JP2512069Y2 - 立型製版カメラの遮光ロ―ラ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 この考案は、立型製版カメラのテーブル状撮影部（以
下、撮影用テーブルという）に載置されたフィルム等の
感光材料（以下感材という）の上面を覆って、その感材
を撮影テーブルの透光板上に密着させるための遮光ロー
ラ装置に関するものである。

《従来の技術》 この種の立型製版カメラとしては、従来より例えば特
開昭63-98645号公報に示されたものが知られている。

この立型製版カメラは、第４図に示すように、基枠本
体（51）の上部に撮影用テーブル（52）を設け、撮影用
テーブル（52）の下側に蛇腹（53）を介してレンズ架
（54）を昇降自在に設け、レンズ架（54）の下側に左右
一対の照明用光源（56）（56）を有する原稿架（57）を
昇降自在に設けてなり、原稿架（57）に圧着板（58）を
もちいて圧着保持した原稿の画像をレンズ（55）で撮影
用テーブル（52）の透光板（59）上に所望倍率で結像さ
せ、この透光板（59）上に感光面を伏せて載置した感材
に当該原画像を露光記録するように構成されている。

この立型製版カメラは第５図に示すように、撮影用テ
ーブル（52）の透光板（59）上に載置した感材をほぼ中
央部に位置決めするためのコーナーマーク（62）を有す
る位置決め用マークシート（63）と感材の上に被せたマ
ークシート（63）の上から遮光性オーバーレイシート
（64）を張設して覆う遮光装置（65）と、透光板（59）
とその上に張設したオーバーレイシート（64）との間の
空気を透光板（59）の周縁に形成した排気溝（66）を介
して吸引排気する排気手段（67）とを備えてなり、透光
板（59）とマークシート（63）との間に感材を差し込み
ながらコーナーマーク（62）に感材を見当合わせして位
置決めし、遮光装置（65）のシートローラ（68）を前方
へ転動させてオーバーレイシート（64）を撮影用テーブ
ル（52）上に張設し、排気手段（67）を作動させて感材
（60）を透光板（59）上の所望位置に密着保持するよう
に構成したものである。なお、オーバーレイシート（6
4）の後端辺部分は押さえ板（69）及び固定ネジ（70）
によってテーブル（52）の後端辺部分に固定されてい
る。

《考案が解決しようとする課題》 上記従来例のものでは、遮光装置（65）のシートロー
ラ（68）が撮影用テーブル（52）の上面に沿って手動操
作により平面移動するようにしてあることから、小サイ
ズの感材を使用する比較的小型の製版カメラでは、感材
のセット時に、撮影用テーブル（52）の後端近くに退避
させた状態のシートローラ（68）でも比較的容易に操作
することができる。しかしながら、大サイズの感材を使
用する比較的大型の製版カメラでは、感材のセット時の
網かけ時に必要なコンタクトスクリーンのセット時に、
シートローラ（68）を撮影用テーブル（52）の後端近く
まで退避させておくと、シートローラ（68）に手が届き
にくくなって引き出し操作が困難となる。

また、操作性を高めるべくシートローラ（68）に大き
な取手を形成すると、オーバーレイシート（64）を撮影
用テーブル（52）上に張設した際に取手が機械本体から
大きくはみ出し、機械の使用スペースを大きくしてしま
うという問題があった。

本考案はこのような点に着目してなされたもので、大
サイズの感材を使用する比較的大型の立型製版カメラで
も、感材等のセット及び遮光シートの張設を容易に行え
る立型製版カメラの遮光ローラ装置を提供することを目
的とする。

《課題を解決するための手段》 上記目的を達成するために、本考案では、撮影用テー
ブルの後方に遮光ローラの収納部を設け、当該収納部を
閉じ姿勢と傾斜開き姿勢との間で傾動可能に構成すると
ともに、遮光ローラを収納して傾斜開き姿勢をとり、閉
じ姿勢では遮光ローラを引き出してオーバーレイシート
を張設可能に構成したことを特徴とするものである。

《作用》 本考案では、撮影用テーブルの後方に遮光ローラの収
納部を設け、当該収納部を閉じ姿勢と傾斜開き姿勢との
間で傾動可能に構成するとともに、遮光ローラを収納し
て傾斜開き姿勢をとり、閉じ姿勢では遮光ローラを引き
出してオーバレイシートを張設可能に構成しているの
で、遮光ローラに付設した取手部が透光板部分にかかる
状態に配置してあっても、遮光ローラを収納した状態で
遮光ローラの収納部を跳ね上げ傾斜姿勢に保持すること
により、透光板上に大きなサイズの感材をセットした
り、コンタクトスクリーンをセットしたりする際の操作
性を阻害することがなくなる。また、遮光ローラの収納
部を傾斜開き姿勢にした場合でも、遮光ローラに付設し
た取手部を、オペレータの手が届く範囲内に位置させる
ことが出来るようになっているため、大きなサイズの感
材を使用する場合でも、オーバーレイシート張設作業の
操作性を阻害することがない。

《実施例》 第１図は本考案の１実施例を示す立型製版カメラの全
体斜視図、第２図は遮光装置の要部平面図、第３図は撮
影用テーブルの要部縦断面図である。

この立型製版カメラは、基枠本体（１）の上部に撮影
用テーブル（２）を設け、撮影用テーブル（２）の下側
に蛇腹（３）を介してレンズ架（４）を昇降自在に設
け、レンズ架（４）の下側に左右一対の照明用光源
（６）（６）を有する原稿架（７）を昇降自在に設けて
なり、原稿架（７）に透明な圧着板（８）を用いて圧着
保持した原稿の画像をレンズで撮影用テーブル（２）の
透光板（９）上に所望倍率で結像させ、この透光板
（９）上に感光面を伏せて載置した感材（10）に当該画
像を露光記録するように構成してある。

この露光記録時に、撮影用テーブル（２）の透光板
（９）上に載置した感材（10）を被覆する遮光装置（1
2）は、撮影用テーブル（２）の後端部にその一端部を
固定したオーバーレイシート（14）と、このオーバーレ
イシート（14）の他端部を巻き取る遮光ローラ（15）
と、遮光ローラ（15）の収納部（16）とで構成してあ
る。そして、遮光ローラ（15）はローラケーシング（1
7）内に収容されており、このローラケーシング（17）
の前面に取手（18）が配設固定してあり、ローラケーシ
ング（17）の左右側面部に収納部（16）への係合部（1
9）が突設してある。また、遮光ローラ（15）の収納部
（16）は平面視略コ字形に形成した枠体で構成してあ
り、この開口部を前面に向けた状態で撮影用テーブル
（２）の後端部に水平軸を中心として上下傾動可能に枢
支してある。遮光ローラ収納部（16）の左右側枠部分
（20）の各内面には、遮光ローラケーシング（17）から
突設した係合部（19）を受け入れる係合受け部（21）が
形成してあり、遮光ローラ（15）はケーシング（17）か
ら突設した係合部（19）が収納部（16）に形成した係合
受け部（21）で受け止められることにより、収納部（1
6）と一体となって上下傾動できるようになっている。

また、遮光ローラ収納部（16）と撮影用テーブル
（２）の上面との間にわたって収納部（16）を上下回動
した際に、収納部（16）を開き姿勢及び閉じ姿勢で姿勢
保持するためのバランスアーム（22）が設けてある。こ
のバランスアーム（22）はその基端部（32）を収納部
（16）の枢支部（30）よりも前側となる撮影用テーブル
（２）に水平軸回りに回動可能に枢支した連結ロッド
（23）と、この連結ロッド（23）に摺動自在に外嵌する
とともに、収納部（16）の側枠部分（20）に水平軸回り
に回動可能に枢支したボス部（24）と、ロッド基端部
（32）とボス部（24）との間に弾圧した状態で装着した
付勢用コイルバネ（25）とで構成してある。この場合、
収納部（16）を閉じた姿勢で、連結ロッド（23）の基端
部（32）が収納部（16）の枢支部（30）とボス部（24）
とを結ぶ線よりも僅かに上方に位置するようにしてあ
る。

このように構成した遮光装置（12）では、遮光ローラ
（15）の収容部（16）を透光板（９）の上側に沿う閉じ
姿勢と、透光板（９）部分の上面から退避した開き姿勢
で、それぞれの状態を保持することになるから、大きな
サイズの感材（10）を透光板（９）上にセットしたり、
コンタクトスクリーンをセットしたりする際に、ローラ
収容部（16）を跳ね上げた開き姿勢に保持したおくこと
により、透光板（９）の全面を有効に使用することがで
きる。また、遮光ローラ（15）の取手部分が装置の前面
からオペレータの手が届く範囲に位置しているため、オ
ーバーレイシート（14）の張設操作を容易に行うことが
できる。

なお、第３図中の符号13は排気手段、26は排気溝であ
る。

《考案の効果》 本考案では、撮影用テーブルの後方に遮光ローラの収
納部を設け、当該収納部を閉じ姿勢と傾斜開き姿勢との
間で傾動可能に構成するとともに、遮光ローラを収納し
て傾斜開き姿勢をとり、閉じ姿勢では遮光ローラを引き
出してオーバレイシートを張設可能に構成しているの
で、遮光ローラに付設した取手部を透光板部分にかかる
状態に配置してあっても、遮光ローラを収納した状態で
遮光ローラの収納部を跳ね上げた傾斜姿勢に保持するこ
とにより、透光板上に大きなサイズの感材をセットした
り、コンタクトスクリーンをセットしたりする際での操
作性を阻害することがなくなる。また、遮光ローラの収
納部を閉じ姿勢にすることにより、遮光ローラに付設し
た取手部を透光板の上側部分に位置させることが出来る
ようになり、大きなサイズの感材を使用する場合でも、
オーバーレイシート張設作業の操作性を阻害することが
ない。

さらにまた、大きな取手を使用する必要がないので、
オーバーレイシートを撮影用テーブル上に張設した際に
取手が機械本体から大きくはみ出すこともない。

これにより、大サイズの感材をセットする大型の立型
製版カメラにおいて、感材等のセット及び遮光シートの
張設を容易に行えるものでありながら、作業スペースを
含めた機械全体としての設置スペースが小さな立型製版
カメラを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す立型製版カメラの全体
斜視図、第２図は遮光装置の要部平面図、第３図は撮影
用テーブルの要部縦断面図、第４図は従来の立型製版カ
メラの正面図、第５図は撮影用テーブルの平面図であ
る。 ２……テーブル状撮影部、９……透光板、10……感材、
13……排気手段、14……オーバーレイシート、15……遮
光ローラ、16……遮光ローラの収納部。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】立型製版カメラのテーブル状撮影部の透光
   板上に感光材料を位置決め載置し、その上面に遮光ロー
   ラのオーバレイシートを張設し、透光板とオーバレイシ
   ートとの間を排気手段で排気することにより、透光板上
   に感光材料を吸着保持するように構成した立型製版カメ
   ラの遮光ローラ装置において、 当該撮影部の後方に遮光ローラの収納部を設け、当該収
   納部を閉じ姿勢と傾斜開き姿勢との間で傾動可能に構成
   するとともに、遮光ローラを収納して傾斜開き姿勢をと
   り、閉じ姿勢では遮光ローラを引き出してオーバレイシ
   ートを張設可能に構成したことを特徴とする立型製版カ
   メラの遮光ローラ装置