JP2512620Y2 - 吸着用パッド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、ワークを吸着し、任意の位置に搬送するた
めの吸着用パッドに関する。

［従来の技術］ 従来から、例えば、薄板状のワークを搬送するために
真空吸引源に連結された吸着用パッドが用いられてい
る。この種の吸着用パッドは、通常、根本部とこれに一
体的に連設されたスカート部とを備え、金具を介してロ
ボットのアームに装着され、ワークの搬送等に使用され
る。

その際、吸着用パッドの根本部に真空吸引源からのチ
ューブを接続し吸引することにより、ワークはスカート
部の減圧作用下に吸着用パッドに吸着され搬送される。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、一般に、吸着用パッドに接続される金
具は、吸着用パッドの根本部に設けた孔に回転可能に挿
入されて接続されるため、ワーク搬送時には、ロボット
アームの回動に伴って、吸着用パッドの軸を中心とする
回転モーメントが生ずる。このため、吸着用パッドが回
転し、これに吸着されたワークも回転してワークの正確
な位置決めが困難になる。

そこで、吸着用パッドの回転防止方法として接着剤の
塗布や焼き付け等によって金具を固着する方法が考えら
れる。ところが、吸着用パッドの交換の際には金具の交
換も必要となることが多く、金具を固着した場合には交
換できないという不都合が生じる。

本考案は、上記の問題点を解決するためになされたも
ので、ワーク搬送時に吸着用パッドの回転を防止して、
正確な位置決めができるとともに着脱容易に接続できる
吸着用パッドを提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 前記の課題を解決するために、本考案の吸着用パッド
は、真空吸引源にコネクタを介して接続される根本部
と、前記根本部に一体的に連設されたスカート部とを備
えたワークを吸着するための吸着用パッドにおいて、前
記コネクタの上部は非円形断面を有し、前記根本部はコ
ネクタの下部を抜けないように嵌め込む孔と、前記コネ
クタの上部が嵌合する非円形断面の凹部とを有すること
を特徴とする。

また、本考案の吸着用パッドは、真空吸引源にコネク
タを介して接続される根本部と、前記根本部に一体的に
連設されたスカート部とを備えたワークを吸着するため
の吸着用パッドにおいて、前記コネクタの下部は非円形
断面を有し、前記根本部はコネクタの下部を抜けないよ
うに嵌め込む非円形断面の孔を有することを特徴とす
る。

さらにまた、本考案の吸着用パッドは、真空吸引源に
コネクタを介して接続される根本部と、前記根本部に一
体的に連設されたスカート部とを備えたワークを吸着す
るための吸着用パッドにおいて、前記根本部は非円形断
面の凸部を有し、前記コネクタは前記根本部の凸部を抜
けないように嵌め込む非円形断面の孔を有することを特
徴とする。

［作用］ 上記のように構成された吸着用パッドは、吸着用パッ
ドおよびワークの回転を阻止し、かつ根本部にコネクタ
の下部を抜けないように装着する孔を設けている。従っ
て、コネクタおよび吸着用パッドの回転防止がはかられ
ることによりワークの姿勢のずれが抑えられ、この吸着
用パッドを介して正確な位置にワークを搬送し、あるい
は離脱させることができる。

［実施例］ 次に、本考案に係る吸着用パッドについて好適な実施
例を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明す
る。

第１図は、本考案の第１の実施例に係る吸着用パッド
にコネクタを嵌め込んだ状態を示す斜視図であり、第２
図は第１図のII-II線に沿う縦断面図である。

実施例の吸着用パッド10は、図示しない真空吸引源に
接続される根本部12と、この根本部12から一体的に連設
されたスカート部14とを備えている。根本部12は孔部11
を有するコネクタ22と、下部が雄ねじになっている取付
用金具34を介して、チューブ36を通して真空吸引源に接
続される。吸着用パッド10は、第４図に示すように、根
本部12において上から見て六角形状の凹部16を有し、こ
こにコネクタ22の上部24が嵌合する。凹部16の下方に
は、順に孔18と20が設けられ、上方の孔18の径が下方の
孔20より小さく形成される。

次に、第３図に示すように、コネクタ22は上部24と中
部26と下部28に分かれ、軸方向に延在する貫通孔30を通
して吸引源による吸引が行われる。

コネクタ上部24は六角形状を呈し、その孔部11内には
雌ねじ32が設けられている。コネクタ下部28はコネクタ
22を根本部12に確実に装着し、かつ抜け出ないようにす
るため、円形に成形されている。コネクタ中部26は上部
24と下部28をつなぐ役割をしている。

次に、本実施例の作用について説明する。

先ず、コネクタ22を根本部12に装着するためコネクタ
の下部28を凹部16から入れて孔18を通過させる。ここ
で、吸着用パッド10は、可撓性を有する材料、例えば、
合性樹脂で形成されているので、コネクタ下部28が孔18
を通過する際、孔18の径が拡張される。従って、コネク
タ下部28を孔20に嵌合することができる。

以上により、コネクタ下部28は孔20に確実に装着さ
れ、抜けないように嵌め込むことが可能となり、また、
吸着用パッド10の弾性力ゆえに着脱も簡便である。

次に、コネクタ下部28が孔20に装着されると、コネク
タ上部24は吸着用パッドの凹部16内に位置する。コネク
タ上部24および吸着用パッド10の凹部16は、各六角形の
頂点同士が対応して嵌合することにより、ワーク搬送時
に回り止めとなる。その結果、ワークを吸着した吸着用
パッド10は、ワークの姿勢を変えることなく正確にワー
クを搬送し離脱させることができる。

また、吸着用パッド10の凹部16は、ねじ穴を有するコ
ネクタ22が凹部16に入り込み吸着用パッド10に取り付け
られた場合、その凹部16が設けられている分、コネクタ
22が嵌め込まれ、その全高を低くすることができ、スペ
ース的に有効利用を図ることが可能となる。

上記実施例では、吸着用パッド10の凹部16およびコネ
クタ上部24を六角形状としているが、四角形、その他任
意の多角形あるいは一部が突出している形状等、非円形
断面であれば前記と同様の効果を奏することができる。

次に、第５図および第６図に第２の実施例を示す。

第５図はコネクタ40の斜視図であり、このコネクタ40
は孔部41を有し、コネクタ上部42と中部44と下部46を備
え、軸方向に延在する貫通孔48を有する。

この第２実施例が第１実施例と異なる点は、コネクタ
上部42の形状が上から見て円形であり、また、下部46が
六角形状を呈する点にある。

第６図は本実施例に係る吸着用パッド50の斜視図であ
る。第６図において、吸着用パッド50の根本部52におけ
る凹部56は円形断面、孔60は六角形の断面を有し、それ
ぞれコネクタ40の上部42と下部46の形状に対応してい
る。本実施例によれば、第５図のコネクタ40が第６図の
吸着用パッド50に嵌め込まれることにより、コネクタ40
の下部46が吸着用パッド50の孔60に装着され、そのお互
いの六角形の断面が嵌合することにより回り止めの役目
をし、前記第１実施例と同様の作用、効果を奏する。

また、吸着用パッド50の根本部52に凹部56が設けら
れ、コネクタ40の上部42と係合することにより全高が低
くなり、スペース的に有効利用が可能なことは第１の実
施例と同様である。

なお、コネクタ40の下部46および吸着用パッド50の孔
60は六角形状をしているが、第１の実施例と同様、非円
形断面であればよい。

次に、第７図および第８図に第３の実施例を示す。

第７図は、吸着用パッド62の斜視図であり、根本部64
には六角形状の凸部66を上部に有し、円形断面の中部6
8、同じく円形断面ではあるが、中部68よりは径が大き
い下部70を備え、軸方向に延在する貫通孔72を有する。

第８図は、第７図に示した吸着用パッド62に、コネク
タ74を嵌め込んだ状態における縦断面図である。

コネクタ74の上方は、取付用金具接続のため雌ねじ部
76を有し、そのコネクタ74内には吸着用パッド62の根本
部64の六角形状の凸部66を嵌め込むための六角形断面の
孔78と、凸部66が抜け出てこないようにするための円形
断面の孔80を有し、コネクタ74の下方には、吸着用パッ
ド62の根本部64の下部70と係合する凹部82を備えてい
る。

本実施例が前述した第１または第２の実施例と異なる
点は、前述の実施例では、コネクタが吸着用パッドの根
本部の内部に嵌め込まれる内部構成をとるのに対し、本
実施例では、コネクタ74内の孔78に吸着用パッド62の根
本部64に有する凸部66が嵌め込まれる外部構成をとる点
にある。

したがって、根本部64の六角形状の凸部66は、コネク
タ74内に挿入され、孔78は凸部66の六角形状に対応した
断面を有し、嵌め込まれることにより、凸部66と、孔78
が嵌合して回り止めの働きをし、根本部64の中部68は、
コネクタ74の孔80と嵌合して凸部66の抜け止めの働きを
し、また、コネクタ74の凹部82と、根本部64の下部70が
係合することにより全高が低くなり、スペース的に有効
な働きをし、その他、第１または第２の実施例と同様の
作用、効果を奏する。

なお、第３の実施例のコネクタ74の孔78および吸着用
パッド62の根本部64の凸部66は、六角形状をしている
が、第１または第２の実施例と同様、非円形断面であれ
ばよい。

［考案の効果］ 本考案によれば、吸着用パッドに対してコネクタが相
対的に回転できないように嵌め込むことにより、ワーク
搬送時にワークの姿勢を変えることなく吸着用パッドが
ワークを正確に位置決めすることが可能となる。また、
吸着用パッドをコネクタから剥離することも容易且つ簡
便であることから吸着用パッドの交換も手軽にでき、コ
ネクタごと交換する必要もないという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１の実施例に係る吸着用パッドにコ
ネクタを嵌め込んだ状態を示す斜視図、 第２図は第１図のII-II線に沿う縦断面図、 第３図は第１図に示されたコネクタの斜視図、 第４図は吸着用パッドの斜視図、 第５図は本考案の第２の実施例に係るコネクタの斜視
図、 第６図は本考案の第２の実施例に係る吸着用パッドの斜
視図、 第７図は本考案の第３の実施例に係る吸着用パッドの斜
視図、 第８図は第７図に示した吸着用パッドにコネクタを嵌め
込んだ状態における縦断面図である。 10、50、62……吸着用パッド 11、41……孔部 12、52、64……根本部 14、54……スカート部 16、56……吸着用パッドの凹部 18、20、58、60……吸着用パッドの孔 22、40、74……コネクタ 30、48、72……貫通孔 32、76……雌ねじ部 34……取付用金具 36……チューブ 66……凸部 78、80……コネクタの孔 82……コネクタの凹部

Claims (5)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】真空吸引源にコネクタを介して接続される
   根本部と、前記根本部に一体的に連設されたスカート部
   とを備えたワークを吸着するための吸着用パッドにおい
   て、前記コネクタの上部は非円形断面を有し、前記根本
   部はコネクタの下部を抜けないように嵌め込む孔と、前
   記コネクタの上部が嵌合する非円形断面の凹部とを有す
   ることを特徴とする吸着用パッド。
2. 【請求項２】真空吸引源にコネクタを介して接続される
   根本部と、前記根本部に一体的に連設されたスカート部
   とを備えたワークを吸着するための吸着用パッドにおい
   て、前記コネクタの下部は非円形断面を有し、前記根本
   部はコネクタの下部を抜けないように嵌め込む非円形断
   面の孔を有することを特徴とする吸着用パッド。
3. 【請求項３】真空吸引源にコネクタを介して接続される
   根本部と、前記根本部に一体的に連設されたスカート部
   とを備えたワークを吸着するための吸着用パッドにおい
   て、前記根本部は非円形断面の凸部を有し、前記コネク
   タは前記根本部の凸部を抜けないように嵌め込む非円形
   断面の孔を有することを特徴とする吸着用パッド。
4. 【請求項４】請求項２または３記載の吸着用パッドにお
   いて、前記コネクタの上部が嵌合する凹部または前記根
   本部の下部が嵌合する凹部を有することを特徴とする吸
   着用パッド。
5. 【請求項５】請求項１乃至４のいずれかに記載の吸着用
   パッドにおいて、前記非円形断面は多角形であることを
   特徴とする吸着用パッド。