JP2514374B2 - 転写式画像形成装置の転写紙カ−ル除去装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本発明は、転写式画像形成装置において、加熱定着時
に発生する転写紙のカールを除去するようにした転写紙
カール除去装置に関するものである。

【発明の背景】

一般に転写式電子写真複写装置等の画像形成装置にお
いては、光導電性感光層を外周面に有する回転ドラム式
の感光体を使用する。画像形成に際しては、該感光体を
回転させながら前記感光層に原稿画像に基づく静電潜像
を形成する。該静電潜像を担持した感光体表面が現像器
によって現像されて該静電潜像はトナー像に顕像化され
る。該トナー像を担持して一定速度で回転する感光体ド
ラムに、これと同速度をもって給紙された転写紙を密着
させ、この密着状態において転写紙の背面からトナー粒
子と逆極性のコロナ放電を行ってトナー像を転写紙上に
転写する。転写を終えた転写紙は感光体ドラムから分離
されて転写画像を定着するため定着装置へ搬送される。 定着装置は、加熱ヒータを内蔵する定着上ローラ並び
にこの定着上ローラに圧接して従動回転する定着下ロー
ラ、そして定着済みの転写紙を機外に排紙する排紙ロー
ラ等から構成される。 定着上ローラは、そのロール部が硬質材料で形成され
ており、本体側駆動部より伝達手段を経て回転駆動力が
伝達されて駆動側ローラとして回転駆動される。 定着下ローラは、そのロール部が軟質材料によって形
成されている。定着下ローラは従動側ローラであり、前
記定着上ローラに圧接して従動回転する。定着下ローラ
は前記定着上ローラに圧接すると、そのロール部が軟質
材料によって形成されているので、該定着上ローラの外
形に倣って変形し、該上ローラが前記下ローラに若干食
い込むようになり、該定着上ローラと該定着下ローラと
は面接触（ニップ）状態となる。 トナー画像が転写された転写紙は、上記定着上ローラ
と定着下ローラとの面接触部（ニップ部）を通って送り
出されてくる間に、トナー画像が紙面に加熱定着され
る。 一般に、転写紙が45kg紙乃至55kg紙以下の薄紙転写紙
の場合は、定着上ローラと定着下ローラとニップ部で加
熱定着され送り出されてくると上に凸状態に熱変形され
たカールを有するようになる。そして、転写紙が70kg紙
乃至110kg紙更に130kg紙の厚紙転写紙の場合は、定着上
ローラと定着下ローラとのニップ部で加熱定着され送り
出されてくると上に凹状態に熱変形されたカールを有す
るようになる。 このようにカールされた転写紙は、排紙ローラによっ
て機外に排紙された後もカール状態を継続する。特に上
に凹状態にカールされた転写紙は、排紙トレイ上でカー
ルのまま重ねられて行くと、カールの部分から折り曲げ
られたり、次に排紙されてくる転写紙を妨害したりす
る。 一方、転写紙へ第１原稿による画像を転写した後に、
同一転写紙へ第２、第３の原稿による画像の転写が行わ
れるようになってきた。例えば第１原稿による画像を転
写した転写紙に第２、第３の原稿による画像を転写する
合成転写、あるいは、第１原稿の画像を転写した転写紙
の裏面に第２原稿による画像を転写する画面転写等が挙
げられる。 このような画面・合成転写を行う場合に、カールされ
た転写紙を使用するとジャム（紙づまり）を発生させる
ためカールを除去する必要がある。従来、転写紙に発生
するカールを除去するために種々の方法が試みられてき
たが、構造が複雑となるためコスト高となり、しかもジ
ャム処理が繁雑となる等の欠点を有するものであった。

【発明が解決しようとする問題点】

本発明は上記した従来技術の欠点に鑑みなされたもの
であって、加熱定着ローラの下流側に上下方向に移動可
能な一対のカール除去ローラを設け、定着後の転写紙が
該ローラ間を通過するときに、該ローラ対を発生したカ
ールを除去する方向に移動させて、該転写紙Ｐのカール
を除去することが可能な転写式複写装置の転写紙カール
除去装置を提供することを目的とするものである。

【問題点を解決するための手段】

上記目的は、加熱定着手段により定着された転写紙の
カールを除去する転写式画像形成装置の転写紙カール除
去装置において、転写紙搬送面に対して垂直方向に移動
可能な転写紙挟持搬送部材を前記加熱定着手段より転写
紙搬送方向下流側に設け、前記転写紙挟持搬送部材は転
写紙搬送面に対して前記加熱定着手段により定着された
転写紙のカールを除去する方向に移動制御されることを
特徴とする転写式画像形成装置の転写紙カール除去装置
によって達成される。

【実施例】

本発明の実施例の説明に先立って、まず、転写式画像
形成装置の機能について定着工程に至るまでの各工程に
ついて説明する。 第４図は転写式画像形成装置の構成図である。感光体
10は、導電性金属基板上に光導電性物質が一定の厚さで
積層されたドラム状の像担持体であり、回動可能に構成
され回転しながらその光導電面が複数の処理ステーショ
ンを順次通過するようになっている。 感光体10は、帯電器７により帯電され感光体10の表面
は一様に電荷を保持する。光導電面を一様に帯電された
感光体10は回転して露光部８に入る。 該露光部８では、原稿台ガラス１上の原稿の光像がミ
ラー2,3,4,6、レンズ５等の露光光学系Ａによって反射
・導出され、感光体10の光導電面に照射される。感光体
10の被照射部は電荷が放電し、該被照射部に原稿の静電
潜像が形成される。 現像部Ｂは、現像器9a,9bを有している。図中現像器9
bは黒色トナー専用の現像器であり、現像器9aは黒色ト
ナー以外のカラートナーによる現像器である。現像器9a
は、トナー収納部を含むユニットに構成され、所望トナ
ーの色に応じてユニット毎交換して現像することが可能
である。該現像部Ｂにおいて前記静電潜像は現像器によ
って現像され、荷電トナー粒子を含む現像材料が該潜像
に付着して原稿の原画形状へと顕像化される。 一方、給紙部Ｃより送り出しローラ11a又は11bによっ
て給紙カセットから送り出された転写紙Ｐは、給紙ロー
ラ12a又は12bによってタイミングローラ13まで搬送され
てここで待機する。そして、感光体10上に顕像化された
原稿画像領域の先端と、該転写紙Ｐ先端とが一致するよ
うに同期させてタイミングローラ13から転写紙Ｐが感光
体10へ送り出される。転写紙Ｐは、原稿トナー像が形成
された感光体ドラム表面に密着し、この状態で該転写紙
Ｐの背面から転写極14のコロナ放電を受け、前記原稿ト
ナー像が転写紙Ｐに転写される。 前記転写極14によって原稿トナー像を転写された転写
紙Ｐは次に分離極15によって背面より交流コロナ放電を
受け感光体表面から分離される。転写紙Ｐの分離された
感光体10は、クリーニング装置20によって残留トナーが
除去され元の状態に復帰する。 一方、感光体10より分離された転写紙Ｐは、搬送機構
16によって搬送され定着装置30に到達する。 本装置は上面に操作パネル50を有している。操作パネ
ル50は、本体制御装置（不図示）の入力部であり、各種
モードの設定、マニュアル入力等を該操作パネル50に設
けた該当ボタンを押して行う。 第１図は本発明の実施例を示す転写紙カール除去装置
の斜視図、第２図は上記転写紙カール除去装置を備えた
定着装置の側断面図、第３図は定着装置の側面図であ
る。これらの図において、31は定着上ローラ、32は定着
下ローラ、33はクリーニングローラ、34は排紙上ロー
ラ、35は排紙下ローラ、40は転写紙カール除去装置、41
は中間上ローラ、42は中間下ローラ、43は転写紙前案内
板、44は転写紙後案内板、45は揺動板、47はソレノイ
ド、48は歯付きプーリ、49は歯付きベルト、G1〜G8は歯
車である。 転写画像を転写された転写紙は、矢印P1方向から給送
されて定着ローラにより定着された後、本発明の転写紙
カール除去装置を経て排紙ローラに至り、矢印P2方向か
ら機外に排紙されるようになっている。 前記定着装置30には、ヒータを内蔵した定着上ローラ
31は、該定着上ローラに弾性的に圧接してその回転に従
動する定着下ローラ32とからなる定着ローラ対が設けら
れている。 定着上ローラ31は、そのロール部が硬質材料で形成さ
れており、該ローラ31の回転軸に固着された歯車G1に本
体側駆動部（不図示）より伝達手段を経て回転駆動力が
伝達されて、駆動側ローラとして回転駆動される。 定着下ローラ32は、そのロール部が軟質材料によって
形成されている。定着下ローラ32は従動側ローラであ
り、前記定着上ローラ31に圧接して従動回転する。定着
下ローラ32は前記定着上ローラ31に圧接すると、そのロ
ール部が軟質材料によって形成されているので、該定着
上ローラ31の外形に倣って変形し、該上ローラ31が前記
下ローラ32に若干食い込むようになり、該定着上ローラ
31と該定着下ローラ32とは面接触（ニップ）状態とな
る。 トナー画像が転写された転写紙Ｐは、上記定着上ロー
ラ31と定着下ローラ32との面接触部（ニップ部）を通っ
て送り出されてくる間に、トナー画像が紙面に加熱定着
される。 前記定着上ローラ31は、該ローラ31に固着された歯車
G1が駆動されることにより、第２図方向より見て時計方
向に回転し、従って定着下ローラ32は反時計方向に回転
されるようになっている。 前記定着上ローラ31には、クリーニングローラ33が圧
接して従動回転しており、該定着上ローラの表面を常時
クリーニングしている。 定着装置の前記定着ローラ対の下流側に本発明による
転写紙カール除去装置40が設けられている。該転写紙カ
ール除去装置40は定着ローラ対と排紙ローラ対との中間
に位置する。 第１図は上述の転写紙カール除去装置の斜視図であ
る。 転写紙カール除去装置40は、中間上ローラ41、中間下
ローラ42、転写紙前案内板43、転写紙後案内板44、揺動
板45、ソレノイド47等から構成される。 中間上ローラ41並びに中間下ローラ42は、そのロール
部が硬質材料、例えばウレタンスポンジ、クロロプレン
ゴム等によって構成され、ゴム硬度25°程度の硬さを有
している。中間上ローラ41の回転軸41aは、後述の一対
で設けた揺動板45に穿設された長穴45aに遊挿される。
中間上ローラ41の回転軸41aの両軸端にはコイルスプリ
ング50が取り付けられる。該コイルスプリング50の一端
は回転軸41aの溝部41bに回動可能に係着され、他端は前
記揺動板45の不図示の突起部に係止されている。該コイ
ルスプリング50によって中間上ローラ41と中間下ローラ
42とは圧接状態に置かれる。 中間下ローラ42は、その回転軸42aが前記揺動板45に
よって軸支され、該回転軸42aの軸端には歯付きプーリ4
8が固着されている。該歯付きプーリ48への回転駆動力
は、歯車G1からG2、G3、G4、G5を介してG6に伝達され、
G6に同軸固着されたG7から歯付きベルト49を介して伝達
される。 本実施例では、上述のように中間下ローラ42に歯付き
プーリ48を固着させて駆動側ローラとして作動させた
が、中間上ローラ41を駆動側ローラとなしても好まし
い。 本実施例の場合、中間上ローラ41を中間下ローラ42へ
200g・ｆ（gram・force）〜400g・ｆ（gram・force）の
力で圧接させた。 転写紙前案内板43は定着後の転写紙を定着ローラ対か
ら中間ローラ対へ案内する案内板である。該前案内板43
には、第１上板51が載置されておりジャム処理等の際に
は、該第１上板51を上方に外して行う。 該前案内板43はその支点軸43aを中心として中間ロー
ラ対への近接対向部が該ローラ対と共に上下方向へ揺動
可能に構成されている。すなわち該ローラ側の作動突起
43bが前記揺動板45の支持長穴45cに遊挿されており該揺
動板45の上下の揺動に伴って上下方向に揺動する。 転写紙後案内板44はカール矯正後の転写紙を中間ロー
ラ対から排紙ローラ対へ案内する案内板である。該前案
内板43には、第２上板52が載置されておりジャム処理等
の際には、該第２上板52を上方に外して行う。該後案内
板44はその支点軸44aを中心として中間ローラ対への近
接対向部が該ローラ対と共に上下方向へ揺動可能に構成
されている。則ち該ローラ側の作動突起44bが前記揺動
板45の支持長穴45dに遊挿されており該揺動板45の上下
の揺動に伴って上下方向に揺動する。 アクチュエータ46は、後述のソレノイド作動軸47aの
往復動を揺動板45の上下の揺動へと伝達する伝達部材で
ある。 ソレノイド47は、通常使用されているものである。該
ソレノイド47の作動は本体制御装置からの作動信号によ
って行われる。前述の操作パネル50上において薄紙モー
ドを選択し、該当ボタンを押すと該モード設定の入力信
号が本体制御装置に入力され該モードの設定状態とな
る。本体制御装置（不図示）からは、前述の薄紙モード
設定に応じて前記ソレノイド47の作動軸47aをソレノイ
ド本体に引き込むような方向に動作する出力信号を発信
する。前記揺動板45はその支点部45eを中心として下方
に押し下げられる。 厚紙モード設定の場合には、ソレノイド47の作動軸47
aが本体制御装置（不図示）の出力信号に基づいて押し
出される方向に作動する。 上記の構成をなす転写紙カール除去装置40の転写紙搬
送経路に、前記定着ローラ対によって加熱定着された転
写紙Ｐが進入する。該転写紙Ｐは転写紙前案内板43に沿
って進行し中間ローラ対に達する。ここで転写紙Ｐは、
その先端部が中間上ローラ41と中間下ローラ42とに挟持
され、搬送される。転写紙Ｐは、その後転写紙後案内板
44に沿って排紙ローラ対へと搬送される。 薄紙モード設定状態の時には、前記揺動板45は下方に
移動するように制御され、薄紙転写紙は上に凹状態の矯
正力を受ける。厚紙モード設定状態の時には、前記揺動
板45は上方に移動するように制御され、厚紙転写紙は上
に凸状態の矯正力を受ける。 そして、その後排紙ローラ対によって機外に排出され
る。 薄紙転写紙や厚紙転写紙の場合には、従来技術の項に
おいて述べたように、加熱定着の際に熱変形によってカ
ールを生じさせるが、上述した転写紙カール除去装置40
を通過させてこのカールを矯正して除去し、平坦な転写
紙Ｐを得ることができる。なお以上に説明した実施例で
は転写紙は、水平搬送を行う装置について説明してある
が、転写紙が垂直搬送、傾斜搬送する装置についても適
用できる。

【発明の効果】

本発明によって、加熱定着によって生ずる厚紙転写紙
や薄紙転写紙の熱変形によるカールを矯正・除去するこ
とが可能となり、平坦な転写紙を得ることのできる転写
式画像形成装置の転写紙カール除去装置を提供できるこ
ととなった。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による転写紙カール除去装置の斜視図、
第２図は上記転写紙カール除去装置を備えた定着装置の
側断面図、第３図は定着装置の側面図、第４図は転写式
画像形成装置の構成図である。 30……定着装置、31……定着上ローラ 32……定着下ローラ 34……排紙上ローラ、35……排紙下ローラ 40……転写紙カール除去装置 41……中間上ローラ、42……中間下ローラ 43……転写紙前案内板、44……転写紙後案内板 45……揺動板、46……アクチュエータ 47……ソレノイド、48……歯付きプーリ 49……歯付きベルト、50……コイルスプリング Ａ……露光光学系、Ｂ……現像部 Ｃ……給紙部 G1〜G8……歯車、Ｐ……転写紙

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】加熱定着手段により定着された転写紙のカ
   ールを除去する転写式画像形成装置の転写紙カール除去
   装置において、 転写紙搬送面に対して垂直方向に移動可能な転写紙挟持
   搬送部材を前記加熱定着手段より転写紙搬送方向下流側
   に設け、 前記転写紙挟持搬送部材は転写紙搬送面に対して前記加
   熱定着手段により定着された転写紙のカールを除去する
   方向に移動制御されることを特徴とする転写式画像形成
   装置の転写紙カール除去装置。