JP2515098Y2 - 四輪駆動車用駆動力伝達装置 - Google Patents

四輪駆動車用駆動力伝達装置

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JP2515098Y2
JP2515098Y2 JP1990012393U JP1239390U JP2515098Y2 JP 2515098 Y2 JP2515098 Y2 JP 2515098Y2 JP 1990012393 U JP1990012393 U JP 1990012393U JP 1239390 U JP1239390 U JP 1239390U JP 2515098 Y2 JP2515098 Y2 JP 2515098Y2
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drive
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昌弘 井上
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Description

【考案の詳細な説明】 <産業上の利用分野> この考案は、4輪駆動車用の左側輪の駆動軸と右側輪
の駆動軸との間に介在し、両駆動軸間の駆動力の伝達を
行う四輪駆動車用駆動力伝達装置に関する。
<従来の技術> 従来、4輪駆動車において、前輪の駆動軸と後輪の駆
動軸とをリジッドに結合したものがあった。しかし、こ
れでは、旋回走行時における前輪と後輪との旋回半径の
相違により、前輪の回転数と後輪の回転数に差異を生じ
た場合、プロペラシャフトに捩じりを生じると共に、旋
回の内側となる後輪がすべりを生じた状態で引きずら
れ、車両にがたつきを生ずる、いわゆるタイトコーナブ
レーキング現象が発生するという難点があった。
このような難点を解消するために、現在の4輪駆動車
では、プロペラシャフトに、前輪駆動軸と後輪駆動軸と
の回転数差を許容し且つこの回転数差に応じたトルクを
伝達する駆動力伝達装置、例えば差動ポンプ型と呼ばれ
るものを配設している。
差動ポンプ型の装置は、並設された一対の駆動軸の何
れか一方と共に回転するベーン付きのロータを、該ロー
タと同軸上において、他方と共に回転するケーシングの
カムリング内に配設することによりベーンポンプを構成
しており、上記ロータとカムリングとを、両者間に介在
する圧油を介して結合し、両駆動軸間に、両駆動軸間の
回転数差に応じた駆動力を伝達する。
この差動ポンプ型の装置の採用により、前輪および後
輪へ、自動的に且つ最適に、駆動力を配分することが可
能となった。すなわち、前輪駆動軸と後輪駆動軸とが同
一回転数で回転している場合、後輪側への駆動力の伝達
は行われないが、例えば前輪がスリップして、両駆動軸
に回転数差が生じると、この回転数差に応じた駆動力
が、スリップしていない後輪側へ伝達され、後輪側への
駆動力配分が高められる。このようにして駆動力を自動
的に配分することにより、常に、路面に対して良好な動
力伝達を得ることができるようになった。
そして、さらに進んだ4輪駆動車として、差動ポンプ
を、左側前輪駆動軸と右側前輪駆動軸との間、および左
側後輪駆動軸と右側後輪駆動軸との間に、それぞれ配設
することにより、左側前輪と右側前輪との間の駆動力配
分、および左側後輪と右側後輪との間の駆動力配分を、
それぞれ行うようにしたものが提供されている。この4
輪駆動車においては、4輪に駆動力を無駄なく伝えるこ
とができ、路面に対して、一層良好な動力伝達を得るこ
とができる。
<考案が解決しようとする課題> ところで、左側輪の駆動軸と右側輪の駆動軸との連結
部分には、車両の旋回時に左右の車輪の回転数差を調整
する(旋回外側の車輪を早く回転させる)デフャレンシ
ャルがあるので、当該連結部分に差動ポンプ型の装置を
配設した場合、連結部分が大型化すると共に、連結部分
の重量が増加するという問題があった。
この考案は、上記の問題点に鑑み、左右の駆動軸の連
結部分の小型化および軽量化を図ることができる四輪駆
動車用駆動力伝達装置を提供することを目的とする。
<課題を解決するための手段> 上記目的を達成するため、この考案に係る四輪駆動車
用駆動力伝達装置は、左側輪の駆動軸と右側輪の駆動軸
との間に、両駆動軸の回転数差に応じて発生させた油圧
によって両駆動軸間の駆動力伝達を行う差動ポンプを介
在した四輪駆動車用駆動力伝達装置において、上記差動
ポンプのポンプ室を構成する一対のサイドプレートのう
ちの何れか一方のサイドプレートと、エンジン側の駆動
力を上記駆動軸に伝達するためのギア歯或いはスプロケ
ット歯からなる伝達歯と、上記駆動軸に連なる回転軸と
が 一体に形成されていることを特徴とするものである。
<作用> 上記の構成の四輪駆動車用駆動力伝達装置によれば、
駆動軸に連なる回転軸、一方のサイドプレート及び伝達
歯(ギア歯或いはスプロケット歯)が一体に設けられて
いるので、これらを別部品として互いに固定する場合と
比較して、左右の駆動軸の連結部分の部品点数及び組立
工数を大幅に削減でき、これらの削減を通じて製造コス
トを安価にできます。また、上記連結部分の小型化及び
軽量化を図ることができる。
<実施例> 以下実施例を示す添付図面によって詳細に説明する。
第1図は、この考案の一実施例としての4輪駆動車用の
駆動力伝達装置を示す断面図であり、同図において、こ
の駆動力伝達装置は、左側前輪駆動軸と一体回転する第
1の回転軸1と、この第1の回転軸1に対して相対回転
自在であって、右側前輪駆動軸と一体回転する第2の回
転軸2と、これら回転軸1および回転軸2との間のトル
ク伝達を行う差動ポンプとしてのベーンポンプ3とを有
している。このベーンポンプ3の、例えば回転軸2側の
サイドプレート37は、その外周にギア歯37aを形成して
おり、かつ回転軸2の端部に一体に設けられている。上
記ギア歯37aは、トランスミッションの出力ギア(図示
せず)に歯合しており、エンジンの駆動力を、回転軸2
に伝達する。
第1図および内圧発生の原理を示す第2図を参照し
て、ベーンポンプ3は、ロータ31、このロータ31を内包
し、ロータ31との間に油圧を発生させる複数対の作動室
A,Bを形成するカムリング32、ロータ31の外周の溝31aか
ら突出し、コイルばね33によってカムリング32の内面に
押圧される複数のベーン34、作動室A,Bに連通するチェ
ック弁35,36、カムリング32を軸方向両側から挾み込み
ロータ31とでポンプ室を構成する上記サイドプレート3
7、およびサイドプレート38により構成され、差動ポン
プ型と呼ばれるものである。
サイドプレート37とサイドプレート38との間は、ハウ
ジング4によって覆われており、このハウジング4とカ
ムリング32との間に、ベーンポンプ3に供給するオイル
を収容した収容部5が形成されている。この収容部5に
連通して、ベーンポンプ3に発生した油圧の脈動を減衰
するためのアキュームレータ7が、サイドプレート38に
設けられている。41,42は、オイル密封用のO−リング
である。43,44,45は、それぞれ軸受である。
ロータ31は、第1の回転軸1を介して左側前輪駆動軸
と一体回転する。カムリング32は、ボルト39によって、
両サイドプレート37,38に連結されており、カムリング3
2は、第2の回転軸2を介して右側前輪駆動軸と一体回
転する。ベーン34には、当該ベーン34によって仕切られ
た作動室Aと作動室Bとの間のオイルの流通を許容する
オリフィス34aが設けられている。
第2図を参照して、ベーンポンプ3の働きについて説
明する。例えば、左側前輪がスリップして左側前輪駆動
軸が右側前輪駆動軸よりも早く回転した場合、ロータ31
が、カムリング32に対して図において時計回りに回転す
ることになり、ベーン34は、作動室Aの方向に進んでい
く。このとき、ベーン34のオリフィス34aが小径のた
め、オイルは、作動室Aから作動室Bへスムーズに移動
できない。したがって、作動室Aのオイルは、収容部5
へ流れ込もうとするが、これが、チェック弁36によって
阻止される。その結果、作動室A内に高圧力が発生し、
この高圧力を介してベーン34がカムリング32を押し、ロ
ータ31からカムリング32へトルクが伝達される。すなわ
ち、スリップした側の左側前輪駆動軸から、スリップし
ていない側の右側前輪駆動軸へトルクが伝達され、自動
的にトルク配分が行われて、路面に対するグリップ力が
確保される。
上記の圧力は、ロータ31とカムリング32との間の回転
数差が大きいほど大きく、両駆動軸間には、上記回転数
差に応じた駆動力が伝達される。また、作動室Bには、
開放されたチェック弁35を介して収容部5からオイルが
供給される。
なお、ベーン34の下方の溝部6へは、チェック弁(図
示せず)を介して作動室Aに発生した高圧のオイルが供
給され、ベーン34がカムリング32の内壁に押し付けられ
るようにしており、ベーン34の密着性が高められてい
る。
一方、右側前輪がスリップして右側の前輪駆動軸が左
側前輪駆動軸よりも早く回転した場合、第3図に示すよ
うに、カムリング32が、ロータ31に対して時計回りに回
転することになって、作動室B内に高圧力が発生し、こ
の高圧力を介して、右側前輪駆動軸から左側前輪駆動軸
へトルクが伝達される。この場合、チェック弁35は閉
じ、チェック弁36は開放している。
この実施例によれば、ベーンポンプ3のサイドプレー
ト37の外周に、駆動伝達用のギア歯37aを形成してい
る。すなわちサイドプレート37がリングギアを兼ねてい
るので、従来のようにサイドプレートとリングギアを別
体にしていた場合に比較して、左右の駆動軸の連結部分
の部品点数を大幅に削減することができ、当該連結部分
の小型化および軽量化が図れ、ひいては、車両の小型化
を図ることができる。また、従来は、サイドプレートと
リングギアとの連結ボルトを挿通させるために、サイド
プレートへのボルト穴加工が必要であったが、これも不
要にすることができ、製造コスト上も有利である。特
に、ギア歯37aを形成したサイドプレート37が、駆動軸
に連なる回転軸2に一体に形成されているので、上記連
結部分の部品点数及び組立工数を一層削減できて製造コ
ストをより安価にでき、且つ上記連結部分の一層の小型
化及び軽量化を図ることができる。
なお、この考案は、上記実施例に限定されるものでは
なく、サイドプレート37の外周に、チェーン駆動を受け
るスプロケット歯を形成すること、また、この駆動力伝
達装置を、左側後輪駆動軸と右側後輪駆動軸との間のト
ルク伝達に用いること等、この考案の要旨を変更しない
範囲で種々の設計変更を施すことができる。
<考案の効果> 以上のように、この考案によれば、駆動軸に連なる回
転軸、一方のサイドプレート及び伝達歯(ギア歯或いは
スプロケット歯)が一体に設けられているので、これら
を別部品として互いに固定する場合と比較して、左右の
駆動軸の連結部分の部品点数及び組立工数を大幅に削減
でき、これらの削減を通じて製造コストを安価にできま
す。また、上記連結部分の小型化及び軽量化を図ること
ができる。という特有の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の一実施例としての四輪駆動車用駆動
力伝達装置の断面図、 第2図および第3図はベーンポンプの作動をそれぞれ示
す概略断面図である。 3…ベーンポンプ(差動ポンプ)、37…サイドプレー
ト、37a…ギア歯。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】左側輪の駆動軸と右側輪の駆動軸との間
    に、両駆動軸の回転数差に応じて発生させた油圧によっ
    て両駆動軸間の駆動力の伝達を行う差動ポンプを介在し
    た四輪駆動車用駆動力伝達装置において、 上記差動ポンプのポンプ室を構成する一対のサイドプレ
    ートのうちの何れか一方のサイドプレートと、 エンジン側の駆動力を上記駆動軸に伝達するためのギア
    歯或いはスプロケット歯からなる伝達歯と、 上記駆動軸に連なる回転軸とが 一体に形成されていることを特徴とする四輪駆動車用駆
    動力伝達装置。
JP1990012393U 1990-02-08 1990-02-08 四輪駆動車用駆動力伝達装置 Expired - Lifetime JP2515098Y2 (ja)

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