JP2512699B2 - 速硬化性樹脂組成物 - Google Patents

速硬化性樹脂組成物

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JP2512699B2 JP1757294A JP1757294A JP2512699B2 JP 2512699 B2 JP2512699 B2 JP 2512699B2 JP 1757294 A JP1757294 A JP 1757294A JP 1757294 A JP1757294 A JP 1757294A JP 2512699 B2 JP2512699 B2 JP 2512699B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、補修用塗装材料、各種
治工具用材料、型材、接着剤などに好適な樹脂組成物に
関し、更に詳しくは、臭気、皮膚刺激性などの毒性が少
なく、常温下で容易に速硬化し耐熱性にもすぐれた速硬
化性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、常温硬化型のエポキシ樹脂は、塗
料用、接着剤用、注形用、積層材料として、また金属粉
などの充填剤をこれに混入させて、金属製の機械装置、
部品等の補修用として、または検査治具もしくは真空成
形、射出成形、ウレタン発泡成形、RIM成形などのプ
ラスチック成形用の型材などとして広く使用されてい
る。
【0003】しかし、従来用いられている常温硬化型の
エポキシ樹脂組成物は、主にこれに用いられる硬化剤の
臭気が強く皮膚刺激性が大きいものがほとんどであり、
また得られる硬化物は耐熱性が充分ではなく実際に使用
する場合には大きな制限があった。
【0004】ところで、架橋密度の高い脂環式エポキシ
樹脂を使用する場合にあっては、一般的な硬化剤として
酸無水物を使用すれば耐熱性が非常に高く、高温での硬
化速度の速いものが得られるが、この場合は通常150
℃以上の加熱を必要とし、常温では十分に反応が進行し
ない。
【0005】また、シラノール基を有する有機ケイ素化
合物と有機アルミニウム化合物を使用して脂環式エポキ
シ樹脂を硬化させる方法も知られている(例えば特開昭
51−118728号公報)。しかし、この場合、硬化
物の架橋密度が高すぎて耐衝撃性、接着力、強度が小さ
く実質的には前述の用途には必ずしも満足のいくもので
はない。さらにまた、これらの特性を改良するために末
端にカルボキシル基を有するポリブタジエン又はブタジ
エン・アクリロニトリル共重合体でエポキシ樹脂を変性
する方法も知られている(特開昭59−109517号
公報)。しかし、この場合も、耐衝撃性、強度、接着力
が必ずしも満足のいくものではなく、しかも硬化速度が
常温(30℃以下)においてはかなり遅く、速硬化性材
料としては有効に使用できないという問題がある。
【0006】機械、装置、部品等の補修の具体例として
は、蒸気または熱媒体用のパイプ、バルブ、フランジ等
の漏れ止め、加熱タンク接続部の漏れ止めや防蝕、ある
いは自動車のエンジンブロックやクランクケース等のク
ラックの補修などがあるが、従来のエポキシ樹脂組成物
は、耐熱性が悪く、完全硬化するのに時間がかかり高温
で直接硬化させると発泡や硬化不良をまねき、また比較
的常温硬化性が良く耐熱性があるものでも硬化物の可撓
性が悪く、もろい等の種々の問題点があるため用途が制
限されていた。この様な欠点を解決するために硬化剤の
分子量を大きくしたり、あるいは硬化剤として芳香族ア
ミン化合物を用いる、エポキシ樹脂として架橋密度の高
い脂環式エポキシ樹脂を用いる、などの手段が提案され
一部実用化されている。
【0007】しかし、それらを用いると樹脂組成物の粘
度が高くなり、作業性の点で新たな問題が生じたり、硬
化物の耐熱性が低下したり、硬化速度がいきおい小さく
なったり、硬化物が著しく硬くもろくなるなどの欠点を
生じる。例えば最も一般的な硬化剤である脂肪族アミン
またはその変成品(エチレンオキサイドまたはプロピレ
ンオキサイドの付加物が多い)で硬化させたエポキシ樹
脂のHDT(熱変形温度)は後硬化したものでも100
℃前後である。そこで、芳香族ポリアミンまたはその変
成品を硬化剤として使用すれば耐熱性の向上は期待でき
るものの常温での硬化性が悪く、通常130℃以上の加
熱硬化が必要である。この様な、常温硬化により十分な
物性の発現され得ないエポキシ樹脂は、前述の様な補修
用材料、注形材料や腐蝕部の肉盛補修や熱交換器プレー
トの腐蝕部の補修などに使用するには大きな制限があ
る。また、このような補修においては、普通は補修時に
機械装置の運転を一時停止して補修箇所の温度を常温近
くまで冷却してから施工する必要があった。なぜなら
ば、補修箇所部分の温度が高いと補修剤の粘度が下が
り、硬化する前に塗剤が流動化してたれ下がったり、特
に150℃以上の高温であると通常のエポキシ樹脂は硬
化不良や発泡をおこして使用できない。しかし、通常の
場合、機械の運転をその都度停止することができないの
が普通である。したがって、機械の運転を続行させたま
まで、しかも温度を下げることなく瞬間補修剤として使
用できれば、作業時間ならびに休止によるロス、メイン
テナンス費用も大巾に節限できることになる。
【0008】また、現場で使用する時は、一般に手や皮
膚に付着しやすく、そのために、従来の補修剤では、し
ばしば「カブレ」などの皮膚障害を起こしやすく、さら
にまた臭気が強く、この点での改善も必要とされて来
た。加えて、従来の補修剤は配合比が化学量論的に厳格
に規定される場合が多く(重量比で100:5〜50程
度)使用しやすいものでも容量比1:1が限界であっ
た。したがって、現場において目分量で容易に配合する
ことができしかも正確かつ迅速に計量できる重量比、容
量比ともに1:1の補修材料の要請があった。
【0009】他の用途、例えば、注型用材料、接着剤、
塗料、積層材などの場合も、従来150℃以上のHDT
を持たせるためには150℃程度の後硬化を必要とし、
また、その前工程で80〜100℃のプレキュアーをし
なければ変形、そり、はがれなどがおきて実際には使用
できないという問題があった。また、比較的常温硬化性
ならびに耐熱性の良好な組成物(例えば、特開昭59−
109517号記載の組成物)の場合でも、温度が常温
以下の場合、または接着層の様に薄層を形成する場合は
自己発熱による硬化促進効果が期待しづらく、また可撓
性も不充分で実際には使用限度があった。
【0010】本発明は上述した点に鑑みてなされたもの
であり、以下の点を目的とするものである。 (i) 常温下(もしくは常温から高温まで)において迅
速に硬化し耐熱性、可撓性、強じん性ならびに接着性に
すぐれた速硬化性樹脂組成物を提供すること。 (ii) 硬化温度を所望の値に制御することによって硬化
速度を自由にコントロールすることができ、瞬間硬化が
可能な速硬化性樹脂組成物を提供すること。 (iii) 臭気、皮膚刺激性が少なく、安全性にすぐれた
速硬化性樹脂組成物を提供すること。 (iv) 使用時における各成分の配合割合の点で作業性に
すぐれた速硬化性樹脂組成物を提供すること。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るため、本発明に係る速硬化性樹脂組成物は、主要成分
として下記の成分からなることを特徴としている。(a)
脂環式エポキシ化合物、(b) 1分子中に2個以上の
シラノール基を有する有機ケイ素化合物、(c) (イ)
ビスフェノール系エポキシ樹脂と末端にカルボキシル基
を有するポリブタジエンもしくはブタジエン・アクリロ
ニトリル共重合体の過剰量との反応生成物と、(ロ)脂
環式エポキシ樹脂の過剰量とを反応させて得られるエポ
キシ樹脂付加体、(d) アルミニウムキレート化合物。
【0012】以下、本発明をさらに詳しく説明する。各
構成成分の詳細は次のとおりである。可撓性エポキシ樹脂付加体 本発明に係る可撓性エポキシ樹脂付加体は、(イ)ビス
フェノール系エポキシ樹脂と末端にカルボキシル基を有
するポリブタジエンもしくはブタジエン・アクリロニト
リル共重合体の過剰量との反応生成物と、(ロ)脂環式
エポキシ樹脂の過剰量とを反応させて得られることを特
徴としており、この付加体自体可撓性にすぐれたもので
あるが、他の樹脂組成物に配合させることによって該組
成物の常温硬化性、耐熱性、可撓性、接着性ならびに強
じん性を向上させる上で極めてすぐれている。
【0013】まず、この付加体の製造に用いるビスフェ
ノール系エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型ま
たはF型のエポキシ樹脂が好ましく用いられ、具体的に
は、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェ
ノールAジβメチルグリシジルエーテル、ハロゲン化ビ
スフェノールAジグリシジルエーテル、水素添加ビスフ
ェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジ
グリシジルエーテルなどのエポキシ化合物が好ましく用
いられる。他のタイプのエポキシ樹脂、たとえばノボラ
ック型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹
脂などは、ビスフェノール系エポキシ樹脂と比較して特
に強じん性、接着力の点で劣るので本発明においては不
適当である。
【0014】ポリマーの両末端にカルボキシル基を有す
るポリブタジエンもしくはブタジエン・アクリロニトリ
ル共重合体としては、たとえば下記のような市販のもの
が用いられ得る。 (イ) ブタジエン・アクリロニトリル共重合体 HYCAR CTBN 1300×8、1300×13、1300
×15 (市販品名、宇部興産(株)製) (ロ) ポリブタジエン HYCAR CTB 2000×162、2000×156、2
000×165 (市販品名、宇部興産(株)製) スフェノール系エポキシと上記ポリブタジエン(もしく
はブタジエン・アクリロニトリル共重合体)の過剰量を
反応させることにより、エポキシ樹脂の両末端にゴム成
分が付加された反応生成物が得られ、さらにこれに脂環
式エポキシ化合物を過剰量反応させることにより本発明
の可撓性エポキシ樹脂付加体が得られる。このようにし
て得られる本発明に係るエポキシ樹脂付加体は、エポキ
シ樹脂の両端にゴム成分が位置しているので、ゴム成分
が有する可撓性にエポキシ樹脂が有する高い剛性と高接
着力が付与され、加えて分子鎖を長くすることにより、
脂環式エポキシ樹脂の有するもろさを改良し、強じん
性、高接着力および速硬化性を向上させる上ですぐれて
いると思われる。
【0015】また、この可撓性エポキシ樹脂付加体は、
脂環式エポキシ樹脂、シラノール化合物、金属粉の混合
系に混入させた場合、この系の貯蔵安定性を高める上で
著しい効果がある。速硬化性樹脂組成物 本発明に係る速硬化性樹脂組成物の成分(a)である脂
環式エポキシ化合物としては、平均1分子当たり2個以
上のエポキシ基を有する化合物が用いられ、具体的に
は、下記の様な化合物が好ましく用いられる。
【0016】
【化1】 たとえば、ERL−4221(市販品名、ユニオンカー
バイド社製)、セロキサイド#2021(市販品名、ダ
イセル化学工業(株)製)
【0017】
【化2】 たとえば、ERL−4299(市販品名、ユニオンカー
バイド社製)これらは単独ないし混合して使用できる。
本発明において使用されるエポキシ樹脂は脂環式エポキ
シに限定される。他のエポキシ、例えばグリシジルエー
テル型エポキシ、グリシジルエステル型エポキシ、グリ
シジルアミン型エポキシなどは、常温から高温までにお
いて、脂環式エポキシと比較すると、硬化速度が遅く、
速硬化性の材料としては単独では使用できないので不適
当である。但し、1分子中に1個以下のエポキシ基を有
する脂環式エポキシ、その他のエポキシでも、反応性希
釈剤などとして少量添加することは、硬化速度、強度、
接着力、その他の物性に影響を与えない範囲において
は、使用可能である。
【0018】本発明において使用される成分(b)の有
機ケイ素化合物は、平均組成式 (上記式中、RおよびRは水素原子、置換もしくは
非置換の一価有機基から選択される同種類もしくは異種
の基、 0<a<4,0≦b<4,0<c<4,0<a+b+c
≦4) で表わされるものであり、有機基の10モル%以上がフ
ェニル基であって、しかもシラノール基量は1分子中に
2個以上のものが特に好ましく用いられる。フェニル基
が10モル%未満では脂環式エポキシ化合物との相溶性
が悪くなるので好ましくない。
【0019】本発明における成分(a)の脂環式エポキ
シ化合物と有機ケイ素化合物の配合割合は、脂環式エポ
キシ化合物86〜50重量%、有機ケイ素化合物14〜
50重量%の範囲が好ましい。脂環式エポキシ化合物が
86重量%を超えると、常温以下(約30℃以下)の温
度では自己発熱が少なく、そのため速硬化性材料として
は好ましくなく、一方、50%未満であると耐熱性、強
度などが低い硬化物となり、前述の用途には不適当とな
る。
【0020】成分(c)の可撓性エポキシ樹脂付加体と
しては、前述したものが用いられるが、その含有量は、
成分(a)100重量部に対して、5〜30重量部が好
ましい。含有量が5重量部未満では硬化物がもろくなり
強度や接着力も低下してしまい前述の用途には不適当で
ある。一方、含有量が30重量部を超えると、硬化速度
が遅くなり、速硬化性材料としては使用できなくなり、
また耐熱性も著しく下がる傾向があるので不適当であ
る。
【0021】本発明の速硬化性樹脂組成物において成分
(d)の硬化触媒として使用されるアルミニウムキレー
ト化合物としては、アルミニウムモノアセチルアセトネ
ートビス(エチルアセトアセテート)(たとえば、アル
ミキレートD(商品名)76%イソプロパノール溶液−
川研ファインケミカル(株)製)、アルミニウムトリス
(アセチルアセトネート)(たとえば、アルミキレート
A(商品名)−川研ファインケミカル(株)製)、アル
ミニウムトリス(エチルアセトアセテート)(たとえば
ALCH−TR(商品名)−川研ファインケミカル
(株)製)などが好ましく用いられ得る。
【0022】アルミニウムキレート化合物の配合量は、
脂環式エポキシ化合物(a)と有機ケイ素化合物の合計
量100重量部に対して0.5〜10重量部が好まし
く、更に好ましくは1〜5重量部である。0.5重量部
未満であると反応速度が遅くなり、特に常温(30℃以
下)での速硬化性材料としては好ましくない。一方、1
0重量部を超える場合は、常温においても可使時間が極
端に短くなり、耐熱性も低下して実質的には使用が困難
になるので好ましくない。
【0023】しかし、本発明で用い得る触媒成分(d)
はアルミニウムキレート化合物に限定され、他の従来公
知の有機アルミニウム化合物、例えば、アルミニウムト
リイソプロポキシド、アルミニウムsec‐ブチレー
ト、モノsec‐ブトキシアルミニウムジイソプロピレ
ート、アルミニウムイソプロピレートなどのアルミニウ
ムアルコレート類は貯蔵安定性が悪く、更に常温(30
℃以下)の温度において使用する場合、薄層形態(2mm
以下)または少量(10g以下)の使用においては自己
発熱がとぼしく、反応性が悪く、したがって速硬化性材
料としては単独で使用できないので不適当である(但
し、速硬化性に影響のない範囲内においては少量混合す
る事は可能である)。この理由は必ずしも明確ではない
が、次の様に考えることができる。すなわち、シラノー
ル基を有する有機ケイ素化合物と有機アルミニウム化合
物が二元触媒的に働き、脂環式エポキシ樹脂がカチオン
重合することにより速硬化性が顕著になると思われる
が、その場合、アルミニウムキレート化合物を使用した
ときのみに適度の反応誘導期と反応性の高さが実現され
るためであると推定される。
【0024】また、本発明における速硬化性樹脂組成物
は、脂環式エポキシ、1分子中に2個以上のシラノール
基を有する有機ケイ素化合物、およびアルミニウムキレ
ート化合物の三成分が均一に混合された時点で速硬化性
樹脂組成物となり硬化物が形成されうるので、この三つ
の成分を適当に配合することにより、容易に重量比、容
量比1:1の速硬化性樹脂組成物を得ることができる。
【0025】たとえば、脂環式エポキシ化合物と有機ケ
イ素化合物と可撓性エポキシ樹脂付加体とを含有するA
液と、脂環式エポキシ化合物と可撓性エポキシ樹脂付加
体とアルミニウムキレート化合物とを含有するB液をあ
らかじめ用意しておき、使用時に両液を混合して目的に
応じた硬化物を形成することができる。
【0026】また、本発明の組成物においては、種々の
使用目的、用途に応じて、他の成分を追加的に添加する
ことができる。たとえば、充填剤としては、鉄粉、チタ
ン粉、銅粉、アルミ粉などの金属粉炭酸カルシウム、硫
酸バリウム、タルク、ガラスビーズ、ガラスチョップド
ストランド、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、カーボ
ンブラックなどが用いられ得る。このような充填剤を加
えることによって、組成物にチキソトロピー性を付与し
たり、熱線膨張係数を小さくし、コストを下げたり、硬
化発熱を抑えてポットライフを長くするなどの効果が得
られる。
【0027】さらに本発明の組成物は毒性、臭気の少な
い材料からなるので、安全性、作業性の向上を図る上で
もすぐれている。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれら実施例に制限されるものではない。製造例1 エポキシ当量185〜195のビスフェノールA型エポ
キシ化合物(商品名:エピコート828‐油化シェルエ
ポキシ(株)製)10重量部と HYCAR‐CTBN
1300×8(宇部興産(株)製)680重量部とを1
50℃で6時間反応させた後、100℃まで冷却し、さ
らにセロキサイド#2021(ダイセル化学工業(株)
製)100重量部をこれに投入して、100℃で3時間
反応させ、エポキシ当量128、粘度(25℃)12万
cpsの可撓性エポキシ樹脂付加体(I)を得た。実施例1 平均組成式 で示され、Rは65モル%のメチル基と35モル%のフ
ェニル基からなり、a=1.58でシラノール基のOH
基濃度が5%のシリコーン樹脂(36重量部)、セロキ
サイド#2021(56重量部)と製造例1で得た可撓
性エポキシ樹脂付加体(I)(8重量部)を均一に混合
したものを用意し(A液)、別にセロキサイド#202
1(89重量部)、製造例1で得た可撓性エポキシ樹脂
付加体(I)(9重量部)とアルミキレートD(川研フ
ァインケミカル(株)製)2重量部を均一に混合したも
の(B液)を用意した。A液とB液の配合比は 厳密な
化学量論的な規定はないので、A/B=4/1〜1/2
までの範囲で硬化物の物性には著しい変化はないが、硬
化速度、作業性などの点で1/1が最も良い。
【0029】下記の表−1に、ゲルタイム、硬化時間、
硬化発熱、硬化物の物性等について、従来の常温硬化型
速硬化性樹脂組成物と比較したデータを示す。
【0030】
【表1】 *1:エポキシ当量190‐油化シェルエポキシ(株) *2:トリエチレンテトラミン *3:ポリメルカプタン系硬化剤(Diamond Shamrock社
製) *4:トリス‐ジメチルアミノメチルフェノ―ル(アンカ
―ケミカル製) *5:活性水素当量89、変性脂肪族ポリアミン(旭電化
(株)製) *6:表面の鉛筆硬度がHB以上になるまでの時間 *7:JISK6911に準拠 *8:Fe‐Fe、JISK6850に準拠 *9:硬化条件:実施例1‐(常温)(1日)+ 200℃
(2時間) 比較例1‐常温(1日)+100℃(3時間) 比較例2‐比較例1と同じ 比較例3‐比較例1と同じ実施例2〜3、比較例4〜7 表−2に実施例1において使用されたアルミニウム化合
物(アルミキレート化合物)のかわりに他のアルミニウ
ム化合物で置換えたB液を使用した場合の硬化特性を示
した。配合比は実施例1と同様である。
【0031】
【表2】 実施例4、比較例6〜7 実施例1に示したA液30重量部に平均粒度 300メ
ッシュの鉄粉68重量部、さらに沈降防止剤としてビス
カトロールA(MOONeY CHEMICALS)2重量部を均一に混
合したものを(A−1)液、実施例1に示したB液30
重量部に同じ鉄粉68重量部、さらに沈降防止剤として
ビスカトロールA2重量部を加えたものを(B−1)液
とする。次に、B液中の可撓性エポキシ樹脂付加体
(I)を以下の比較製造例で示した従来のエポキシ樹脂
付加体(II)に置換えた組成のものを(B−2)液とす
る。またA液中の可撓性エポキシ樹脂付加体(I)の配
合数を0としたものを(A−2)液、B液中の可撓性エ
ポキシ樹脂付加体(II)の配合数を0としたものを(B
−3)液とする。比較製造例 セロキサイド#2021とHYCARCTBN1300
×8を重量比700対200の割合で100℃、3時間
加熱し、エポキシ当量124、粘度(25℃)6万cp
sのエポキシ樹脂付加体(II)を得た。
【0032】下記表−3において本発明にかかる可撓性
エポキシ樹脂付加体(I)の硬化物に与える耐衝撃性、
強度、接着力などの効果を示した。なお、比較のため
に、従来公知のエポキシ樹脂付加体(II)を使用した場
合(比較例6)、さらにそれを使用しなかった場合(比
較例7)も比較例として示した。
【0033】
【表3】 配合比に対する硬化時間、HDTの変化 脂環式エポキシ化合物(a)(セロキサイド#202
1)および有機ケイ素化合物(b)の配合量を変化させ
た場合の硬化時間(25℃において、2mm厚、10gの
硬化物を得るに要する時間)、ならびにHDT(熱変形
温度)の変化を第1図に示す。但し、アルミニウムキレ
ート化合物は脂環式エポキシ化合物(a)の量に対して
3重量%添加し、また可撓性エポキシ樹脂付加体の配合
量は、(a)+(b)100重量部に対して10重量部
である。
【0034】このグラフに示されるように、成分(a)
の配合量を(a)+(b)の合計量に対して約50〜8
6重量%の範囲にした場合に、速硬化性と耐熱性の双方
においてすぐれた特性が得られる。毒 性 本発明の組成物は、毒性、皮膚刺激性が従来のものに比
べて少ない点でも有利であり、安全性にすぐれている。
参考のため、下記表‐4に、本発明で用いた化学成分
(No. 1〜3)と従来の組成物で用いている化学成分
(No. 4〜10)の急性経口毒性およびSPI分類値を
示す。
【0035】
【表4】 *1:LD50は、1回に体重1kg当りの経口摂取量で動
物(通常ラット)が50%死亡する量。
【0036】*2:SPI(米国プラスチック工業会の
エポキシ樹脂フォーミュレーター部会作成の基準によ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】成分配合比に対する硬化時間、HDT(熱変形
温度)の変化を示すグラフである。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主要成分として下記の成分から構成される
    ことを特徴とする、速硬化性樹脂組成物。 (a) 脂環式エポキシ化合物、 (b) 1分子中に2個以上のシラノール基を有する有機
    ケイ素化合物、 (c) (イ)ビスフェノール系エポキシ樹脂と末端にカ
    ルボキシル基を有するポリブタジエンもしくはブタジエ
    ン・アクリロニトリル共重合体の過剰量との反応生成物
    と、(ロ)脂環式エポキシ化合物の過剰量とを反応させ
    て得られるエポキシ樹脂付加体、 (d) アルミニウムキレート化合物。
  2. 【請求項2】前記(a)脂環式エポキシ化合物と(b)
    有機ケイ素化合物の配合割合が、(a)成分と(b)成
    分の合計量に対して、 (a)成分:50〜86重量% (b)成分:14〜50重量% である、特許請求の範囲第1項の組成物。
  3. 【請求項3】アルミニウムキレート化合物の配合量が、
    前記(a)成分100重量部に対して、0.5〜10重
    量部である、特許請求の範囲第1項の組成物。
JP1757294A 1994-02-14 1994-02-14 速硬化性樹脂組成物 Expired - Lifetime JP2512699B2 (ja)

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