JP2514036Y2 - クリ―ンル―ムの天井フレ―ムへの機器取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、クリーンルーム内の上
部のフィルターなどを支持するための天井フレーム構造
に係り、特にその天井フレームへ螢光灯などの機器を簡
単に取り付けることができるクリーンルームの天井フレ
ームへの機器取付構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般にクリーンルームは、その上部にフ
ィルターを介して清浄空気を吹き出す給気チャンバーが
配置され、下部にグレーチングなどを介して清浄空気を
吸い込む還気チャンバーが配置されて形成され、給気チ
ャンバーからフィルターを介してクリーンルームに吹き
出された清浄空気がクリーンルームを降下して還気チャ
ンバーに吸い込まれ、再度クリーンルームに循環される
ようになっている。

【０００３】ところで、クリーンルームを施工する場
合、特に天井部に、フィルタ付き送風機やフィルターを
取り付ける場合、天井部に縦横に天井フレームを取り付
け、そのフレームで区画された空間に、それぞれフィル
タ付き送風機ユニットやフィルターを嵌め込んで取り付
けて行くようにしている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】ところで、このフィル
タ付き送風機ユニットやフィルターは工場で規格寸法通
りにされるが、天井フレームは、これらを取り付けるべ
く現場で寸法を調整しながら組み立てていく必要があ
り、極めて施工性が悪い。またこの天井フレームには、
螢光灯や火災感知機等の機器を取り付ける必要がある
が、天井フレームは、これら機器を簡単に取り付けるよ
うにはなされておらず、取付作業性が極めて悪い問題が
ある。

【０００５】本考案は上記事情を考慮してなされたもの
で、天井フレームを精度よく組み立てることができ、し
かもその天井フレームに機器を簡単に取り付けることが
できるクリーンルームの天井フレームへの機器取付構造
を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案は、上記の目的を
達成するために、クリーンルームのフィルターを支持す
る天井フレームの下部に蛍光灯等の機器を取り付けるた
めのクリーンルームの天井フレームへの機器取付構造に
おいて、取り付けるフィルターユニットを取り囲むよう
に枠状に形成され、かつ天井フレームを形成すべく天井
部に整列されて懸吊される分割フレームユニットと、分
割フレームユニットの分割フレームの接合面と分割フレ
ーム下部に形成される連結溝と、隣接する分割フレーム
ユニット同士の分割フレームの連結溝の形状に形成さ
れ、その連結溝に挿入されて分割フレーム同士を連結す
るジョイントピースと、ジョイントピースを挿入する際
にその隣接する分割フレーム間の連結溝と係合するよう
装着される吊具と、その連結溝の下部の隙間を通して吊
具にねじ込まれる取付けネジを介して支持される蛍光灯
などの機器とを備えたものである。

【０００７】

【作用】上記の構成によれば、予め工場などでフィルタ
ーユニットを取り付けできる寸法の分割フレームユニッ
トに形成しておき、これを現場で順次整列させると共に
一体に接合することで天井フレームを簡単に組み立てる
ことができ、しかも隣接する分割フレームに形成した係
合溝に、組立ての際に吊具を装着しておくことで螢光灯
などの機器を簡単に取り付けることができる。

【０００８】

【実施例】以下、本考案の好適実施例を添付図面に基づ
いて説明する。

【０００９】先ず図３及び図４にて、全体の概略を説明
する。

【００１０】図３において、１は、パーテーションボー
ド２で周囲が区画されたクリーンルームで、その天井部
にレースウエイ３が取り付けられ、そのレースウエイ３
にターンバックル４を介して枠体状に形成した分割フレ
ームユニット５が複数整列されると共にその継ぎ目がハ
ンガー６を介して懸吊され、天井フレーム７とされる。

【００１１】この天井フレーム７の施工後、図４に示す
ように天井フレーム７の上方から各分割フレームユニッ
ト５に送風機ユニット８が取り付けられ、下方からフィ
ルターユニット９がその送風機ユニット８に嵌め込まれ
て取り付けられる。なおこの天井フレーム７にはフィル
ターユニットのみを取り付けるようにしてもよい。

【００１２】次にこの天井フレームの構造を更に詳しく
説明する。

【００１３】先ず、分割フレームユニット５は、図４に
示したフィルターユニット９を取り囲むように枠体状に
形成される。この分割フレームユニット５は、図５，図
６に示すように断面形状が同一な４本の分割フレーム１
０からなり、その分割フレーム１０の両端部に、４５度
に切欠かれた突合わせ部１１が形成され、これら分割フ
レーム１０が突合わせ部１１にて９０度に突き合わされ
ると共にその間にＬ字状のクリップ１２が挿入されて長
方形の枠体状に形成される。

【００１４】分割フレーム１０は、図６に示すように、
外周が接合面１３ａとなる支板部１３と、その支板部１
３から内側に延びた底板部１４と、その底板部１４から
起立した内側板部１５とで、断面略Ｌ字状に形成され
る。支板部１３の上端外縁には、図示の二点鎖線で示す
分割フレーム１０と接合した際に、その接合面１３ａ間
をシールするためのシール溝１６が形成され、下部には
後述するジョイントピース３０を挿通して両分割フレー
ム１０，１０を一体に連結するための連結溝１７が形成
される。また底板部１４は、分割フレーム１０を接合し
た際にその底板部１４間に連結溝１７とつながる隙間２
３が形成され、またその隙間２３側の底板部１４の上に
は凸部２４が形成される。また底板部１４上で対向する
支板部１３と内側板部１５には、互いに向き合うように
爪片１８が設けられ、その下部に、クリップ１２と係合
する係合溝１９が形成され、また上部に、送風機ユニッ
ト８或いはフィルターユニット９を支持すると共に分割
フレーム１０との間をシールするための支持溝２０が形
成される。

【００１５】この分割フレームユニット５の組立は、図
７に示すように一方の分割フレーム１０の突合わせ部１
１からクリップ１２を、その係合溝１９に差し込み、そ
のクリップ１２に、他方の分割フレーム１０の係合溝１
９を差し込み、これを順次四隅突合わせることで図５に
示した分割フレームユニット５が組み立てられる。この
クリップ１２には係合溝１９から外れないように切起こ
し舌片２１が複数設けられており、この舌片２１を、爪
片１８間の溝からドライバーなどで押圧すればクリップ
１２を係合溝１９から容易に外すことができる。

【００１６】次にこの分割フレームユニット５を用いた
天井フレーム７の施工を図３，図４及び図８により説明
する。

【００１７】図３に示すように分割フレームユニット５
は、単独或いは複数個まとめて、例えば縦横２列計４個
連結され、その状態で各継ぎ目がハンガー６にて連結さ
れ、ターンバックル４を介してレースウエイ３に懸吊さ
れる。

【００１８】先ず各分割フレームユニット５の隣接する
分割フレーム１０同士は図８に示すように、その支板部
１３，１３を互いに接合した際に、両連結溝１７に断面
Ｈ字状のジョイントピース３０を嵌め込むことで連結さ
れる。また接合された分割フレーム１０，１０の支板部
１３，１３の上端のシール溝１６，１６には、リキッド
シール２２を充填する。

【００１９】ハンガー６は、図８に示すよう断面Ｌ字状
の固定継手板３１が十字状に連結されたハンガー本体３
２と、その各固定継手板３１に対向して設けられ重合し
た支板部１３，１３を挟むと共にリベット３３などで連
結するための可動継手板３４とからなり、ハンガー本体
３２の上部中央にターンバックル４の下端と螺合する筒
状のナット３５が設けられる。またハンガー６は、固定
継手板３１が十字状に連結される他に、クリーンルーム
１の壁面部では、図３に示すようにＴ字状のハンガー本
体３２ａを用い、また隅部ではＬ字状のハンガー本体３
２ｂを用いて分割フレームユニット５を連結する。

【００２０】クリーンルーム１の天井部への分割フレー
ムユニット５の取り付けは、図３に示すようにクリーン
ルーム１の天井にレースウエイ３を支持具３６で分割フ
レームユニット５の長辺の長さと同じ間隔で平行に取り
付け、次にレースウエイ３よりターンバックル４を介し
てハンガー６を吊下げると共にパーテーションボード２
に沿って分割フレームユニット５の短辺側を順次整列さ
せて接続して行く、この場合パーテーション２側の分割
フレーム１０には、予め縁止用分割フレーム１０ａを接
合しておき、これらをＴ，Ｌ字状のハンガー６で連結す
る。またこのハンガー６を吊下げるターンバックル６
は、支持具３６が障害となるためパーテーション２に吊
り金具３７を取り付け、その吊り金具３７に高さ調整自
在なロッド３８でハンガー６を吊下げる。

【００２１】このようにしてパーテーション２に沿って
分割フレームユニット５を一列接続したら、次に順次分
割フレームユニット５の長辺側に分割フレームユニット
５を整列させ、順次継ぎ目をハンガー６で連結してレー
スウエイ３に懸吊していく。

【００２２】この場合、床面などで図１に示すよう分割
フレームユニット５を複数個まとめて接続しておき、そ
のまとめたユニット５に適宜仮吊りフック３９を取り付
けておき、その仮吊りフック３９をレースウエイ３に引
掛けてユニット５を仮吊りした状態にしておくと、ター
ンバックル４の結合とユニット５の高さ調整が容易にで
きる。

【００２３】このようにして天井フレーム７を施工した
なら、図４に示すように各分割フレームユニット５の開
口を通して送風機ユニット８を天井フレーム７に位置さ
せて分割フレームユニット５の各分割フレーム１０の支
持溝２０に、ガスケット４０を嵌め込み（図１参照）、
その状態で送風機ユニット８のケーシング４１が着座す
るように取付ける。次に分割フレームユニット５に送風
機ユニット８を装着した後、その送風機ユニット８内に
フィルターユニット９を装着する。

【００２４】なお、分割フレーム１０間の下部にはその
目地を覆うべく、図４に示すよう底板部１４，１４間の
隙間に挿入固定するスリットカバー４２を取り付ける。

【００２５】さて本考案においては、図４に示すように
分割フレーム１０間を利用して適宜配線カバー５０を取
り付け、そのカバー５０に螢光灯５１を取り付けるよう
にしたものである。

【００２６】これを図１，図２により詳しく説明する。

【００２７】図１は、分割フレームユニット５の組立て
時、接合した分割フレーム１０，１０の連結溝１７，１
７には、図８に示したＨ字状のジョイントピース３０が
嵌め込まれるが、このジョイントピース３０と共に連結
溝１７，１７に断面Ｕ字状の吊具５２を複数個装着して
おく、この吊具５２は、底板部１４の凸部２４に着座す
ると共に連結溝１７，１７と係合し、また凸部２４間の
隙間２３に位置してネジ穴５３が設けられている。

【００２８】この分割フレーム１０，１０の下部に螢光
灯５１などの機器を取り付けるには、上述した吊具５２
のネジ穴５３を利用して機器側のナットをねじ込めばよ
い。すなわち、図示のように螢光灯５１を取り付ける場
合、先ず下方が開口したボックス型の配線カバー５０
を、分割フレーム１０，１０の下面にあてがい、配線カ
バー５０内から取付けネジ５４を吊具５２のネジ穴５３
にねじ込めば配線カバー５０が取り付けられる。この場
合、吊具５２は、連結溝１７，１７に沿って移動自在な
ため配線カバー５０の取付けネジ５４の位置に自在に合
わせることができる。

【００２９】この配線カバー５０の取付け後、配線カバ
ー５０内に設けた取付溝５５に取付金具５６を取り付け
ると共にその金具５６に螢光灯５１をボルト５７，ナッ
ト５８にて取り付ける。

【００３０】また螢光灯５１が取り付けられる箇所以外
の配線カバー５０の開口部は、図２に示すようにメクラ
カバー５９にて覆っておく。

【００３１】このように分割フレーム１０，１０を重合
する際に予めその連結溝１７，１７に吊具５２を装着し
ておくことで螢光灯等の機器を簡単に取り付けることが
できる。また分割フレームユニット５は予め工場で精度
良く製作しておき、これをクリーンルーム５に順次整列
させて天井フレーム７を形成することで、施工時の取り
付け寸法精度が格段に向上すると共に、送風機ユニット
８などの取り付けに寸法誤差がなくなり簡単に取り付け
ることができると共にその間のシールも良好にできる。

【００３２】

【考案の効果】以上説明したことから明らかなように本
考案によれば次のごとき優れた効果を発揮する。

【００３３】(1) 予め工場などでフィルターユニットを
取り付けできる寸法の分割フレームユニットに形成して
おき、これを現場で順次整列させると共に一体に接合し
することで天井フレームを簡単に組み立てることがで
き、しかも隣接する分割フレームに形成した係合溝に、
組立ての際に吊具を装着しておくことで螢光灯などの機
器を簡単に取り付けることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す要部拡大断面図てあ
る。

【図２】本考案において、螢光灯取付部以外の箇所の拡
大断面図である。

【図３】本考案においてクリーンルームの天井フレーム
を示す全体斜視図である。

【図４】図３において天井フレームに送風機ユニットや
螢光灯などを取り付ける状態を示す斜視図である。

【図５】本考案における分割フレームユニットを示す平
面図である。

【図６】図５のVI−VI線拡大断面図である。

【図７】図５における分割フレームユニットの接続を示
す要部拡大図である。

【図８】図３における分割フレームユニットの継ぎ目部
の要部拡大斜視図である。

【符号の説明】

１ クリーンルーム ５ 分割フレームユニット ６ ハンガー １０ 分割フレーム １７ 連結溝 ５０ 配線カバー ５１ 螢光灯 ５２ 吊具

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 籠山 宏 千葉県千葉市真砂４−４−12−709 (56)参考文献 実開 昭63−197622（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 クリーンルームのフィルターを支持する
   天井フレームの下部に蛍光灯等の機器を取り付けるため
   のクリーンルームの天井フレームへの機器取付構造にお
   いて、取り付けるフィルターユニットを取り囲むように
   枠状に形成され、かつ天井フレームを形成すべく天井部
   に整列されて懸吊される分割フレームユニットと、分割
   フレームユニットの分割フレームの接合面と分割フレー
   ム下部に形成される連結溝と、隣接する分割フレームユ
   ニット同士の分割フレームの連結溝の形状に形成され、
   その連結溝に挿入されて分割フレーム同士を連結するジ
   ョイントピースと、ジョイントピースを挿入する際にそ
   の隣接する分割フレーム間の連結溝と係合するよう装着
   される吊具と、その連結溝の下部の隙間を通して吊具に
   ねじ込まれる取付けネジを介して支持される蛍光灯など
   の機器とを備えたことを特徴とするクリーンルームの天
   井フレームへの機器取付構造。