JP2516019Y2 - 管状体 - Google Patents
管状体Info
- Publication number
- JP2516019Y2 JP2516019Y2 JP3862990U JP3862990U JP2516019Y2 JP 2516019 Y2 JP2516019 Y2 JP 2516019Y2 JP 3862990 U JP3862990 U JP 3862990U JP 3862990 U JP3862990 U JP 3862990U JP 2516019 Y2 JP2516019 Y2 JP 2516019Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tubular body
- resin material
- temperature
- firing
- prepreg
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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Description
【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は管状体に関し、詳しくは、プリプレグを芯金
に巻付けた状態で焼成することで筒状に成形される筒状
体に厚肉部を形成するための技術に関するものである。
に巻付けた状態で焼成することで筒状に成形される筒状
体に厚肉部を形成するための技術に関するものである。
上記のように成形される筒状体として釣り竿に用いら
れるものを例に挙げると、元竿の後端部に尻栓を取付け
るためのネジ部を形成する目的から、該筒状体に厚肉部
を形成することが多く、従来、この厚肉部を形成する場
合には、芯金に巻付けられたプリプレグの所定部位の外
面にプリプレグの小片を巻付ける、あるいは、予め所定
部位にプリプレグの小片を巻付けた芯金にプリプレグを
巻付けること等により、その部位の層を増しておき、焼
成するという手段を講じている(例えば、実開昭62−45
970号広報)。
れるものを例に挙げると、元竿の後端部に尻栓を取付け
るためのネジ部を形成する目的から、該筒状体に厚肉部
を形成することが多く、従来、この厚肉部を形成する場
合には、芯金に巻付けられたプリプレグの所定部位の外
面にプリプレグの小片を巻付ける、あるいは、予め所定
部位にプリプレグの小片を巻付けた芯金にプリプレグを
巻付けること等により、その部位の層を増しておき、焼
成するという手段を講じている(例えば、実開昭62−45
970号広報)。
ここで、前述のような手段で形成された厚肉部にネジ
部を形成することを考えるに、このように形成された厚
肉部には炭素繊維等、高強度の素材が含まれているた
め、ネジ部を形成するための工具に比較的高価なものを
用いなければならない等、あまり容易にネジ部を形成で
きないという不都合がある。
部を形成することを考えるに、このように形成された厚
肉部には炭素繊維等、高強度の素材が含まれているた
め、ネジ部を形成するための工具に比較的高価なものを
用いなければならない等、あまり容易にネジ部を形成で
きないという不都合がある。
そこで、ネジ部を容易に形成し得る厚肉部を形成する
ため、例えば、エポキシ樹脂のシート材を用いることを
考えるに、このエポキシ樹脂は熱硬化性であるに拘ら
ず、温度上昇時において、粘性が大きく低下する性質を
有するため、このエポキシ樹脂のシート材を用いて厚肉
部を形成しようとした場合には、焼成時において、樹脂
が流出する、あるいは、ボイド等の空隙が発生するもの
となり改善の余地がある。
ため、例えば、エポキシ樹脂のシート材を用いることを
考えるに、このエポキシ樹脂は熱硬化性であるに拘ら
ず、温度上昇時において、粘性が大きく低下する性質を
有するため、このエポキシ樹脂のシート材を用いて厚肉
部を形成しようとした場合には、焼成時において、樹脂
が流出する、あるいは、ボイド等の空隙が発生するもの
となり改善の余地がある。
本考案の目的は、焼成時において粘性が低下する熱硬
化性の樹脂を用いて無理なく厚肉部を形成した管状体を
合理的に得る点にある。
化性の樹脂を用いて無理なく厚肉部を形成した管状体を
合理的に得る点にある。
本考案の特徴は、焼成の際の温度上昇時に粘性が低下
する熱硬化性の樹脂材と、この樹脂材の粘性が低下する
温度より高温、かつ、焼成の温度より低温の温度域で融
解するマット状の樹脂材とを重ね合わせて成る層を、芯
金に巻付けられたプリプレグの所定部位の最外面、或い
は、最内面に形成し焼成して成る点にあり、その作用、
及び、効果は次の通りである。
する熱硬化性の樹脂材と、この樹脂材の粘性が低下する
温度より高温、かつ、焼成の温度より低温の温度域で融
解するマット状の樹脂材とを重ね合わせて成る層を、芯
金に巻付けられたプリプレグの所定部位の最外面、或い
は、最内面に形成し焼成して成る点にあり、その作用、
及び、効果は次の通りである。
上記特徴によると管状体の焼成時には、温度上昇時に
粘性が低下する熱硬化性の樹脂材の粘性が低下すること
により、この樹脂材がマット状の樹脂材の内部に移行す
ることとなって流動が抑制され、この流動阻止状態で更
に温度が上昇することでマット状樹脂材の繊維が融解し
て消滅する結果、この部位には両樹脂が混じり合った樹
脂部が管状体と一体的に形成されるものとなる。
粘性が低下する熱硬化性の樹脂材の粘性が低下すること
により、この樹脂材がマット状の樹脂材の内部に移行す
ることとなって流動が抑制され、この流動阻止状態で更
に温度が上昇することでマット状樹脂材の繊維が融解し
て消滅する結果、この部位には両樹脂が混じり合った樹
脂部が管状体と一体的に形成されるものとなる。
従って、焼成時に粘性が低下する熱硬化性の樹脂を用
いているに拘らず、ボイド等を発生させること無く、し
かも、容易にネジ部も形成できる厚肉部を形成した管状
体が得られたのである。
いているに拘らず、ボイド等を発生させること無く、し
かも、容易にネジ部も形成できる厚肉部を形成した管状
体が得られたのである。
以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。
第4図には本考案の管状体(A)を釣り竿の元竿部に
用いた状況の断面を表してあり、この管状体(A)の後
端部には樹脂部(B)を有して厚肉部を形成して、尻栓
(図示せず)取付け用のネジ部(S)が形成され、この
厚肉部は次のように作られている。
用いた状況の断面を表してあり、この管状体(A)の後
端部には樹脂部(B)を有して厚肉部を形成して、尻栓
(図示せず)取付け用のネジ部(S)が形成され、この
厚肉部は次のように作られている。
即ち、この管状体(A)は、マンドレルと称される芯
金(1)に対して、ナイロン製の繊維を不織布状にした
素材(2)(マット状の樹脂材の一例)と、エポキシ製
のシート材(3)(熱硬化性樹脂材の一例)とを重ね合
せた状態で複数回巻き付け、この後、この外面にまで亘
って、炭素繊維を引き揃えてシート状に成形したプリプ
レグ(4)を、その繊維の方向が芯金(1)の周方向、
長手方向、周方向となるよう夫々方向を決めて3層巻付
け(この状態の断面が第1図に相当する)、更に、この
外面に熱収縮性のテープ(図示せず)を巻付けた後、焼
成する。
金(1)に対して、ナイロン製の繊維を不織布状にした
素材(2)(マット状の樹脂材の一例)と、エポキシ製
のシート材(3)(熱硬化性樹脂材の一例)とを重ね合
せた状態で複数回巻き付け、この後、この外面にまで亘
って、炭素繊維を引き揃えてシート状に成形したプリプ
レグ(4)を、その繊維の方向が芯金(1)の周方向、
長手方向、周方向となるよう夫々方向を決めて3層巻付
け(この状態の断面が第1図に相当する)、更に、この
外面に熱収縮性のテープ(図示せず)を巻付けた後、焼
成する。
この焼成時にはシート材(3)のエポキシ樹脂が80℃
程度で粘性が大きく低下することから、この樹脂が不織
布状の素材(2)の内部に移行した状態となって流動が
抑制されると共に、この素材(2)のナイロンが100℃
程度で融解を始めるため、焼成温度の140℃〜150℃程度
の温度に達した際においては厚肉部を形成するための樹
脂部(B)には繊維が存在しない状態となる(この状態
の断面が第2図に相当する)。
程度で粘性が大きく低下することから、この樹脂が不織
布状の素材(2)の内部に移行した状態となって流動が
抑制されると共に、この素材(2)のナイロンが100℃
程度で融解を始めるため、焼成温度の140℃〜150℃程度
の温度に達した際においては厚肉部を形成するための樹
脂部(B)には繊維が存在しない状態となる(この状態
の断面が第2図に相当する)。
そして、この後、第3図に示す如く芯金(1)を抜取
り、テープを取去り、両端部を切断することで管状体
(A)が得られ、この管状体(A)の樹脂部(B)にネ
ジ部(S)が形成されることになる。
り、テープを取去り、両端部を切断することで管状体
(A)が得られ、この管状体(A)の樹脂部(B)にネ
ジ部(S)が形成されることになる。
本考案は上記実施例以外に例えば、芯金に巻付けられ
たプリプレグの外面に、前述と同様の手段で厚肉部を形
成して第5図のような管状体(A)を構成しても良い。
たプリプレグの外面に、前述と同様の手段で厚肉部を形
成して第5図のような管状体(A)を構成しても良い。
尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便
利にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付
図面の構造に限定されるものではない。
利にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付
図面の構造に限定されるものではない。
図面は本考案に係る管状体の実施例等を示し、第1図は
該管状体の焼成前の状態を表す断面図、第2図は該管状
体の焼成直後の状態を表す断面図、第3図は該管状体の
焼成後に端部を切断した状態の断面図、第4図は該管状
体にネジ部を形成した状態の断面図であり、第5図は該
管状体の別実施例の構造を表す断面図である。 (2)……芯金、(2)……樹脂材、(3)……樹脂
材、(4)……プリプレグ。
該管状体の焼成前の状態を表す断面図、第2図は該管状
体の焼成直後の状態を表す断面図、第3図は該管状体の
焼成後に端部を切断した状態の断面図、第4図は該管状
体にネジ部を形成した状態の断面図であり、第5図は該
管状体の別実施例の構造を表す断面図である。 (2)……芯金、(2)……樹脂材、(3)……樹脂
材、(4)……プリプレグ。
Claims (1)
- 【請求項1】焼成の際の温度上昇時に粘性が低下する熱
硬化性の樹脂材(3)と、この樹脂材(3)の粘性が低
下する温度より高温、かつ、焼成の温度より低温の温度
域で融解するマット状の樹脂材(2)とを重ね合わせて
成る層を、芯金(1)に巻付けられたプリプレグ(4)
の所定部位の最外面、或いは、最内面に形成し焼成して
成る管状体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3862990U JP2516019Y2 (ja) | 1990-04-11 | 1990-04-11 | 管状体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3862990U JP2516019Y2 (ja) | 1990-04-11 | 1990-04-11 | 管状体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03129062U JPH03129062U (ja) | 1991-12-25 |
JP2516019Y2 true JP2516019Y2 (ja) | 1996-11-06 |
Family
ID=31546806
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3862990U Expired - Lifetime JP2516019Y2 (ja) | 1990-04-11 | 1990-04-11 | 管状体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2516019Y2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20050015988A1 (en) * | 2001-12-26 | 2005-01-27 | Tetsuya Murakami | Fiber-reinforced resin roll and method of manufacturing the roll |
KR102436855B1 (ko) * | 2016-08-31 | 2022-08-26 | 글로브라이드 가부시키가이샤 | 낚싯대 |
-
1990
- 1990-04-11 JP JP3862990U patent/JP2516019Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03129062U (ja) | 1991-12-25 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
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EXPY | Cancellation because of completion of term |