JP2514090B2 - 冷凍冷蔵装置用潤滑油組成物 - Google Patents

冷凍冷蔵装置用潤滑油組成物

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JP2514090B2
JP2514090B2 JP1038361A JP3836189A JP2514090B2 JP 2514090 B2 JP2514090 B2 JP 2514090B2 JP 1038361 A JP1038361 A JP 1038361A JP 3836189 A JP3836189 A JP 3836189A JP 2514090 B2 JP2514090 B2 JP 2514090B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は1,1,1,2−テトラフルオロエタンを冷媒とし
て使用する冷凍冷蔵装置用の潤滑油組成物に関する。
[従来の技術] 冷凍機は従来から各種のものが使用されているが、な
かでも冷媒を用いる、いわゆる蒸気圧縮式冷凍機は、そ
の圧縮機の構造から往復動式、遠心式および回転式に分
類されている。このなかでも回転式(ロータリー式)の
圧縮機を有する冷凍機は小型でも大きな冷凍能力を有す
ること、高回転域でも優れた性能を発揮できること、な
めらかで静粛な運転が可能であることなどの特徴を有す
ることから、家庭用の冷蔵庫、エアコンなどに広く用い
られている。
これらに使用される冷凍機油としては、40℃における
動粘度が5〜200cStのナフテン系鉱油、パラフィン系鉱
油、アルキルベンゼン、ポリグリコール系油およびこれ
らの混合物またはこれらの各種基油に添加剤を配合した
ものが一般的に使用されている。
一方、圧縮式冷凍機の冷媒としては、トリクロロモノ
フルオロメタン(フロン11)、ジクロロジフルオロメタ
ン(フロン12)、モノクロロジフルオロメタン(フロン
22)あるいはトリクロロトリフルオロエタン(フロン1
3)などに代表されるハロゲン系冷媒、プロパンに代表
される炭化水素系冷媒あるいはアンモニア、炭酸ガスな
どに代表される無機ガス系冷媒が広く使用されている。
中でもハロゲン系冷媒は化学的に安定で毒性が低くま
た不燃性でしかも熱力学的にも理想的な特性を有するこ
とから家庭用の冷蔵庫、エアコン等の冷凍機に広く用い
られてきた。
しかしながら、これらのうちペルハロゲノカーボン、
すなわち炭化水素のすべての水素をハロゲンで置換した
形のクロロフルオロカーボンは難分解性であり安定性が
高い故、大気中に放出されると長期間にわたって分解せ
ず、地上25〜30kmのオゾン層に達し太陽からの強い紫外
線に出合って分解され塩素原子を放出してオゾンと反応
しオゾン層中のオゾン濃度を減少させる。このオゾン層
は、太陽からの有害な紫外線を吸収して地表の生物を保
護しているもので、フロンによるオゾン層の破壊を防ご
うと国際条約によるフロンガスの生産、消費規制がなさ
れようとしている。
このような状況のもとで、アメリカ合衆国環境保護庁
(EPA)は、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタ
ン(CFC−123)、1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオ
ロエタン(CFC−124)、1,2−ジクロロ−2,2−ジフルオ
ロエタン(CFC−132b)、1−クロロ−2,2,2−トリフル
オロエタン(CFC−133a)、1,1,1,2−テトラフルオロエ
タン(FC−134a)および1,1−ジクロロ−1−フルオロ
エタン(CFC−141b)の6種を代替冷媒として提案して
いる。
これらの化合物のうち、1,1,1,2−テトラフルオロエ
タンは、従来から家庭用冷蔵庫、エアコン等の冷凍機に
多く使用されているジクロロジフルオロメタン(フロン
12)と熱力学的物性が類似していることから、冷媒とし
て1,1,1,2−テトラフルオロエタン(FC−134a)を使用
すればそれら冷凍機システムの設計を大幅に変更するこ
となく、しかも従来と同様の性能を得ることができるは
ずである。
しかしそのためには、圧縮機に充填された冷凍機油
は、吐出ガスに同伴されて凝縮器、蒸発器へと入るた
め、還流冷媒に十分に溶解しサイクル内を循環して圧縮
機に戻る、いわゆる油戻り性がよいことが必要不可欠で
ある。
すなわち、冷凍サイクル内のもっとも低温な部分であ
る膨張弁またはキャピラリーチューブから蒸発器に至る
までの間において温度が−20〜−30℃に達することも珍
しくないため、冷凍機油はこのような低温において冷媒
と二層分離を生じないものが好ましい。
また、圧縮機、レシーバー、凝縮機の間においては高
温に達することも珍しくないため、冷凍機油は、上記低
温領域に加えて高温領域においても冷媒と二層分離を生
じないものが好ましい。
従来、冷凍機油としては、ナフテン系鉱油、パラフィ
ン系鉱油、アルキルベンゼン類およびこれらの混合物あ
るいはこれら各種基油に添加剤を配合したものが一般に
使用されている。これら従来の冷凍機油については、例
えば特公昭40−11940号、特公昭49−4107号、特公昭49
−13483号、特公昭49−13829号、特公昭49−19084号、
特公昭52−39509号、特公昭52−43722号、特公昭53−17
602号、特開昭46−4532号、特開昭48−606号、特開昭49
−47498号、特開昭51−22971号、特開昭52−28503号、
特開昭52−54707号、特開昭53−88007号などに記載され
ている。しかしながら、これら従来の冷凍機油はジクロ
ロジフルオロメタン(フロン12)の代替冷媒である1,1,
1,2−テトラフルオロエタン(FC−134a)との相溶性が
ほとんどないため、1,1,1,2−テトラフルオロエタンと
の組合せで使用すると、常温において二層分離を起こ
し、冷凍システム内で最も重要な油戻り性が悪くなって
冷凍効率の定価あるいは潤滑性が不良となって圧縮機の
焼付き発生など実用上様々な不都合が発生し使用に耐え
ない。またポリグリコール類も高粘度指数を有する冷凍
機油として知られており、例えば特公昭57−42119号、
特公昭61−52880号、特開昭57−51795号などに記載され
ている。しかるにこれら先行技術に具体的に開示されて
いるポリグリコール油ではやはり1,1,1,2−テトラフル
オロエタンとの相溶性が十分でないため上記と同じ問題
が生じて実用上使用できない。
[発明が解決しようとする課題] 本発明者らは1,1,1,2−テトラフルオロエタンを冷媒
とした圧縮式冷凍冷蔵装置用の潤滑油組成物を開発すべ
く研究を重ねた結果、限定された構造および特性を有す
るポリグリコール油を基油として用いた場合に、他の基
油では得ることのできない優れた性能を備えた冷凍機油
組成物が得られることを見い出し、本発明を完成するに
至った。
本発明は冷媒として1,1,1,2−テトラフルオロエタン
を使用する圧縮式冷凍冷蔵装置に使用するのに適した、
特に低温において冷媒と分離せずさらに潤滑性、密封性
および安定性のよい冷凍冷蔵装置用潤滑油組成物を提供
することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は、 一般式 R1OR2 aOH で表わされ、かつ流動点が−10℃以下で、100℃におけ
る動粘度が2〜(10+120α)cStであるポリオキシアル
キレングリコールモノエーテルを基油とすることを特徴
とする、1,1,1,2−テトラフルオロエタンを冷媒として
使用する冷凍冷蔵装置用潤滑油組成物(以下「特定発
明」という)を提供するものである。
また本発明は、特定発明のポリオキシアルキレングリ
コールモノエーテルを基油とし、さらに基油100重量部
に対して、 (A)一般式 で表わされるホスフェート0.1〜5.0重量部を必須の成分
として配合してなる、1,1,1,2−テトラフルオロエタン
を冷媒として使用する冷凍冷蔵装置用潤滑油組成物を提
供するものである。
また本発明は、特定発明のポリオキシアルキレングリ
コールモノエーテルを基油とし、さらに基油100重量部
に対して、 (A)一般式 で表わされるホスフェート0.1〜5.0重量部ならびに (B)(i)フェニルグリシジルエーテル型エポキシ化
合物、 (ii)エポキシ化脂肪酸モノエステル、および (iii)エポキシ化植物油 から成る群より選ばれる少なくとも1種のエポキシ化合
物0.1〜5.0重量部 を必須の成分として配合してなる、1,1,1,2−テトラフ
ルオロエタンを冷媒として使用する冷凍冷蔵装置用潤滑
油組成物を提供するものである。
以下、本発明の内容をより詳細に説明する。
本発明の冷凍機油組成物の基油は、 [I]一般式 R1OR2 aOH で表わされるポリオキシアルキレングリコールモノエー
テルである。式中、R1は炭素数1〜18の直鎖あるいは分
枝状のアルキル基を示し、aは5〜70となる整数をそれ
ぞれ示している。またR2は炭素数2〜4のアルキレン基
を示している。R1としては具体的には例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル
基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラ
デシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデ
シル基、オクタデシル基などが挙げられ、その中でもメ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル
基がより好ましい。
またR2としては、具体的には例えば、 エチレン基(−CH2CH2−)、 トリメチレン基(−CH2CH2CH2−)、 テトラメチレン基(−CH2CH2CH2CH2−)などが挙げら
れ、その中でもエチレン基、プロピル基、ブチレン基、
テトラメチレン基がより好ましい。
さらに本発明におけるポリオキシアルキレングリコー
ルモノエーテルにおいては一分子中に炭素数が異なるア
ルキレン基が存在しても良く、すなわち炭素数が異なる
オキシアルキレン基がランダム共重合またはブロック共
重合したものであってもよいが、一分子中の(R2がエチ
レン基である−OR2−基の数)/aの比率(α)が0〜0.8
であることが必要である。αの値が0.8を超える場合に
は、冷凍機油が常温で固体となってしまうか、またはそ
の流動点が高くなってしまうため好ましくない。
また、本発明におけるポリオキシアルキレングリコー
ルモノエーテルは流動点が−10℃以下、好ましくは−20
〜−50℃であり、かつ100℃における動粘度が2〜(10
+120α)cSt、好ましくは3〜(7+120α)cStの範囲
であることが必要である。流動点が−10℃を超える場合
は低温時に冷凍システム内で冷凍機油が固化する恐れが
あるため好ましくない。また100℃における動粘度が2cS
t未満の場合は圧縮機の密封性を保つことができなくな
り、一方動粘度が(10+120α)cStを超える場合には冷
媒である1,1,1,2−テトラフルオロエタンとの溶解性が
悪くなり、低温下で二層分離するためそれぞれ好ましく
ない。
また、本発明におけるポリオキシアルキレングリコー
ルモノエーテルとしては、圧縮機の密封性をより向上さ
せる点から、数平均分子量が300〜4000のものが好まし
く使用され、数平均分子量が500〜3500のものがより好
ましく使用される。さらに、高温下における冷媒との二
層分離温度を上昇させる点から、数平均分子量が500〜1
500のものがさらに好ましく用いられる。
さらに、本発明におけるポリオキシアルキレングリコ
ールモノエーテルとしては、重量平均分子量(Mw)と数
平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.00〜1.20である
ものが、高温下における冷媒との二層分離温度をより上
昇させる点から好ましい。
本発明の冷凍冷蔵装置用潤滑油組成物としては、基油
である上記のポリオキシアルキレングリコールモノエー
テルを単独で使用しても、すなわち添加剤を何も配合し
なくてもそれだけで1,1,1,2−テトラフルオロエタンを
冷媒として使用する冷凍冷蔵装置用の潤滑油として優れ
た性能を示すが、その耐摩耗性および耐荷重性(焼付防
止性)をさらに高めるため、 (A)一般式 で表わされるホスフェートを配合するのが好ましい。式
中、R3は炭素数1〜3のアルキル基、好ましくはメチル
基を示し、またbは0〜2、好ましくは0〜1の整数を
それぞれ示している。R3としては、具体的には例えば、
メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられる。
上記(A)成分であるホスフェートとしては、具体的
にはトリフェニルホスフェート、トリトリルホスフェー
ト(トリクレジルホスフェート)およびこれらの混合物
などが好ましく用いられる。
本発明の冷凍冷蔵装置用潤滑油組成物において、その
耐摩耗性および耐荷重性をさらに改良するために(A)
成分を用いる場合、その配合量は基油100重量部に対し
て0.1〜5.0重量部、好ましくは0.2〜2.0重量部である。
(A)成分の配合量がこの範囲に達しない場合は(A)
成分配合による耐摩耗性、耐荷重性の向上の効果が乏し
く、一方(A)成分の配合量がこの範囲を超える場合は
熱安定性が低下したり冷凍システム内の金属類の腐食が
発生する恐れがあるためそれぞれ好ましくない。
本発明の冷凍冷蔵装置用潤滑油組成物において、上述
したとおり(A)成分を必須の成分として特定量配合す
ることにより、その耐摩耗性および耐荷重性が向上する
が、冷凍システムにおいて配管類などに銅や銅合金が使
用されている場合には、時として(A)成分の配合によ
ってそれら金属に腐食が生じる危険性がある。
したがって、(A)成分を配合する場合には、冷凍冷
蔵装置用の潤滑油としての総合性能を高める目的で、さ
らに (B)(i)フェニルグリシジルエーテル型エポキシ化
合物、 (ii)エポキシ化脂肪酸モノエステル、および (iii)エポキシ化植物油 から成る群より選ばれる少なくとも1種のエポキシ化合
物を配合するのが好ましい。
ここでいう(i)フェニルグリシジルエーテル型エポ
キシ化合物としては、フェニルグリシジルエーテルまた
はアルキルフェニルグリシジルエーテルが例示できる。
ここでいうアルキルフェニルグリシジルエーテルとは、
炭素数1〜13のアルキル基を1〜3個有するものであ
り、中でも炭素数4〜10のアルキル基を1個有するも
の、例えばブチルフェニルグリシジルエーテル、ペンチ
ルフェニルグリシジルエーテル、ヘキシルフェニルグリ
シジルエーテル、ヘプチルフェニルグリシジルエーテ
ル、オクチルフェニルグリシジルエーテル、ノニルフェ
ニルグリシジルエーテル、デシルフェニルグリシジルエ
ーテルが好ましい。
また(ii)エポキシ化脂肪酸モノエステルとしては、
エポキシ化された炭素数12〜20の脂肪酸と炭素数1〜8
のアルコールまたはフェノール、アルキルフェノールと
のエステルが例示できる。特にエポキシステアリン酸の
ブチル、ヘキシル、ベンジル、シクロヘキシル、メトキ
シエチル、オクチル、フェニルおよびブチルフェニルエ
ステルが好ましく用いられる。
また(iii)エポキシ化植物油としては、大豆油、ア
マニ油、綿実油などの植物油のエポキシ化合物が例示で
きる。
これら(i)〜(iii)のエポキシ化合物の中でも
(B)成分として好ましいものは、フェニルグリシジル
エーテル型エポキシ化合物およびエポキシ化脂肪酸モノ
エステルである。中でもフェニルグリシジルエーテル型
エポキシ化合物がより好ましく、フェニルグリシジルエ
ーテル、ブチルフェニルグリシジルエーテルおよびこれ
らの混合物が特に好ましい。
本発明の冷凍冷蔵装置用潤滑油組成物において、
(A)成分に加えてさらに(B)成分を必須の成分とし
て併用する場合の(B)成分の配合量は、基油100重量
部に対して0.1〜5.0重量部、好ましくは0.2〜2.0重量部
である。(B)成分の配合量がこの範囲に達しない場合
は(B)成分配合による腐食防止性向上の効果が乏し
く、一方(B)成分の配合量がこの範囲を超える場合は
耐摩耗性、耐荷重性に悪影響を及ぼすためそれぞれ好ま
しくない。
本発明の冷凍冷蔵装置用潤滑油組成物に対して、その
性能をさらに高めるため、必要に応じて従来より公知の
冷凍機油添加剤、例えばジ−tert−ブチル−P−クレゾ
ールなどのフェノール系、フェニル−α−ナフチルアミ
ン、N,N′−ジ(2−ナフチル)−p−フェニレンジア
ミンなどのアミン系の酸化防止剤、ジチオリン酸亜鉛、
塩素化パラフィン、脂肪酸、硫黄系などの耐荷重添加
剤、シリコーン系の消泡剤、ベンゾトリアゾールなどの
金属不活性化剤、グリシジルメタクリレート、亜りん酸
エステル系などの塩化水素捕捉剤などを単独で、または
数種組み合わせて配合することも可能である。
本発明の1,1,1,2−テトラフルオロエタンを冷媒とし
て使用する冷凍冷蔵装置用の潤滑油組成物は回転式(ロ
ータリー式)の圧縮機を有する冷凍冷蔵装置に特に好ま
しく用いられるものであるが、その他の往復動式や遠心
式の圧縮機を有する冷凍冷蔵装置にも好ましく用いるこ
とができる。
本発明の冷凍冷蔵装置用潤滑油組成物は冷蔵庫、冷凍
庫、冷凍冷蔵倉庫、自動販売機、ショーケース、化学プ
ラントなどの冷却装置、除湿機などに利用することがで
きる。
[発明の実施例] 以下、実施例および比較例により本発明の内容をより
具体的に説明する。
実施例1〜17および比較例1〜5 実施例および比較例に用いた冷凍機油の基油の性状を
第1表に示す。
本発明に係わる冷凍機油(実施例1〜17)と冷媒との
低温分離性を測定するために、冷媒である1,1,1,2−テ
トラフルオロエタンに実施例1〜17の基油を10,20,30,4
0,50および70重量部配合した混合液をつくり、この混合
液を室温から徐々に冷却していき、混合液が白濁または
二層に分離した時の温度、すなわち低温側の二層分離温
度を求めた。なお、室温ですでに白濁あるいは二層分離
している場合には、徐々に加熱して白濁あるいは二層分
離がなくなった温度を求め、これを低温側の二層分離温
度とした。その結果を第2表に示した。
また、本発明に係わる冷凍機油(実施例1〜17)と冷
媒との高温分離性を測定するために、上記と同様の冷媒
に実施例1〜17の基油を3,10および30重量部配合した混
合液をつくり、得られた混合液を室温から徐々に加熱し
ていき、混合液が白濁または二層に分離した時の温度、
すなわち高温側の二層分離温度も求めた。なお、室温で
すでに白濁あるいは二層分離している場合には、徐々に
冷却して白濁あるいは二層分離がなくなった温度を求
め、これを高温側の二層分離温度とした。その結果を第
2表に示した。
また比較のため、本発明の範囲外である比較例1〜5
の基油についても実施例1〜17と同様の方法で低温側の
二層分離温度を求めた。その結果も第2表に併記した。
実施例18〜27 第3表に示す組成により本発明に係わる冷凍機油組成
物を得た。なお実施例18〜22は特定発明(請求項1)、
実施例23,24は請求項2の発明、実施例25〜27は請求項
3の発明に係わるものである。
これらの組成物に対して下記に示す試験法によりその
性能評価を行ない、その結果も第3表に併記した。
(ファレックス焼付荷重試験) ASTM D3233に準拠し、初期油温25℃、慣らし運転250
b、5分の条件で焼付荷重を測定した。
(シールドチューブ試験) 油と冷媒(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)の等容
量混合物を銅と鉄の触媒と共にガラス管に密封し、175
℃で1000時間加熱した後の油および触媒の変色を観察し
測定した。
なお、油の変色は黒かっ色を11、無色を0として12段
階に変色度を分類した。また金属触媒の変色は光沢を失
う程度であれば問題はないが、鉄触媒が銅メッキされて
しまうと不良である。
第2表の二層分離温度の結果から明らかな通り、本発
明に係わる実施例1〜17の冷凍機油は、冷媒である1,1,
1,2−テトラフルオロエタンと−20〜−30℃程度の低温
においても非常に良好な相溶性を示している。それに対
して比較例1〜3の鉱油やアルキルベンゼン、およびポ
リグリコール油であっても比較例4のようなジエーテ
ル、および比較例5のようにモノエーテルであっても本
発明の粘度範囲以外のものの場合は、低温下で、特に比
較例1〜4においては常温ですら冷媒と二層分離を起こ
してしまい、実用に供することはできない。
さらに、Mnが500〜1500であり、かつMw/Mnが1.00〜1.
20であるポリオキシアルキレングリコールモノエーテル
を基油として使用した実施例1〜9の冷凍機油は、低温
のみならず60〜80℃程度の高温においても上記冷媒と非
常に良好な相溶性を示している。
また第3表の性能評価試験の結果から明らかなとお
り、本発明の特定発明に係わる実施例18〜22の冷凍機油
はファレックス試験とシールドチューブ試験で優れた性
能を示すものの、請求項2の発明に係わる実施例23およ
び24の組成物は(A)成分の配合によりファレックス試
験での焼付荷重が著しく向上しており、より潤滑性の優
れた冷凍機油となっている。さらに本発明の請求項3の
発明に係わる実施例25〜27の組成物は優れた潤滑性を維
持しながら実施例23および24の組成物よりシールドチュ
ーブ試験の結果が改善されている。特に実施例25〜27の
組成物は基油のみからなる実施例18〜22の冷凍機油より
もシールドチューブ試験の結果が向上しており、冷凍機
油の安定性に及ぼす(B)成分の配合効果が明白に表わ
れている。
[発明の効果] 以上説明の如く、本発明の組成物は、冷媒として1,1,
1,2−テトラフルオロエタンを用いる冷凍冷蔵装置に使
用するのに適した、低温において冷媒と分離せず、さら
に潤滑性、密封性および安定性のよい冷凍冷蔵装置用潤
滑油組成物である。
特に、数平均分子量が一定範囲内にあり、かつ重量平
均分子量と数平均分子量との比も一定範囲内にあるポリ
アルキレングリコールモノエーテルを基油として使用す
ると、低温のみならず高温においても冷媒と分離しない
冷凍冷蔵装置用潤滑油組成物が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 107:34 C10M 107:34 129:66 129:66 137:04) 137:04) C10N 20:00 C10N 20:00 A 20:02 20:02 20:04 20:04 40:30 40:30

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 R1OR2 aOH で表わされ、かつ流動点が−10℃以下で、100℃におけ
    る動粘度が2〜(10+120α)cStであるポリオキシアル
    キレングリコールモノエーテルを基油とすることを特徴
    とする、1,1,1,2−テトラフルオロエタンを冷媒として
    使用する冷凍冷蔵装置用潤滑油組成物。
  2. 【請求項2】基油100重量部に対して (A)一般式 で表わされるホスフェート0.1〜5.0重量部を必須の成分
    として配合してなる請求項1記載の冷凍冷蔵装置用潤滑
    油組成物。
  3. 【請求項3】基油100重量部に対して (A)一般式 で表わされるホスフェート0.1〜5.0重量部ならびに (B)(i)フェニルグリシジルエーテル型エポキシ化
    合物、 (ii)エポキシ化脂肪酸モノエステル、および (iii)エポキシ化植物油 から成る群より選ばれる少なくとも1種のエポキシ化合
    物0.1〜5.0重量部 を必須成分として配合してなる請求項1記載の冷凍冷蔵
    装置用潤滑油組成物。
  4. 【請求項4】前記ポリオキシアルキレングリコールモノ
    エーテルが、数平均分子量が500〜1500で、かつ重量平
    均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が
    1.00〜1.20のものである請求項1〜3のうちいずれかに
    記載の冷凍冷蔵装置用潤滑油組成物。
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