JP2751238B2 - 製紙方法 - Google Patents

製紙方法

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JP2751238B2
JP2751238B2 JP63224342A JP22434288A JP2751238B2 JP 2751238 B2 JP2751238 B2 JP 2751238B2 JP 63224342 A JP63224342 A JP 63224342A JP 22434288 A JP22434288 A JP 22434288A JP 2751238 B2 JP2751238 B2 JP 2751238B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、セルロース繊維又はこれと無機質填料を主
成分とする紙の製造方法の改良、特に抄紙工程における
セルロース繊維及び無機質填料の歩留りを向上せしめる
製紙方法に関する。
<従来の技術> 製紙方法の改良は、セルロース繊維及び填料の歩留り
向上、紙力の向上、生産性の向上などを目的として装置
の改良、カチオン性デンプンなどの各種添加剤の改良、
抄紙プロセスの改良などが行なわれて来た。
従来、硫酸アルミニウムを凝集剤及びサイズ剤の定着
剤として、アニオン性有機ポリマーを紙力増強剤及び歩
留り向上剤として使用する酸性抄紙法が一般的であっ
た。近年、コストダウン、紙質の向上などを目的とし
て、無機填料の添加量を増加させたり、又、良質なパル
プの不足を補うために或いはコストダウンのために低品
質パルプ、故紙等の使用を増加させたり、更に生産性の
向上のために抄速を増大させること等が行われて来た。
又、硫酸アルミニウムを多量に使用する酸性抄紙法は紙
の耐久性の低下、白水の再利用不能、設備の腐蝕、無機
填料の炭酸カルシウムの使用不能などを避けるために中
性抄紙法が多く採用されるようになって来た。これらの
ために従来の酸性抄紙で確立した方法又は添加剤では充
分な効果が得られないことから、特に歩留り向上剤及び
向上方法の開発が要望され種々の提案がなされて来た。
特開昭55−6587号にはカチオン性デンプン、アクリル
アミド共重合体などのカチオン性成分と天然のデンプ
ン、カルボキシメチルデンプン等のアニオン性成分との
組合せによる方法が、また、特開昭55−12824号にはカ
チオン性樹脂エマルジョンとアニオン性水溶性ポリマー
を組合せて用いる方法が提案されている。特開昭57−51
900号にはコロイダルシリカがセルロース繊維及び無機
質填料に吸着し易く又カチオン性物質と強く凝集するこ
とから、これを利用してカチオン性デンプンとアニオン
性シリカゾルを併用することによって、セルロース繊維
−無機質填料−カチオン性デンプン−コロイダルシリカ
の4成分凝集複合体を形成せしめて抄紙する方法が提案
されている。
特開昭62−191598号にはカチオン性ポリマーとベント
ナイトの組合せ添加により歩留りを向上させる方法も提
案されている。特開昭62−15391号には陽イオン性基を
有するアクリルアミド系ポリマーとコロイド状珪酸を添
加する方法が、更に特開昭62−110998号にはコロイド珪
酸及びカチオン性もしくは両性のポリアクリルアマイド
誘導体とカチオン性デンプンを添加する方法が提案され
ている。
<発明が解決しようとする課題> 特開昭55−6587号及び同55−12824号に記載されてい
る如きカチオン性の有機ポリマーとアニオン性の有機質
ポリマーを組合せて使用する方法では、セルロース繊維
及び無機質填料の歩留りを向上出来、かつ紙力強度を向
上させることが出来るが、濾水性が悪いために生産性が
低く、又、地合などの紙の紙質が低下する。
特開昭57−51900号に提案されているカチオンデンプ
ンとアニオン性シリカゾルの組合せでは、歩留りも良
く、濾水性が良いために生産性が高く、地合などの紙質
も良好で紙力も大きいが、抄紙条件によってはまだ充分
な歩留りが得られない場合がある。
特開昭62−191598号に提案されたカチオン性ポリマー
とベントナイトを組合せて添加する方法、特開昭62−15
391号に提案の陽イオン性基含有アクリルアミド系ポリ
マーとコロイド状珪酸を組合せて添加する方法及び特開
昭62−110998号に提案のコロイド状珪酸とカチオン性若
しくは両性ポリアクリルアマイド誘導体とカチオン澱粉
とを組合せて添加する方法のいずれによっても未だ充分
な歩留り向上、濾水性の向上が達成されない。
本発明の目的は製品の紙力、紙質などを低下すること
なく抄紙工程においてセルロース繊維及び無機質填料の
歩留りを充分に高め、且つ濾水性を高めることにより抄
紙工程、乾燥工程での生産効率を高め得る抄紙方法を提
供することにある。
<課題を解決するための手段> 本発明の製紙方法は、セルロース繊維又はこれと無機
質填料を含有する製紙原液を抄紙し、脱水した後乾燥す
ることによる製紙方法において、当該製紙原液に、5〜
20ミリミクロンの範囲内のほぼ一様な太さで一平面内の
みの伸長を有し、かつ、動的光散乱法による粒子径が40
〜300ミリミクロンである細長い形状のアニオン性シリ
カゾルとカチオン性基含有ポリマーとを、上記ポリマー
の1重量部に対し上記シリカゾルのSiO20.1〜10重量部
の比率に、そして上記製紙原液中のセルロース繊維又は
これと無機質填料の合量に対し上記ポリマーは0.05〜1
0.0重量%となる比率に、加えることを特徴とする。
本発明の抄紙方法に用いられるセルロース繊維は、通
常の製紙に用いられるセルロースパルプをビーター等で
叩解したものである。セルロースパルプは、化学パル
プ、機械パルプ、熱−機械パルプ、砕木パルプなどのい
ずれでもよい。又故紙も、これらの新しいパルプの一部
代替のために用いることができる。
本発明に用いられる無機質填料は、通常の製紙用鉱物
填料でよく、例えばカオリンクレー、白土、酸化チタ
ン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、焼成ク
レー、ウォラストナイト、合成シリカ、タルク、水酸化
アルミニウム、鉱物繊維、ガラス繊維、パーライトなど
が挙げられる。これらの填料は、水酸化アルミニウムを
除いていずれも使用されるpH条件ではアニオン性の表面
を有している。重質の炭酸カルシウムはそのままでは弱
アルカリ性であって、カチオン性を有しているが、一度
酸で中和した後アルカリ性にしたものはアニオン性を示
すことから抄紙条件下ではアニオン性である。ポリアク
リル酸ソーダのような分散剤で分散した炭酸カルシウム
もアニオン性である。
無機質填料は製品の紙中のセルロース繊維に対して15
0重量%以下となるように原液中に加えられるのが好ま
しいが、これより高い含有率となってもよい。製紙原液
のpHは4〜10が適当である。
本発明においても、製紙原液中のセルロース繊維の濃
度は通常の製紙方法における製紙原液中のセルロース繊
維の濃度と同様でよい。本発明の目的が達成される限
り、製紙原液には定着剤、サイズ剤、消泡剤、スライム
コントロール剤、染料、顔料等の添加剤を加えてよい。
本発明に用いられるカチオン性基含有ポリマーは、水
溶性又は水にコロイド状分散する性質を有する有機の高
分子量ポリマーであって、その分子中に第4級アンモニ
ウムカチオン基等のカチオン性の基を有するものであ
る。また、このポリマーはアニオン性基を含有してもよ
いが、水中でセルロース繊維、無機質填料、アニオン性
コロイダルシリカ粒子等、負に帯電している粒子に対し
電気的引力を示す充分なカチオン性の基を有するもので
ある。このようなポリマーとしては、従来から使用され
ているものでよく、市販品としても容易に入手すること
ができる。
このようなカチオン性基含有ポリマーの例として、カ
チオン性又は両性のデンプンが挙げられる。これらのデ
ンプン誘導体は、じゃがいもデンプン、とうもろこしデ
ンプン、小麦デンプン、タピオカデンプン、それらの酸
化デンプン、加水分解デンプン等から、通常の方法、例
えば第4級アンモニウムクロライドとの反応によって容
易につくられ、置換度0.01〜0.05にカチオン性基を含有
するものが好ましい。また、カチオン性又は両性のグァ
ーガム、カチオン性ガラクトマンナン等も用いることが
できる。
更に別の例として、カチオン性又は両性のポリアクリ
ルアミド、カチオン性又は両性の変成ポリアクリルアミ
ド、カチオン性ポリエチレンイミン、カチオン性ポリア
ミドポリアミン−エピクロルヒドリン樹脂、カチオン性
尿素ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。これら合成
の樹脂としては、分子量1万〜1000万程度のものが好ま
しく、また、置換度0.02〜0.5程度にカチオン性基を有
するものが好ましい。ポリマー分子中にカチオン性基を
導入することは、アミド基をホフマン反応、マンニッヒ
反応等により容易に行なうことができ、また、アニオン
性基を導入することは、カルボキシル化反応、スルホメ
チル化反応等により容易に行なうことができるが、これ
らカチオン性基含有ポリマーとしては、市販工業製品を
用いるのが簡便である。
本発明の用いられる細長い形状のアニオン性シリカゾ
ルは、これを構成するコロイダルシリカ粒子がその形状
として5〜20mμの範囲内のほぼ一様な太さで一平面内
のみの伸長を有し、かつ動的光散乱法によるその粒子径
が40〜300mμである細長い形状を有する。このゾル中に
存在する多数のコロイダルシリカ粒子の形状は同一に限
られていないが、共通して細長い形を有し、ほぼ真直な
もの、屈曲しているもの、分枝を有するもの、環を有す
るもの等であるが、屈曲しているもの及び分枝している
ものが大半を占める。
本発明に用いられる上記シリカゾルは、下記(a),
(b)及び(c)の各工程、 (a) SiO2として2〜6重量%を含有する活性珪酸の
コロイド水溶性に、水溶性のカルシウム塩、マグネシウ
ム塩又はこれらの混合物を含有する水溶液を、上記活性
珪酸のSiO2に対してCaO,MgO又はこの両者として重量比1
500〜8500ppmとなる量加えて混合する工程、 (b) (a)工程により得られた水溶液に、アルカリ
金属水酸化物、有機塩基又はそれらの珪酸塩をSiO2/M2O
(但し、SiO2は上記活性珪酸に由来するシリカ分と上記
珪酸塩のシリカ分の含量を、そしてMは上記アルカリ金
属原子又は有機塩基の分子を表わす。)モル比として20
〜200となるように加えて混合する工程、及び (c) (b)工程によって得られた混合物を60〜150
℃で0.5〜40時間加熱する工程を包含する方法によって
アルカリ性の水性シリカゾルとして製造される。このア
ルカリ性の水性シリカゾルを陽イオン交換することによ
り酸性のシリカゾルを製造することが出来る。上記細長
い形状を有するシリカゾルとしてはpH2〜11のものが使
用出来るが保存安定性の良いアルカリ性のゾルが好まし
い。
上記細長い形状のアニオン性シリカゾルの一部を代替
して、或いはこれと一緒にアニオン性ポリマー、例え
ば、アニオン性ポリアクリルアミド、アクリル酸とアク
リル酸エステルとの共重合体、スルホン酸基含有メラミ
ンホルムアルデヒド縮合物等従来から知られているポリ
マーを用いることもできる。
本発明の製紙方法において上記製紙原液に加えられる
上記カチオン性基含有ポリマーの量は、上記原液中のセ
ルロース繊維又はこれと無機質填料の合量に対し0.05〜
10.0重量%が適当である。また、加えられる上記アニオ
ン性シリカゾルの量は、上記カチオン性基含有ポリマー
の量に対し重量比でSiO2として0.1〜10倍が適当であ
り、好ましくは、上記原液中のセルロース繊維又はこれ
と無機質填料の合量に対し0.05〜5.0重量%である。
本発明の製紙方法による製品の紙は、上記カチオン性
基含有ポリマーと細長い形状のアニオン性シリカゾルと
が加えられ、充分に混合された製紙原液を通常の抄紙方
法で抄いた後、脱水及び乾燥の工程を経ることにより容
易に得られる。
<作 用> 本発明により、上記製紙原液に加えられた独特な形状
を有するアニオン性シリカゾルは、この製紙原液中で、
加えられたカチオン性基含有ポリマーと共にセルロース
繊維−カチオン性ポリマー−アニオン性シリカ粒子から
なる強固な凝集体又はセルロース繊維−無機質填料−カ
チオン性ポリマー−アニオン性シリカ粒子からなる強固
な凝集体を形成させるように働く。この凝集体は、製紙
原液中で電解質の存在、液から受けるせん断力の作用等
に対し高い抗力を示し、通常の抄紙網上に確実に保持さ
れることによって、製紙原液に加えられたセルロース繊
維、無機質填料等の歩留りが著しく向上する。従来用い
られていた球状のシリカゾルに比べ、上記細長い形状の
シリカゾルは、その独特の細長い形状が上記凝集体の形
成に際し、強固な凝集体の生成に有利に作用しているも
のと考えられる。
製紙原液に加えられるカチオン性基含有ポリマーの量
が、この原液中のセルロース繊維又はこれと無機質填料
の合量に対し0.05重量%以下では、セルロース繊維、填
料等の充分な歩留りが達成されない。このカチオン性基
含有ポリマー量が多くなるにつれて歩留りは高くなる
が、10重量%以上もの多量添加は、紙の生産コストを高
め、また、紙質の悪化も招く。
カチオン性の基含有ポリマーと併用される上記細長い
形状のアニオン性シリカゾルの添加量が、カチオン性基
含有ポリマー1重量部に対しSiO2として0.1重量部以下
では、セルロース繊維、填料等の歩留り向上に殆ど有効
でなく、このシリカゾルの添加量がカチオン性ポリマー
1重量部に対しSiO2として10重量部位までは、添加量の
増大と共に部留り及び濾水性が向上するが、やはり多量
の添加は紙の生産コストを高める。実用上好ましい添加
量はSiO2として、セルロース繊維又はこれと無機質填料
の合量に対し0.05〜5.0重量%位である。
<実施例> 〔細長い形状のアニオン性シリカゾル(A)の調製〕 市販のJIS 3号ナトリウム水ガラス(SiO2/Na2Oモル比
3.22、SiO2 28.5重量%)に水を加えてSiO2濃度3.6重量
%に稀釈した後、陽イオン交換樹脂(アンバーライト12
0B)充填のカラムにこの液を通すことにより、SiO2濃度
3.56%、pH2.81、電導度730μs/cmの活性珪酸のコロイ
ド水溶液を得た。この活性珪酸のコロイド水溶液2000g
をガラス製容器に入れ、10重量%の塩化カルシウム水溶
液8.0gを撹拌下に室温で添加し、30分後更に10重量%の
水酸化ナトリウム水溶液12.0gを撹拌下に室温で添加し
た。この混合液のpHは7.6、SiO2/Na2Oモル比80であっ
た。
次いでこの混合液をステンレス製オートクレーブに仕
込み、130℃で撹拌下6時間加熱してSiO2 3.52重量%、
SiO2/Na2O滴定法モル比101及びpH9.64のシリカゾルを得
た。次いでこのシリカゾルを限外濾過装置により濃縮し
てSiO2濃度20重量%の濃縮シリカゾル(A)を得た。こ
のゾルは遊離のカルシウムイオンを含まず、比重1.12
9、pH9.24、粘度84c.p.、SiO2 20.2%、SiO2/Na2O滴定
法モル比124、CaO 0.113重量%、Cl-190ppm、SO4 --20pp
mであった。またこのゾルのコロイダルシリカ粒子は電
子顕微鏡観察から細長い形状の粒子であり、太さは10〜
14mμであることを認めた。動的光散乱法による粒子径
は84.6mμ、BET粒子径12.1mμであった。
〔細長い形状のアニオン製シリカゾル(B)の調製〕
上記活性珪酸のコロイド水溶液(SiO2 3.56%、pH2.8
1)2000gをガラス製容器に採り、これに10%塩化マグネ
シウム水溶液4.8gを撹拌しながら添加し、次いで10重量
%の水酸化ナトリウム水溶液13.5gを撹拌しながら添加
することにより、SiO2/Na2Oモル比70、pH7.82の混合液
を得た。次いでこれを100℃5時間加熱した後、このゾ
ルを限外濾過装置によりシリカ濃度10重量SiO2まで濃縮
することによりシリカゾル(B)を得た。得られたゾル
は比重1.051、pH9.10、粘度12c.p.、SiO2 10.2重量%、
SiO2/Na2O滴定法モル比95、MgO 280ppmであった。この
ゾルのコロイダルシリカ粒子は電子顕微鏡観察から細長
い形状を有しており、太さ4〜6mμであることを認め
た。動的光散乱法による粒子径は154mμ、BET粒子径6.2
mμであった。
〔パルプスラリーの調製〕
針葉樹晒クラフトドライパルプ90gと広葉樹晒クラフ
トドライパルプ270gを水25kgに加え、一昼夜放置した
後、これを実験用叩解機にてカナディアンスタンダード
フリーネス(CSF)が350mlになるように叩解し、パルプ
スラリーを調製した。
実施例1 上記叩解したパルプスラリーに定着剤として硫酸アル
ミニウム水溶液、ロジンサイズ剤、カオリン(チャイナ
クレイ)、水及び硫酸水溶液を加え、パルプ濃度0.35重
量%、カオリン0.15重量%、硫酸アルミニウム(18水和
物)0.0035重量%、ロジンサイズ剤0.0015重量%、カオ
リン/パルプ比43重量%及びpH4.5の製紙原液を作成し
た。該原液のファイン成分は35重量%であった。次いで
上記製紙原液500gに撹拌下、置換度0.04のカチオン化じ
ゃがいもデンプンを100℃20分間クッキングすることに
より得られたカチオン性デンプンの0.5重量%水溶液5.0
gを加え、次いで細長い形状のシリカゾル(A)の稀釈
液(シリカ濃度0.5重量%に稀釈したもの)1.5gを加え
た後、ファイン成分の歩留りを下記方法で測定した。
尚、この例でのカチオン性デンプン/(パルプ+填
料)比は1.0重量%、細長い形状を有するアニオン性コ
ロイダルシリカ/(パルプ+填料)比は0.3重量%であ
る。測定結果は表1に示す。
〔ファイン成分の歩留り測定法〕
ダイナミックドレネージジャー(Britt−Jar)テスト
法(Britt.K.W.:Tappi,56(10)46〜50,1973)に従って
次の様にして行なった。
(1) 500gの製紙原液をジャー中に採取し、800rpmで
撹拌を行う。製紙原液中の正確な乾燥固形分(パルプ+
無機質填料)濃度をC重量%とする。
(2) これにカチオン性含有ポリマーの水溶液を添加
して計時を開始する。
(3) 30秒後にアニオン性シリカゾルを添加する。
(4) 更に15秒後に排水を開始し、30秒間白水を採取
する。この間の白水量をX mlとする。(金網は200メッ
シュの抄網を用い、ガラス管の穴径を調節し、30秒間の
流量がほぼ100mlになるようにした。) (5) この白水を、予め105℃での乾燥重量(W1g)を
測定してある定量用濾紙(東洋濾紙製5C)にて濾過し、
105℃で乾燥して重量(濾紙+ファイン成分)を測定す
る。この重量をW2gとする。
(6) 元の製紙原液中の全ファイン成分(微細パルプ
+無機質填料)の重量%を別法で予め求めておく。この
値をF%とする。
(7) ファイン成分の歩留りは次式によって計算す
る。
更に、アニオン性シリカゾル(B)についても、上記
同様にして歩留りを測定し、表1に記載の結果を得た。
実施例2 上記叩解したパルプスラリーに重質炭酸カルシウム、
水及び硫酸水溶液を加え、パルス濃度0.35重量%、重質
炭酸カルシウム0.15重量%、重質炭酸カルシウム/パル
プ比43重量%及びpH7.10の製紙原液を作成した。該原液
のファイン成分は35重量%であった。次いでこの製紙原
液500gに撹拌下、置換度0.04のカチオン化じゃがいもデ
ンプンを100℃20分間クッキングすることにより得られ
たカチオン性デンプンの0.5重量%水溶液5.0gを加え、
次いで細長い形状を有するアニオン性シリカゾル(A)
をシリカ濃度0.5重量%に稀釈したもの1.5gを加えた
後、ファイン成分の歩留りを測定した。アニオン性シリ
カゲル(B)についても同様にして歩留り測定を行な
い、これら結果を表1に示す。
実施例3 実施例2においてカチオン性デンプン溶液の代わり
に、置換度0.15のカチオン性ポリアクリルアミド水溶液
(濃度0.5%)1.0g加えた以外は、実施例2と同じ方法
で歩留りを測定した。結果を表1に示す。
比較例1〜2 比較例1として、カチオン性デンプンもアニオン性シ
リカゲルも添加しない他は実施例1と同様にしてファイ
ン成分の歩留りを測定したところ、11.8重量%であっ
た。
同様にして、比較例2として、カチオン性デンプン、
アニオン性シリカゾルのいずれも添加しないで実施例2
に従って歩留りを測定したところ、25.7重量%であっ
た。
比較例3 カチオン性デンプンは加えたが、アニオン性シリカゾ
ルは加えない他は実施例1と同様にして歩留りを測定し
たところ、24.1重量%であった。
比較例4〜6 従来から用いられている市販の球状シリカゾル(C)
(比重1.129、pH9.78、粘度2.5c.p.、SiO2 20.1重量
%、SiO2/Na2O滴定法モル比90、BET法粒子径12.0mμ、
動的光散乱法粒子径23mμ)と同じく市販の球状シリカ
ゾル(D)(比重1.132、pH9.32、粘度4.2c.p.、SiO2 2
0.2重量%、SiO2/Na2O滴定法モル比54、BET法粒子径5.2
mμ、)とを用意し、これらを用いた他は実施例1と同
様にして比較例4の、また実施例2と同様にして比較例
5の、そして実施例3と同様にして比較例6の各歩留り
測定を行った。結果は表1に示されている。
上記実施例1と比較例4、実施例2と比較例5、及び
実施例3と比較例6の各用いられたシリカゾル(A)と
(C)の場合の対比及び(B)と(C)の場合の対比に
より、従来の球状シリカゾルの代わりに細長い形状のシ
リカゾルを用いると歩留りが著しく向上することが認め
られる。
実施例4 細長い形状のアニオン性シリカゾル(A)と(B)の
各々をシリカ濃度0.5重量%に水で稀釈した液を用意
し、これらをパルプと填料の合量に対しSiO2として0.1
重量%と0.5重量%となる量用いた他は実施例1と同様
にして歩留りを測定したところ、表2に示す結果が得ら
れた。
比較例7 細長い形状のアニオン性シリカゾルの代わりに球状の
シリカゾル(C)と(D)を用いた他は実施例4と同様
にして歩留りを測定した。結果を表2に示す。
上記実施例4と比較例7との対比により、シリカゾル
の添加量が少ない場合及び多い場合のいずれも、細長い
形状のシリカゾルは歩留りを著しく向上させていること
が判る。
実施例5 パルプと無機質填料の合計濃度を0.3重量%に調整し
た他は実施例1に用いたものと同じ組成の製紙原液が用
意された。この原液1000gを1000rpmの撹拌下、カナディ
アンスタンダードフリーネステスターを用いて20℃で濾
水度を測定したところ、510mlであった。
次いで、上記製紙原液に、この原液中のパルプと無機
質填料の合量に対し前記細長い形状のシリカゾル(A)
をSiO2として0.1重量%量添加した他は実施例1と同様
にして、そしてこの添加の直後に上記同様にして濾水度
を測定した。結果は表3に示した。
更に、上記シリカゾル(A)の添加量を0.3重量%と
0.5重量%に増加させた場合について、上記同様にして
濾水度を測定し、表3記載の結果を得た。
今度は、上記シリカゾル(A)の代わりに前記細長い
形状のシリカゾル(B)を用いて、上記同様SiO2として
添加量0.1重量%、0.3重量%及び0.5重量%における濾
水度を測定し、表3記載の結果を得た。
比較例8 実施例5で調製された製紙原液に、この原液中のパル
プと無機質填料の合量に対し1.0重量%のカチオン性デ
ンプンは加えたが、アニオン性シリカゾルは加えなかっ
た製紙原液について、実施例5と同様にして濾水度を測
定したところ、533mlであった。
比較例9 細長い形状のシリカゾルの代わりに前記球状のシリカ
ゾル(C)と(D)を用いた場合について、実施例5と
同様にして濾水度を判定し表3記載の結果を得た。
上記実施例5と比較例9とを対比すると、従来から用
いられていた球状シリカゾルの代りに細長い形状のシリ
カゾルを用いると、抄紙工程における濾水度を著しく改
良できることが認められる。
<発明の効果> カチオン性基含有ポリマーと細長い形状のアニオン性
シリカゾルとを製紙原液に加えてから抄紙することによ
る本発明の製紙方法によると、抄紙工程でのパルプ又は
これと無機質填料の歩留り及び濾水性を著しく向上させ
ることができる。この改良は、製紙工業において、白水
処理コストの低減、白水の再利用率の向上及び乾燥のた
めの所要エネルギーの節減をもたらす。更に、本発明の
方法により得られた製品の紙は、紙力強度、紙質、地合
等も良好であるのみならず、本発明の方法によると、一
定品質に紙を生産することができる。更に本発明の製紙
方法によると、紙の生産性、製造マシンの耐久性等も向
上し、紙の生産コストを低減させることができる。
かかる本発明による数々の利点は、5〜20ミリミクロ
ンの範囲内のほぼ一様な太さで一平面内のみに伸長を有
すると言う独特な細長い形状のアニオン性コロイダルシ
リカ粒子が、液中に懸濁している微細な荷電粒子に作用
して、これを強い凝集力でもって凝集せしめるという特
性によるものである。従って、製紙原液への添加のみな
らず、微細懸濁粒子を凝集せしめることを利用する他の
技術分野においても、上記細長い形状のシリカゾルは有
用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−15391(JP,A) 特開 昭62−110998(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セルロース繊維又はこれと無機質填料を含
    有する製紙原液を抄紙し、脱水した後乾燥することによ
    る製紙方法において、当該製紙原液に、5〜20ミリミク
    ロンの範囲内のほぼ一様な太さで一平面内のみの伸長を
    有し、かつ、動的光散乱法による粒子径が40〜300ミリ
    ミクロンである細長い形状のアニオン性シリカゾルとカ
    チオン性基含有ポリマーとを、上記ポリマーの1重量部
    に対し上記シリカゾルのSiO20.1〜10重量部の比率に、
    そして上記製紙原液中のセルロース繊維又はこれと無機
    質填料の合量に対し、上記ポリマーは0.05〜10.0重量%
    となる比率に、加えることを特徴とする製紙方法。
  2. 【請求項2】加えられるシリカゾルの量が、SiO2として
    製紙原液中のセルロース繊維又はこれと無機質填料の合
    量に対し0.05〜5.0重量%である第(1)請求項に記載
    の製紙方法。
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