JP2511946Y2 - プラグ苗移植機における縦送り装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本案はプラグ苗移植機における縦送り装置に関するも
のである。

（従来の技術） 従来のプラグ苗移植機によれば、移送部で苗トレイが
順次移送され、取出部において横送りされる爪のある取
出装置で、苗トレイからプラグ苗をそれぞれ摘み出し、
それをガイド部にそれぞれ落下させる。

そして、落下したプラグ苗は移送ベルトからなるガイド
部を経て下方の掘さく装置に搬出され、掘さく装置によ
って形成された窪みに植え込まれるようになっている。

（考案が解決しようとする課題） 以上のようなプラグ苗移植機における移送部、すなわ
ち苗の縦送り装置は苗トレイを載せているベルトをモー
ターで駆動される駆動ローラーで駆動し、苗トレイの位
置をマイクロスイッチで検出して苗トレイを停止させて
いる。

ところがベルトとトレイの間のスリップによりトレイ
を変えると停止位置が変化し、取出装置における爪の貫
入位置が不適正になることがある。又マイクロスイッチ
はトレイのＲ部に検出ローラーが当るようになっている
ので、位置の調節が難しく思惑どおりに微調整できな
い。

したがって、本案はトレイと縦送り駆動輪の位相がず
れないプラグ苗移植機における縦送り装置をうることを
目的とするものである。

（課題を解決するための手段） 本案は以上のような目的を達成するため、次のような
プラグ苗移植機における縦送り装置を提供するものであ
る。

すなわち、縦送り装置における駆動輪はカゴ車輪状の
ものとして、プラグトレイ移送端の捲きかけ中心に対し
て、前記駆動輪を偏心した位置に設けて、該駆動輪の移
送ロッドが育苗ポットの外面に形成されるＶ字形溝に喰
込むように形成し、かつ移送ロッドに対応した位置にマ
イクロスイッチを作動する突起を駆動輪に配置したプラ
グ苗移植機における縦送り装置である。

（作用） 本案のものによれば、プラグトレイの駆動輪がカゴ車
輪状に形成され、かつプラグトレイ移送端の捲き掛け中
心に対して駆動輪が偏心しているので、その移送ロッド
がプラグトレイの移送端で確実に育苗ポットの外面で形
成されるＶ字形溝に喰込んでプラグトレイを確実に移送
し、しかも駆動輪の移送ロッドに対応した突起でマイク
ロスイッチを作動させるので、トレイと縦送り駆動輪と
の位相がずれることなく、トレイを変えても確実な位置
にトレイが停止して取出装置における爪の貫入位置が適
正となる。

（実施例） 以下図面に示す実施例について説明する。

先ず従来のプラグ苗移植機について説明すると、第５
図において縦送り部（１）で苗トレイがベルト（３）で
順次移送され、取出部（４）における爪（５）で苗トレ
イ（２）のポットからプラグ苗（ａ）が摘み出され、そ
れをガイド部（６）に落下させる。そして落下したプラ
グ苗はガイド部（６）の移送ベルト上に落下し、落下し
たプラグ苗（ａ）は移送ベルト下方の掘さく装置に搬出
され、掘さく装置（６′）によって形成された窪み
（Ａ′）に植え込まれる。

以上のようなプラグ苗移植機（７）は前方の走行機
（８）に連結機（９）によって接続され走行するように
なっている。

走行機（８）の操行ハンドル（10）基部にミッション
ケース（11）か垂設されており、このミッションケース
（11）から両側に突出した走行軸（12）に車輪（13）
（13）が取付けられている。（14）はエンジンであっ
て、このエンジン（14）の動力が伝動装置（15）でミッ
ションケース（11）に伝達される。

又ミッションケース（11）には、出力プリー（16）が
装着されていて、この出力プリー（16）とプラグ苗移植
機（７）の伝動プリー（17）に無端ベルト（18）を捲回
していることにより、エンジン（14）の動力がプラグ苗
移植機（７）に伝達される。

（19）はプラグ苗移植機（７）を圃場面（Ａ）から一定
の高さに保持する遊動輪であり、（20）はその高さ調節
レバーである。

以上のようなプラグ苗移植機では苗の供給をモーター
で駆動し、マイクロスイッチでトレイのポットを検出し
てトレイを停止させている。

ところがベルト（３）とトレイ（２）との間のスリッ
プによりトレイを変えると、停止位置が変化し爪（５）
の貫入位置が不適正となることがある。

本案はこれを改良したもので、トレイと縦送り駆動輪
の位相がずれないようにしたものである。

第１図はトレイ移送端におけるトレイと縦送り駆動輪と
の関係を示した説明図で、第２図は縦送り駆動輪の斜面
図を、第３図は断面図を示したものである。

トレイ（２）は駆動ローラー（21）で移送され、移送
端にはトレイ（２）の外側トレイガイド（23）があり、
この外側トレイガイド（23）は半円弧状となっている。
そしてこの半円弧状の中心０より偏心した中央０′をも
つ縦送り駆動輪（22）がトレイ移送端に設けられてい
る。

縦送り駆動輪（22）はカゴ車輪状のものとなってい
て、両側の円板部（22a）間に移送ロッド（24）が数個
設けられており、これがトレイのポット外面に形成され
たＶ字形溝Ｖに喰込む程度に縦送り駆動輪（22）の中心
（０′）がトレイ（２）の捲きかけ中心０より偏心して
いる。

したがってトレイ（２）が駆動ローラー（21）で外側
トレイガイド（23）のところに移送されてくると、トレ
イのガイド捲きかけ中心０よりトレイ縦送り駆動輪（2
2）の中心０′がずれているので、縦送り駆動輪（22）
がその中心０′を中心としてモーターによって回転され
ると、その移送ロッド（24）がトレイのポット外面に形
成されたＶ字形溝ｖに喰込んでトレイを搬送する。

そして偏心量にょって移送ロッド（24）は順次にＶ字
形溝Ｖに喰込み、喰込みから離れるときは順次に離れて
行く。

しかも本案のものは移送ロッド（24）に対応したトレ
イ縦送り駆動輪（22）の円板（22a）の円周上に突起（2
5）を設けて、これを当接するマイクロスイッチ（26）
によってトレイ縦送り駆動輪（22）の位相を検出するの
でトレイを確実な位置に停止させることができ、取出位
置（４）における爪（５）の貫入が適確に行なわれる。

なお、本案ではトレイ縦送り駆動輪（22）があるの
で、トレイの移送装置は図示のような駆動ローラー（2
1）の他、任意のベルト搬送装置を設けることができ
る。

又トレイ縦送り駆動輪（22）はモーターによって駆動
されるが、モーターでなく爪送りネジからチェーン等で
機械駆動する場合、爪横送りと同調させるための間歇ク
ラッチが必要となる。

なお、機械植え、手植え用のプラグ苗育苗用のトレイ
は作物や作付条件の事情などから多くの種類があるが、
その大部分はトレイの各ユニットは正方形である。この
場合、レタス、白菜、キャベツ、ブロッコリー等に対応
するため、25×25、30×30の呼びサイズのトレイを使用
する。そのとき爪の横送り回数がそれぞれ10回取、８回
取となるので、サイズを変える毎に爪駆動ギヤの組替え
が必要となる。

又縦送りプーリの巾の切替えと縦送り停止位置検出ス
イッチの調節が必要となる。

これらを誤動作をすると苗取性能の低下や爪とプーリ
の干渉による変形、破損の恐れがある。そこで、第４図
に示すｌ×Ｓを25×27.5、30×27.5のように長方形のユ
ニットトレイを作り、爪の横送りの回数を９回取りに統
一する。

そうすると２種類の苗に１台で対応できる。

これによって、切替えの操作不適正による破損の回避
ができ、中間サイズのユニットになり、25×25に比べ爪
形状に自由度が出る。そのため苗取性能の信頼性の向上
が見込まれると共に取扱性が大いに改善される。

（考案の効果） 本案のものによれば、プラグトレイの移送端にカゴ車
輪状のトレイ縦送り駆動輪があって、その移送ロッドが
育苗ポットの外面で形成されるＶ字形溝に喰込んでプラ
グトレイを確実に送り、その送りを移送ロッドに対応し
た突起でマイクロスイッチを作動させるので、縦送り停
止位置が安定し、苗取り性能の信頼性が高まるという特
徴がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はトレイ移送端におけるトレイ縦送り駆動輪とト
レイとの関係を示す説明図 第２図は同上斜面図 第３図は同上の断面図 第４図はトレイの斜面図 第５図はプラグ苗移植機の正面図 （２）……トレイ （３）……ベルト （21）……ベルト駆動輪 （22）……トレイ縦送り駆動輪 （23）……外側トレイガイド （24）……移送ロッド

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】縦送り装置における駆動輪は、カゴ車輪状
   のものとしてプラグトレイ移送端の捲きかけ中心に対し
   て、前記駆動輪を偏心した位置に設けて該駆動輪の移送
   ロッドが育苗ポットの外面で形成されるＶ字形溝に喰込
   むように形成し、かつ移送ロッドに対応した位置にマイ
   クロスイッチを作動する突起を駆動輪に配置したプラグ
   苗移植機における縦送り装置。