施例の効果〉 このように、上記実施例では、電子管楽器に電源が投
入されたときのブレスセンサ2の検出出力の無演奏状態
における初期状態値をセンサ初期値メモリ16にメモリさ
せ、変換回路17により、電源投入後の動作中にブレスセ
ンサ2からの検出出力の実際の演奏状態におけるブレス
情報値から、先にセンサ初期値メモリ16にメモリさせた
初期データ値を減算処理し、更にそのデータ値を伸張処
理して変換情報値を得ると共に、電源投入後の動作中に
所定時間の間、実際の吹奏演奏がなされない状態や、音
高指定スイッチ群4等各スイッチ類の操作変化がない状
態が続いた場合は、その時点でのブレスセンサ2からの
新しいデジタルブレス情報に基づき、先にセンサ初期値
メモリ16にメモリさせたセンサ初期状態値を、CPU8によ
る書換作用によって書き換えるようにし、変換回路17よ
りの変換ブレス情報値に基づきCPU8にて、楽音発生回路
9において発音させるべき楽音の特性を可変制御するよ
うにしたものである。したがって、演奏者は、演奏を開
始する前に、電源スイッチ6のオン操作さえすれば、ブ
レスセンサ2のオフポイント(ゼロポイント)、つま
り、発音開始のブレス情報値が自動的に設定され、電源
投入後の動作中においても一定時間の無演奏状態が続け
ば、その間の例えば動作中であることによる温度の変化
等の環境の変化に起因するオフポイントのづれが自動的
に補正されるのであり、演奏者が自分でオフポイントの
設定やその再調整を行う必要がなく、初心者でも演奏し
やすい電子管楽器が得られるものである。
〈変形実施例〉 なお、上記実施例では、ブレスセンサ2のオフポイン
トの設定及び再設定を自動的に行うものとしたが、リッ
プセンサ3のオフポイントについても同様に行えるもの
であり、ブレスセンサ2とリップセンサ3の少なくとも
一方のオフポイントの設定及び再設定を自動的に行うよ
うに構成することもできる。
また、書換手段19は必要に応じて設けることができる
ものであり、電源投入後の環境変化による影響を特に問
題としなければ、それを省略することもできる。
更に、楽音発生回路9及びサウンドシステム15は、管
楽器本体とは別個に設け、コード等で接続するように構
成してもよく、管楽器本体の形状もサキソフォンタイプ
に限らず、クラリネットタイプ等他の形状にしてもよ
い。
[考案の効果] 以上述べたようにこの考案によれば、電子管楽器にお
いて、ブレスセンサ手段またはリップセンサ手段の少な
くとも一方の検出出力の電源投入時または所定時間以上
の無演奏状態における初期状態値を記憶手段に記憶し、
ブレスセンサ手段またはリップセンサ手段の少なくとも
一方の検出出力の演奏状態値と記憶手段に記憶した初期
状態値とに基づき制御手段により楽音特性制御手段を制
御するようにしたので、電源投入時または所定時間以上
無演奏状態が続くと、ブレスセンサ手段またはリップセ
ンサ手段の少なくとも一方のオフポイント(ゼロポイン
ト)のづれが自動的に補正されるのであり、演奏者がブ
レスセンサまたはリップセンサのオフポイントを、実際
に吹奏して放音させながら調整し設定する必要がなく、
電源投入後直ちに演奏を開始でき、特に初心者等にとっ
ては、極めて演奏しやすい電子管楽器が得られるという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
図面はこの考案の電子管楽器の実施例を示し、第1図
(a)及び(b)は、外観正面図及び外観左側面図、第
2図は電気回路ブロック図、第3図は電圧出力・ブレス
特性図、第4図(a)は電源投入時における初期状態値
を記憶するためのフローチャート図、第4図(b)は動
作中において初期状態値を書き換えるためのフローチャ
ート図、第5図はデジタルブレス情報の処理フローチャ
ート図である。 2……ブレスセンサ、3……リップセンサ、6……電源
スイッチ、8……CPU、9……楽音発生回路、12、12B…
…A/D変換器、16……センサ初期値メモリ、17……変換
回路。

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】吹奏入力部に設けられて、演奏者の吹奏入
    力を検出するためのブレスセンサ手段と、同じく吹奏入
    力部に設けられて、演奏者のその吹奏入力部を噛む強さ
    を検出するためのリップセンサ手段との少なくとも一方
    を有し、これらのブレスセンサ手段とリップセンサ手段
    の少なくとも一方の検出出力により、楽音発生手段から
    発音されるべき楽音の特性を可変制御する楽音特性制御
    手段を備える電子管楽器において、 上記ブレスセンサ手段またはリップセンサ手段の少なく
    とも一方の検出出力の電源投入時または所定時間以上の
    無演奏状態における初期状態値を記憶する記憶手段と、 上記ブレスセンサ手段または上記リップセンサ手段の少
    なくとも一方の検出出力の演奏状態値と上記記憶手段に
    記憶された上記初期状態値とに基づき上記楽音特性制御
    手段を制御し、上記楽音発生手段から発音されるべき楽
    音の特性を可変制御する制御手段と、 を設けたことを特徴とする電子管楽器。
  2. 【請求項2】上記制御手段は、電源投入後における所定
    時間の無演奏状態を検出したときの上記ブレスセンサ手
    段または上記リップセンサ手段の少なくとも一方の検出
    出力により、上記記憶手段に記憶された上記初期状態値
    を書き換える書換手段を有していることを特徴とする実
    用新案登録請求の範囲第1項記載の電子管楽器。
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