JP2513194Y2 - 熱処理炉 - Google Patents

熱処理炉

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JP2513194Y2
JP2513194Y2 JP1988097606U JP9760688U JP2513194Y2 JP 2513194 Y2 JP2513194 Y2 JP 2513194Y2 JP 1988097606 U JP1988097606 U JP 1988097606U JP 9760688 U JP9760688 U JP 9760688U JP 2513194 Y2 JP2513194 Y2 JP 2513194Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は炉殻の内部が加熱室とガス冷却室とに分離さ
れている多室式熱処理炉に関し、更に詳述すれば、加熱
後の被処理物を短時間で効率良く冷却することが可能な
熱処理炉に関する。
従来の技術 種々多様な熱処理炉の中でも焼結炉が利用される分野
としては、超合金やファインセラミック等の特殊な分野
に限られていたが、焼結炉としての性能が著しく発達し
た結果、最近では、コスト競争の激しい産業機器部品を
製造加工する分野にも利用されており、従来の機械加工
や精密鋳造ではこなしきれなかった複雑な形状の精密部
品を製造する際は勿論のこと、加工がそれ程困難ではな
い金属加工部品を製造する際にあたっても経済性、作業
環境改善等の観点から焼結炉が使用されるケースが多く
なっている。また、焼結炉による産業機器部品の製造は
大量生産に非常に適しているので今後は機械加工製品か
ら粉末治金製品への切換が活発に行われると予想され
る。このような焼結炉の一種で焼結だけでなく焼き入れ
をも行う機能を有するものが焼結焼き入れ炉で、中でも
焼き入れ時の冷却効率を高く設定することができるもの
として、炉殻の内部が加熱室と冷却室とに分離構造とな
った所謂二室式焼結焼き入れ炉がある。
第4図は従来の二室式焼結焼き入れ炉の冷却室の断面
図である。
そこでは、円筒状の炉殻1を図中奥側の加熱室(図示
せず)とともに構成している冷却室60の上部には、導入
された冷却ガスとしての窒素ガスを内部循環させるファ
ン機構61が設けられている他に、ファン機構61に対向す
る冷却室60の内底部には、図中手前側に備えた開閉扉を
介して取り込まれた被処理物Aを奥側の加熱室へと交互
に搬送せしめるフォーク搬送機構30が設けられている。
また冷却室60の内部における被処理物Aの両側部位に
は、被処理物Aに対して下方から吹き付けられ、且つガ
イド板63にて整流された窒素ガスを熱交換せしめるエロ
フィンチューブ等の熱交換機構62が設けられており、冷
却室60の内部を窒素ガスが循環する過程で加熱終了後の
被処理物Aを強制冷却し、もって良好な焼き入れが行わ
れるような構成となっている。
考案が解決しようとする課題 しかしながら、上記従来例による場合には、次に述べ
るような欠点が指摘されている。第1には、一度に熱処
理すべき被処理物Aの量が増加傾向にある一方におい
て、これに対応すべく冷却能力を高く設定すると、構成
上、ガイド板63等をもはや省略することができず、しか
も大容量のファン機構61、熱交換機構62等を使用せねば
ならないので、装置の大型化を避けることができない。
第2には、被処理物Aに対して窒素ガスが一方向に流れ
る方式となっているので、風下側に配置された被処理物
Aにあっては窒素ガスによる冷却が十分ではなく、結果
として良好な焼き入れが行なわれず、所定の硬度が得ら
れないことにより製品不良となり得るものがある。第3
には、必要な光沢等を有する焼結焼き入れ品を製造する
にあたり、窒素ガスの純度が数十ppmから数百ppm程度で
ある状態で焼き入れを行うことが必要とされているの
で、運転累積時間を予め決めて冷却室60を分解掃除する
よにしているが、冷却室60の内部が比較的複雑である関
係上、分解掃除の手間が大変で、メンテナンスを効率良
く行う上で大きな障害となっている。
本考案は上記事情に鑑みて創案されたものであり、一
度に熱処理すべき被処理物の量が増加しても、装置が必
要以上に大型化することなく、しかも十分な冷却性能を
得ることができる熱処理炉を提供することを目的とす
る。
課題を解決するための手段 本考案に係る熱処理炉は、加熱後の被処理物に対して
冷却ガスを吹き付けるための冷却ガス噴出ノズルがガス
冷却室に設けられており、当該冷却ガス噴出ノズルは複
数のパイプが当該被処理物を囲むように半円筒状に組み
立てられており且つ当該パイプの当該被処理物に対向す
る面に冷却ガス噴出口が形成された構成であることを特
徴としている。
作用 冷却ガス噴出ノズルの冷却ガス噴出口から冷却ガスを
噴出させると、加熱後の被処理物に対して冷却ガスが直
接吹き付けられる。
実施例 以下、本考案にかかる熱処理炉の一実施例を図面を参
照して説明する。第1図は二室式焼結焼き入れ炉の内部
構成を示す断面図、第2図は第1図のA−A線による一
部を省略した断面図である。
円筒状をなした炉殻1の内部には、内扉4によって仕
切られた加熱室10とガス冷却室20とが備えられており、
炉殻1の図中左側には、被処理物Aをガス冷却室20に出
し入れするための前扉2が設けられている。また加熱室
10の図中左側には、開閉扉11が設けられており、加熱室
10の内部には、後述するフォーク搬送機構30によってガ
ス冷却室20から搬送された被処理物Aを加熱するロッド
ヒータ12が複数個設けられている。ここで被処理物Aと
は、図示されていないがバスケットの棚に載置された多
数の粉末成形品である。なお、図中3は断熱扉11を開閉
するためのシリンダ、図中5は内扉4を開閉するための
シリンダである。但し、炉殻10に接続された真空排気装
置等は図示省略されている。
次に、フォーク搬送機構30(搬送機構に相当する)に
ついて詳しく説明する。ガス冷却室20の内部には、被処
理物Aの搬送方向に向けて一組の水平ガイドレール31が
設けられており、この一組の水平ガイドレール31に沿っ
て被処理物Aを載置し得るフォーク33が移動自在となっ
ている。なお、図中34はフォーク33の両側基端部に設け
られている各水平ガイドレール31に対する一組のガイド
ローラであり、図中35はフォーク33を前後進させるため
のモータである。
つまり前扉2を介してガス冷却室20の内部に取り込ま
れた被処理物Aは、フォーク33の上面に載置され、この
状態でフォーク33を前後進させると、ガス冷却室20から
加熱室10にかけて交互に搬送されるようになっている。
また、ガス冷却室20の中でも、加熱後の被処理物Aが
フォーク搬送機構30によって加熱室10からガス冷却室20
に戻された位置には、冷却ガスとしての窒素ガスを被処
理物Aに吹き付ける冷却ガス噴出ノズル40が配設されて
いる。
冷却ガス噴出ノズル40は、第2図に示すようにR状パ
イプ42、43により半円筒状に組まれた合計5本のパイプ
ノズル40a〜40eから構成されており、被処理物Aの対向
面には冷却ガス噴出口41a〜41eが複数個設けられてい
る。しかも冷却ガス噴出ノズル40には、外部配置した冷
却ガス供給装置50が配管44、45を介して接続されてい
る。即ち、冷却ガス供給装置50から発せられた窒素ガス
は、配管44、R状パイプ42、43、パイプノズル40a〜40
e、冷却ガス噴出口41a〜41eを順次的に介して被処理物
Aに吹き付けられ、その後、配管45を介して再び冷却ガ
ス供給装置50に戻され、ここで熱交換をも行われて、こ
の循環過程にて被処理物Aが強制冷却され得るようにな
っている。なお、冷却ガス噴出ノズル40は、ガス冷却室
20の内部にあっても、フォーク搬送機構30により搬送さ
れる被処理物A等に接触しないような位置に配置されて
いる。
この冷却ガス噴出ノズル40の変形例としては、第3図
に示すようにフォーク33の基端部に折り曲げパイプであ
る冷却ガス噴出ノズル40を複数本配設して、この冷却ガ
ス噴出ノズル40の先端部に冷却ガス噴出口41を複数個設
けるような構造を採っても構わない。だが、この変形例
による場合には、冷却ガス噴出ノズル40が被処理物Aの
搬送時に加熱室10の構成部に対して接触しないようにす
る必要がある。
上記のような構成された二室式焼結焼き入れ炉の動作
説明について再び第1図に戻って説明する。
まず、前扉2を開けて被処理物Aをガス冷却室20の内
部に取り込み、フォーク33の上面に載置させる。そして
前扉2を閉じた後に図外の真空排気装置を動作させて、
所定の真空状態に達したならば、ロッドヒータ12を通電
させる。その後、内扉4、断熱扉11を開け、フォーク搬
送機構30を動作させると、フォーク33が延び、被処理物
Aがガス冷却室20から加熱室10に導入される。そしてフ
ォーク33が一番延びた所で後退させれば、被処理物Aが
加熱室10の内部に設けた載置台(図示せず)に取り残さ
れる。その後、内扉4、断熱扉11を閉じて、加熱室10の
内部にて被処理物Aを加熱し、これに含有しているワッ
クス成分をデワックスさせる。なお、この際、排出され
るベーパガスは炉殻1の外部に配置されたワックストラ
ップ(図示せず)に速やかに回収される。
このデワックス工程が終了すると、加熱室10の温度設
定がデワックス温度よりも更に高い本焼結温度に切り換
えられ、以後、本焼結工程が開始することになる。
本焼結工程が終了すると、加熱室10の温度設定が下げ
られ、これと略同じくして、内扉4、断熱扉11が再び開
けられる。そしてフォーク搬送機構30を動作させて、フ
ォーク33の先端部を被処理物Aの下に滑り込ませてすく
い上げ、その後、後退させると、被処理物Aがガス冷却
室20の初期位置にまで戻されることになる。そして内扉
4、断熱扉11を閉じる。
この状態で冷却ガス供給装置50を動作させると、冷却
ガス噴出ノズル40を介して窒素ガスが加熱後の被処理物
Aに吹き付けられることになり、この過程で被処理物A
が強制冷却され、もって焼き入れが行われることにな
る。そして被処理物Aが常温程度にまで冷却されると、
炉殻10の内部に空気が導入され、大気圧と同等になった
ところで前扉2を開けて、一連の熱処理工程の終了した
被処理物Aを取り出す。
従って、本実施例による場合には、冷却ガス噴出ノズ
ル40からの窒素ガスが近距離で被処理物Aに吹き付けら
れることになるので、被処理物Aの焼き入れの良否に大
きく関係する初期冷却速度を大きく採ることが可能とな
る。しかも熱処理すべき被処理物Aの量が大きい場合で
あっても、効率良く強制冷却することが可能となり、結
果として良好な焼き入れが行われることになる。
また、熱交換機構(冷却ガス供給機構50の一部)が外
部配置されいることも併せて炉殻1の内部構造が非常に
シンプルとなり、メンテナンス上のメリットがある。
更に、製造効率を上げる観点から一度に熱処理すべき
被処理物Aの量が増加しても、冷却ガス噴出ノズル40の
数、配置等に関し若干の設計変更を加えるだけで、必要
な冷却性能を得ることができる。しかも冷却効率がアッ
プした分だけ容量の小さい熱交換機構等を採用すること
ができるので、装置の大型化を抑止できる。
なお、本考案にかかる熱処理炉は焼結焼き入れ炉だけ
でなく他の熱処理炉でも適用可能であることを勿論のこ
と、冷却ガス供給装置の配置、搬送機構の種類、炉殻の
内部構造等についても適宜設計変し得るものである。
考案の効果 以上、本考案に係る熱処理炉による場合、冷却ガス噴
出ノズルの冷却ガス噴出口から冷却ガスを噴出させる
と、加熱後の被処理物に対して冷却ガスが直接に吹き付
けられる構成となっているので、一度に熱処理すべき被
処理物の量が多くなっても、これを均一に且つ急速に冷
却することができ、十分な冷却効果を得ることができ
る。これに伴い、小容量の熱交換機等を使用することが
可能となり、装置の小型化及び高性能化を図る上で大き
な意義がある。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本考案にかかる熱処理炉の一実施例
における説明図であって、第1図は二室式焼結焼き入れ
炉の内部構成を示す断面図、第2図は第1図のA−A線
による一部を省略した断面図、第3図は冷却ガス噴出ノ
ズルの変形例を説明するための第1図に相当する図であ
る。第4図は従来の二室式焼結焼き入れ炉の冷却室の断
面図である。 1……炉殻 10……加熱室 20……ガス冷却室 30……フォーク搬送機構 40……冷却ガス噴出ノズル 41a〜41e……冷却ガス噴出口 50……冷却ガス供給装置 A……被処理物

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】炉殻内部における加熱室とガス冷却室とに
    わたって熱処理すべき被処理物を交互に搬送せしめる搬
    送機構を備える熱処理炉において、加熱後の被処理物に
    対して冷却ガスを吹き付けるための冷却ガス噴出ノズル
    がガス冷却室に設けられており、当該冷却ガス噴出ノズ
    ルは複数のパイプが当該被処理物を囲むように半円筒状
    に組み立てられており且つ当該パイプの当該被処理物に
    対向する面に冷却ガス噴出口が形成された構成であるこ
    とを特徴とする熱処理炉。
JP1988097606U 1988-07-22 1988-07-22 熱処理炉 Expired - Lifetime JP2513194Y2 (ja)

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JPS60187620A (ja) * 1984-03-06 1985-09-25 Daido Steel Co Ltd 真空炉

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