JPH0533947Y2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0533947Y2
JPH0533947Y2 JP1987097805U JP9780587U JPH0533947Y2 JP H0533947 Y2 JPH0533947 Y2 JP H0533947Y2 JP 1987097805 U JP1987097805 U JP 1987097805U JP 9780587 U JP9780587 U JP 9780587U JP H0533947 Y2 JPH0533947 Y2 JP H0533947Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
torque
shaft
output
torque detection
gear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1987097805U
Other languages
English (en)
Other versions
JPS645134U (ja
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed filed Critical
Priority to JP1987097805U priority Critical patent/JPH0533947Y2/ja
Publication of JPS645134U publication Critical patent/JPS645134U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JPH0533947Y2 publication Critical patent/JPH0533947Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、トルク検出装置を備えた車両用手
動変速機にかかり、特に手動変速機から出力され
るトルクを磁気歪効果を利用して非接触で検出す
るものである。
〔従来の技術〕
従来の、非接触で車両におけるトルクを検出可
能な装置としては、例えば、特開昭61−127952
号、同61−127953号の各公報記載のものが知られ
ている。
この従来例は、トルク検出素子を内蔵した1個
又は複数個のトルク検出器を車両のトランスミツ
シヨンケースの後端部に、嵌合構造、リブとこれ
に係合するねじ構造、又はフランジ構造により取
り付け、トルク検出器の検出面をトランスミツシ
ヨンケースから延設されている出力軸の円周方向
に所定距離をおいて対向させたものとなつてい
る。そして、トルク検出器としては、略U字状の
磁芯に励磁コイル及び検出コイルを重ねて巻装し
た構成とし、このトルク検出器に対向する出力軸
の外周面には、検出感度を上げるために、アモル
フアス等の透磁性部材から成る厚さ20〜30μmの
薄膜(リボン)が耐熱性接着剤で貼着されてい
る。
〔考案が解決しようとする問題点〕
しかしながら、前述した従来例にあつては、出
力軸のトルクを検出する面(トルク検出面)に透
磁性の薄膜を貼着し、これにより検出感度を確保
するようになつていたため、出力軸と薄膜との間
の熱膨脹率が異なることから、温度を変えただけ
で検出値が異なる等、温度特性が悪く、これによ
り検出精度が著しく低下するとともに、接着剤を
用いて薄膜が歪まないように貼るには多くの手間
と時間を要することから、加工効率が著しく低下
するという問題点があつた。
また、トルク検出器が出力軸の円周方向の一部
分にのみ対向するようになつているため、出力軸
のトルクによる捩に起因した透磁率変化が検出コ
イルの起電力変化に反映される割合が低くなると
ともに、出力軸の偏心による誤差の影響を受け易
く、これによつてトルク検出精度が一層低下する
いう問題点があつた。
さらに、上述した偏心による誤差の影響を減ら
そうすれば、トルク検出器をその周方向に複数個
設けることになり(特開昭61−127953号参照)、
その分だけ装置が大形化し、且つ、組立工程も増
大するという問題点もあつた。
そこで、この考案は、このような従来技術の有
する問題点に着目してなされたもので、とくに、
従来の手動変速機部分の形状を殆ど変更すること
なく且つ大形化させることなく装備でき、トルク
を検出する面の加工が簡単化され、さらに手動変
速機が何れの変速状態であつてもこれから出力す
るトルクを精度良く且つ安定して検出することが
できる車両用トルク検出装置を提供することを、
その目的としている。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、この考案は、変速用
の歯車群及びこの歯車群の何れか一方の側に出力
用の出力ギヤが装着されたシヤフトを有し、所定
比の変速を行う車両用手動変速機において、前記
シヤフトを、透磁性部材により形成するととも
に、前記歯車群による最も前記出力ギヤに近接し
た側のトルク入力位置及び前記出力ギヤによるト
ルク出力位置の相互間に対応する前記シヤフトの
軸方向の内部に、このシヤフトと同軸でこのシヤ
フト内の油路を兼用させた円筒面を有する測定用
空間を設け、この測定用空間の軸方向の所定区間
における円周面に、前記シヤフトの軸方向に対し
傾斜して形成された複数のグルーブから成るグル
ーブ列を含むトルク検出面を直接形成し、このト
ルク検出面に近接対向した位置に固定配設され且
つ当該トルク検出面との間で磁気回路を形成可能
なコイルを有したセンサ部を具備したしたことを
特徴としている。
〔作用〕
この考案においては、センサ部のコイルに所定
周波数の励磁電流を供給すると、コイル、空隙、
トルク検出面、空隙、及びコイルを介する磁気回
路が形成される。このとき、トルク検出面を通過
する磁束は、表皮効果のためにその表面のみを通
過するとともに、複数のグルーブ(グルーブ列)
により、シヤフトの軸方向に対して所定角度だけ
傾斜して通過し、これによつて、トルク検出面は
軸方向に対して形状磁気異方性を有する。
この状態において、例えばクラツチが「断」状
態に操作され、手動変速機のシヤフトにトルクが
伝達されていない状態では、トルク検出面は所定
の透磁率を有し、このため、コイルは磁気回路の
透磁率に応じたインダクタンスの値を有する。
一方、クラツチが「続」状態に操作されると、
手動変速機において所定の変速比の変速が行わ
れ、これにより、変速後の回転出力は、シヤフト
の歯車群の内の何れかの歯車からシヤフト、出力
ギヤを介して駆動輪側に伝達される。つまり、シ
ヤフトの歯車群と出力ギヤとの間では、何れの変
速状態であつても、所定方向のトルクが印加され
ている。かかる状態では、トルク検出面のグルー
ブ列が引張又は圧縮変形作用を受け、トルク検出
面の透磁率が変化し、これに応じてコイルのイン
ダクタンスの値が変化する。このため、このイン
ダクタンスの変化を適宜、電気信号に変換するこ
とにより、手動変速機から駆動輪側に出力される
トルクの方向及びその値を確実に知ることができ
る。
このとき、トルク検出面及びセンサ部は、シヤ
フトの軸方向の内部に設けられた測定用空間に装
備されているから、既存の手動変速機の形状を殆
ど変更することなく且つ大形化させることなく省
スペース化を図りながら実施できる。また、トル
ク検出面は、油路を兼ねた測定用空間の円周面
(即ち、透磁性を有するシヤフトの内周面)にグ
ルーブ列を直接設けるだけですむから、その加工
に要する手間が大幅に省ける。さらに、トルク検
出は、シヤフトの周面で行つているため、検出出
力が周方向に平均化され、シヤフトの偏心の影響
を受けない等のことにより、高精度で安定した検
出を行うことができる。
〔実施例〕
以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明
する。
第1図乃至第7図は、この考案の一実施例を示
す図である。
まず、第2図を参照して、本考案にかかるトル
ク検出装置の装着位置及びその周辺の構成の概要
を説明する。同図において、2は車両のクラツチ
4を収容するクラツチハウジングを示し、6はク
ラツチハウジング2に隣接して配設され手動変速
機8を収容する変速機ケースを示す。
クラツチ4は、本実施例では、ダイヤフラムス
プリング式のものが搭載されており、図示しない
クラツチペダルを操作することによりエンジン出
力を断続でき、その「続」状態でのトルクはクラ
ツチシヤフト10を介して、このクラツチシヤフ
ト10と一体的に形成された手動変速機8の入力
シヤフト12に出力されるようになつている。
また、手動変速機8は、本実施例では、フロン
トエンジン・フロントドライブ(FF)方式のも
のが採用されており、変速機両端のベアリング1
4,16により回動自在に軸支された前記入力シ
ヤフト12と、、この入力シヤフト12と平行に
変速機両端のベアリング18,20により回動自
在に軸支されたメインシヤフト22とを有してい
る。この内、少なくともメインシヤフト22は、
後述する磁歪特性を保有させるため、透磁性部材
(例えばCr−Mo鋼系部材)により形成されてい
る。
そして、この両シヤフト12,22に前進5
段、後退1段の歯車群(入力側歯車群23及び出
力側歯車群24とから成る)及びこれを駆動する
シンクロメツシユ機構群が、またメインシヤフト
22の第1図における右端側(以下、これを右端
側という)に出力ギヤ26が各々設けられてい
る。入力側歯車群23は、入力シヤフト12の右
端側から第1図における左端側(以下、これを左
端側という)に向かつて順次装着された、1速イ
ンプツトギヤ23a、リバースインプツトギヤ2
3b、2速インプツトギヤ23c〜5速インプツ
トギヤ23fにより形成されている。また、出力
側歯車群24は、メインシヤフト22の前記出力
ギヤ26から左端側に向かつて順次装着され、1
速インプツトギヤ23aに噛合された1速メイン
ギヤ24a、リバースメインギヤ24b,2速〜
5速インプツトギヤ23c〜23fに各々噛合さ
れた2速〜5速メインギヤ24c〜24fにより
形成されている。さらに、シンクロメツシユ機構
群は、1速及び2速メインギヤ24a,24c間
に装備された1速−2速シンクロメツシユ機構2
5a,3速及び4速メインギヤ24d,24e間
に装備された3速−4速シンクロメツシユ機構2
5b、及び入力シヤフト12の左端側の5速シン
クロメツシユ機構25cにより形成されている。
また、出力ギヤ26は、フアイナル駆動ギヤ2
7に噛合し、この出力が作動装置28、前車輪駆
動軸29,29等を介して図示しない前車輪に伝
達されるようになつている。
ここで、メインシヤフト22の1速−2速シン
クロメツシユ機構25aに対向する軸方向位置が
出力ギヤ26に最も近接したトルク入力位置であ
り、出力ギヤ26に対向するそれがトルク出力位
置である。
さらに、第2図において、断面のとり方は異な
るが、30はリバースアイドラーギヤシヤフトで
あり、32はリバースアイドラーギヤであつて、
後退走行状態ではリバースアイドラーギヤ32が
前記リバースインプツトギヤ23bとリバースメ
インギア24bとの間に噛合可能になつている。
さらにまた、本実施例では、メインシヤフト2
2の右端側の端面から1速メインギヤ24aの軸
方向位置終了地点まで、測定用空間としての略円
筒状の測定穴40がメインシヤフト22と同軸に
穿設され、この測定穴40は、メインシヤフト2
2の油路42に連通されている。
さて、第1図に戻つて、50は手動変速機8か
ら出力されるトルクを検出する車両用トルク検出
装置を示す。この車両用トルク検出装置50は、
磁気歪効果によりトルクに応じた電気信号を検出
可能な磁歪式のトルクセンサ50Aと、このセン
サ50Aにかかる電気信号に基づきトルクを測定
する測定部50Bとにより構成されている。
この内、トルクセンサ50Aは、前記測定穴4
0の軸方向における1速メインギヤ24aに対向
する所定域(以下、これを測定区間という)の円
周面(メインシヤフト22の内周面)に各々形成
された第1、第2のトルク検出面52A,52B
(第5図参照)と、この各トルク検出面52A,
52Bに所定距離の空隙を介して近接対向する位
置に固定装備された励磁、検出用の第1、第2の
コイル54A,54Bと、この各コイル54A,
54を巻装するヨーク56と、このヨーク56と
一体に形成され且つクラツチハウジング2の側面
2Aに着脱自在にボルト止めされたアーム57と
を有して構成されている。この内、アーム57に
は、第1、第2のコイル54A,54Bのリード
線を遊挿させる中空穴57Aが設けられている。
ここで、第1、第2のコイル54A,54B及
びヨーク56によりトルクセンサ50Aのセンサ
部が形成されている。
そして、前記測定区間の左端側にその円周面に
沿つて複数のグルーブa,…,aから成る第1の
グルーブ列58A(第3,5図参照)を設けるこ
とにより、この第1のグルーブ列58Aを含む所
定円周面域が前記第1のトルク検出面52Aとし
て設定されている。これと同様にして、前記測定
区間の右端側にその円周面に沿つて複数のグルー
ブb,…,bから成る第2のグルーブ列58B
(第3,5図参照)を設けることにより、この第
2のグルーブ列58Bを含む所定円周面域が第2
のトルク検出面52Bして設定されている。
また、グルーブa,…,aの各々は、メインシ
ヤフト22の軸方向(第1図中の矢印A参照)に
対して、+45度の傾斜角(ここで、軸方向を基準
軸とし、これから反時計回りにとるときを正、時
計回りにとるときを負としている)をもつて、一
方、グルーブb,…,bの各々は、−45度の傾斜
角をもつて所定深さ(例えば1mm)で等間隔に形
成されている。
ところで、グルーブa,…,a及びb,…,b
を設けることにより、第1、第2のトルク検出面
52A,52Bには、グルーブa,…,a相互間
及びb,…,b相互間にメインシヤフト22の内
周面の一部としてのライン状の凸条a′,…,a′及
びb′,…,b′が形成される(第5図参照)。この
凸条a′,…,a′及びb′,…,b′は後述するトルク
検出用の磁束φをシヤフト軸方向に対して各々所
定(本実施例では、45度)の傾斜角をもつて導く
もので(第5図中の点線参照)、これによつて第
1、第2のトルク検出面52A,52Bは相互に
異なる形状磁気異方性を保有可能になつている。
このため、グルーブa,…,a及びb,…,b
の各々に対するグルーブ長、グルーブ幅、グルー
ブ間隔は、上述した形状磁気異方性を確保できる
所定値に設定されている。
ここで、本実施例における第1、第2のトルク
検出面52A,52Bは、引張変形を受けたとき
に透磁率が増加する、所謂、正の磁歪特性を有す
るように設定されている。
一方、前述した測定部50Bは第4図に示すよ
うに構成されている。これを詳述すると、同図に
おいて、60は第1、第2のコイル54A,54
Bと抵抗(抵抗値R1,R2)62A,62Bとの
ブリツジ回路である。そして、このブリツジ回路
60の入力端a,bには、交流電源64が接続さ
れる一方、出力端c,dは、検出信号を処理する
信号処理部66を介して指示計68に至る。ここ
で、交流電源64の周波数は、トルク検出面52
A,52Bを通過する磁束がその表面にのみ分布
する、所謂、表皮効果を発生させるに十分な値
(例えば10kHz〜30kHz程度)に設定されている。
また、信号処理部66は、ブリツジ回路60の
出力端c,dからの検出信号を各々直流化する整
流回路70A,70Bと、この整流回路70Aの
出力をプラス、整流回路70Bの出力をマイナス
としてこれらの差をとつて増幅しその増幅信号を
指示計68に出力する差動増幅器72とを有して
構成されている。
ここで、本実施例では、ブリツジ回路60のイ
ンダクタンスL1,L2は、L1=L2になるよう設定
されており、また、トルクが印加されていない状
態では、ブリツジ回路60の出力が零、即ち平衡
状態になるよう抵抗値R1,R2の値が設定されて
いる。
次に、上記実施例の動作を説明する。
まず、クランプペダルが踏み込まれ、クラツチ
4が前述したように「断」となる中立状態では、
エンジンの出力が手動変速機8に入力しない。こ
の場合、測定部50Bの交流電源64をオンに
し、第1及び第2のコイル54A及び54Bに所
定周波数の交流電流を供給すると、第6図中の点
線図示のような磁気閉回路が形成される。即ち、
これを第1のコイル54Aにかかる磁気回路につ
いてみれば、各磁束φはヨーク56、空隙、第1
のトルク検出面52Aを経て再び、空隙、ヨーク
56を介する経路となり、これは、第2のコイル
54Bにかかる磁気回路でも同様である。
このとき、第1、第2のトルク検出面52A,
52Aにおける磁束φ,…,φは、表皮効果のた
めに、第1、第2のトルク検出面52A,52B
の表面部分、つまり、グルーブa,…,a相互間
及びb,…,b相互間のライン状の凸条a′,…,
a′及びb′,…,b′に沿う状態で且つ軸方向に対し
各々正又は負の45度の傾斜角をもつて通過する
(第5図中の点線参照)。そして、この状態では、
前述したようにインダクタンスL1=L2であるか
ら、ブリツジ回路60の出力端c,dの交流出力
は同位相で且つ同電位となる。このため、整流回
路70A,70Bの直流出力は相等しく、差動増
幅器72の出力値は零となり、指示計68の振れ
は零となる。
この状態から、クラツチペダルの踏み込みが解
除され、前述したようにクランプ4が「続」状態
になると、エンジンの回転力がクランプ4を介し
て手動変速機8の入力シヤフト12に入力する。
そして、手動変速機8では、そのときにギヤシヤ
フトレバーにより選択されているギヤ比の変速が
実施され、変速後の回転力が出力ギヤ26、フア
イナル駆動ギヤ27、作動装置28等をを介して
前車駆動輪に伝達される。これを、例えば、一速
走行状態についてみれば、入力した回転力は、1
速インプツトギヤ23a,1速−2速シンクロメ
ツシユ機構25a、メインシヤフト22の測定区
間、および出力ギヤ26を介して伝達される。ま
た、他の変速状態であつても1速のときと同様
に、必ず前記測定区間を介するトルク伝達経路と
なる。
この作動状態において、メインシヤフト22に
例えば第1図中のRで示す方向(以下、これを
「右回転方向」という)に捩じりトルクが加わつ
たとする。これにより、第1のトルク検出面52
Aは第5図中の−で示す方向に圧縮変形を受
け、一方、第2のトルク検出面52Bは同図中の
−で示す方向に引張変形を受ける。この変形
作用によつて、第1のトルク検出面52Aでは、
透磁率が減少し、ここを通過する磁束φ,…,φ
が減少し、結局、インダクタンスL1が低下する。
これに対して、第2のトルク検出面52Bでは、
透磁率が増加し、ここを通過する磁束φ,…,φ
が増加し、結局、インダクタンスL2が増加する。
このため、測定部50Bのブリツジ回路60で
は、その平衡がくずれ、出力端c−b側の出力が
出力端d−b側の出力に比べ、その電圧が高くな
る。従つて、信号処理部66においては、整流回
路70Aの出力の方が整流回路70Bの出力より
大きくなり、差動増幅器72の出力は正の値とな
り、これにより、指示計68は正の直流電圧値を
指示する。
上述の場合とは反対に、前述した捩じりトルク
が加わつていない平衡状態から、第1図中のLで
示す方向(以下、これを「左回転方向」という)
に捩じりトルクが加わつたとする。これにより、
第1のトルク検出面52Aは第5図中の−で
示す方向に引張変形を受け、且つ、第2のトルク
検出面52Bは同図中の−で示す方向に圧縮
変形を受ける。これによつて、第1のトルク検出
面52Aでは透磁率が増加することからインダク
タンスL1が増加し、これに対して、第2のトル
ク検出面52Bでは透磁率が減少することからイ
ンダクタンスL2が減少する。
このため、測定部50Bのブリツジ回路60で
は、出力端d−b側の出力が出力端c−b側の出
力に比べ、その電圧が高くなる。従つて、信号処
理部66においては、整流回路70Bの出力が整
流回路70Aの出力より大きくなり、差動増幅器
72の出力は負の値となり、これにより、指示計
36は負の所定電圧値を指示する。
そこで、トルクの変化と第1、第2のトルク検
出面52A,52Bの透磁率の変化とが比例関係
にあることから、第7図に示す結果が得られる。
即ち、トルクが零のときには、信号処理部66の
出力電圧が零であり、この状態から右回転方向又
は左回転方向にトルクが印加されると、そのトル
ク値に比例した正又は負の出力電圧が得られる。
つまり、出力電圧の値によりメインシヤフト22
の測定区間に印加されたトルク、即ち手動変速機
8から出力するトルクの大きさを知ることがで
き、出力電圧の正負によりそのトルクの印加方向
を知ることができ、これを利用してパワートレイ
ン系のトルク制御及びクラツチ断続制御等を行う
ことができる。
本実施例は以上のように構成され作用すること
から、種々の利点を有している。
まず、第1、第2のトルク検出面52A,52
Bは、クラツチシヤフト10自身の磁気特性を利
用した単一部材で構成しているから、従来のよう
に磁歪薄膜を貼着する場合に比較して、その加工
工程が簡単化され、安価にできるとともに、機械
的に堅牢なものとなる。
また、第1、第2のトルク検出面52A,52
Bは上述のように単一部材で構成されているた
め、従来のように磁歪薄膜を貼着する複合部材で
の場合のように、部材の熱膨脹率が異なるという
こともなく、温度特性が良くなること、また、第
1、第2のトルク検出面52A,52Bは測定区
間の円周面に渡つて各々形成されているため、そ
の検出出力が周方向に平均化され、従来例によう
にシヤフトの部分周面の磁気歪効果を利用する場
合に比べ、シヤフト内部の構造欠陥等の局所的な
磁気特性の乱れに直接影響されることがないとと
もに、メインシヤフト22が回転中に偏心を生じ
ても、この偏心誤差の影響をメインシヤフト22
を介する反対側同士で相殺できること等から、こ
れらによつて従来例に比較して検出精度を著しく
向上させることができる。
さらに、本実施例では、第1、第2のトルク検
出面52A,52Bが、トルクに対して相互に反
対方向の変形力を受ける構成になつているため、
同一方向のトルクに対して反対方向に変化する出
力信号が得られ、これによつてトルクの変化に対
する検出信号のレンジ幅を大きく設定でき、右回
転及び左回転の両方向を上述した高精度を維持し
つつ検出できる。
さらにまた、本実施例では、メインシヤフト2
2の内部で且つ何れの変速状態でも必ずトルクが
通過する測定区間部分にトルクセンサ50Aを設
けている。このため、従来の手動変速機8の形状
を大幅に変更することなく装備可能であり、メイ
ンシヤフト22の内部を有効的に利用して装着ス
ペースの効率化を図ることができ、生産コスト低
減及び小形化に寄与できる。また、内部の測定穴
40は従来通り油路としても機能しており、新た
に油路を設ける必要がなく、これによつてもコス
ト低減を図ることができる。このとき、測定穴4
0とこれに連通する油路42との径を一致させる
ことにより、測定穴を形成する必要もなく加工工
程の一層の省力化をも図ることができる。
さらにまた、本実施例では、第1、第2のコイ
ル54A,54Bを励磁及び検出の両方に兼用す
る構成としているから、その両方のコイルを各別
に巻装する場合に比べて、より小形化させること
ができる。
さらにまた、本実施例では、トルクセンサ50
Aは、右側側の端面から容易に着脱できるため、
保守、点検が容易に行えるという利点がある。
なお、前述した実施例においては、トルク検出
面として第1、第2のトルク検出面52A,52
Bを設けるとしたが、本考案は必ずしもこれに限
定されることなく、例えば、上述の内、何れか一
方のみとして、構成の簡単化を図ることもでき、
その場合には、測定部50Bのブリツジ回路60
の組み方により一方又は両方のトルクを適宜測定
可能になる。一方、上述の場合において、測定区
間の装着スペースに余裕のあるときには、第1、
第2のトルク検出面52A,52Bの各々を、同
一方向の形状磁気異方性を有する二組づつのトル
ク検出面及びセンサ部とにより構成することによ
つて、検出出力を大きくし、検出精度のより一層
の向上を図るとしてもよい。
また、前述した実施例では、グルーブa,…,
a及びb,…,bの傾斜角をそれぞれ+45度及び
−45度に設定したが、本考案は必ずしもこれに限
定されることなく、例えば傾斜角を相互に反対に
してもよいし、また、加工等の必要に応じて45度
以外の角度であつてもよい。
さらに、前述した測定部50Bでは、トルクに
応じた出力電圧を測定するとしたが、これは、マ
イクロコンピユータ等を新たに搭載し、出力電圧
をデジタル化してマイクロコンピユータで処理
し、パワートレイン系のトルク制御、クラツチの
断続制御を行うこともできる。
ところで、本考案では、形状磁気異方性を構成
する磁束方向規定手段としてグルーブa,…,a
及びb,…,bを斜めに設けるとしたが、この変
形例としては、グルーブ状の非透磁性部材を埋設
し、磁束の漏れを減少させ、磁束の斜め方向の通
過をより確実にするとしてもよい。
〔考案の効果〕
以上説明したように、本考案によれば次の効果
を奏する。すなわち、 トルク検出面をシヤフト内周面に直接形成し
ているから、トルク検出面の加工工程が簡単化
されるとともに機械的に堅牢になるし、トルク
検出面とシヤフトとが単一部材で構成されてい
るため、熱膨脹率の相違によるトルク検出精度
の低下を防止することができる。
シヤフト内の測定用空間をシヤフト内の油路
と兼用させているため、本考案を実施するため
にシヤフト内に新たに穴を設ける必要がないか
ら、この点でも加工工程が簡単化される。
何れの変速状態でも必ずトルクが通過する位
置にトルク検出面があるから、手動変速機から
出力するトルクの大きさを常に知ることができ
るため、これに基づいてパワートレイン系のト
ルク制御やクラツチの断続制御を好適に行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の一実施例を示す概略構成
図、第2図は第1図の実施例におけるトルクセン
サの装着位置を示すための車両の手動変速機の概
略構成図、第3図は第1図中の−線に沿つた
断面図、第4図は第1図の測定部の構成を示すブ
ロツク図、第5図は第1、第2のトルク検出面の
変形作用を示すため、第1、第2のトルク検出面
をそれぞれ平板状に展開したときの説明図、第6
図は本実施例における軸方向の磁束の経路を示す
説明図、第7図は本実施例におけるトルク対出力
電圧の関係を示すグラフである。 図中、8は手動変速機、22はメインシヤフト
(シヤフト)、24は出力側歯車群(歯車群)、2
6は出力ギヤ、40は測定用空間としての測定
穴、50は車両用トルク検出装置、50Aはトル
クセンサ、50Bは測定部、52A,52Bは第
1、第2のトルク検出面(トルク検出面)、54
A,54Bはセンサ部の一部である第1、第2の
コイル(コイル)、56はセンサ部の一部である
ヨーク、58A,58Bは第1、第2のグルーブ
列(グルーブ列)、a,…,a,b,…,bはグ
ルーブである。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 変速用の歯車群及びこの歯車群の何れか一方の
    側に出力用の出力ギヤが装着されたシヤフトを有
    し、所定比の変速を行う車両用手動変速機におい
    て、 前記シヤフトを、透磁性部材により形成すると
    ともに、 前記歯車群による最も前記出力ギヤに近接した
    側のトルク入力位置及び前記出力ギヤによるトル
    ク出力位置の相互間に対応する前記シヤフトの軸
    方向の内部に、このシヤフトと同軸でこのシヤフ
    ト内の油路を兼用させた円筒面を有する測定用空
    間を設け、 この測定用空間の軸方向の所定区間における円
    周面に、前記シヤフトの軸方向に対し傾斜して形
    成された複数のグルーブから成るグルーブ列を含
    むトルク検出面を直接形成し、 このトルク検出面に近接対向した位置に固定配
    設され且つ当該トルク検出面との間で磁気回路を
    形成可能なコイルを有したセンサ部を具備したこ
    とを特徴とするトルク検出装置を備えた車両用手
    動変速機。
JP1987097805U 1987-06-25 1987-06-25 Expired - Lifetime JPH0533947Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1987097805U JPH0533947Y2 (ja) 1987-06-25 1987-06-25

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1987097805U JPH0533947Y2 (ja) 1987-06-25 1987-06-25

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS645134U JPS645134U (ja) 1989-01-12
JPH0533947Y2 true JPH0533947Y2 (ja) 1993-08-27

Family

ID=31323524

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1987097805U Expired - Lifetime JPH0533947Y2 (ja) 1987-06-25 1987-06-25

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0533947Y2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019168250A (ja) * 2018-03-22 2019-10-03 本田技研工業株式会社 モータユニット及び車両
JP7012574B2 (ja) * 2018-03-22 2022-01-28 本田技研工業株式会社 モータユニット及び車両

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59228140A (ja) * 1983-06-06 1984-12-21 アセア・アクチ−ボラグ 磁気弾性トルク変換器

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59228140A (ja) * 1983-06-06 1984-12-21 アセア・アクチ−ボラグ 磁気弾性トルク変換器

Also Published As

Publication number Publication date
JPS645134U (ja) 1989-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6269702B1 (en) Method and apparatus for measuring torque
US4887461A (en) Magnetostriction type torque sensor
US8131501B2 (en) Analyzing method for a sensor system determining the position of a shifting fork in a change gear transmission
JPH0326339B2 (ja)
JP2003028195A (ja) 電磁クラッチ
JPH0533947Y2 (ja)
US20200171938A1 (en) Rotation transfer apparatus provided with torque measuring device
CN205678117U (zh) 一种无离合amt变速器结构
EP0146382A2 (en) Torque sensor of noncontact type
JP2514206B2 (ja) 車両用トルク検出装置
JPS63312551A (ja) 自動変速機のトルク検出装置
JP3518889B2 (ja) 無接触型セレクト位置検出装置
JPS63171333A (ja) トルクセンサ
JPS63311135A (ja) 磁歪式トルクセンサ
JPH04329327A (ja) トルクセンサ
JPH0762637B2 (ja) 磁歪式トルクセンサ
JPH0471451B2 (ja)
JPH0623950Y2 (ja) 伝達トルク検出装置
JPH0788895B2 (ja) 自動変速機のトルク検出装置
JPS63171332A (ja) トルクセンサ
JP3001028B2 (ja) 磁歪式トルクセンサ
CN218524550U (zh) 一种基于压电驱动的金属微粒传感器差动探头调整装置
JPH056447Y2 (ja)
CN115372232A (zh) 一种基于压电驱动的金属微粒传感器差动探头调整装置
JPH09304199A (ja) センサ