JP2515533B2 - 蛋白の定量方法 - Google Patents

蛋白の定量方法

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JP2515533B2
JP2515533B2 JP62039580A JP3958087A JP2515533B2 JP 2515533 B2 JP2515533 B2 JP 2515533B2 JP 62039580 A JP62039580 A JP 62039580A JP 3958087 A JP3958087 A JP 3958087A JP 2515533 B2 JP2515533 B2 JP 2515533B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は生体試料、特に血清、血漿、尿などのヒト体
液中の蛋白を抗原抗体反応を利用した免疫学的測定法に
より効果的に測定する方法に関する。
[従来の技術] 体液中の各種蛋白の含有量を測定することは種々の疾
患の診断や、治療経過を調べる上で重要な手がかりとな
る。体液中の蛋白を測定する方法に関しては、近年その
進歩にめざましいものがあり、測定方法もSRID法,レー
ザー比朧法、比濁法,RIA法,EIA法,ラテックス凝集法等
多くの方法が開発され、実用化されている。特に最近で
はレーザーネフェロメーターや、多項目の生化学的測定
を対象に開発された自動分析装置で短時間に行う方法が
開発され、普及しつつある。しかしながらこれらの測定
に使用する抗体は、通常動物に免疫をして得たポリクロ
ーナル抗体である為、抗原抗体反応による凝集度が高
く、濁りの度合が強過ぎるので、測定前に予め検体血清
を10〜30倍、また場合によっては100〜300倍に希釈して
測定することが必要であった(以下、この方法を希釈PC
A法と略称する。)。
ポリクローナル抗体のみを用いて予め検体を希釈せず
に免疫グロブリンを測定する例(以下、この方法を直接
PCA法と略称する。)もあるが、この場合は試料のサン
プリング量の制約や、測定する波長が限定される等の制
約がある。例えば、免疫グロブリンG(IgG)を例に取
れば、試料(血清)のサンプリング量は3〜5μで行
い、しかも反応後の濁度が強い為、測定は600nm以上の
長波長で行う事が必要となる。更に測定に使用するポリ
クローナル抗体の量は1検体当り約1mgという従来の希
釈PCA法に比べて約10倍量もの抗体が必要となり、1検
体当りのコストが高くなって経済上問題となる。
一方、モノクローナル抗体(単クローン性抗体)のみ
を用いて免疫グロブリンを測定する例としては、公知文
献であるクリニカル ケミストリー 27巻、2044−2047
頁(1981年)にモノクローナル抗体を使用した免疫グロ
ブリンの定量法に関する記載がある。しかしここで述べ
られていることは要約すれば、モノクローナル抗体は単
独で用いた場合には抗原抗体反応による濁りが認められ
ず、複数のモノクローナル抗体を組み合せて用いること
により初めて測定に適用できるというものであり、単に
ポリクローナル抗体と置き換え得るものとしてモノクロ
ーナル抗体の使用を検討しているに過ぎず、これを積極
的に用いることにより新たな効果を引き出そうとしてい
るものではない。従って、当然のことながら、この場合
の検体は従来通り希釈したものが用いられている。
これらの従来技術に対し、本発明者の一部らはモノク
ローナル抗体のみを用い、且つ検体を予め希釈すること
なく血清中の免疫グロブリンを測定する方法(以下、直
接MCA法と略称する。)を先に見出し、特許出願してい
る(特開昭60−237363号公報)。この方法は、単独で用
いても抗原と反応して濁りを生ずるモノクローナル抗体
を単独又は2種以上組み合わせて用いることにより試料
(血清)を希釈することなく測定する方法であり、希釈
PCA法、直接PCA法等従来法の有する問題点を一挙に解決
した優れた方法である。
しかしながら、モノクローナル抗体のみを用いたこの
方法では、抗原抗体複合物を凝集させる為に、高濃度の
凝集促進剤(ポリエチレングリコール、多糖類等)の使
用が余儀なくされるので、血清によってはその成分の一
部が反応促進剤により非特異的な凝集を起こし、測定値
に影響を与える虞もあり、改善の余地が残されていた。
また、この方法を短時間の反応(反応時間が2.5〜10分
程度)で測定することを前提とした生化学自動分析装置
に適用した場合には、低濃度での抗原抗体複合物の凝集
がその反応時間内では充分でなく、正確な測定値を得る
為の適度の濁りが形成されず、低濃度域での測定精度に
問題が生じる場合もあることが新たに明らかとなった。
[問題点を解決するための手段] かかる問題点を解決する為、本発明は下記の構成から
成る。
抗原抗体反応により生成する抗原抗体複合物に光を照
射し、該抗原抗体複合物に由来する光学的変化を比朧法
又は比濁法により測定することにより生体試料中の蛋白
を定量する方法に於て、生体試料を希釈せずにそのまま
使用し、測定対象蛋白に対する抗体として、該蛋白に対
するモノクローナル抗体1種以上と該蛋白に対するポリ
クローナル抗体とを組み合わせて用いて該定量を行うこ
とを特徴とする生体試料中の蛋白の定量方法。
即ち、本発明者らは上記問題点を解決すべく鋭意研究
の結果、モノクローナル抗体(MCA)とポリクローナル
抗体(PCA)とを適宜組み合わせて用いることにより意
外にも、PCAのみ或はMCAのみを用いて測定法を組み立て
た場合の問題点、即ち直接PCA法の場合は多量の抗体が
必要となり、形成される濁度も必要以上に高く測定時に
試料のサンプリング量を最小限(3〜4μ)にしなけ
ればならない点や、測定波長として600nm以上で行わな
ければならない等の制約、また直接MCA法の場合には、
短時間では抗原抗体複合物の凝集の程度が低い為その凝
集を促進する目的で多量の反応促進剤を使用しなければ
ならない点、及び多量の反応促進剤を使用する為に、血
中成分の一部が非特異的凝集を起こし測定値に影響を与
える虞がある点、更には直接MCA法により測定を行う場
合、低濃度での濁度形成が不充分な為に低濃度域での測
定精度が低下するという点等、従来の技術では解決出来
なかった数多くの問題点が一挙に解決し得ることを見出
し、本発明を完成するに致った。
本発明の方法によりモノクローナル抗体の1種又は2
種以上とポリクローナル抗体とを適宜組み合わせて用い
れば、検体の希釈をする必要がなく、また多量の反応促
進剤を用いることもなく、低濃度から高濃度迄適度な濁
度が得られる。従って、反応促進剤の量は通常希釈PCM
法で使用される、1〜4%の範囲で充分であり、直接MC
A法で使用される濃度である5〜10%に比べて大巾に低
減が可能となる。その結果血中成分の一部が非特異的凝
集を起こし、測定値に影響を与えるといったようなこと
も回避され、正確な測定が可能となった。更に使用する
ポリクローナル抗体の使用量は、直接PCA法の場合の1/5
〜1/10に低減が可能で、直接PCA法に比べて経済性が改
善でき、更に濁度も直接PCA法の様に強過ぎることもな
く、適度な濁度に調整可能となり、測定波長は通常生化
学自動分析装置で汎用される340〜700nmの任意の波長を
選ぶことができ、試料のサンプリング量も生化学自動分
析装置で通常汎用される5〜10μでの測定が可能とな
った。
以上述べた如く、本発明の方法によれば体液中の蛋白
を予め希釈することなく、またサンプリング量や測定波
長で特定の制約を受けることもなく、生化学分析を主体
とした自動分析装置へ適用可能となり、迅速に低濃度か
ら高濃度迄正確な測定が可能となった。
本発明の定量方法を比濁法で行う場合は、既存の自動
分析装置や分光光度計が使用でき、波長としては好まし
くは340〜800nmの範囲であるが特に限定されるものでは
ない。また本発明の定量方法を比朧法で行う場合は、現
在普及しているレーザー光源を使用したもの等が利用で
きるが、本発明は光源及び検出方法によって特に限定さ
れるものではない。
測定に使用する緩衝液としてはトリス緩衝液、リン酸
緩衝液、ベロナール緩衝液、ホウ酸緩衝液等通常抗原抗
体反応を利用した測定法に用いられている緩衝液は全て
使用でき、pHは抗原抗体反応を阻害しない範囲であれば
特に限定されないが、通常6.0〜9.0の範囲が好ましく用
いられる。
本発明で用いられるモノクローナル抗体は、常法、即
ちケラー、ミルスタイン〔G.Khler and C.Milstein:N
ature,256,495(1975)〕により確立された細胞融合法
に従い、マウスの腫瘍ラインからの細胞と、測定対象の
ヒト蛋白で予め免疫されたマウスの脾細胞とを融合させ
てモノクローナルハイブリドーマを作製し、該ハイブリ
ドーマから産生されるモノクローナル抗体を常法により
採取すればよい。
本発明の定量方法で用いられるモノクローナル抗体の
種類、及び数は限定されるものではなく、必要な感度に
合わせて1種或は2種以上が適宜選択され用いられる。
また、モノクローナル抗体と組み合わせて使用するポリ
クローナル抗体の種類(動物の種類)、由来等は特に限
定されるものではなく、測定対象に応じて適度な濁りを
生ずるものを適宜選択してモノクローナル抗体と組み合
わせて用いれば足りる。
モノクローナル抗体の使用量は特に限定されるもので
はないが、通常測定試薬としての抗体溶液1ml中当り0.0
5〜5mgの濃度範囲で用いられる。ポリクローナル抗体の
使用量についても特に限定されるものではないが、通常
抗体溶液1ml中当り0.01〜0.8mgの濃度範囲で用いられ、
モノクローナル抗体とポリクローナル抗体の組み合わせ
の割合は通常モノクローナル抗体1に対してポリクロー
ナル抗体0.02〜0.4の比率で用いられる。
本発明の方法により測定可能なヒト体液中の蛋白とし
ては例えば、免疫グロブリンG(IgG)、免疫グロブリ
ンA(IgA)、免疫グロブリンM(IgM)、補体C3、トラ
ンスフェリン、ハプトグロビン、α−アンチトリプシ
ン、アルブミン、アポリポ蛋白A I、アポリポ蛋白A I
I、α−マクログロブリン等が挙げられる。
以下に参考例及び実施例を挙げて本発明を更に詳細に
説明するが、本発明はこれら参考例、実施例により何ら
限定されるものではない。
[実施例] 参考例1.モノクローナル抗IgG抗体及びこれを産生する
ハイブリドーマの作製 (1)免疫 ヒトIgG100μgを溶解した0.15M塩化ナトリウム溶液
0.1mlとフロイントコンプリートアジュバント0.1mlを混
合してエマルジョン抗原液とし、その0.2mlをBALB/cマ
ウス(雌、6週齢)の腹腔内に投与した。4週後、ヒト
IgG100μgを0.15M塩化ナトリウム溶液0.2mlに溶解し、
尾静脈に注射した。
(2)細胞融合 最終免疫より3日後、免疫マウスの脾臓を摘出し、10
mlのRPMI−1640の培地を入れたプラスチックシャーレ中
で、脾リンパ球をほぐし、脾リンパ球を遠心操作(1000
回転、10分)を繰返してRPMI−1640培地で3回洗浄し
た。脾リンパ球1×108個とマウス骨髄腫細胞P3−NS1−
1 1×107個を試験管中で混合し、遠心操作で沈殿と
した。上清を吸引除去した後沈殿をかるくほぐした。50
%ポリエチレングリコール(平均分子量6,000)1mlをほ
ぐした沈殿に加え、試験管をまわしながら室温で1分間
融合反応を行った。その後30秒毎にRPMI−1640培地1ml
を5分間加え反応を停止した。直ちに遠心分離(1000回
転、5分)し、上清を除き、フィーダー細胞を1×106/
ml、FCS(牛胎児血清)を20%含むRPMI−1640培地50ml
中に細胞を懸濁した。24穴プレート2枚に細胞懸濁液を
1穴当り1ml分注しCO2インキュベーター内で培養した。
24時間後、HAT培地(ヒポキサンチン1×10-4M、アミ
ノプテリン4×10-7M、チミジン1.6×10-5Mを含む20%F
CS添加RPMI−1640培地)を1穴当り1mlずづ加えた。2
日目、3日目更に2日毎に培地の半量をHAT培地に交換
した。10日目に培地の半量を上記のHAT培地よりアミノ
プテリンを除いたHT培地で交換した。翌日から2日毎に
通常の培地、即ち10%FCS添加RPMI−1640倍地に半量ず
つ交換し、18日目の培養上清を抗IgG抗体産生の検定に
供した。
(3)ハイブリドーマの選択 抗IgG抗体産生ハイブリドーマ選択の為に48穴の各細
胞培養上清をELISAにて分析した。まずELISA用96穴プレ
ートにIgGを10μg/mlの濃度で0.1mlずつ分注し、4℃、
16時間静置してヒトIgGをプレートに固定した。Tween20
(ノニンオン系界面活性剤、アトラス社商品名)を0.05
%含む10mMリン酸緩衝液pH7.4(洗浄液)で3回洗浄し
た後、培養上清中の蛋白質の非特異的吸着を避ける為
に、1%牛血清アルブミン溶液を0.2mlずつ分注し、37
℃、2時間静置した。次に洗浄液で3回洗浄後細胞培養
上清を0.1ml分注し、37℃、2時間静置した。陰性対照
として20%FCS添加RPMI−1640培地を0.1ml分注した。更
に洗浄液で3回洗浄後、ペルオキシダーゼ標識抗マウス
免疫グロブリン抗体溶液0.1mlを分注し、37℃、2時間
静置した。洗浄液で3回洗浄後0.4%オルトフェニレン
ジアミン溶液0.1mlを分注し、室温で2分反応後6N硫酸
0.05mlを加え反応を停止させ、OD490nmを測定した。陰
性対照の2倍以上のODを示す培養上清中で増殖している
ハイブリドーマを抗IgG抗体産生ハイブリドーマとして
選択した。48穴中3穴に抗IgG抗体産生を認めた。
(4)単クローン化 BALB/cマウス(雌、6週齢)の胸腺を摘出し、10mlの
RPMI−1640培地をいれたプラスチックシャーレ中で胸腺
リンパ球をほぐした。胸腺リンパ球を遠心操作(1000回
転、10分)を繰返しRPMI−1640培地で3回洗浄した。胸
腺リンパ球を20%FCS添加、RPMI−1640培地50mlに浮遊
させた。この浮遊液に抗IgG抗体産生ハイブリドーマ500
個/mlの溶液0.1mlを加え、よく混合後、96穴培養プレー
トに1穴当り0.2mlずつ分注し10日間、CO2インキュベー
ター内で培養した。細胞増殖の認められる培養上清をEL
ISAにて分析の結果、抗IgG抗体産生ハイブリドーマ7ク
ローンを得た。このうちの1クローンを更に同上操作を
行い、抗IgG抗体産生ハイブリドーマ6クローンを得、
単クローン化を完全なものとした。
(5)モノクローナル抗体の作製 (4)までの操作で得られたクローンG−2−32×10
6個をRPMI−1640培地0.2mlに浮遊させ、BALB/cマウス
(雄、6週齢)の腹腔内に投与し、所定日数経過後、腹
水を回収した。腹水4mlに飽和硫安溶液を徐々に加え、
最終硫安飽和濃度を50%とし、室温で2時間攪拌した
後、遠心操作(3000回転、10分)で沈殿を回収し、生理
食塩水5mlを加え溶解した。これを生理食塩水で10倍ず
つ段階希釈してゆきELISAにて分析し、抗体活性の認め
られる希釈倍数を求めたところ、106であった。尚、マ
ウスIgG含量(抗体の力価の目安)を抗マウスIgGのウサ
ギ血清を含有するアガロースプレートにより測定(SRID
法)したところ23mg/mlであった。
(6) (4)までの操作で得られたクローンG−3
について(5)と同様の操作を行いモノクローナル抗体
5mlを得た。また、(5)と同様の方法で抗体活性及び
マウスIgG含量を求めたところ、抗体活性は106、マウス
IgG含量は22mg/mlであった。
(7) (4)までの操作で得られたクローンG−5
について(5)と同様の操作を行いモノクローナル抗体
5mlを得た。また、(5)と同様の方法で抗体活性及び
マウスIgG含量を求めたところ、抗体活性は105、マウス
IgG含量は20mg/mlであった。
参考例2.モノクローナル抗IgA抗体及びこれを産生する
ハイブリドーマの作製 ヒトIgA 200μgを溶解した0.15M塩化ナトリウム溶
液0.1mlとフロイントコンプリートアジュバント0.1mlを
混合してエマルジョン抗原液とし、その0.2mlを、BALB/
cマウス(雄、5週齢)の腹腔内に投与した。4週後、
ヒトIgA100μgを0.15M塩化ナトリウム溶液0.2mlに溶解
し、尾静脈に注射した。以後参考例1の(2)〜(4)
の操作を行い抗IgA抗体産生ハイブリドーマ5クローン
を得た。更に参考例1の(5)の操作を行い抗IgAモノ
クローナル抗体5種類(A−2,A−37,A−64,A−206,A−
215)を得た。各クローンの抗体活性及びマウスIgG量
(抗体の力価の目安)は表1の通りであった。
参考例3.モノクローナル抗ヒトC3抗体及びこれを産生す
るハイブリドーマの作製 ヒトC3 50μgを溶解した0.15M塩化ナトリウム溶液0.
1mlとフロイントコンプリートアジュバント0.1mlを混合
してエマルジョン抗原液とし、その0.2mlを、BALB/cマ
ウス(雌、6週齢)の腹腔内に投与した。3週後、ヒト
C3 100μgを0.15M塩化ナトリウム溶液0.2mlに溶解し、
尾静脈に注射した。
以後参考例1の(2)〜(4)の操作を行い、抗ヒト
C3抗体産生ハイブリドーマ4クローンを得た。更に参考
例1の(5)の操作を行い抗ヒトC3モノクローナル抗体
4種類(C3−1,C3−7,C3−9,C3−10)を得た。各クロー
ンの抗体活性及びマウスIgG量(抗体の力価の目安)は
表2の通りであった。
参考例4.モノクローナル抗ヒトトランスフェリン抗体及
びこれを産生するハイブリドーマの作製 ヒトトランスフェリン100μgを溶解した0.15M塩化ナ
トリウム溶液0.1mlとフロイントコンプリートアジュバ
ント0.1mlを混合してエマルジョン抗原液とし、その0.2
mlを、BALB/cマウス(雌、6週齢)の腹腔内に投与し
た。3週後、ヒトトランスフェリン100μgを0.15M塩化
ナトリウム溶液0.2mlに溶解し、尾静脈に注射した。
以後参考例1の(2)〜(4)の操作を行い、抗ヒト
トランスフェリン抗体産生ハイブリドーマ4クローンを
得た。更に参考例1の(5)の操作を行い抗ヒトトラン
スフェリンモノクローナル抗体4種類(TF−1,TF−2,TF
−3,TF−5)を得た。各クローンの抗体活性及びマウス
IgG量(抗体の力価の目安)は表3の通りであった。
実施例1.モノクローナル抗体とポリクローナル抗体を用
いたヒト血清IgGの測定 試薬:次の各試薬を調製した。
緩衝液(R1) ポリエチレングリコール6000 2.5g 0.1Mトリス塩酸緩衝液,pH7.4 100ml 抗体溶液(R2) 参考例1で得たモノクローナル抗体G−5 2ml ポリクローナル抗体(牛、5mgAb/ml) 1ml 上記緩衝液((R1) 20ml 試料:次の各ヒト血清を使用した。
IgG含量400,800,1200,1600,2000又は3000mg/dlのヒト
血清。
使用機器:日立705型自動分析装置 パラメータ設定条件:表4に示す条件で設定した。
操作法:日立705型自動分析装置を上記条件でパラメー
タ設定して常法により測定操作を行った。
結果:得られた吸光度(OD)を横軸の各IgG量(mg/dl)
に対して縦軸にプロットして得た検量線を第1図に示
す。
比較例1. 実施例1で用いた抗体溶液からポリクローナル抗体の
みを除いたものを抗体溶液として用いた以外は実施例1
と同一条件で測定して得た結果を実施例1と同様にして
第2図に示す。
第1図から明らかな如く、本発明の方法により得られ
た検量線は、低濃度から高濃度まで良好な直線性を示し
ていた。一方、モノクローナル抗体のみを抗体として用
いた比較例1の場合には、第2図から明らかな如く、低
濃度(1000mg/dl以下)では殆ど濁度が得られず、また
それ以上の濃度に於ても検量線に直接性のないことが判
った。
実施例2.モノクローナル抗体とポリクローナル抗体を用
いたヒト血清IgAの測定 試薬:次の各試薬を調製した。
緩衝液(R1) ポリエチレングリコール6000 4 g 塩化ナトリウム 0.8g 0.05Mリン酸緩衝液,pH7.2 100 ml 抗体溶液(R2) 参考例2で得たモノクローナル抗体A−37 0.4ml 参考例2で得たモノクローナル抗体A−64 0.5ml ポリクローナル抗体(羊、3mgAb/ml) 0.5ml 上記緩衝液(R1) 10 ml 標準血清 IgA含量740mg/dlの標準血清を使用した。
試料:ヒト血清15検体を使用した。
使用機器:日立736型自動分析装置 パラメータ設定条件:表5に示す条件で設定した。
操作法:日立736型自動分析装置を上記条件でパラメー
タ設定して常法により測定操作を行った。
比較例2. 実施例2で用いた抗体溶液からポリクローナル抗体の
みを除いたものを抗体溶液として用いた以外は実施例2
と同一条件で同一試料を測定した。
参考例5. 実施例2で用いた試料についてSRID法キット(ヘキス
ト・ジャパン製)を用いてIgA濃度の測定を行った。
実施例2、比較例2及び参考例5により得られた結果
を表6に併せて示す。
表6から明らかな如く、本発明の方法で得られた測定
値はSRID法によるそれと低濃度から高濃度まで良い相関
を示していることが判る。また、モノクローナル抗体の
みを抗体として用いた比較例2の場合はIgA量100mg/dl
以下の検体での測定値が低い。即ち、反応が充分進行し
ておらず、低濃度(100mg/dl以下)の濁度の形成が不充
分な為に測定値がSRID法に比べて低値に測定されている
ことが判る。
実施例3.モノクローナル抗体とポリクローナル抗体を用
いたヒト血清C3の測定 試薬:次の各試薬を調製した。
緩衝液(R1) ポリエチレングリコール6000 3.5g 塩化ナトリウム 0.9g 10mMベロナール緩衝液,pH7.5 100 ml 抗体溶液(R2) 参考例3で得たモノクローナル抗体C3−1 0.2ml 参考例3で得たモノクローナル抗体C3−7 0.2ml ポリクローナル抗体(兎、2mgAb/ml) 1 ml 上記緩衝液(R1) 50 ml 試料:次の各ヒト血清を使用した。
C3含量20,40,80,120,160,200又は240mg/dlのヒト血
清。
操作法:試験管に試料をそのまま20μをとり、これに
抗体溶液2mlを添加して37℃で10分間反応させた後、分
光光度計で層長10mm、波長505nmに於ける吸光度を測定
した。
比較例3. 実施例3で用いた抗体溶液からポリクローナル抗体の
みを除いたものを抗体溶液として用いた以外は実施例3
と同一条件で同一試料を測定した。
実施例3及び比較例3により得られた結果を併せて第
3図に示す。ここで−●−は実施例3により得られた測
定結果を、−○−は比較例3により得られた測定結果を
示し、夫々横軸の各C3量(mg/dl)について得られた吸
光度(OD)を縦軸に沿ってプロットした点を結んだもの
である。
第3図から明らかな如く、モノクローナル抗体とポリ
クローナル抗体を組み合わせて用いた実施例3の場合、
C3量20〜240mg/dlの範囲で検量線は直線性を示し、C3低
濃度から高濃度の広い範囲で良好な定量性を示すが、モ
ノクローナル抗体のみを用いた比較例3の場合は、C3低
濃度域での定量性が著しく悪く、充分な濁度が形成され
ていないことが判る。
実施例4.モノクローナル抗体とポリクローナル抗体を用
いたヒト血清トランスフェリンの測定 試薬:次の各試薬を調製した。
緩衝液(R1) ポリエチレングリコール6000 3 g 塩化ナトリウム 0.9g 0.05Mホウ酸緩衝液,pH7.4 100 ml 抗体溶液(R2) 参考例4で得たモノクローナル抗体TF−2 1ml 参考例4で得たモノクローナル抗体TF−5 1ml ポリクローナル抗体(山羊、3.4mgAb/ml) 1ml 上記緩衝液(R1) 50ml 試料:次の各ヒト血清を使用した。
トランスフェリン含量50,100,200,300,400,600又は80
0mg/dlのヒト血清。
操作法:レーザーネフェロメーターZD−801(和光純薬
工業(株)製)用キュベットに試料をそのまま10μと
り、これに抗体溶液500μを添加して室温で15分間反
応させた後、レーザーネフェロメーターZD−801で、波
長633nmに於ける光散乱強度を測定した。
比較例4. 実施例4で用いた抗体溶液からポリクローナル抗体の
みを除いたものを抗体溶液として用いた以外は実施例4
と同一条件で同一試料を測定した。
比較例5. 実施例4で用いた抗体溶液からモノクローナル抗体の
みを除いたものを抗体溶液として用いた以外は実施例4
と同一条件で同一試料を測定した。
実施例4、比較例4、及び比較例5により得られた結
果を第4図に併せて示す。ここで−●−は実施例4によ
り得られた測定結果を、−○−は比較例4により得られ
た結果を、−×−は比較例5で得られた結果を示し、夫
々横軸の各トランスフェリン量(mg/dl)について得ら
れた光散乱強度(mV)を縦軸に沿ってプロットした点を
結んだものである。
第4図から明らかな如く、モノクローナル抗体とポリ
クローナル抗体を組み合わせて用いた実施例4の場合は
トランスフェリン量と光散乱強度はほぼ比例的に増加す
るが、モノクローナル抗体のみを用いた比較例4の場
合、トランスフェリン量の低い試料(50,100,200mg/d
l)では濁度の形成が殆ど起こらなかった。
またポリクローナル抗体のみを用いた比較例5の場合
は、トランスフェリン量100mg/dl以上で抗原過剰による
濁度形成の抑制が起こり、濁度低下が起こったことが判
る。
[発明の効果] 以上述べた如く、本発明は、血清、血漿、尿等ヒト体
液中の蛋白を抗原抗体反応を利用した免疫学的測定法に
より効果的に判定する方法を提供するものであり、本発
明の方法によれば、 (1)試料の希釈せずにそのまま測定に供することがで
きるので、希釈操作に伴う煩雑さ及び誤差を排除でき
る。
(2)ポリエチレングリコール等の凝集促進剤を大量に
使用する必要がないので、不所望の非特異的凝集反応が
起こることもなく、それにより測定値が影響を受けるこ
ともない。
(3)低濃度から高濃度まで広い濃度域に於て精度の高
い測定を行うことができる。
(4)同一試料について多項目の測定を行う自動分析装
置への適用が極めて容易である。
等の点に顕著な効果を奏するものであり、斯業に貢献す
るところ甚だ大なる発明である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1に於て得られた検量線を表わし、横
軸の各IgG量(mg/dl)について得られた吸光度(OD)を
縦軸に沿ってプロットした点を結んだものである。 第2図は、比較例1に於て得られた検量線を表わし、横
軸の各IgG量(mg/dl)について得られた吸光度(OD)を
縦軸に沿ってプロットした点を結んだものである。 第3図は実施例3及び比較例3に於て得られた検量線を
表わし、横軸の各C3量(mg/dl)について得られた吸光
度(OD)を縦軸に沿ってプロットした点を結んだもので
ある。但し、−●−は実施例3に於て得られた結果を、
また−○−は比較例3に於て得られた結果を示す。 第4図は実施例4、比較例4及び比較例5に於て得られ
た検量線を表わし、横軸の各トランスフェリン量(mg/d
l)について得られた光散乱強度(mV)を縦軸に沿って
プロットした点を結んだものである。但し、−●−は実
施例4に於て得られた結果を、また−○−は比較例4に
於て得られた結果を、また、−×−は比較例5に於て得
られた結果を夫々示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−163565(JP,A) 特開 昭61−40568(JP,A) 特開 昭61−202162(JP,A) 特開 昭60−237363(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抗原抗体反応により生成する抗原抗体複合
    物に光を照射し、該抗原抗体複合物に由来する光学的変
    化を比朧法又は比濁法により測定することにより生体試
    料中の蛋白を定量する方法に於て、生体試料を希釈せず
    にそのまま使用し、測定対象蛋白に対する抗体として、
    該蛋白に対するモノクローナル抗体1種以上と該蛋白に
    対するポリクローナル抗体とを組み合わせて用いて該定
    量を行うことを特徴とする生体試料中の蛋白の定量方
    法。
  2. 【請求項2】モノクローナル抗体がマウスの腫瘍ライン
    からの細胞と、測定対象のヒト蛋白で予め免疫されたマ
    ウスの脾細胞との融合により形成されたハイブリドーマ
    より産生されるモノクローナル抗ヒト該蛋白抗体である
    特許請求の範囲第1項に記載の定量方法。
  3. 【請求項3】ポリクローナル抗体が測定対象蛋白を免疫
    して得た、兎、山羊、羊、馬、牛から得たポリクローナ
    ル抗体である特許請求の範囲第1項又は第2項に記載の
    定量方法。
  4. 【請求項4】光学的変化量が光散乱強度の変化量であ
    る、特許請求の範囲第1項から第3項のいずれかに記載
    の定量方法。
  5. 【請求項5】光学的変化量が透過光量の変化量である特
    許請求の範囲第1項から第3項のいずれかに記載の定量
    方法。
  6. 【請求項6】測定対象が免疫グロブリンG(IgG)、免
    疫グロブリンA(IgA)、免疫グロブリンM(IgM)、補
    体C3、トランスフェリン、ハプトグロビン、α−アン
    チトリプシン、アルブミン、アポリポ蛋白A I、アポリ
    ポ蛋白A II又はα−マクログロブリンである特許請求
    の範囲第1項から第5項のいずれかに記載の定量方法。
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