JP2516003Y2 - カセットの回転蓋体用開蓋部材 - Google Patents

カセットの回転蓋体用開蓋部材

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JP2516003Y2
JP2516003Y2 JP9488688U JP9488688U JP2516003Y2 JP 2516003 Y2 JP2516003 Y2 JP 2516003Y2 JP 9488688 U JP9488688 U JP 9488688U JP 9488688 U JP9488688 U JP 9488688U JP 2516003 Y2 JP2516003 Y2 JP 2516003Y2
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康博 野口
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【考案の詳細な説明】 用語の定義 本明細書において、下記の用語が下記の意義で用いら
れている。
挿脱位置:記録・再生装置において、テープカセットを
挿入し,または抜去する際のカセットホルダ又はテープ
カセットの位置、 装着位置:記録・再生装置において、カセットホルダに
挿入されたテープカセットが、例えばリール軸,テープ
引き出しピン,テンションピン,ピンチローラなどのよ
うな記録・再生装置の機能部品と係合し、あるいは係合
可能な状態にセットされる位置、 装着動作:カセットホルダ又はテープカセットの挿脱位
置から装着位置に向かって移動させる動作、 前方:記録・再生装置のカセットホルダにテープカセッ
トが挿入されたとき、テープカセット本体に関して回転
蓋体が配置される方向、 後方:記録・再生装置のカセットホルダにテープカセッ
トが挿入されたとき、回転蓋体に関してテープカセット
本体が配置される方向、 下方:記録・再生装置のカセットホルダにテープカセッ
トが挿入されたとき、テープカセット本体に関して摺動
蓋体が配置される方向、 上方:記録・再生装置のカセットホルダにテープカセッ
トが挿入されたとき、摺動蓋体に関してテープカセット
本体が配置される方向、 (尚、これらの方向は、説明の便宜上の定義であって、
記録・再生装置の設計によっては、実際の方向とは必ず
しも一致しない。) 挿入方向:カセットホルダに対して、回転蓋体の前方に
配置してテープカセットを挿入する方向、 抜去方向:カセットホルダからテープカセットを抜去す
る方向、 (尚、これらの方向は、説明の便宜上の定義であって、
記録・再生装置の設計によっては、実際の方向とは必ず
しも一致しない。) 産業上の利用分野 本考案は、例えばデジタル・オーディオ・テープ(DA
T)やビデオ・テープなどのような,回転蓋体を有する
テープカセットを取り扱う記録・再生装置(以下、単に
装置と称する)において回転蓋体を開放する開蓋部材に
関し、殊に装着動作の過程において、回転蓋体の前板の
下端部(以下、当接部と称する)と開蓋係合面との係合
関係を確実に維持することができる開蓋部材に関する。
従来技術の問題点 DATなどのデジタル記録テープを収納したテープカセ
ット(以下、単にカセットと称する)には、塵埃などの
侵入を防止し,あるいはテープが何物かに接触して損傷
されるのを防止するために、装置におけるテープ引き出
しピン,ピンチローラなどの機能部品を受け入れる一側
面には摺動蓋体がテープを引き出す他の一側面には回転
蓋体が夫々設けられている。説明の便宜上、摺動蓋体が
設けられているカセットの一側面を下側面と、回転蓋体
が設けられているカセットの一側面を前面と称する。
かかる形式のカセットを用いる装置で記録若しくは再
生を行うに当たって、カセットを装置の機能部品と係合
させ、あるいは係合可能な状態にさせるために、それら
の蓋体を開かねばならない。摺動蓋体は、カセットを装
置のカセットホルダ(以下、単にホルダと称する)に挿
入する動作を利用して開かれ、回転蓋体はカセットを挿
入されたホルダの装着動作を利用して開かれるのが一般
である。詳述すれば、摺動蓋体は、ホルダのカセット受
け入れ開口に設けられた一対の突起が摺動蓋体と係合し
て、カセットをホルダに挿入する過程において開かれ
る。回転蓋体は、ホルダに収納されたカセットが装着位
置に移動される際に、閉蓋状態における回転蓋体の当接
部が通過する領域に何等かの部材(開蓋部材)を設け
て、装着動作の過程で回転蓋体と開蓋部材との係合によ
って、回転蓋体を押し開くようになっている。
DATのカセットにおいては、回転蓋体はカセット本体
の開口部の前面を閉鎖する前板と、それらの両端から延
長する一対の側板とを有し、それらの側板はカセットの
厚さ(カセットの下側面と上側面との間の距離)のほぼ
半分の寸法にわたって下側面側が切り欠かれている。回
転蓋体の一対の側板は、カセット本体の開口部の両側に
おいてテープ案内ガイド,リールクロック機構,回転蓋
体偏倚手段等を支持している一対のブロックに枢着され
ている。テープは、カセット本体の一対のブロックに支
持された一対のテープ案内ガイド間に掛け回されて、回
転蓋体の前板の内側面に近接して配置されている。従っ
て、回転蓋体の開蓋機構は、回転蓋体の前板の一側にお
いて、カセット本体の一対のブロックの外側における当
接部の一部分が装着動作において移動する経路に配置さ
れねばならない。更に具体的に述べれば、開蓋部材が回
転蓋体の当接部に作用し得る幅方向(回転蓋体の回転軸
の配向方向)の寸法は、上記のブロックによって2mm程
度に制限されており、また回転蓋体の前板の厚さは1mm
程度に過ぎない。しかもこれらの寸法はカセットの製造
業者によって若干の変化があり、またある製造業者のカ
セットでは当接部に僅かな凹部が形成されている。従っ
て、総ての製造業者のカセットに有効に機能することを
保証するためには、上述の寸法形状の最小のものを基準
としなければならない。更に、カセット本体のブロック
の外側面の位置にもバラツキがあり、またホルダ内にお
いてカセットが支持される位置決めの精度、ホルダの装
着動作の精度、開蓋機構の装着の精度、などを考慮する
必要がある。かくて、開蓋機構と回転蓋体との相対的位
置関係はかなり微妙である。
従って、従来の開蓋部材においては、開蓋動作の間に
開蓋部材が回転蓋体の当接部から脱係合して閉蓋状態で
装着位置にカセットがセットされる可能性があった。こ
の現象は、開蓋部材がカセット本体のブロックの片側だ
けに設けられた場合に、多く見られる。カセットが装着
位置にセットされた場合には、回転蓋体が閉蓋状態であ
っても、ローディング動作(カセット内のテープを装置
の機能部品と係合させて記録・再生可能な状態にする動
作)が開始されてしまう。ローディング動作において
は、装置のテープ引き出しピン,ピンチローラ等の機能
部品がカセットの開口部から装置の回転ヘッドを有する
シリンダの方向に向かって移動する。回転蓋体が閉蓋状
態にあると、これらの機能部品が回転蓋体の前板に衝突
する。これらの機能部品はデリケートな部品であり、そ
れらの配置,姿勢はクリティカルに調整されているの
で、衝突による損傷はもとより、損傷がなくても配置,
姿勢が狂うことになり、機能部品の交換、調整に多大な
費用がかかる。
従来の、誤操作防止機構においては、カセットがホル
ダに十分に挿入されていない状態でホルダが移動した場
合に、カセットの後端部の移動経路に、その移動を阻止
するストッパを設けていた。かかる誤操作防止機構は、
それなりに機能を果たすが、ストッパ及びホルダの形
状,配置,装着動作における移動経路等の誤差又は公差
によって、回転蓋体が開かれていない状態でホルダが装
着位置にセットされる可能性が僅かながらあった。
また、従来の開蓋機構においては、ホルダにカセット
が正しく挿入されても、装着動作の間に、カセットがホ
ルダ内で後退させられる可能性があることが判った。そ
の理由は、カセットがホルダ内で移動しないように支持
されていれば、回転蓋体の開蓋動作の間に回転蓋体の当
接部の回転は、カセットの前方へ移動を伴うことにな
る。従って何等かの理由で回転蓋体の当接部が前方への
移動を制限される場合には、カセット本体が前方への移
動量だけ抜去方向に押し戻されなければならない。従っ
て、ホルダ内でカセットを維持する力と、開蓋部材の開
蓋係合面と回転蓋体の当接部との摩擦力との相対的関係
によって上述の現象が生じたり生じなかったりすること
が判った。カセットの後方への押し戻しが僅かである場
合には、装置の一対のリール軸とカセットの一対のリー
ルの中心開口との係合によって、位置修正されて、正し
く装着動作が行われるが、押し戻し量が大きい場合及び
カセットの片側だけが押し戻された場合には、回転蓋体
の当接部と開蓋部材との脱係合の原因となる。
本件出願人は、先にテープカセットの装着における誤
操作防止機構なる名称の発明につき特許出願を提出した
(特願昭63-73768号)。この出願においては、本件出願
の考案に係る開蓋部材に類似した開蓋部材と、カセット
がホルダ内に不十分に挿入された状態で装着動作が行わ
れた場合に、カセットの後端部と係合して、装着位置へ
の移動を禁止するストッパとの組み合わせによる誤操作
防止機構を開示している。更に、本件出願人は、本件出
願の直前に上述の開蓋部材自体の特徴に関して実用新案
登録願を提出した(昭和63年7月12日出願、実願昭63-9
2638号、カセット開蓋機構)。本願は、この出願に添付
された明細書及び図面に開示された開蓋部材の他の特徴
に関するものであり、特に開蓋動作の過程において、回
転蓋体と、開蓋部材の開蓋係合面との脱係合を防止する
ための、拡幅係合部をもった開蓋部材及びその変形例に
関する。
問題点を解決する手段 本考案による開蓋部材は、記録・再生装置に装着され
る装着部分(11)と、装着動作の過程においてカセット
の回転蓋体と係合する開蓋係合面(12a)を設け、上記
開蓋係合面の前端部側に回転蓋体の回転軸の配向方向
(幅方向)の内側に向かって拡幅された拡幅部分(12
a′)を設けている。
作用 上記開蓋係合面(12a)は装着動作の際に装置のホル
ダに正しく挿入されたカセットの回転蓋体を開蓋させ、
上記拡幅部分(12a′)は、開蓋動作中に回転蓋体の当
接部(71a)と幅方向のより広い部分に亙って係合し
て、当接部と開蓋係合面との脱係合を防止する。
実施例の説明 第1図a及びbは、本考案の望ましい実施例による開
蓋部材10の側面図及び平面図である。開蓋部材10は、装
置の不動部分(例えばシャシ)に枢着される枢着部分11
と、装着動作の過程において回転蓋体の当接部と係合す
る係合部分12とを有する。
この実施例においては、開蓋部材10は、装着動作にお
けるカセットの移動経路に関して予め定められた第1の
位置と第2の位置との間で限られた範囲で回動可能に装
着部分11を枢着しているものとして示されている。
詳述すれば、係合部分12は枢着部分11から前方(第1
図aにおいて左方向)に延長した後、上方に延長するも
のとして示されており、回動制限部分13は枢着部11から
ほぼ水平に後方(第1図aにおいて右方向)に延長する
アーム部分として示されている。
係合部分12の上端部には、前方下方(第1図aにおい
て左下方)に傾斜する開蓋係合面12aが設けられてお
り、開蓋係合面12の前方部分には幅方向に延長する拡幅
部分12a′が設けられている。
この実施例では、開蓋部材10は、更に、開蓋係合面12
aの後方(第1図aにおいて右方向)において開蓋係合
面12aと隣接しており,後方下方(第1図aにおいて右
下方)に傾斜する押し戻し係合面12bと、開蓋係合面12a
の前方(第1図aにおいて左方向)において開蓋係合面
12aに隣接する第3の面12cと、押し戻し係合面12bの後
方(第1図aにおいて右方向)において押し戻し係合面
12bに隣接する第4の面12dとが形成されているものとし
て示されている。かくて、開蓋係合面12aと押し戻し係
合面12bとの間に頂部稜線Aが、開蓋係合面12aと第3の
面12cとの間に前端部稜線Bが、押し戻し係合面12bと第
4の面12dとの間に後端部稜線Cが夫々形成されてい
る。この節に記載した特徴は、本願考案の特徴ではない
ので、これ以上の説明は省略する。
回動制限部分13の自由端部には、開蓋部材の枢着軸11
aとほぼ平行に延長するピン若しくはロール13aが設けら
れているものとして示されている。開蓋部材10が装置に
枢着されたとき、ピン13aが枢着軸11aを中心として回動
する回動経路に配置されたコの字状のストッパ21によっ
て、開蓋部材10は、第1図aにおいて実線で示された第
1の位置と、破線で示された第2の位置との間に回動が
制限される。換言すれば、コの字状のストッパの一対の
脚部21a,21bは、ピン13aの回動を制限することによって
アーム部分12の回動を制限している。
開蓋部材10は、適切な偏倚手段、例えばねじりコイル
ばね29によって、第1の位置に向かって常態的に偏倚さ
れている。
第2図〜第4図は、第1図の開蓋部材10が、装置20に
装着された状態の側面図であって、第2図はカセット70
が挿脱位置にある状態を、第3図は装着動作が完了し
て,回転蓋体71が開蓋された状態を、第4図はその中間
の状態を夫々示している。
これらの側面図においては、装置20は枢軸22によって
回動可能に枢着されたベース板23上に配置されたホルダ
24を有し、カセット70は、回転蓋体71を前方(図におい
て左方向)に、摺動蓋体(図示せず)を下方に配置して
第2図の右上方から左下方に向かって挿入される形式の
装置として示されている。かくて装着動作の際にカセッ
ト70は枢軸22を中心として円弧運動を行う。
開蓋部材10が装置に装備されたとき、開蓋部材10の開
蓋係合面12a,押し戻し係合面12b,頂部稜線A,前端部稜線
B,後端部稜線Cは、枢着部分11と回動制限部分13とを媒
介として、装着動作の際にカセットの諸部分が移動する
経路,あるいは位置付けられる諸位置に関して所望の配
置,配向が与えられる。
詳述すれば、開蓋係合面12aの後端部である頂部稜線
Aは、開蓋部材10が第1の位置にあるとき、ホルダ24に
正しく挿入されたカセット70における回転蓋体71の当接
部71aが移動する経路の後方限界位置と、ホルダ24に不
十分に挿入されたカセットの当接部71aが移動する経路
の前方限界位置を規定するよう枢着部分11と回動制限部
分13とに関して配置されている。換言すれば、ホルダに
正しく挿入されたカセットの回転蓋体の当接部71aは、
枢軸22を中心とし頂部稜線Aと枢軸22との距離を半径と
する円弧αの左側を移動し、ホルダに不十分に挿入され
たカセットの回転蓋体の当接部71aは、円弧αの右側を
通る。
開蓋係合面12aの前端部である前端部稜線Bは、開蓋
部材10が第1の位置にあるとき、装着動作の過程におい
て、記録・再生装置のホルダ24に正しく挿入されたカセ
ットの回転蓋体の当接部71aが開蓋係合面12aから外れて
回転蓋体の前板の内側面71b(第4図)と接触し,カセ
ット本体72に対して回転蓋体71を閉蓋方向に偏倚させて
いる偏倚手段(図示せず)によって,開蓋運動の反動と
してカセット本体72がホルダ24内で押し戻されるのを防
止するよう枢着部分11と上記回動制限部分13とに関して
配置されている。
更に、第1の位置にある頂部稜線Aは、回転蓋体の当
接部71aが開蓋係合面12aから外れて,前端部稜線Bが回
転蓋体の前板の内側面71bと接触した後(第4図),カ
セット本体と回転蓋体とを枢着している枢着軸線71c
と,開蓋部材10と装置とを枢着している枢着軸線11a
と,を結ぶ面の前方において回転蓋体71の内側面71d,次
いで更に他の内側面71eに接触して、開蓋部材10を第2
の位置に向かって回動させ、且つ第2の位置にある開蓋
部材10の頂部稜線Aは、装着動作が完了したとき(第3
図)、開蓋状態にある回転蓋体の前板の内側面71bと接
触して、回転蓋体71を開蓋状態に維持する。
開蓋係合面12aは、装着動作において、装置のホルダ2
4に正しく挿入されたカセットの回転蓋体の当接部71aが
第1の位置にある開蓋部材10の開蓋係合面12aと接触し
ている間、回転蓋体の当接部71aと回転蓋体の枢着軸線7
1cとを結ぶ面と開蓋係合面12aとが、カセットの前方側
においてなす角度θ1を90度を越え、180度に満たない角
度範囲に維持するよう形成され,配置されている。
押し戻し係合面12b及び後端部稜線Cは、本考案とは
直接の関係がないので、その機能については詳述しな
い。
回転蓋体71の開蓋動作の過程において、開蓋部材10の
側面形状は、その一部がカセット70のブロックの移動経
路と重なるが(第2〜4図)、拡幅部分12a′はブロッ
クの移動経路と重ならない開蓋部材10の領域に設けられ
ている。従って、拡幅部分12a′はカセット装着動作の
際のブロックの移動経路と衝突しない位置において当接
部71aと幅方向のより長い距離に亙って係合することに
より、当接部71aと開蓋係合面12aとの脱係合を防止す
る。
上述の実施例の動作を説明すれば下記の通りである。
カセット70がホルダ24内に挿入された第2図の状態か
ら、ホルダ24を押し下げるとき、カセット70の回転蓋体
71における当接部71aは、開蓋部材10の開蓋係合面12aに
当接する。
更にホルダ24が押し下げられると、回転蓋体71は、カ
セット本体72に対して回転し、当接部71aは、開蓋部材1
0の開蓋係合面12a上を滑って前方に移動し、第4図に示
したように、当接部71aは開蓋係合面12aから外れる。回
転蓋体71が回転し始めた直後に、当接部71aは開蓋係合
面12aの拡幅部分12a′と係合するので、カセット70が開
蓋部材10から遠ざかるよう幅方向に移動しても、当接部
71aと開蓋部材10との脱係合が防止できる。当接部71aが
開蓋係合面12aの拡幅されていない部分(狭幅部)と係
合している間に、カセット70が幅方向において開蓋部材
10から遠ざかる方向に僅かにでも移動すると、当接部71
aは、開蓋係合面12aから脱係合する可能性がある。同様
な可能性は、またホルダ24の運動が開蓋部材10に関して
僅かにでも開蓋部材10から遠ざかるよう幅方向にそれて
いる場合、開蓋部材10がその枢軸11a上で、幅方向に遊
びがある場合、などにも生じる。しかしながら、回転蓋
体71が開蓋方向に僅かに回転したとき、当接部71aが拡
幅部12a′に係合するよう、拡幅部12a′を形成,配置す
ることによって、脱係合の問題は実質的に排除できる。
当接部71aが開蓋係合面12aと接触した後、当接部71a
が開蓋係合面12aの前端である稜線Bを越えて第4図の
状態となるまでの間、開蓋部材10は第1の位置に留どま
る。何故ならば、開蓋係合面12a上を滑りつつ移動して
いる当接部71aの運動が、その作用点を枢着軸11aの上方
において後方(第2〜4図において枢着軸11aの右側)
に向かって押しやるよう作用しており、回動制限部分13
が開蓋部材10の時計方向(第2〜4図において)への回
動を禁止しているからである。
当接部71aが、稜線Bを越えたとき、回転蓋体71の内
側面71bが稜線Bと当接する。このとき、回転蓋体71の
内側面71bは、前方下方に傾斜しており、ホルダ24の押
し下げ動作および回転蓋体71を閉蓋方向に偏倚させる手
段によって稜線Bに作用する力は、回転蓋体71を前方上
方に押しやる反力を生じ、回転蓋体71を閉蓋方向に偏倚
させる手段の偏倚力を介して、カセット本体72がホルダ
24中で後退するのを防止しつつ、回転蓋体71を開蓋方向
に回転させる。
更にホルダ24が押し下げられると、稜線Aが回転蓋体
71の内側面71dに当接して回転蓋体71を、開蓋方向に回
転させる。この間、稜線Aの面71dとの接触点は移動す
る。稜線Aが内側面71dと更なる内側面71eとの出会う部
分(隅部)に到達するまでに、内側面71bは稜線Bから
離れ、次いで稜線Aは更に他の内側面71eに当接して、
回転蓋体71を更に開蓋方向に回転させ、カセット70は最
終的に第4図の装着位置にセットされる。また、回転蓋
体71の内側面71d,71e,71bが、枢着軸11aの上方に向かう
面における後方において稜線Aと接触し、その結果、係
合部分12を第2の位置に向かって回動させる。
回転蓋体の内側面71bが稜線Aに接触した後、稜線A
は、内側面71bが、接触点と枢着軸11aとを結ぶ面の前方
において90度を越え180度に満たない角度範囲に維持さ
れるよう形成,配置されている。
第3図の装着位置において、開蓋係合面12aの後端で
ある稜線Aと内側面71bとの当接によって、開蓋状態が
維持される。換言すれば、稜線Aのレベルが、装着状態
における回転蓋体71の内側面71aのレベルを規定する。
このとき、開蓋部材10の第1の位置から第2の位置への
回動角度が変化すると、稜線のレベルが変化する、稜線
Cは装着位置において回転蓋体71の内側面71dに当接し
て、開蓋部材10の第1の位置から第2の位置への回動角
度を規定する。
回転蓋体71の回動動作の初期段階及び最終段階、詳述
すれば、当接部71aが開蓋係合面12aの拡幅部12a′と係
合する前、及び回転蓋体の内側面71bが稜線Aと接触し
た後においては、開蓋係合面12aの狭幅部と係合してい
る。稜線AとBとの間の全領域に亙って、開蓋係合面12
aの幅方向寸法を幅広くして、開蓋動作の全工程におい
て、幅方向のより長い寸法に亙って当接部71aを開蓋係
合面12aと接触させることが望ましいが、それはカセッ
トの構造上の制約(カセットの各部の規格寸法形状)か
ら実際には困難である。詳述すれば、回転蓋体71はカセ
ットの開口部の幅方向の両側部に近接して配置されたブ
ロックに枢着されており、もしも稜線AとBとの間の全
領域に亙って、開蓋係合面12aの幅方向の寸法を拡幅し
た場合には、開蓋部材の装置への位置決めが極めて精密
に行われないと、開蓋動作の初期段階において、開蓋係
合面12aがブロックと衝突するからである。しかしなが
ら、図示の実施例では、前述のように、回転蓋体71が開
蓋方向に回転し始めた直後に当接部71aが拡幅部12a′に
接触するよう、拡幅部12a′を設けることにより、当接
部71aと開蓋係合面12aとの脱係合を実質的に排除でき
る。また、開蓋動作の最終段階においては、カセット70
に基準ピン,リール軸等が挿入され、カセット70がホル
ダ24内で開蓋部材10から遠ざかる方向に移動することは
ないので、稜線Aの部分が拡幅されている必要はない。
押し戻し係合面12bは、本願の特徴とは直接関係がな
いので、その動作の説明は省略する。
以上に、本考案の好ましい実施例について詳述した
が、本考案は上述の実施例に限定されるものではなく、
本考案の技術思想を逸脱する事なく様々な変形が可能で
ある。
例えば、上述の実施例においては、カセット70をホル
ダ24内に挿入した後、ホルダ24を押し下げた際、回転蓋
体71の当接部71aが開蓋部材10の開蓋係合面12aの狭幅部
分に係合するものとして説明したが、開蓋係合面12aの
全体に亙って拡幅しても良い。この場合カセット70の装
着動作の際にブロックの移動経路と重ならないよう、開
蓋部材10の装置への取り付けに際して、より厳密な位置
決めが必要となる。
また開蓋部材10は、装置に回動可能に枢着せず、第5
図に示されているように、装置に固定しても良い。この
変形例では開蓋部材10は、開蓋係合面12a、押し戻し係
合面12b、第3の面12c及び第4の面12dを有し、開蓋係
合面12aの前方部分に幅方向の拡幅部分12a′が形成され
ている。この変形例においては、ホルダ24に正しく挿入
されたカセット70における回転蓋体の当接部71aが装着
動作において移動する移動経路の後方限界位置を規定す
るよう、頂部稜線Aを位置決めして、開蓋部材10を装置
に固定する。
また、本考案の開蓋部材は、装着動作においてホルダ
が併進運動する装置にも適用できることは明らかであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図aは、本考案の一実施例による開蓋部材の側面
図、 第1図bは、第1図の開蓋部材の平面図、 第2図〜第4図は、第1図の開蓋部材が、装置20に装着
された状態の側面図であって、 第2図はカセット70が挿脱位置にある状態を、 第3図は装着動作が完了して,回転蓋体71が開蓋された
状態を、 第4図はその中間の状態を示し、 第5図は、開蓋部材の変形例を示す側面図である。 符号の説明 10:開蓋部材、11:枢着部分、12:係合部分、12a:開蓋係
合面、12a′:拡幅部、12b:押し戻し係合面、12c:第3
の面、12d:第4の面、12e:第5の面、A:頂部稜線、B:前
端部稜線、C:後端部稜線、13:回動制限部分、13a:ピ
ン、20:記録・再生装置、21:ストッパ、21a,21b:一対の
脚部、21′:ストッパ、22:枢軸、23:ベース板、24:カ
セットホルダ、70:テープカセット、71:回転蓋体、71a:
当接部、71b:内側面、71c:枢着軸線、71d:他の内側面、
71e:更に他の内側面、72:カセット本体。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録・再生装置に装着される装着部分(1
    1)と、装着動作の過程においてカセットの回転蓋体と
    係合する開蓋係合面(12a)を設け、上記開蓋係合面の
    前端部側に回転蓋体の回転軸の配向方向の内側に向かっ
    て拡幅された拡幅部分(12a′)を設けたことを特徴と
    するカセットの回転蓋体用開蓋部材。
JP9488688U 1988-07-18 1988-07-18 カセットの回転蓋体用開蓋部材 Expired - Lifetime JP2516003Y2 (ja)

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