JP2515495B2 - 中性紙の製方 - Google Patents

中性紙の製方

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は成紙の強度を大幅に向上せしめるとともに、
製紙原料中の微細繊維や炭酸カルシウム填料及びその他
の添加材の歩留りを増大せしめて、白水の清澄化を可能
ならしめる新規な中性紙の製造方法に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
製紙工程に使用する製紙用添加材としては成紙の筆記
性や耐水性を向上せしめるサイズ剤、成紙強度を高める
紙力増強剤、填料や微細繊維の歩留りを向上する歩留向
上剤、抄紙ワイヤー上での水切れを促進する濾水剤等、
各種の添加剤が使用されて来た。
前記した添加剤において、例えば、紙力増強剤や歩留
向上剤としては、一般に水溶性高分子物質、具体的には
澱粉及び変性澱粉、セルロース誘導体等の水溶性天然高
分子物質、ポリアクリルアミド及びその誘導体、ポリビ
ニルアルコール及びその誘導体、ポリエチレンイミン、
ポリアミドポリアミン−エピクロルヒドリン樹脂、スチ
レン−マレイン酸系樹脂及びその他の各種水溶性ポリマ
ーが使用されている。
しかしながら、前記した各種の製紙用添加剤には、製
紙技術の高度化により多くの課題がなげかけられている
のが現状である。
例えば、製紙工程、特に印刷用紙や筆記用紙の製紙工
程においては、成紙の白色度や不透明度を向上させ、か
つ原料コストを低下せしめる等の目的で填料を添加する
ことが行われているが、成紙中の填料含有量が多くなる
と成紙強度が低下するという問題があり、その解決が迫
らせている。
また、印刷物の長期保存性の観点から、硫酸バンドを
使用せず、かつ填料として炭酸カルシウムを使用して中
性ないし弱アルカリ性のpH領域で抄紙することによって
得られるいわゆる中性紙の要望が強くなり、製紙工場に
於いても硫酸バンドを多用した従来の酸性抄紙から中性
抄紙への転換が盛んに行われている。しかしながら、前
記中性抄紙に使用する中性抄紙添加剤の効果は、未だ不
充分であり、その改良が強く望まれている。
これらの課題に対して、いろいろな解決策が提案され
ているが、最近の特許をみるとカチオン性澱粉及び/又
はカチオン性或いは両性のグァーガムとコロイド状硅酸
からなるバインダーを製紙用添加剤として使用する製紙
方法が提案されている(特開昭57−51900号、公表昭58
−502004号)。
しかしながら、前記提案の製紙方法は、カチオン性も
しくは両性の天然高分子物質とコロイド状硅酸とを併用
するものであるが、成紙強度の向上、填料の歩留り向上
等の効果において十分に満足し得るものではない。
前記したように、製紙用添加剤の性能に対する要求
は、原料パルス事情の悪化、例えば故紙再生パルプの使
用の増加や抄紙用水の水質の低下等に伴って、益々厳し
くなり、より一層、効果的な製紙用添加剤の開発が望ま
れている。
特に、中性抄紙に使用する製紙用添加剤の効果は未だ
満足できるものではなく、填料として使用される炭酸カ
ルシウムの歩留り向上と紙力増加が重要な課題となって
いる。
いうまでもなく、炭酸カルシウムは、我が国で豊富に
産出されると共に、安価かつ良好な特性を有する優れた
製紙用填料であり、これを高配合することができる製紙
方法は、経済的にも工業的にも極めて有意義である。
しかしながら、炭酸カルシウム填料を多量に含有する
中性紙を得るためには、製紙原料パルプスラリー中の炭
酸カルシウムの含有量を非常に多くする必要があり、抄
紙機ワイヤー上での水切れの悪化、ワイヤーの磨耗の促
進、湿紙強度の低下による紙切れの多発など、操業上種
々の問題を惹き起こしているのが現状である。
前記した問題は、填料歩留り向上剤の使用により軽減
することができるが、その効果は未だ不充分なものであ
る。
更に、炭酸カルシウム填料の含有量が高い中性紙は、
成紙強度が引く且つ表面から填料が脱落し易く、印刷時
に各種の障害を起こし易いという問題を発生させてい
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、上記問題点を解決した炭酸カルシウ
ムを填料とする新規な製紙方法を提供することである。
より具体的には、本発明は各種の化学パルスやメカニ
カルパルプ、故紙再生パルプの外、無機或いは有機の天
然または合成繊維状物質からなるパルプ物質及びそれら
の混合物等、公知のあらゆる種類のパルプを原料とする
全ての製紙工程に適用できる製紙方法を提供しようとす
るものであるが、填料の配合が必要な抄紙工程、例えば
印刷用紙や筆記用紙に適用した場合、一層の好結果が期
待できる製紙方法、なかでも炭酸カルシウム填料を用い
る中性抄紙方法として好適な製紙方法を提供しようとす
るものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意検討を
重ねた。その結果、製紙用添加剤として特定組成を陽イ
オン性基をするアクリルアミド系ポリマーと、コロイド
状硅酸とを併用することにより、前記目的が達成し得る
ことを見出だし、本発明を完成するに至った。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明を概説すれば、本発明は、炭酸カルシウム填料
を含有する製紙原料パルプスラリーに、 (i)分子量が50万〜150万の陽イオン性基を有する
(メタ)アクリルアミドとジアルキルアミノアルキル
(メタ)アクリルアミドとのアクリルアミド系共重合
体、及び/又は分子量が50万〜150万の陽イオン性基を
有する(メタ)アクリルアミドを主成分とするアクリル
アミド系重合体のマンニッヒ反応物、及び、 (ii)コロイド状硅酸、 を添加し常法に従って抄紙、乾燥することを特徴とする
中性紙の製造方法に関するものである。
以下、本発明の具体的な構成について詳細に説明す
る。
本発明の炭酸カルシウムを填料とする中性紙の製造方
法に適用される製紙用添加剤は、前記したように、 (i)−1:分子量が50万〜150万の陽イオン性基を有す
る(メタ)アクリルアミドとジアルキルアミノアルキル
(メタ)アクリルアミド系共重合体、及び/又は、 (i)−2:分子量が50万〜150万の陽イオン性基を有す
るポリ(メタ)アクリルアミドを主成分とするアクリル
アミド系重合体のマンニッヒ反応物、から選ばれる特定
のアクリルアミド系重合体、及び、 (ii): コロイド状硅酸、 とからなるものである。
(i).前記特定とアクリルアミド系重合体について: 本発明において特徴的な点は、後述する実施例により
実証されるように、前記(i)−1成分及び/又は
(i)−2成分は、特定のアクリルアミド系重合体でな
ければならず、それ以外のものは優れた作用効果を発現
しないという点である。
前記(i)−1成分は、アクリルアミド及び/又はア
クリルアミドと陽イオン性単量体であるジアルキルアミ
ノアルキル(メタ)アクリルアミドを共重合体反応させ
ることにより調製される。
本発明において、陽イオン性単量体として、前記した
ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド以外
の共重合性モノマー、例えばモノー或いはジアルキルア
ミノアルキルアクリレート、モノー或いはジアルキルア
ミノアルキルメタクリレートなどを使用した場合、所期
の目的を達成することかができない。
前記(i)−2成分は、アクリルアミド及び/又はメ
タクリルアミドを主成分とする水溶性アクリルアミド系
ポリマーの変性において調製される。
本発明によって、前記した変性法としてマンニッヒ反
応が最も好ましいものである。例えば後述する実施例及
び比較例で実証されるように、ホフマン分解反応やポリ
アミンによるアミド交換反応などにより陽イオン性基を
導入したものは所期の目的を達成することができない。
本発明において、前記した特定のアクリルアミド系ポ
リマー中の陽イオン性基の含有量は、前記ポリマーを構
成する単量体単位に対して3モル%以上が必要である
が、陽イオン性基の種類によってその最適量が異なるこ
とがあるので、この点に配慮して決定することが望まし
い。一般的には、陽イオン性基含有量は、5〜80モル%
の範囲で好ましい結果が得られる。
本発明において、前記した特定の陽イオン性基を含有
するアクリルアミド系ポリマーの分子量は、紙力増強効
果及び歩留り向上結果の観点から10万以上、特に、50万
〜150万の分子量範囲のものが望ましい。
本発明において、前記した特定の陽イオン性基を含有
する特定の特定分子量のアクリルアミド系ポリマーの添
加量は、目的及び期待する効果の程度に応じて任意に変
更して差し支えないが、一般的には原料パルプスラリー
のパルス乾燥重量に対して0.05〜5%、好ましくは0.1
〜3%が適当である。
(ii).前記コロイド状硅酸について: 本発明に使用するコロイド状硅酸(コロイダルシリ
カ)としては、粒子径が50mμ以下のもの、特に20mμ以
下のものが好適である。
例えば、、日産化学工業(株)によりスノーテックス
の商品名で市販されている各種のものは、いずれも粒子
径が50mμ以下であり好適に使用しうる。
本発明において、前記コロイド状珪酸の添加量は、無
水硅酸(SiO2換算)重量で、原料パルプスラリーのパル
プ乾燥重量に対して0.01〜2%を使用するが、一般的に
は0.05〜0.5%の範囲が好ましい。
前記コロイド状硅酸は、併用される前記した特定の陽
イオン性基含有アクリルアミド系ポリマーとの相互作用
によって著効を発現し得るもので、それ単独では全く効
果を発現しない。それ故、その添加量は有効最小限とす
ることが望ましい。
(iii).製紙方法について: 本発明になる製紙方法において、その他の製紙用添加
剤、例えばサイズ剤などの添加は常法通りに行なうこと
ができる。
しかし、本発明になる製紙方法においては非常に高い
歩留り効果及び優れた紙力増強効果が発現されるため、
これを目的とした他の製紙用添加剤の併用はほとんど必
要でない。なお、本発明はこれら他の製紙用添加剤の併
用を何等拒むものではない。
本発明の製紙方法は、炭酸カルシウム填料を含有する
製紙原料パルプスラリーに対し、前記した特定の陽イオ
ン性基含有アクリルアミド系ポリマーとコロイド状硅酸
を添加し、常法に従って抄紙、乾燥するもので、両者の
添加は任意の順序或いは同時に行なうことができる。
(iv).両成分(前記した特定の陽イオン性基含有アク
リルアミド系ポリマーとコロイド状硅酸)の相互作用に
ついて: 本発明者らにおいて、炭酸カルシウム填料を含有する
製紙原料パルプスラリーに添加された陽イオン性基含有
アクリルアミド系ポリマーとコロイド状硅酸との相互作
用に関して、その機構は十分に解明されていない。
しかし、両者をそれぞれ単独で使用した場合と両者併
用の場合と比較において、後者が絶大な相乗効果を発現
することから、両者の相互作用の存在は疑う余地がない
ところである。現在、本発明者らは、前記相互作用を次
のように推察している。
即ち、コロイド状硅酸、特に本発明の実施に好適に使
用されるコロイド状硅酸ゾルの粒子径は、非常に微小で
あり、且つ強い陰イオン性を呈しているため、陽イオン
性基を有する物質には、ほぼ瞬間的に吸着されると考え
られる。一方、本発明で使用する前記した特定の陽イオ
ン性基を含有するアクリルアミド系ポリマーは、弱い陰
イオン性を呈する常通のパルプ繊維や填料の表面に徐々
に吸着されてその表面電荷を陽イオン性に変化させる。
本発明において、前記した両成分を原料パルプスラリ
ーに添加すると、前記した反応が同時或いは遂次に起こ
り、前記陽イオン性基含有アクリルアミド系ポリマーと
コロイド状硅酸との有機−無機複合体を介して、パルプ
繊維と填料との強固な結合が形成されるものと考えられ
る。又、コロイド状硅酸酸粒子は多価の陰イオン粒子で
あるから前記陽イオン性基含有アクリルアミド系ポリマ
ーの分子間においてイオン架橋結合して網状構造を形成
し、前記陽イオン性基含有アクリルアミド系ポリマーの
紙力増強効果を一層大幅に向上せしめ、優れた紙力増強
効果と歩留り向上効果を発現するものと推察される。
[実施例] 以下、本発明について、調製例、実施例及び比較例に
基づいて更に具体的に説明する。なお、これら調製例及
び実施例は、本発明の範囲を何ら限定するものではな
い。
[調製例1]陽イオン性単量体の共重合による陽イオン
性基を含有するアクリルアミド系ポリマーの調製例 アクリルアミドと陽イオン性単量体を所定のモル比で
含有する単量体混合物を通常の水溶液重合により共重合
し、下記第1表に記載する各種の陽イオン性基を含有す
るアクリルアミド系ポリマーの水溶液(A)〜(D)の
4種を調製した。
なお、(A)〜(D)の特徴点は、以下の通りであ
る。
(A):陽イオン性単量体として、ジメチルアミのプロ
ピルアクリルアミド(APAM)を使用した。なお、(A)
のポリマーの平均分子量は35万であり、(A)は比較例
となるものである。
(B):陽イオン性単量体として、ジメチルアミノプロ
ピルアクリルアミド(APAM)を使用した。なお、(B)
のポリマーの平均分子量は95万であり、(B)は本発明
の実施例となるものである。
(C):陽イオン性単量体として、ジメチルアミノエチ
ルメタクリレート(PM)を使用した。なお、(C)は比
較例となるものである。
(D):前記(C)の第4級化合物である。従って
(D)は前記(C)と同様に比較例となるものである。
[調製例2]ポリアクリルアミドの変性による陽イオン
性基を含有するアクリルアミド系ポリマーの調製例 (1).ホフマン分解反応による変性例 平均分子量30万のポリアクリルアミド水溶液に、変性
剤としてヒドロキシエチルジメチルベンジルアンモニウ
ムクロライドを前記ポリアクリルアミドのアクリルアミ
ド単位に対して6モル%相当量を添加、混合したのち、
次亜塩素酸ソーダと苛性カリを含む水溶液を滴下して常
法通りホフマン分解反応を行なった。その後、希塩酸を
加えてpH4.5に調整し、下記第2表に記載する陽イオン
性基を含有するアクリルアミド系ポリマーの水溶液
(E)を得た。
なお、前記水溶液(E)は、変性方法がホフマン分解
反応であるため、比較例となるものである。
(2).マンニッヒ反応による変性例 平均分子量50万のポリアクリルアミド水溶液に、ホル
ムアルデヒド及びジメチルアミンを添加し、常法に従っ
てマンニッヒ反応せしめた。
得られた陽イオン性基を含有するアクリルアミド系ポ
リマーの水溶液(F)の性質を下記第2表に示す。
なお、前記水溶液(F)は、変性方法がマンニッヒ反
応であるため、実施例となるものである。
実施例1〜2 L−BKP(CSF430CC)の1%パルプスラリーに市販の
軽質炭酸カルシウム填料を対パルス乾燥重量20%を添加
し、次いで調製例1及び2得られた陽イオン性基を含有
するアクリルアミド系ポリマーの水溶液(B),(F)
の各々の所定量を添加して充分に混合した後、更にコロ
イド状硅酸ゾル(スノーテックス30、粒子径10〜20M
μ、日産化学工業製)を0.1%(SiO2換算)添加して充
分に混合した。かくして得られた各々の調整済みパルプ
スラリーをTAPPIスタンダードシートマシンにより定法
通り抄紙して乾燥した。
得られた各々の手抄紙は、調湿したのち紙質試験に供
した。結果を第4表に示す。
比較例1〜4 実施例1〜2における陽イオン性基を含有するアクリ
ルアミド系ポリマーの水溶液(B),(F)の使用に代
えて、 ●[調製例1]の(A)(比較例1)、同(C)(比較
例2)、同(D)(比較例3)、同(E)(比較例
4)、 を使用する以外は、実施例1〜2と同様の態様により手
抄紙を得た。
これらの手抄紙の紙質試験の結果を第4表に併せて示
す。
比較例5〜10/ブランクテスト 実施例1〜2における陽起イオン性基を含有するアク
リルアミド系ポリマーの水溶液(B)、(F)の使用に
代えて、下記第3表に示される各種ポリマー、即ち、 ・(イ)陽イオン性変性澱粉(比較例5)、 ・(ロ)陽イオン性ポリアミドポリアミンエピクロルヒ
ドリン樹脂(比較例6)、 ・(ハ)陽イオン性ポリエチレンイミン(比較例7) ・(ニ)陽イオン性変性メラニン樹脂(比較例8)、 ・(ホ)ポリアクリルアミド(ノニオン)(比較例
9)、 ・(ヘ)陰イオン性ポリアクリルアミド(比較例10)、 を使用する以外は、実施例1〜2と同様の態様により、
手抄紙を得た。
これらの手抄紙の紙質試験の結果を、第4表に併せて
示す。
実施例3〜4 1%パルプスラリー(L/N=8/2の混合BKP:C.S.F 350
cc)に市販の軽質炭酸カルシウム填料を対パルプ乾燥重
量20%を添加し、次いで調製例1の第1表に示される陽
イオン性基を含有するアクリルアミド系ポリマーの水溶
液(B)の所定量及びコロイド状硅酸ゾル(スノーテッ
クS、粒子系7〜9mμ)の所定量(SiO1換算)を添加
し、各々の添加毎に充分な撹拌を行ったのちTAPPIスタ
ダードシートマシンにより常法通り抄紙、乾燥して手抄
紙を得た。このようにして得られた手抄紙は調湿後、紙
質試験に供した。その結果を第5表に示す。
前記、実施例、比較例、及び参考例の結果からみて、
本発明の製紙方法を採用した場合、即ち炭酸カルシウム
填料を含有する製紙原料パルプスラリーに特定の分子量
及び特定の組成の陽イオン性基を有するアクリルアミド
系ポリマーと、コロイド状硅酸とを添加して製紙した場
合、 ●本発明の前記特定のアクリルアミド系ポリマー以外の
陽イオン性ポリマーを用いた場合、 ●ノニオン性ポリアクリルアミド系ポリマーを用いた場
合、 ●陰イオン性アクリルアミド系ポリマーを用いた場合、 ●コロイド状硅酸を単独で用いた場合、 と比較して、破裂強度特性(紙力強度)、及び填料歩留
特性において、総合的に均整のとれた優れた中性紙が得
られる。
[発明の効果] 本発明の炭酸カルシウム填料を使用した中性紙の製造
方法によると、非常に高い填料歩留り効果が得られ、且
つ強度の高い成紙が得られる。
それ故、本発明の中性紙の製造方法において、炭酸カ
ルシウム填料の含有量の高い紙を製造する場合、炭酸カ
ルシウム填料が有効且つ効率よくパルス繊維に吸着され
るため原料パルプスラリーへの填料の添加料を最小限に
することができる。このため、抄紙機ワイヤー上での水
切れが良好となり、又ワイヤー磨耗の軽減、湿紙強度の
向上による紙切れ発生の防止等、各種の操業性が改善さ
れる。又、炭酸カルシウム填料の歩留率の向上は、白水
中に懸濁している固体粒子(SS)を減少して原料の有効
利用と排水処理負荷の軽減が図られる。更に、本発明の
中性紙の製造方法は、製造される成紙の強度が高いた
め、成紙中の炭酸カルシウム填料の含有率を一層高める
ことができ、パルプ資源の節約と大幅な成紙コストの低
減を可能ならしめという優れた工業的価値を有するもの
である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭酸カルシウム填料を含有する製紙原料パ
    ルプスラリーに、 (i)分子量が50万〜150万の陽イオン性基を有する
    (メタ)アクリルアミドとジアルキルアミノアルキル
    (メタ)アクリルアミドとのアクリルアミド系共重合
    体、及び/又は分子量が50万〜150万の陽イオン性基を
    有する(メタ)アクリルアミドを主成分とするアクリル
    アミド系重合体のマンニッヒ反応物、及び、 (ii)コロイド状硅酸、 を添加し常法に従って抄紙、乾燥することを特徴とする
    中性紙の製造方法。
  2. 【請求項2】分子量が50万〜150万の陽イオン性基を有
    する(メタ)アクリルアミドとジアルキルアミノアルキ
    ル(メタ)アクリルアミドとのアクリルアミド系共重合
    体、及び/又は分子量が50万〜150万の陽イオン性基を
    有する(メタ)アクリルアミドを主成分とするアクリル
    アミド系重合体のマンニッヒ反応物の添加量が、製紙原
    料パルプスラリー中のパルプ乾燥重量に対して、0.1〜
    3%である特許請求の範囲第1項に記載の中性紙の製造
    方法。
  3. 【請求項3】コロイド状硅酸が、5〜20mμの粒子径を
    有するものである特許請求の範囲第1項に記載の中性紙
    の製造方法。
  4. 【請求項4】コロイド状硅酸の添加量(無水硅酸SiO2
    算)が、製紙原料パルプスラリー中のパルプ乾燥重量に
    対して、0.05〜0.5%である特許請求の範囲第1項に記
    載の中性紙の製造方法。
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