JP2514205B2 - 磁歪式トルクセンサ - Google Patents

磁歪式トルクセンサ

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JP2514205B2
JP2514205B2 JP62148285A JP14828587A JP2514205B2 JP 2514205 B2 JP2514205 B2 JP 2514205B2 JP 62148285 A JP62148285 A JP 62148285A JP 14828587 A JP14828587 A JP 14828587A JP 2514205 B2 JP2514205 B2 JP 2514205B2
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弘之 平野
寿 北原
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、磁気歪効果を利用して回転体に加わるト
ルクを非接触で検出するための磁歪式トルクセンサに関
する。
〔従来の技術〕
従来の、非接触で回転体のトルクを検出可能なトルク
検出装置としては、例えば、特開昭61-127952号,同61-
127953号の各公報記載のものが知られている。
この従来例は、トルク検出素子を内蔵した1個又は複
数個のトルク検出器を車両のトランスミッションケース
の後端部に、嵌合構造,リブとこれに係合するねじ構
造,又はフランジ構造により取り付け、トルク検出器の
検出面をトランスミッションケースから延設されている
出力軸の円周方向に所定距離をおいて対向させたものと
なっている。そして、トルク検出器としては、略U字状
の磁芯に励磁コイル及び検出コイルを重ねて巻装した構
成となっている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、前述した従来例にあっては、トルク検
出器が出力軸の円周方向の一部分にのみ対向するように
なっているため、出力軸のトルクによる捩に起因した透
磁率変化が検出コイルの起電力変化に反映される割合が
低くなるとともに、出力軸の偏心ノイズ等が混入し、こ
れによって検出精度が著しく悪化するという問題点があ
った。
一方、この検出精度を向上させようとすれば励磁用コ
イル及び検出用コイルの巻き数を増やす等の処置を施さ
なければならないため、トルク検出器が軸方向に大形化
することから、軸方向の装着スペースに制約がある場合
には容易に装備できないという状況があり、そこで、と
くに、軸方向にスペース効率良く装着可能な構造のセン
サが各方面から強く要望されていた。
そこで、この発明は、このような従来技術の有する問
題点及び状況に着目してなされたもので、とくに、トル
ク検出精度を著しく向上させることができるとともに、
軸方向の装着スペースの大形化を排除できる構造の磁歪
式トルクセンサを提供することを、その目的としてい
る。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、この発明は、回転体に作用
するトルクの値及びその方向に応じた信号を磁気歪効果
を用いて非接触で検出可能な磁歪式トルクセンサにおい
て、前記回転体は、該回転体の外周部に円筒部分を有
し、且つ、該回転体の内部に前記円筒部分と同軸な円筒
空間を有する構造とし、前記円筒部分における軸方向所
定域に、前記軸方向に対して正又は負の傾斜角に設定さ
れた複数のグルーブから成る第1のグルーブ列を有し且
つ磁気歪効果を呈する第1のトルク検出面を設け、前記
円筒空間の前記第1のトルク検出面に対向した円周面
に、前記軸方向に対して負又は正の傾斜角に設定された
複数のグルーブから成る第2のグルーブ列を有し且つ磁
気歪効果を呈する第2のトルク検出面を設けるととも
に、前記第1及び第2のグルーブ列にそれぞれ近接対向
した位置に固定配設され且つ前記第1及び第2のトルク
検出面との間でそれぞれ磁気回路を形成可能な第1及び
第2のコイルを具備したことを特徴としている。
〔作用〕
この発明においては、第1,第2のコイルに所定周波数
の励磁電流を供給すると、各々、第1又は第2のコイ
ル、空隙、第1又は第2のトルク検出面、空隙、及び第
1又は第2のコイルを介する磁気回路が形成される。こ
のとき、第1,第2のトルク検出面を通過する磁束は、表
皮効果のためにその表面のみを通過するとともに、各
々、複数のグルーブ(グルーブ列)により、回転体の軸
方向に対して反対となる所定角度だけ傾斜して通過し、
これによって、第1,第2のトルク検出面は軸方向に対し
て相異なる形状磁気異方性を有する。
この状態において、回転体にトルクが加わっていなけ
れば、第1,第2のトルク検出面は所定の透磁率を有して
おり、このため、第1,第2のコイルは、磁気回路の透磁
率に応じたインダクタンスの値を有する。
一方、回転体に所定方向のトルクが加わると、第1,第
2のトルク検出面が各々引張及び圧縮変形作用を受け、
第1,第2のトルク検出面の透磁率が変化し、これに応じ
て第1,第2のコイルのインダクタンスの値が変化する。
このため、このインダクタンスの変化を適宜電気信号に
変換することにより、回転体に加わるトルクの方向及び
その値を知ることができる。
このとき、トルク検出は、回転体の全周で各々行うよ
うになっており、また、第1,第2のトルク検出面には、
相互に反対極性の検出信号を出力するよう形状磁気異方
性をもたせていることから、トルクの変化に対する出力
信号の幅を大きくとることが可能になり、精度良く且つ
安定した検出を行い得る。さらに、何れか一方のセンサ
部分は回転体の内部に設けられているので、その分、軸
方向の装着スペースの有効利用を図り、また小型化を図
ることができる。
〔実施例〕
以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図乃至第7図は、この発明の一実施例を示す図で
ある。
第1図において、1は透磁性部材(例えば、Cr-Mo鋼
系部材)から成り円柱状に形成された回転体としてのシ
ャフトを示し、2はシャフト1に作用するトルクを検出
するトルク検出装置を示す。
この内、シャフト1の一端は、ボールベアリング等の
ベアリング3によりブラケット4に軸支されるととも
に、他端も図示しないベアリングを介して軸支されてい
る。そして、シャフト1は、その他端側(以下、これを
「入力側」という)において図示しない駆動手段により
回転トルクが必要に応じて与えられるようになってい
る。また、シャフト1の同図におけるベアリング3側
(以下、これを「出力側」という)には、駆動ギヤ5Aが
図示の如く一体に設けられている。
また、シャフト1の駆動ギヤ5Aの下方には、駆動ギヤ
5Aに噛合する被駆動ギヤ5Bが配設されており、この被駆
動ギヤ5Bは、ボールベアリング等のベアリング6を介し
て前記ブラケット4にその一端が軸支された出力シャフ
ト8に固着されている。このため、シャフト1が図示し
ない駆動手段により所定方向に回転駆動させられると、
この回転力(トルク)はシャフト1,駆動ギヤ5A、被駆動
ギヤ5Bを順次介して出力シャフト8に伝達され、この出
力シャフト8が所定方向に回転するようになっている。
さらに、シャフト1の内部には、第1図に示すよう
に、このシャフト1の外周面(円筒部分)と同軸な所定
径を有する円筒空間としての中空孔10が形成されてい
る。
一方、トルク検出装置2は、シャフト1に設けられた
磁歪式トルクセンサ2Aと、このトルクセンサ2Aによる検
出信号に基づいてトルク測定を行う測定部2Bとにより構
成されている。
この内、磁歪式トルクセンサ2Aは、シャフト1の軸方
向(第1図中の矢印A参照)の所定域の外周部に設けら
れた第1のセンサ部11Aと、この第1のセンサ部11Aに対
向した中空孔10の円周部(以下、これを必要に応じて内
周部という)に設けられた第2のセンサ部11Bとにより
構成されている。そして、第1のセンサ部11Aは、駆動
ギヤ5Aより入力側に位置するシャフト1の所定域の外周
面に沿って形成された複数のグルーブa,…,aから成る第
1のグルーブ列12A(第2図参照)と、この第1のグル
ーブ列12Aから所定距離の空隙を残して固定配設された
励磁,検出用の第1のコイル13Aと、この第1のコイル1
3Aが巻装された第1のヨーク14Aとを有して構成されて
いる。そして、第1のヨーク14Aは、前記ブラケット4
に連設されたシャフトカバー15に吊設・固定されてい
る。
また、グルーブa,…,aの各々は、シャフト1の軸方向
に対して、ここでは+45度の傾斜角をもってシャフト1
の外周面に所定深さの穿設により等間隔で形成され、こ
れにより、第1のグルーブ列12Aを含む所定域の外周面
が第1のトルク検出面16Aとして設定されている(第4
図(1)参照)。ここで、本実施例における上述の傾斜
角の正負は、シャフト1の外周面に相対したときの軸方
向を基準軸(第4図(1)(2)中の二点鎖線参照)と
し、これから反時計回りにとるときを正、時計回りにと
るときを負としている。
一方、第2のセンサ部11Bは、シャフト1の内周部に
おける前記第1のグルーブ列12Aに対向する所定域に設
けられた複数のグルーブb,…,bから成る第2のグルーブ
列12B(第2図参照)と、この第2のグルーブ列12Bから
所定距離の空隙を残して固定配設された励磁,検出用の
第2のコイル13Bと、この第2のコイル13Bが巻装された
第2のヨーク14Bとを有して構成されている。そして、
第2のヨーク14Bは、前記ブラケット4の出力側端面に
ボルト18,18により着脱自在に固着された略T字状のヨ
ーク支持部材20の先端部に固設されている。また、この
ヨーク支持部材20のアーム部分には、図示の如く、第2
のコイル13Bのリード線を導出するための導出穴20Aが穿
設されている。
また、グルーブb,…,bの各々は、シャフト1の軸方向
に対して、ここでは−45度の傾斜角をもってシャフト1
の内周部に前述したグルーブa,…,aと同様にして形成さ
れ、これにより、第2のグルーブ列12Bを含む所定域の
円周面が第2のトルク検出面16Bとして設定されている
(第4図(2)参照)。
ところで、グルーブa,…,a及びb,…,bを設けることに
より、第1,第2のトルク検出面16A,16Bのグルーブa,…,
a相互間及びb,…,b相互間にシャフト1の周面の一部と
してライン状の凸条a′,…,a′及びb′,…,b′が各
々形成される(第4図(1)(2)参照)。この凸条
a′,…,a′及びb′,…,b′は、後述するトルク検出
用の磁束φをシャフト軸方向に対して各々所定(本実施
例では、45度)の傾斜角をもって導くもので(第4図
(1)(2)中の点線参照)、これによってシャフト1
の第1,第2のトルク検出面16A,16Bは相互に異なる形状
磁気異方性を有するようになっている。
このため、グルーブa,…,a及びb,…,bの長さ,幅,相
互間隔は、第1図乃至第4図に示すように、上述した形
状磁気異方性を確保できる所定値に設定されている。
ここで、本実施例における第1,第2のトルク検出面16
A,16Bは、引張変形を受けたときに透磁率が増加する、
所謂、正の磁歪特性を有するように設定されている。
一方、前述した測定部2Bは第5図に示すように構成さ
れており、同図において、30は第1,第2のコイル13A,13
Bと抵抗素子(抵抗値R1,R2)27A,27Bとのブリッジ回路
である。そして、このブリッジ回路30の入力端a,bに
は、交流電源32が接続される一方、出力端c,dは、検出
信号を処理する信号処理部34を介して指示計36に至る。
ここで、交流電源32の周波数は、トルク検出面16A,16B
を通過する磁束がその表面にのみ分布する、所謂、表皮
効果を発生させるに十分な値(例えば10kHz〜30kHz程
度)に設定されている。
また、信号処理部34は、ブリッジ回路30の出力端c-b,
d-bからの検出信号を各々直流化する整流回路38,38B
と、この整流回路38Aの出力をプラス,整流回路38Bの出
力をマイナスとしてこれらの差をとって増幅しその増幅
信号を指示計36に出力する差動増幅器40とを有して構成
されている。
ここで、本実施例では、ブリッジ回路30のインダクタ
ンスL1,L2は、コイル巻数その他の数値設定によりL1=L
2になるよう設定されており、シャフト1にトルクが印
加されていない状態では、ブリッジ回路30の出力が零、
即ち平衡状態になるよう抵抗値R1,R2が設定されてい
る。
次に、上記実施例の動作を説明する。
まず、シャフト1にトルクが印加されていない状態
で、測定部2Bの交流電源32をオンにし、第1及び第2の
コイル13A及び13Bに交流電流を供給すると、第6図中の
点線図示のような磁気閉回路が形成される。即ち、これ
を第1のコイル13Aにかかる磁気回路についてみれば、
各磁束φは第1のヨーク14A,空隙,第1のトルク検出面
16Aを経て再び、空隙,第1のヨーク14Aを介する経路と
なり、これは、第2のコイル13Bにかかる磁気回路でも
同様である。
このとき、第1,第2のトルク検出面16A,16Aにおける
磁束φ,…,φは、表皮効果のために、第1,第2のトル
ク検出面16A,16Bの表面部分、つまり、第1,第2のグル
ーブa,…,a相互間及びb,…,b相互間の凸条a′,…,a′
及びb′,…,b′に沿う状態で且つ軸方向に対し各々正
又は負の45度の傾斜角をもって通過する(第4図(1)
(2)中の点線参照)。そして、この状態では、前述し
たようにインダクタンスL1=L2であるから、ブリッジ回
路30の出力端c,dの交流出力は同位相で且つ同電位とな
る。このため、整流回路34A,34Bの直流出力は相等し
く、差動増幅器36の出力値は零となり、指示計36の振れ
は零となる。
この状態から、図示しない駆動手段によりシャフト1
が回転され、例えば第1図,第3図中のRで示す方向
(以下、これを「右回転方向」という)にトルクが加わ
ったとする。これにより、第1のトルク検出面16Aは第
4図(1)中の‐で示す方向に圧縮変形を受け、一
方、第2のトルク検出面16Bは同図(2)中の‐で
示す方向に引張変形を受ける。この変形作用によって、
第1のトルク検出面16Aでは、透磁率が減少し、ここを
通過する磁束φ,…,φが減少し、結局、インダクタン
スL1が低下する。これに対して、第2のトルク検出面16
Bでは、透磁率が増加し、ここを通過する磁束φ,…,
φが増加し、結局、インダクタンスL2が増加する。
このため、測定部2Bのブリッジ回路30では、その平衡
がくずれ、出力端c-b側の電圧が出力端d-b側の電圧に比
べて高くなる。従って、信号処理部34においては、整流
回路38Aの出力の方が整流回路38Bの出力より大きくな
り、差動増幅器40の出力は正の値となり、これにより、
指示計36は正の直流電圧値を指示する。
上述の場合とは反対に、前述したトルクが加わってい
ない平衡状態から、第1図,第3図中のLで示す方向
(以下、これを「左回転方向」という)にトルクが加わ
ったとする。これにより、第1のトルク検出面16Aは第
4図(1)中の‐で示す方向に引張変形を受け、且
つ、第2のトルク検出面16Bは同図(2)中の‐で
示す方向に圧縮変形を受ける。これによって、第1のト
ルク検出面16Aでは透磁率が増加することからインダク
タンスL1が増加し、これに対して、第2のトルク検出面
16Bでは透磁率が減少することからインダクタンスL2
減少する。
このため、測定部2Bのブリッジ回路30では、出力端d-
b側の電圧が出力端c-b側の電圧に比べて高くなる。従っ
て、信号処理部34においては、整流回路38Bの出力が整
流回路38Aの出力より大きくなり、差動増幅器40の出力
は負の値となり、これにより、指示計36は負の所定電圧
値を指示する。
そこで、上述した測定を方向毎にトルクの値を変えて
実行すると、シャフト1に加えられるトルクの値と第1,
第2のトルク検出面16A,16Bの透磁率の値とは比例関係
にあることから、第7図に示す結果が得られる。即ち、
トルクが零のときには、信号処理部34の出力電圧が零で
なり、この状態から右回転方向又は左回転方向にトルク
が印加されると、そのトルク値に比例した正又は負の出
力電圧が得られる。つまり、出力電圧の値によりシャフ
ト1に印加されたトルクの大きさを知ることができ、出
力電圧の正負によりトルクの印加方向を知ることができ
る。
本実施例は以上のように構成され作用することから、
種々の利点を有している。
まず、シャフト1の所定域における内外円周面全周に
渡って第1,第2のトルク検出面16A,16Bが各々形成さ
れ、その検出出力が周方向に平均化されることから、従
来例のようにシャフト1の部分周面の磁気歪効果を利用
する場合に比べ、シャフト1内部の構造欠陥等の局所的
な磁気特性の乱れに直接影響されることもなく、一方、
シャフト1が回転中に偏心を生じても、全体としてこの
偏心の影響を平均化できることから、これにより出力電
圧に偏心誤差が生じるという状況が著しく減少され、従
って検出精度を著しく向上させることができる。
さらに、本実施例では、透磁性部材からなるシャフト
1の内外円周面にグルーブa,…,a及びb,…,bを形成する
ことにより、シャフト1及び第1,第2のトルク検出面16
A,16Bが単一部材で構成され、このため、その構成を簡
単化でき、且つ、堅牢になり、また例えば磁歪膜をシャ
フトの内外円周面に接着剤で貼着する場合に比べて、こ
の貼着の際の磁歪膜の歪及び接着剤の温度特性等を考慮
しなくてもよく、この点からも高精度な検出を行うこと
ができる。
さらにまた、第1,第2のトルク検出面16A,16Bは、回
転トルクに対して相互に反対方向の変形力を受ける構成
になっているため、反対極性の出力信号が得られ、これ
によってトルクの変化に対する検出信号のレンジ幅を大
きく設定でき、右回転及び左回転の両方向を上述した高
精度を維持しつつ検出できる。
さらにまた、本実施例では、一方のセンサ部11Bをシ
ャフト1の内部に設け、他方のセンサ部11Aのみをシャ
フト1の外部に設けているため、シャフト1の外部の装
着スペースを一方のセンサ部11Bの分だけ縮小でき、こ
れにより、本センサ2Aを組み込む機器全体の小型化を図
ることができ、又は、シャフト1の外部の僅かのスペー
スでも装着可能になり、省スペース化を推進できる。ま
た、本実施例では、第1,第2のコイル13A,13Bを励磁及
び検出の両方に兼用する構成としているから、その両方
のコイルを各別に巻装する場合に比べて、より小型化す
ることができる。
さらにまた、本実施例では、第2のセンサ部11Bをシ
ャフト1の出力側端面から中空孔10に着脱自在に挿入可
能である構成としているため、センサ部11Bの保守,管
理が容易である。
従って、このような磁歪式トルクセンサ2Aは車両,工
作機械等に広く適用可能であり、これらの機器はその制
御及び構造面において前述した各利点を享受可能にな
る。
なお、前述した実施例においては、第1のトルク検出
面16Aのグルーブa,…,aの傾斜角を軸方向に対して+45
度、第2のトルク検出16Bのグルーブb,…,bのそれを−4
5度に設定したが、本発明は必ずしもこれに限定される
ことなく、傾斜方向を各々反対に又は傾斜角を同一にし
ても可能であり、また、傾斜角の絶対値は他の値であっ
てもよい。一方、装着スペースに余裕がある場合には、
シャフトの内外に二組づつ同一のセンサ部を装備し、さ
らに検出精度の向上を図るとしてもよい。
また、前述した実施例では、シャフト1内部の円筒空
間を有する空間部として同軸状の中空孔10を形成すると
したが、本発明は必ずしもこれに限定されることなく、
例えば、シャフト1に穿設された同軸状の有底穴であっ
てもよいし、また端面を略封鎖された同軸状の空間であ
ってもよい。
さらに、前述した実施例は、シャフト1とトルク検出
面16A,16Bとは単一部材で構成される場合を示したが、
これは必要に応じて、スリットを設けた透磁性の磁歪膜
をシャフトの内外円周面に貼着する等の構成も採り得
る。
さらにまた、前記実施例においては、グルーブの代わ
りにライン状の非透磁性部材を斜めに埋設し、磁束の漏
れを確実に防止させるとしてもよい。
さらにまた、この発明は、回転しない部材であっても
トルクが伝達される部材であれば、その部材に対して前
述と同様に適用し得ることは勿論である。
〔発明の効果〕 以上説明してきたように、この発明によれば、磁歪式
トルクセンサを回転体の外周部及び内周部に分割して設
け、且つ、シャフトの内外で対向する所定域の円周面に
それぞれに異なる形状磁気異方性を有する第1,第2のト
ルク検出面を設けるという構成にしたため、局所的な磁
気特性の乱れが生じてもそれが周方向に平均化され、ま
たシャフトに偏心が生じてもその偏心誤差がシャフトの
ラジアル方向の反対側同士で吸収される等のことから、
回転体に加わるトルクに応じた信号を非接触で精度良く
検出可能になるとともに、シャフトの内外のトルク検出
面で各別に異なる形状磁気異方性をもたせていることか
ら、何れか一方のトルク検出面にかかる検出の場合に比
較して、トルクの変化に対する検出値のレンジ幅が広く
設定可能になって安定した高精度の測定を行うことが可
能になる一方、回転体の外部の装着スペースが小さい場
合でも取付けが可能になり、また軸方向の装着スペース
が極力少なくてすむ等、装着スペースの有効利用及び省
スペース化を推進して、本センサを適用する機器の小型
化にも寄与するという優れた磁歪式トルクセンサを提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例を示す一部破断した側面
図、第2図は第1図のシャフトのグルーブ列を示す一部
破断した側面図、第3図は第2図中のIII-III線に沿っ
た断面図、第4図(1)(2)は各々第1,第2のトルク
検出面のグルーブの変形作用を示すため、シャフトの内
外の第1,第2のトルク検出面をそれぞれ平板状に展開し
たときの説明図、第5図は第1図の測定部を示すブロッ
ク図、第6図は本実施例における軸方向の磁束の経路を
示す説明図、第7図は本実施例におけるトルク対出力電
圧の関係を示すグラフである。 図中、1は外周面に円筒部分を含む中空状のシャフト
(回転体)、2はトルク検出装置、2Aは磁歪式トルクセ
ンサ、10は円筒空間を含む中空孔、12A,12Bは第1,第2
のグルーブ列、13A,13Bは第1,第2のコイル、16A,16Bは
第1,第2のトルク検出面、a,…,a、b,…,bはグルーブで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平野 弘之 横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車 株式会社内 (72)発明者 北原 寿 横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車 株式会社内 (72)発明者 杉本 正毅 横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車 株式会社内 (72)発明者 高取 和宏 横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−228140(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転体に作用するトルクの値及びその方向
    に応じた信号を磁気歪効果を用いて非接触で検出可能な
    磁歪式トルクセンサにおいて、 前記回転体は、該回転体の外周部に円筒部分を有し、且
    つ、該回転体の内部に前記円筒部分と同軸な円筒空間を
    有する構造とし、 前記円筒部分における軸方向所定域に、前記軸方向に対
    して正又は負の傾斜角に設定された複数のグルーブから
    成る第1のグルーブ列を有し且つ磁気歪効果を呈する第
    1のトルク検出面を設け、 前記円筒空間の前記第1のトルク検出面に対向した円周
    面に、前記軸方向に対して負又は正の傾斜角に設定され
    た複数のグルーブから成る第2のグルーブ列を有し且つ
    磁気歪効果を呈する第2のトルク検出面を設けるととも
    に、 前記第1及び第2のグルーブ列にそれぞれ近接対向した
    位置に固定配設され且つ前記第1及び第2のトルク検出
    面との間でそれぞれ磁気回路を形成可能な第1及び第2
    のコイルを具備したことを特徴とする磁歪式トルクセン
    サ。
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