JP2514830Y2 - マグネトロンスパッタ装置 - Google Patents

マグネトロンスパッタ装置

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JP2514830Y2
JP2514830Y2 JP40311790U JP40311790U JP2514830Y2 JP 2514830 Y2 JP2514830 Y2 JP 2514830Y2 JP 40311790 U JP40311790 U JP 40311790U JP 40311790 U JP40311790 U JP 40311790U JP 2514830 Y2 JP2514830 Y2 JP 2514830Y2
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義彦 栗山
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Hitachi Metals Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、真空中において基板の
表面に薄膜を生成するマグネトロンスパッタ装置に関す
るものであり、特にターゲットの局部的消耗を防止し、
ターゲットの使用効率を向上させ得ると共に、大型の基
板に対しても均一な薄膜を生成し得るように改良したマ
グネトロンスパッタ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来からスパッタ技術は、高品質の薄膜
を生成できる特長を有するため、電子工業の分野におい
て広く利用されているが、薄膜の生成速度が遅いという
欠点があり、所望の厚さの薄膜を得るのに長時間を必要
とするという生産上の欠点があった。このため近年にお
いては、スパッタ装置のターゲットに向かう電界と直交
する磁界をターゲットの表面近傍に発生させ、この磁界
の作用によって薄膜生成の高速化を可能にしたマグネト
ロンスパッタ装置が普及している。
【0003】図4は従来のマグネトロンスパッタ装置の
例を示す要部縦断面図である。図4において、1は真空
容器であり、排気系(図示せず)と接続する排気口2を
設けてある。真空容器1内には基板支持体3およびター
ゲット4を相互に対向するように配設し、各々直流若し
くは高周波の電源5と接続し、基板支持体3が陽極とな
りターゲット4が陰極となるように形成する。基板支持
体3上には、ターゲット4と対向する表面に薄膜を形成
すべき基板6を載置する。
【0004】次に7は磁界発生装置であり、棒状に形成
した中心磁石7aと、この中心磁石7aを間隔を介して
包囲する環状磁石7bとから形成すると共に、各々異な
る磁極をターゲット4に向けて設ける。8はヨークであ
り、ターゲット4の反対側において中心磁石7aおよび
環状磁石7bと磁気的に接続する。9は磁力線であり、
中心磁石7aおよび環状磁石7bとによって発生し、タ
ーゲット4の表面近傍において、その表面と平行に延在
する部分を有する。一方電源5による基板支持体3とタ
ーゲット4との間の電界の方向は、ターゲット4の表面
と垂直に作用する。従ってターゲット4の表面近傍には
相互に直交する電磁界が得られる。
【0005】上記のように電界に対して直交する磁界に
よって、ターゲット4の表面の近傍においては、電子が
確実に旋回運動させられ、高密度のプラズマが形成され
るのである。そしてこのプラズマ中の正イオンが負電位
となっているターゲット4に高エネルギーで激突するこ
とにより、そのエネルギーを受けたターゲット物質が飛
び出し、基板6の表面に付着して薄膜を形成するのであ
る。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】上記従来のマグネトロ
ンスパッタ装置においては、通常のスパッタ装置と比較
して、薄膜の生成速度が大であるという利点を有する反
面において、ターゲット4に局部的な消耗が発生し、タ
ーゲット4の使用効率が低いという問題点がある。
【0007】図5は繰り返し使用後のターゲット4を示
す要部縦断面図であり、同一部分は前記図4と同一の参
照符号で示す。図5において、4aは凹部であり、ター
ゲット4の中心磁石7aと環状磁石7bとの略中間部の
表面に、局部的な消耗部分を生じている。すなわち、タ
ーゲット4の表面近傍における空隙磁束密度の水平成分
は、水平方向の位置により夫々異なり、中心磁石7aと
環状磁石7bとの略中間部において最大となり、この部
分における磁界が最大値を示す。
【0008】この結果上記部分におけるプラズマの発生
が他の部分より大となるため、ターゲット4の消耗が大
となるのである。このように凹部4aが増大すると、当
該部分のターゲット4の厚さが減少し、遂にはターゲッ
ト4を構成する物質の飛び出しが期待できなくなるた
め、新規のターゲット4と交換する必要がある。この場
合においても、ターゲット4の他の部分は充分使用に耐
え得る厚さを有しており、結局ターゲット4全体として
の使用効率が約20%に留まるという問題点がある。
【0009】上記問題点を解決するために、中心磁石7
aと環状磁石7bとの間におけるターゲット4の厚さを
他の部分より大に形成することにより、ターゲット4の
使用効率を向上させようとする提案がなされている(例
えば特開昭57−207175号公報参照)。しかしな
がら、この提案ではターゲット4の製作が極めて煩雑と
なるのみでなく、装置毎に異なる厚さ寸法のターゲット
4を準備する必要があるため、管理もまた煩雑であると
いう問題点がある。なお前記凹部4aの発生態様は、磁
場や電場の強さ等の作業条件によって変化するため、最
適条件を見出すことがむずかしいという問題点もある。
【0010】またマグネトロンスパッタ装置を構成する
真空容器1の外部空間にソレノイドコイルを設けると共
に、ターゲット4と基板支持体3間の外周に金属筒を挿
入し、電源5による電界分布を均一に形成し、ターゲッ
ト表面の体積エッチング率を平滑にするという提案もあ
る(例えば特開昭57−207173号公報参照)。し
かしながら、このような構成にすると、装置全体が大型
化かつ複雑化するという問題点があるのみならず、磁界
発生装置7については従来のものと全く同様であり、空
隙磁束密度の水平成分の分布もまた同様であるため、タ
ーゲット4に局部的消耗による凹部4aが発生する傾向
は依然として残存する。
【0011】一方近年においては、直径300〜350
mmのような大型円板状の基板上に薄膜を形成したもの
の要求が増大している。このような大直径の基板上に薄
膜を形成する場合には、磁界発生装置も必然的に大とな
らざるを得ず、特に外周部分の磁界強度を確保するため
に、環状磁石7bを複数個設ける構成としたものも考え
られる。
【0012】しかしながら、環状磁石7bを単に内周側
と外周側に設けたのみでは、環状磁石7bの磁界のピー
ク値が内周側に偏在し、空隙磁束密度の水平成分の分布
が不均一となり、前記のようなターゲット4に局部的消
耗による凹部4aが発生する。一方外周側の環状磁石の
配設位置を、より外側に移動することにより、前記磁界
のピーク値を外側に移動させ得るが、磁界全体の強度が
低下すると共に、装置全体が大型化するという問題点が
ある。
【0013】本考案は上記従来技術に存在する問題点を
解決し、大型の基板に対しても均一な薄膜を形成し得る
と共に、ターゲットの局部的摩耗を防止し、ターゲット
の使用効率を向上させ得るマグネトロンスパッタ装置を
提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案においては、真空容器内に基板支持体および
ターゲットを相互に対向して配設すると共に、これらの
間に電源を接続して電極を構成し、前記ターゲットの背
面側に、中心磁石とこの中心磁石を間隔を介して包囲す
る環状磁石とを異なる磁極をターゲットに対向させて設
けてなる磁界発生装置を設け、ターゲットの基板支持体
との対向面の近傍に前記電源による基板支持体とターゲ
ット間の電界に対して直交する磁界を発生するように構
成したマグネトロンスパッタ装置において、中心磁石を
円柱状に形成し、環状磁石を各々ターゲットに異極が対
向する2個のリング状磁石に形成し、これら2個のリン
グ状磁石間に内周側のリング状磁石と同極性の補助用リ
ング磁石を配設すると共に、これらの磁石を磁性材料か
らなるヨーク上に同軸的に配設する、という技術的手段
を採用した。
【0015】
【作用】上記の構成により、ターゲットに対向する面を
同極性とした内周側のリング状磁石と補助用リング磁石
とが、協同して磁界のピーク値を外周側に移動させると
共に、全体に磁界強度を所定の値に確保するという作用
を発揮し得るのである。
【0016】
【実施例】図1および図2は各々本考案の実施例におけ
る磁界発生装置を示す要部平面図および要部縦断面図で
あり、同一部分は前記図4および図5と同一の参照符号
で示す。図1および図2において、ヨーク8は例えばS
US410のような磁性材料により、例えば直径340
mm、厚さ15mmの円板状に形成する。次に中心磁石
7aは、例えばSmCo系永久磁石材料(日立金属製
H−18B)により、直径60mm、厚さ13mmに形
成し、ヨーク8の中央部に固着する。71,72は各々
リング状磁石であり、前記中心磁石7aと同一材料によ
り、各々外径208mm、内径168mm、および外径
340mm、内径313mm、ならびに両者共厚さ16
mmに形成し、ヨーク8に中心磁石と同軸的に固着す
る。
【0017】次に73は補助用リング磁石であり、前記
中心磁石7aおよびリング状磁石71,72と同一材料
により、外径275mm、内径230mm、厚さ10m
mに形成し、ヨーク8に前記の磁石7a,71,72と
同軸的に固着する。なおこれらの磁石7a,71,7
2,73は何れも厚さ方向に着磁し、中心磁石7aおよ
びリング状磁石72の上面にN極が、リング状磁石71
および補助用リング磁石73の上面にS極が現れるよう
に形成する。なおこの場合N極とS極とが逆になっても
よい。上記の構成によりリング状磁石71,72によ
り、前記図4および図5における環状磁石7bを構成す
る。
【0018】図3は磁石間の位置と空隙磁束密度との関
係を示す図であり、横軸の左右端は前記図1および図2
における中心磁石7aの中心位置およびリング状磁石7
2の外周端における位置に相当し、空隙磁束密度の水平
方向の成分を示す。図3において、曲線aは本実施例に
おけるもの、曲線bは比較例におけるものであり、図1
および図2において、補助用リング磁石73を欠如する
ものである。なお曲線cは要求仕様である。
【0019】図3から明らかなように、補助用リング磁
石73を欠如するものに対応する曲線bにおいては、リ
ング状磁石71,72間における極小ピーク値が内周側
のリング状磁石71の側に偏在しており、要求仕様であ
る曲線cとのずれが大きい。このように極小ピーク値が
内周側のリング状磁石71の側に偏在すると、前記図5
に示すように、ターゲット4に局部的消耗による凹部4
aが発生するため不都合である。これに対して本実施例
における曲線aは、要求仕様である曲線cと極小ピーク
値の位置が一致しており、しかも空隙磁束密度の絶対値
も大であることがわかる。
【0020】上記構成の磁界発生装置をマグネトロンス
パッタ装置に組み込み、磁場中に配設した直径340m
mの基板上に、膜厚200〜300μmのアルミニウム
薄膜を生成する作業を連続して行ったところ、アルミニ
ウムターゲットに局部的消耗による凹部の発生が認めら
れず、ターゲットの使用効率が向上することを確認し
た。
【0021】本実施例においては、中心磁石、リング状
磁石および補助用リング磁石の縦断面形状を矩形状に形
成した例について記述したが、矩形以外の他の幾何学的
形状に形成してもよい。また上記夫々の磁石を形成する
材料としては、SmCo系以外の希土類磁石材料を使
用することができる。
【0022】
【考案の効果】本考案は以上記述するような構成および
作用であるから、大型の基板であっても均一な薄膜を生
成し得ると共に、環状磁石近傍における空隙磁束密度の
ピーク値を最適位置に形成することができ、ターゲット
の局部的消耗を防止し、ターゲットの使用効率を向上さ
せ得るという効果を期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例における磁界発生装置を示す要
部平面図である。
【図2】本考案の実施例における磁界発生装置を示す要
部縦断面図である。
【図3】磁石間の位置と空隙磁束密度との関係を示す図
である。
【図4】従来のマグネトロンスパッタ装置の例を示す要
部縦断面図である。
【図5】繰り返し使用後のターゲットを示す要部縦断面
図である。
【符号の説明】
7a 中心磁石 7b 環状磁石 71,72 リング状磁石 73 補助用リング磁石

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空容器内に基板支持体およびターゲット
    を相互に対向して配設すると共に、これらの間に電源を
    接続して電極を構成し、前記ターゲットの背面側に、中
    心磁石とこの中心磁石を間隔を介して包囲する環状磁石
    とを異なる磁極をターゲットに対向させて設けてなる磁
    界発生装置を設け、ターゲットの基板支持体との対向面
    の近傍に前記電源による基板支持体とターゲット間の電
    界に対して直交する磁界を発生するように構成したマグ
    ネトロンスパッタ装置において、中心磁石を円柱状に形
    成し、環状磁石を各々ターゲットに異極が対向する2個
    のリング状磁石に形成し、これら2個のリング状磁石間
    に内周側のリング状磁石と同極性の補助用リング磁石を
    配設すると共に、これらの磁石を磁性材料からなるヨー
    ク上に同軸的に配設したことを特徴とするマグネトロン
    スパッタ装置。
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