JP2513273Y2 - 引出し類用の引き出し室内装置組立体 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の技術分野と背景 本考案は引出し類用引き出し案内装置組立体に関し、
該組立体は、引出しの両側に設けられた引出しレール
と、家具本体の各側に設けられたスライド用走行経路
と、引出しの両側に配置された移動部材に取り付けられ
た例えば荷重伝達用ローラまたはスライドとを含み、前
記スライド用走行経路はその長さ方向に家具側壁および
走路部材に固定可能な各側の停め部材から成り、かつ前
記走路部材は垂直方向の軸体まわりに停め部材上でばね
の作用を受けつつ回動可能に取り付けられている。

上記形式の引き出し案内装置組立体は、家具本体に対
して引出しを可能な限り円滑に出し入れさせ、かつ引出
しが家具本体から部分的に引き出されたとき、とくに引
出しが家具本体からその移動経路の半分以上も引き出さ
れたとき、家具本体内に引出しを保持する。

従来の当業技術によれば、その形式の引出し案内装置
組立体は、スライドまたはローラを具備している。ま
た、引き出し案内装置組立体として別個の移動部材にロ
ーラが取り付けられたものも知られている。

引出し用の引き出し案内装置組立体は、US−PS526509
に開示され、ここにおいては走路部材が前方の垂直方向
の軸体まわりに回動可能に構成されている。走路部材の
後端にはばねによって偏倚作用が加えられて、引出しに
向けて押されている。この装置において、引出しはとく
に走路部材によって押付けられ、それにより引出しと走
路部材間の摩擦が家具本体への引出しの押付け効果をさ
らに増加している。引出しが横方向に傾くと、その位置
は少なくとも押し込み位置に修正されるであろう。

引出しが家具本体から部分的に引き出されてその引出
し位置に留まることが起こる。とくに、引出し前板にお
いてよく経験するような鋭った隅部および縁部をもつ場
合、使用者はこのような突出した引出しを揺り動かし
て、種々の程度に傷害を受けることになる。さらに、引
出しおよび／または引き出し案内装置組立体を破損させ
ることも起り得る。

不注意に閉じてしまった引出しが家具本体内に自動的
に引き入れる、いわゆる引き込み装置を具備した引き出
し案内装置組立体が知られている。

この形式の引き出し案内装置組立体は、しかし、引き
込み装置は引き出しの押し込み経路の最終区域において
のみ有効に作用し、このことは引出しがこの引き込み装
置によって家具本体内に引出しの後方位置まで少なくと
も実質的に押し入れられなければならないことを意味す
るから、本考案の課題を完全には解決することができな
い。家具本体から半分以上も突出する引出しの場合は、
この引き込み装置は一般に効果を発揮できない。とく
に、このように突出している引出しの場合、破損の危険
度が高い。

考案の要約 本考案の目的は、家具本体から突出する引出しによっ
て生ずる危害や引出しを揺り動かすことによって生ずる
引出しの破損が著しく防止または軽減できる、本明細書
の序文で述べた形式の引き出し案内装置組立体を提供す
ることにある。

本考案によれば、上記目的は、走路部材が互いに平行
状態で案内されかつ同一方向に同時に回動可能に構成さ
れることによって達成される。

本考案においてはとくに好適に、走路部材が同一角度
に反対方向に前部および後部において揺動できるよう
に、走路部材の概ね中心に軸体が配設されている。

本考案の一好適実施例においては、走路部材がばねに
よって家具本体の側壁と平行に保持されている。

上記形式の１つまたは複数のばねの代りに、走路部材
または鍵側壁に緩衝具を取り付けることもできる。しか
し、ばねを具備したこの実施例は、この構造において移
動された引出しは自動的にその走行位置に再びもたらさ
れ、すなわち引出し側壁と平行に整合されるから、とく
に有効であることが証明されている。

適切には、停め部材は走路部材と長さ方向におよび好
ましくは同一長さである。

走路部材のさらに良好な案内作用を得るために、或る
好適実施例では、家具本体の側壁に向って挟まるように
配向された２つのボルトを具備しており、ボルトおよび
溝穴は停め部材の両端近傍に配置されている。走路部材
の回動中に、ボルトは明らかに円弧を描く。この円弧の
長さは極めて短かいから、溝穴を弧状に形成する必要は
なく、直線状に形成することができる。１つのばねによ
ってそれぞれ作用を受ける２つの末端をもつ少くとも１
つの走路部材を具備することが好適である。

走路部材を整合させて、引出しを正確に中心合わせを
するために、本考案による別の実施例では、ばねが挟み
装置の２つのレバーを押圧し、この押圧作用によって挟
み装置のあご部分が停め部材とともに走路部材を押付け
状態に保持するように構成されている。

停め部材および走路部材は互いに重なりかつ挟み装置
のあご部分が貫入する凹欠部が適切に配置されている。

揺り動かしによって移動された引出しがばねによって
その始めの位置に戻されかつその際に押付け作用が生じ
ないことを保証するために、停め部材と走路部材間に摩
擦軽減層を配置することができる。走路部材のフランジ
か停め部材のフランジのいずれか１つに、テフロン被覆
またはプラスチックシートが停め部材と走路部材間に配
置することができる。

軸体は、家具本体の側壁から遠い方の、ローラまたは
スライドの走行経路側に配置されていることが好適であ
る。

走路部材のとくに良好な案内作用は、軸体とボルトと
溝穴を走行経路の両側に配置することによって得られ
る。

附図を参照して、本考案の一実施例について、本考案
を以下に詳細に説明する。

附図において、引出しの２つの側壁は参照数字２、お
よび引出しの底部は13で記されている。家具本体の側壁
は参照数字１で記されている。引出し底部13の下側には
引出しの各側に、すなわち引出し側壁２それぞれの内側
に、引出しレール３が固定されている。第２図から分か
るように、アングル断面形状のスライド用走行経路の停
め部材６が家具本体の２つの側壁１に固定され、これら
の停め部材は側壁１にねじ結合することが好適である。
走路部材５が各停め部材６の水平フランジ６′上に取り
付けられている。走路部材５は水平フランジ５′と走行
経路４を形成する横側辺境フランジをもつＵ字形状部材
をもつ。

要求に応じて、停め部材６と引き出しレール３との間
にローラまたはスライドが装着される。これらの装着具
は、実際の走行システムは本考案の要旨を構成しないか
ら、附図には図示していない。

附図において見られるように、走路部材５は、たとえ
ば鋲で形成されたような軸体７によって停め部材６に回
動可能に取り付けられている。軸体７は走路部材５およ
び停め部材６、これらはともにレール状であり、その概
ね中心部に配置されている。とくに第１図に見られるよ
うに、軸体７はＵ字形状体の内側、すなわち引き出しレ
ール３の走行経路と同様に走路部材５の各走行経路４の
内側に配置されている。

走路部材５の外側、すなわち家具本体の側壁１に隣接
して、ボルト12を用いて停め部材６が配置されている。
これらの垂直方向のボルト12は走路部材５の水平フラン
ジ５′に形成された溝穴16を貫通してこの構造内に延び
る。家具本体の側壁１に向って挟まるように配向された
溝穴16は、ボルト12とで走路部材５の案内手段を提供す
る。２つのレバー8,9によって形成された引出し挟み装
置が、走路部材５の両端において軸体11上で、引出しの
一方の側に取り付けられている。レバー8,9は、この実
施例ではコイルばねが使用されているばね10によって互
いに押し離されている。

走路部材５および停め部材６には凹欠部15が形成さ
れ、この凹欠部をレバー8,9によって形成された挟み装
置のあご部分17が貫入する。挟み装置のあご部分17は走
路部材５および停め部材６の水平フランジ５′,6′にお
いて横方向に押圧する。

引出しが、たとえば前板14とぶつかって、横向きに傾
けられると、引き出しレール３および走路部材５は第１
図において破線で示された位置にもたらされる。レバー
8,9はばね10の圧力に抗してそれらのレール側の末端に
おいて押し離されている。引出しの横向きに作用する力
が減少しまたは完全に効果を欠くときは、ばね10は、引
き出しレール３および走路部材５をレバー8,9のあご部
分17で押しつけ、それにより、引出し全体はその中心位
置、すなわち家具本体の側壁１と平行に整合された位置
にもたらされる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案による引き出し案内具組立体を有する
引出しの図解上面図、および第２図は、本考案による引
き出し案内具組立体を有する引出しおよび家具本体の断
面図を示す。 図中の符号： １……家具本体の側壁 ２……引出し側壁 ３……引き出しレール ４……引出し走行経路 ５……走路部材 ５′……水平フランジ ６……停め部材 ６′……水平フランジ ７……軸体 8,9……レバー 10……ばね 11……軸体 12……ボルト 13……引出し底部 14……前板 15……凹欠部 16……溝穴 17……あご部分

Claims (10)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】引出しの両側の引出し側壁（２）下部に設
   けられた引き出しレール（３）と、家具本体の各側に設
   けられたスライド用走行経路（４）と、前記スライド用
   走行経路（４）の長さ方向に家具本体の側壁（１）およ
   び走路部材（５）に固定可能な各側の停め部材（６）か
   ら成り、かつ前記走路部材（５）は垂直方向の軸体
   （７）まわりに停め部材（６）上でばね（10）の作用を
   受けつつ回動可能に取り付けられ、 前記走路部材（５）が互いに平行に案内されかつ同一方
   向に一体に回動可能である引出し類用の引き出し案内装
   置組立体。
2. 【請求項２】前記走路部材（５）上の軸体（７）が、前
   記走路部材（５）の概ね中心に取り付けられている請求
   項１記載の引き出し案内装置組立体。
3. 【請求項３】前記走路部材（５）が、ばね（10）によっ
   て家具本体の側壁（１）と平行に保持されている請求項
   １記載の引き出し案内装置組立体。
4. 【請求項４】前記停め部材（６）が、前記走路部材
   （５）と長さ方向に、かつ好ましくは同一長さを有する
   請求項１記載の引き出し案内装置組立体。
5. 【請求項５】前記停め部材（６）が、前記走路部材
   （５）内に配置され、かつ家具本体の側壁（１）へ挟ま
   るように配向された溝穴（16）内を貫通する２つのボル
   ト（12）を備え、前記ボルト（12）および前記溝穴（1
   6）が前記停め部材（６）の両端近傍に配置されている
   請求項４記載の引き出し案内装置組立体。
6. 【請求項６】前記走路部材（５）の少なくとも１つが、
   その両端近傍にそれぞれ１つのばね（10）を備えている
   請求項１記載の引き出し案内装置組立体。
7. 【請求項７】前記ばね（10）が、前記走路部材（５）お
   よび前記停め部材（６）を挟み装置のあご部分（17）で
   保持するように前記挟み装置の２つのレバー（8,9）を
   押圧する請求項１記載の引き出し案内装置組立体。
8. 【請求項８】前記停め部材（６）および前記走路部材
   （５）が互いに重なりかつ前記挟み装置の１つのあご部
   分が貫入する凹欠部（15）を備えている請求項７記載の
   引き出し案内装置組立体。
9. 【請求項９】前記停め部材（６）と前記走路部材（５）
   間に摩擦低減層が配設されている請求項１記載の引き出
   し案内装置組立体。
10. 【請求項１０】前記軸体（７）が、家具本体の側壁
    （１）から遠い方のスライド用走行経路（４）側に配置
    されている請求項１記載の引き出し案内装置組立体。