JP2512320Y2 - 画像処理条件設定装置 - Google Patents

画像処理条件設定装置

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JP2512320Y2
JP2512320Y2 JP1989110536U JP11053689U JP2512320Y2 JP 2512320 Y2 JP2512320 Y2 JP 2512320Y2 JP 1989110536 U JP1989110536 U JP 1989110536U JP 11053689 U JP11053689 U JP 11053689U JP 2512320 Y2 JP2512320 Y2 JP 2512320Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、製版用スキャナなどの画像走査記録装置を
用いて原稿を走査記録するときの画像処理条件を設定す
る装置に係り、特に、画像走査記録装置とは別体に構成
された画像処理条件設定装置に関する。
〈従来の技術〉 例えば、製版用スキャナを用いて原稿の読み取り記録
走査を行うにあたり、原稿が所望の状態に再現されるよ
うに、原稿の代表的な個所、例えばハイライトポイン
ト、シャドーポイントなどについて、予めこれらの個所
の濃度値(通常は網点%)などを画像処理条件として設
定しておくこと(以下、セットアップという)が行われ
る。
一般的な製版用スキャナには、このようなセットアッ
プ機能が付属されている。第8図は、製版用スキャナに
備えられたセットアップ機能の概略構成を示している。
回転シリンダ1に装着された原稿Fからの透過光ある
いは反射光はピックアップレンズ2を介して開閉自在の
全反射ミラー3に入射する。セットアップ作業時には、
この全反射ミラー3を開状態にして、入射光をビュアー
4へ導く。オペレータは、このビュアー4を通して原稿
Fを目視しながら、回転シリンダ1およびピックアップ
レンズ2を動かして、ハイライトポイントあるいはシャ
ドーポイントとして適当な個所(以下、セットアップ個
所と総称する)を選定する。
セットアップ個所を選定すると、全反射ミラー3を閉
状態にセットする。そうすると、入射光は全反射ミラー
3で反射されて、アパーチャ5を介して、赤反射ダイク
ロイックミラー6a,青反射ダイクロイックミラー6b,全反
射ミラー6cで構成された色分解光学系6に入射される。
色分解光学系6から出射された赤(R),緑(G),青
(B)の各成分は、ホトマルチプライヤ7a,7b,7cでそれ
ぞれ電気信号に変換された後、演算回路8に与えられ
る。演算回路8は、R,G,B信号を、黄(Y),マゼンタ
(M),シアン(C),墨(K)の各色信号に変換す
る。これらの色信号が濃度値(通常は網点%)に変換さ
れて、濃度表示器9にそれぞれ表示される。オペレータ
は、濃度表示器9に表示された各色成分の濃度値を見な
がら、先に選択したセットアップ個所が適当かどうかを
判断し、適当であると判断した場合には、キーボード10
からその個所の濃度値を入力設定する。この設定値が画
像処理条件として、演算回路8にセットされて、セット
アップが完了する。
従来、上述のようなスキャナでセットアップした後、
そのスキャナで原稿の読み取り記録走査を行ったり、あ
るいはスキャナをセットアップ専用機として用い、原稿
の読み取り記録は別のスキャナで行ったりしていたが、
前者の手法によればセットアップ作業中は原稿の読み取
り記録ができないのでスキャナの稼働率が低下し、また
後者の手法によれば高価な製版用スキャナを複数台必要
とするためコスト的に不利であった。
そこで、製版用スキャナほどには高精度を有しない
が、比較的に低価格で操作性のよい製版用スキャナとは
別体のセットアップ専用装置が提案されるに至った(例
えば、特開昭62-231566号公報参照)。なお、本明細書
では、このようなセットアップ専用装置を画像処理条件
設定装置と呼んでいる。
この画像処理条件設定装置は、第9図に示すように、
原稿が装着された回転シリンダ1を回転自在に支持する
取り付けチャック11と、この取り付けチャック11の回転
軸心に沿って摺動自在なビュア12とを備えている。取り
付けチャック11およびビュア12には、それぞれの位置を
検出するための図示しない位置検出器が付設されてい
る。ビュア12は、第10図に示すように、マスク15に描か
れた位置合わせ用の十字標線Mを原稿Fに投射して、セ
ットアップ個所を目視確認できるようにしたもので、光
源13、集光レンズ14、十字標線Mが描かれたマスク15、
投影レンズ16、ハーフミラー17、レンズ18などで構成さ
れている。
オペレータは、シリンダ1(取り付けチャック11)の
回転とビュア12の移動とによって、十字標線Mをセット
アップ個所にセットし、その個所の濃度値をキーボード
19から入力設定する。このようにして入力された設定濃
度値は、前記位置検出器で検出されたその個所の位置デ
ータとともに、フロッピィドライバ20に挿入されたフロ
ッピィ・ディスクなどに記録される。
必要な画像処理条件がフロッピィ・ディスクに書き込
まれると、このフロッピィ・ディスクを製版用スキャナ
にセットすることにより、前記画像処理条件設定装置で
設定した各画像処理条件が製版用スキャナに取り込まれ
るようになっている。
〈考案が解決しようとする課題〉 ところで、原稿上のセットアップ個所の選定は、オペ
レータの経験に基づき判断されるのであるが、その個所
が実際にハイライトポイントあるいはシャドーポイント
として適しているかは、上述したように、その個所の色
成分の濃度値でもって確認することが好ましい。なぜな
ら、例えばハイライトポイントとして選定された個所
に、色の偏りなどがあれば、ハイライトポイントとして
は不適当であり、それをそのまま使用すると、その結果
として印刷物の画像品質を著しく損なう結果を招くから
である。
しかしながら、上述した第9図の従来装置では、選定
した個所の濃度値を確認することができないので、製版
用スキャナでその個所の濃度値を測定して、その個所が
セットアップ個所として適当かどうかを確認し、もし不
適当であれば製版用スキャナでセットアップをもう一度
やりなおさなければならないという煩わしさがある。
しかも、第8図で説明したように、従来の製版用スキ
ャナで原稿上の複数個所の濃度値を確認しようとすれ
ば、その都度、全反射ミラー3を手動操作で開閉しなけ
ればならないので手間がかかり、製版工程の効率化を妨
げる原因になる。
なお、第8図に略示する製版用スキャナにおいて、セ
ットアップの1つとしてのハイライトポイントなどの濃
度値を確認する際に、全反射ミラー3を開閉しなければ
ならない理由は次のとおりである。
製版用スキャナにおいては、色分解光学系6に入射さ
せる原稿の入力範囲を決定するアパーチャ5のサイズ
が、画像処理(複製)倍率に応じて変更されるのが一般
的であり、特に、その倍率が高くなるとアパーチャ5の
サイズが約0.1mm径程度に小さくなり、色分解光学系6
を経てホトマルチプライヤ7a〜7cに入射する光量が微小
となる。このホトマルチプライヤ7a〜7cの受光感度上の
制限によって、ビュアー4と色分解光学系6とへ同時に
光を導くことができず、結果的に全反射ミラー3を使用
して、これを開閉切り換えせざるを得ないのである。
また、全反射ミラー3を開閉切り換えする構成である
ため、その開閉操作前後に、原稿シリンダあるいは読み
取りヘッドが微動しても、オペレータが気付かないこと
が多く、ビュアー4で視認した入力範囲と実際に濃度を
測定した入力範囲とがずれることとなり、そのずれ部分
に濃度が不均一な部分が含まれてしまうこともあって、
オペレータの意志どおりに正確にセットアップできない
こともあった。
本考案は、このような事情に鑑みてなされたものであ
って、画像処理条件を設定した原画上の所要個所の濃度
を容易かつ正確に確認することができる画像処理条件設
定装置を提供することを目的としている。
〈課題を解決するための手段〉 本考案は、このような目的を達成するために、次のよ
うな構成をとる。
即ち、本考案は、原稿上の画像処理条件を画像走査記
録装置に伝達可能に構成した、画像走査記録装置とは別
体の画像処理条件設定装置において、 ポイント光により原稿を照射する照射手段と、 原稿の上方に下向きに配設され、前記原稿を透過し又
は反射した前記照射手段からのポイント光を取り込むピ
ックアップレンズと、 前記ピックアップレンズを介して取り込んだ入射光を
分岐するハーフミラーと、 前記ハーフミラーにより分岐した一方の入射光の投影
像を形成するピントガラスと、 前記ハーフミラーを含み、分岐した一方の入射光を下
方から上方に前記ピントガラス面に正立像として投影す
る光学手段と、 前記ハーフミラーで分岐した他方の入射光を、前記ピ
ントガラスと光学的等価位置に設けたアパーチャを介し
て取り込んで、原稿の濃度を測定する濃度測定手段と、 前記測定した結果を表示する濃度表示手段と、 を備えたものである。
〈作用〉 本考案によれば、照射手段から原稿に照射されたポイ
ント光は、原稿を透過または原稿から反射して、原稿の
上方に下向きに配設されたピックアップレンズに入射す
る。その入射光は光学手段内のハーフミラーによって二
つの経路に分岐される。一方の入射光は、光学手段を介
してピントガラス面に正立像として投影される。オペレ
ータは、その正立像を見ながらセットアップを行なう。
一方、前記ハーフミラーによって分岐された他方の入射
光は、アパーチャを介して濃度測定手段の取り込まれ
て、位置合わせされた原稿上の、前記ポイント光により
照射された特定個所の濃度が測定され、その結果が濃度
表示手段に表示される。オペレータは、この濃度表示お
よびピントガラス上の入力範囲を確認することによっ
て、位置合わせした原稿上の所要個所がセットアップ個
所として適当かどうかを判断する。
〈実施例〉 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。
第1図は本考案の一実施例に係る画像処理条件設定装
置の全体構成を示した外観斜視図、第2図は装置の概略
ブロック図である。
原稿Fが装着された回転シリンダ1は、装置本体30の
取り付けチャック31に水平方向に着脱自在に取り付けら
れる。第2図に示すように、取り付けチャック31は、モ
ータ32で回転駆動され、その回転量がロータリエンコー
ダ33によって検出される。装置本体30には、回転シリン
ダ1の回転軸心に沿って移動可能な画像読み取りヘッド
34が設けられている。画像読み取りヘッド34の前方に
は、原稿Fの上方に位置し、下向きに配設されたピック
アップレンズ35があり、このピックアップレンズ35の側
方近くにピントガラス36が、その横に濃度表示器37がそ
れぞれ配設されている。
第3図は、ピントガラス36と濃度表示器37が配置され
た前面パネルの平面図である。ピントガラス36内の円形
の光透過部36aには十字標線36bがあり、この十字標線36
bの中心部に円形の位置合わせ用の指標36cが描かれてい
る。濃度表示器37は、黄(Y)成分の濃度を網点%で表
示する濃度表示器37a、同じくマゼンタ(M)成分の濃
度表示器37b、シアン(C)成分の濃度表示器37c、墨
(K)成分の濃度表示器37dから構成されている。な
お、前面パネル全体は、垂直面から後方へ約20度傾斜
し、ピントガラス36は、垂直面から後方へ約30度傾斜し
ている。
画像読み取りヘッド34には、図示しない光源から照射
された光を回転シリンダ1内に導くレイパイプ38が連結
されており、このレイパイプ38から照射された光(ポイ
ント光)が原稿Fを透過して、ピックアップレンズ35に
入射する。一方、反射式の原稿の場合には、前記光源か
ら光を光ファイバで導いて、ピックアップレンズ35の下
面部分から照射し、その反射光をピックアップレンズ35
で取り込むようになっている。なお、レイパイプ38は、
本考案における照射手段に相当する。
第4図〜第6図は、画像読み取りヘッド34の内部構成
を示しており、第4図は画像読み取りヘッド34の前面パ
ネルを取り外した状態を示した外観斜視図、第5図はピ
ックアップレンズ35とその周辺の光学系を下方からみた
斜視図、第6図は画像読み取りヘッド内部の光路の説明
図である。
ピックアップレンズ35の周辺には、第5図に示すよう
な位置関係で、全反射ミラー41、全反射ミラー42、ハー
フミラー43、全反射ミラー44、全反射ミラー45、アパー
チャ46が、それぞれ取り付けられている。なお、ピント
ガラス36とアパーチャ46とは、光学的に等価な位置に配
設されている。
第6図に示すように、レイパイプ38から照射された光
は、透過型の原稿Fを介してピックアップレンズ35に入
射する。照明光のエリア径は、セットアップ作業の容易
性を考慮して、製版用スキャナのそれに比べて大きく設
定されている。因みに、製版用スキャナの照明光のエリ
ア径は、通常0.5mm程度であるのに対し、本実施例装置
の照明光のエリア径は約3.5mmに設定されている。これ
は、製版用スキャナの場合、高倍率時に小径のアパーチ
ャを使用するので、それだけ光量を上げる必要があり、
そのために照明光を充分絞り込んでいるのに対し、本装
置では倍率変換を考慮する必要がないので、アパーチャ
は1個(即ち、アパーチャ46)でよく、その大きさも例
えば、2×2mm程度に比較的大きく設定できるからであ
る。アパーチャ46を大きくしたことに伴い、照明光のエ
リア径も前述のように大きくし、これにより、ピントガ
ラス36にセットアップ個所の周辺を含む比較的大きな投
影像を映し出して、その中心にある指標36c内に位置す
るセットアップ個所の位置確認を容易にできるようにし
ている。
ピックアップレンズ35に取り込まれた入射光は、全反
射ミラー41,42で順に反射されて、ハーフミラー43に導
かれる。後述する光電変換部でのノイズの影響およびピ
ントガラス36の投影像の見やすさを考慮して、ハーフミ
ラー43の透過率は50%に設定している。ただし、この透
過率は、50%に限らず、例えば、60%,70%であっても
よい。このハーフミラー43で反射された入射光は、全反
射ミラー44を介してピントガラス36に投影される。一
方、ハーフミラー43を透過した入射光は、全反射ミラー
45を介してアパーチャ46に入射する。
本実施例では、入射光を4枚(即ち、偶数)のミラー
41,42,43,44で反射して、ピックアップレンズ35の側方
近くにあるピントガラス36に投影させているから、比較
的に簡単にセットアップ個所の正立像をピントガラス36
に投影させることができる。なお、ハーフミラー43を含
むミラー41,42,43,44は、本考案における光学手段に相
当する。
ピックアップレンズ35からアパーチャ46までの距離
と、ピックアップレンズ35からピントガラス36までの距
離とは略等しく設定されている。また、ピントガラス36
の指標36cは、アパーチャ46と同じ大きさ、あるいは、
それよりも若干大きく形成されている。本実施例の指標
36cは、第7図に示すように、2×2mmのアパーチャ46に
外接する大きさの円形になっている。アパーチャ46と指
標36cとの関係をこのように構成することにより、オペ
レータは濃度測定される原稿上の領域、即ち、アパーチ
ャ46を通過する原稿上の領域を、ピントガラス36上で明
確に確認することができるので、セットアップ個所の位
置合わせを容易に行うことができる。逆に、指標36cの
大きさがアパーチャ46よりも小さいと、この指標内に適
切なセットアップ個所を位置合わせしたとしても、その
周囲の画像領域もアパーチャ46を通過するから、もし前
記周囲の画像領域に色の偏りがあった場合には、不適当
な濃度値となり、複製画像品質が低下する。
アパーチャ46を通過した光は、第4図に示したハウジ
ング50に開設された小孔51を通って、光電変換部に導か
れる。ダイクロイックミラー52で反射された赤成分は、
フィルタ55を介してホトマルチプライヤ58に、ダイクロ
イックミラー53で反射された青成分は、フィルタ56を介
してホトマルチプライヤ59に、全反射ミラー54で反射さ
れた緑成分は、フィルタ57を介してホトマルチプライヤ
60に、それぞれ入射されて、それぞれ赤(R),緑
(G),青(B)信号に光電変換される。
以上のような構成を備えた画像読み取りヘッド34は、
第2図に示すように、プーリー61a,61bに張り架けられ
たスチールベルト62に連結されており、プーリー61aを
モータ63で駆動することにより、画像読み取りヘッド34
を水平移動するようにしている。モータ63の回転量はロ
ータリエンコーダ64で検出される。画像読み取りヘッド
34の駆動機構を、製版用スキャナのように螺子送り機構
によって構成してもよいが、螺子送り機構によると構造
が複雑化するのと、セットアップ個所の選択に画像読み
取りヘッド34を左右方向に移動させる関係上、螺子部の
バックラッシュにより位置精度が逆に悪くなるので、上
述のようなスチールベルト62を使用した駆動機構が好ま
しい。
画像読み取りヘッド34で光電変換して得られたR,G,B
信号は、色分解補正回路65に与えられる。色分解補正回
路65は、画像処理条件設定装置のホトマルチプライヤや
その出力信号を処理するアナログ信号処理系の特性が、
製版用スキャナのそれと必ずしも同一ではないことを考
慮し、両者の特性の差異を補正するために設けられたも
のである。ただし、上述した特性が予め一致するように
装置を構成すれば、色分解補正回路65は必要ではなく、
また、同様の色分解補正回路を製版用スキャナに設置す
れば、画像処理条件設定装置には設置する必要がないの
で、この種の色分解補正回路65は本考案において必ずし
も必要とされるものではない。
色分解補正回路65で適宜に補正された各色信号R′,
G′,B′は演算回路66に与えられる。演算回路66は、こ
れらの色信号R′,G′,B′を黄(Y),マゼンタ
(M),シアン(C),墨(K)に変換し、各々の濃度
値を網点%で表現して、濃度表示器37に出力するように
構成されている。
第1図に戻って、装置本体30は、上述したような各構
成の他に次のような構成を備えている。
即ち、ジョイスティック67は画像読み取りヘッド34を
操作するためのもので、これを左右方向に動かすと、第
2図のモータ63が駆動して、画像読み取りヘッド34が左
右方向に移動する。ジョイスティック67を前後に動かす
と、図示しない昇降機構によって画像読み取りヘッド34
が上下に駆動されるようになっている。また、画像読み
取りヘッド34の上部には高さ微調整用ハンドル68が設け
られる。
装置本体30の上部には、二つのCRT69a,69bが備えられ
ている。一方のCRT69aは、本装置で原稿を粗く走査して
読み取った画像を表示して、色確認などを行うためのも
のである。もう一つのCRT69bは、各種の画像処理条件を
設定するためのメニュー画面を表示するためのもので、
オペレータがキーボード70を操作して入力した各種の条
件は、このCRT69bに表示される。
装置本体30の脚部には、外部記憶装置としてのフロッ
ピィ・ディスクを駆動するためのフロッピィ・ディスク
・ドライバ71と、セットアップのためのデータ処理を行
うマイクロコンピュータなどを内蔵した電装ボックス72
が設けられている。フロッピィ・ディスク・ドライバ71
の挿入孔71aには、本装置制御用のシステム・フロッピ
ィ・ディスクが、挿入孔71bには設定された画像処理条
件を格納するためのデータ・フロッピィ・ディスク(第
2図にMDで示す)がそれぞれ挿入される。
次に、本実施例の装置を用いて行われるセットアップ
作業の手順を説明する。
まず、データ入力の準備作業として、原稿Fが装着さ
れた回転シリンダ1を取り付けチャック31に取りつける
とともに、システム・フロッピィ・ディスクと、データ
・フロッピィ・ディスクを、ドライバ71の挿入孔71a,71
bにそれぞれセットする。そして、ジョイスティック67
や高さ微調整用ハンドル68を操作して、画像読み取りヘ
ッド34の高さを調節することにより、ピックアップレン
ズ35の焦点合わせを行う。
システム・フロッピィ・ディスクがセットされると、
電装ボックス72内の制御処理装置はシステム・フロッピ
ィ・ディスクから制御用プログラムを読み出して、以後
はこのプログラムに従ってCRT69bにセットアップ作業用
の所要の表示を行って、オペレータとの対話形式によっ
てデータの入力作業が進んでいく。
具体的には、回転シリンダ1のサイズ、原稿Fが透過
型か反射型かの指定、回転シリンダ1の座標原点,キャ
リブレーション位置,焼き付けスタート・エンド位置な
どの位置データの入力の他に、以下のようにハイライト
ポイントやシャドーポイントの濃度指定が行われる。
オペレータは、原稿F上の照射光を見ながら、ジョイ
スティック67を操作して画像読み取りヘッド34を横方向
に移動させるとともに、取り付けチャック31を手動で回
転させて、セットアップ個所としての適当と思われる領
域(ハイライトセットアップの場合には、例えば、被写
体の眼の部分)にピックアップレンズ35を移動させる。
上述したように、ピックアップレンズ35は原稿Fの上方
に位置し、下向きに配設されているので、オペレータは
原稿F上の照射光の位置を容易に見ることができる。
この領域からの透過光がピックアップレンズ35に取り
込まれて、ピントガラス36にその領域の拡大正立像が映
し出される。ピントガラス36は、ピックアップレンズ35
の側方近くに設けられているので、オペレータは視線を
僅かに動かすだけで、原稿F上の照射光の位置と、ピン
トガラス36の拡大正立像とを見比べて位置合わせするこ
とができる。オペレータは、ピントガラス36に映し出さ
れた投影像を見ながら、先に粗く位置合わせした領域内
のハイライトポイント(例えば、眼の中心部のハイライ
ト部分)内に、ピントガラス36の指標36cが入るよう
に、画像読み取りヘッド34および取り付けチャック31を
微動させる。
セットアップ個所の位置合わせが終わると、ピントガ
ラス36の隣の濃度表示器37を見て、選定した個所の各色
成分の濃度の大きさやバランスを確認する。濃度表示器
37は、ピントガラス36の側方近くに配設されているか
ら、オペレータは視線をピントガラス36から少し横に移
すだけで、濃度値の確認をすることができる。その個所
がハイライトポイントとして適当である場合は、キーボ
ード70の所定キーを操作して、その個所の濃度値を網点
%で指定する。この設定濃度値は、データ・フロッピィ
・ディスクMD(第2図参照)に格納される。同様にし
て、適当なシャドーポイントに位置合わせし、その個所
の設定濃度を網点%で入力して、データ・フロッピィ・
ディスクMDに格納する。
以上のようにしてセットアップ作業が完了すると、回
転シリンダ1とデータ・フロッピィ・ディスクMDとを装
置本体30から取り外して、図示しない製版用スキャナに
それぞれセットする。次に、製版用スキャナのデータ設
定用プログラムを起動して、セットされたデータ・フロ
ッピィ・ディスクMDから画像処理条件をスキャナ本体に
取り込む。このとき、スキャナ本体のビュアを利用し
て、回転シリンダ1上の原点位置を設定する。これによ
り、画像処理条件を設定した画像処理条件設定装置の座
標系と、製版用スキャナの座標系とが完全に一致するか
ら、前記画像処理条件設定装置で画像複製範囲(トリミ
ング範囲)を示す位置情報とともに作成された種々の画
像処理条件が、そのまま製版用スキャナに適用すること
ができる。
以上の実施例では、ピックアップレンズを原稿の上方
に下向きに配設するとともに、ピントガラスを前記ピッ
クアップレンズの側方近くに配設しているから、オペレ
ータはピックアップレンズの直下の原稿上の照射光(ポ
イント光)の位置を確認することが容易であり、しか
も、視線を少し横に向ければ、ピントガラスで正確な位
置合わせ状態を確認できるから、セットアップ作業がた
いへん容易になる。
なお、上述の実施例では回転走査型の製版用スキャナ
を前提として、回転走査型の画像処理条件設定装置を例
にとって説明したが、平面走査型の製版用スキャナの画
像処理条件を設定する場合には、原稿を装着するテーブ
ルを備えた画像処理条件設定装置を構成するようにして
もよい。
また、実施例では画像処理条件設定装置で設定された
画像処理条件を、データ・フロッピィ・ディスクで画像
走査記録装置に伝達するように構成したが、前記画像処
理条件を通信手段などによって伝達するように構成する
ことも可能である。
さらに、本考案は製版用スキャナに限定されず、その
他の画像走査記録装置にも適用することができる。
〈考案の効果〉 以上の説明から明らかなように、本考案によれば次の
効果が発揮される。
(1)濃度測定手段と、その結果を表示する濃度表示手
段とを備えているから、オペレータはこの表示を確認す
ることによって、先に選択した原稿上の所要個所が、ハ
イライトポイントあるいはシャドーポイントとして適当
かどうかを即座に確認することができる。したがって、
セットアップを正確に行うことができるとともに、従来
装置のように、画像走査記録装置例えば製版用スキャナ
で確認する必要がなくなり、製版作業の効率化を図るこ
とができる。
(2)入射光をハーフミラーで分岐して、一方をピント
ガラスに、他方を濃度測定手段に導いているから、第8
図の従来例のように全反射ミラーの位置を切り換えて濃
度を測定するというような面倒な操作が不要であり、ピ
ントガラスで位置合わせをしながら、その個所の濃度値
を即座に確認することができ、セットアップ作業の効率
化を図ることができる。
(3)ピックアップレンズを原稿の上方に下向きに配設
しているので、オペレータはピックアップレンズ直下の
原稿上のポイント光の位置を確認することが容易であ
り、セットアップ作業がたいへん容易になる。
(4)ピントガラスには、原稿上の所要箇所の正立像が
形成されるからその正立像を見ながら行う位置合わせに
違和感がなくセットアップ作業が行いやすく、また、原
稿シリンダあるいは読み取りヘッドが作業中に微動して
も、この動きがピントガラス上に表れて、オペレータが
気付きやすい。
(5)さらに、濃度表示手段をピントガラスの側方近く
に配設した場合には、セットアップ個所の位置合わせ
と、その個所の濃度確認とを速やかに行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第7図は本考案の第1実施例に係り、第1
図は画像処理条件設定装置の外観斜視図、第2図はその
概略ブロック図、第3図は画像読み取りヘッドの前面パ
ネルの説明図、第4図は画像読み取りヘッド内部の概略
構成を示した斜視図、第5図はピックアップレンズとそ
の周辺の光学系を下からみた斜視図、第6図は画像読み
取りヘッド内部の光路の説明図、第7図はピントガラス
の指標とアパーチャとの関係図である。 第8図〜第10図は従来例に係り、第8図は製版用スキャ
ナのセットアップ機能の説明図、第9図は従来の画像処
理条件設定装置の外観斜視図、第10図は第9図示の従来
装置に備えられたビュアの構成図である。 1……回転シリンダ 34……画像読み取りヘッド 35……ピックアップレンズ 36……ピントガラス 36c……指標 37……濃度表示器 43……ハーフミラー F……原稿 MD……データ・フロッピィ・ディスク
フロントページの続き (72)考案者 増尾 純一 京都府京都市右京区西京極新明町13―1 大日本スクリーン製造株式会社西京極 事業所内 (72)考案者 藤井 照夫 京都府京都市上京区堀川通寺之内上る4 丁目天神北町1番地の1 大日本スクリ ーン製造株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−39916(JP,A)

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】原稿の画像処理条件を画像走査記録装置に
    伝達可能に構成した、画像走査記録装置とは別体の画像
    処理条件設定装置において、 ポイント光により原稿を照射する照射手段と、 原稿の上方に下向きに配設され、前記原稿を透過し又は
    反射した前記照射手段からのポイント光を取り込むピッ
    クアップレンズと、 前記ピックアップレンズを介して取り込んだ入射光を分
    岐するハーフミラーと、 前記ハーフミラーにより分岐した一方の入射光の投影像
    を形成するピントガラスと、 前記ハーフミラーを含み、分岐した一方の入射光を下方
    から上方に前記ピントガラス面に正立像として投影する
    光学手段と、 前記ハーフミラーで分岐した他方の入射光を、前記ピン
    トガラスと光学的等価位置に設けたアパーチャを介して
    取り込んで、原稿の濃度を測定する濃度測定手段と、 前記測定した結果を表示する濃度表示手段と、 を備えたことを特徴とする画像処理条件設定装置。
  2. 【請求項2】請求項(1)に記載の画像処理条件設定装
    置において、 ピントガラスの側方近くに濃度表示手段を配設した画像
    処理条件設定装置。
JP1989110536U 1989-09-21 1989-09-21 画像処理条件設定装置 Expired - Lifetime JP2512320Y2 (ja)

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