JP2511650B2

JP2511650B2 - 自動二輪車の後輪支持構造

Info

Publication number: JP2511650B2
Application number: JP10154786A
Authority: JP
Inventors: 巌中畑
Original assignee: Yamaha Motor Co Ltd
Current assignee: Yamaha Motor Co Ltd
Priority date: 1986-04-30
Filing date: 1986-04-30
Publication date: 1996-07-03
Anticipated expiration: 2011-07-03
Also published as: JPS62255293A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）この発明は、リヤアームに対し後輪の着脱作業が容易
にできるようにした自動二輪車の後輪支持構造に関す
る。

（従来の技術）自動二輪車では、通常、車体フレームの後部にリヤア
ームが上下揺動自在に枢支され、このリヤアームの揺動
端に後輪が支持されている。また、このリヤアームは車
体フレームに後下り状に支持されている。

上記構成において、リヤアームに対する後輪の支持部
には次のように構成されたものがある。即ち、リヤアー
ムの後端に一端が開口し他端がこのリヤアームの長手方
向前方に向って延びる長孔が形成される。そして、この
リヤアーム後端の後方側から上記長孔に対し後輪用車軸
が嵌脱自在に嵌入される。この長孔の前後所定位置で上
記車軸をリヤアームに固定することによって後輪がリヤ
アームに支持される。

（発明が解決しようとする問題点）ところで、上記従来構成では、リヤアームは後下り状
とされており、従って、長孔も後下り状に形成されてい
る。このため、上下方向におけるこの長孔の後端開口位
置よりも、後輪がリヤアームに支持された状態における
車軸位置の方が高くなる。このため、リヤアームに対す
る後輪の着脱時に、車軸を長孔に嵌脱させようとする
と、上記位置が相違する分だけ車体を持ち上げ、この状
態で車軸を前後進させてこの車軸を長孔に嵌脱させる必
要がある。

しかし、車体は重量物であるため、このように車体を
持ち上げることは容易ではなく、リヤアームに対する後
輪の着脱作業が困難なものとなっている。

（発明の目的）この発明は、上記のような事情に注目してなされたも
ので、リヤアームに対する後輪の着脱作業が容易にでき
るようにすることを目的とする。

（発明の構成）上記目的を達成するためのこの発明の特徴とするとこ
ろは、リヤアーム後端に後車軸を嵌脱自在に嵌入させる
長孔を形成した後輪支持構造において、長孔の中心線を
リヤアームの長手方向に対し後上りに形成した点にあ
る。

（実施例）以下、この発明の実施例を図面により説明する。

図において、１はオフロードタイプの自動二輪車で、
Ｇはこの自動二輪車１の接地面である。上記自動二輪車
１の車体フレーム２の前部にはフロントフォーク３を介
して前輪４やハンドル５が支持される。一方、同上車体
フレーム２の後部には左右一対のリヤアーム７が枢支軸
８により上下揺動自在に枢支される。これらリヤアーム
７の揺動端にはこれらに跨って後車軸９が支持され、こ
の後車軸９に後輪10が回転自在に支持されている。ま
た、車体フレーム２とリヤアーム７との間には図示しな
い緩衝器11が架設され、これによりリヤアーム７は車体
フレーム２に後下り状に支持されている。

また、上記車体フレーム２はエンジン12を支持してお
り、このエンジン12は上記後車輪を駆動させる。即ち、
エンジン12にはこのエンジン12で駆動する駆動鎖車13が
連結される一方、後輪10と共に回転する従動鎖車14が設
けられ、これら両鎖車13,14には伝動チェーン15が巻き
掛けてある。そして、エンジン12を駆動すれば、伝動チ
ェーン15を介して後輪10が駆動し、自動二輪車１が走行
する。

第１図により、上記リヤアーム７に対する後車軸９の
支持部について説明する。

上記リヤアーム７には一端がこのリヤアーム７の後端
に開口し、他端がこのリヤアーム７の前方に向って延び
る長孔17が形成される。この長孔17の中心線Ｃは、リヤ
アーム７の長手方向に対し後上りに形成され、自動二輪
車１の空車時に前、後輪4,10が接地する接地面Ｇに平行
な仮想平面Ｇ′に対して、ほぼ平行でやや後上り状とな
っている。そして、上記後車軸９の各端部はこの長孔17
にその後端開口から嵌脱自在に嵌入されている。

上記後車軸９はボルト体であって、その端部のねじ部
18に締結ナット19がねじ込まれている。この締結ナット
19をねじ込み操作すれば、リヤアーム７に対して後車軸
９が締結により支持され、これによって後輪10がリヤア
ーム７に支持される。

上記リヤアーム７から後輪10を取り外す場合には、先
ず、締結ナット19をねじ回し操作によりゆるめてリヤア
ーム７に対する後車軸９の締結を解除すると共に、従動
鎖車14から伝動チェーン15を取り外す。次に、自動二輪
車１を空車状態で倒れないように支え、長孔17の前方側
から後方へ向って後車軸９を後進させる。（第１図中矢
印Ａ図示）。すると、長孔17は接地面Ｇにほぼ平行でや
や後上り状となっているため、ほとんど車体を持ち上げ
ることなくこの後車軸９は長孔17の後端から抜け出し、
これによって後輪10がリヤアーム７から取り外される。

また、リヤアーム７に後輪10を支持させる場合には、
上記と逆方向に後車軸９を長孔17に嵌入させる（第１図
中矢印Ｂ図示）。このときも、長孔17は接地面Ｇにほぼ
平行でやや後上り状となっているため、ほとんど車体を
持ち上げることなくこの嵌入をすることができる。そし
て、締結ナット19のねじ込み操作によりリヤアーム７に
後車軸９を締結させると、これによってリヤアーム７に
対して後輪10が支持される。

また、上記構成に加えて、後輪10に対してドラムブレ
ーキが設けられ、このドラムブレーキがブレーキシュー
を支持するプレートと、後車軸９回りにこのプレートが
回転するのを阻止するようにこのプレートとリヤアーム
７とを連結するテンションバーとを有したものがある。

上記構成において、リヤアーム７から後輪10を取り外
す場合、リヤアーム７に対するテンションバーの締結を
ゆるめれば、後輪10の取り外しが、長孔17に沿った後輪
10の平行移動によりできるようになっている。

（発明の効果）この発明によれば、リヤアーム後端に後車軸を嵌脱自
在に嵌入させる長孔を形成し、この長孔の中心線をリヤ
アームの長手方向に対し後上りに形成したため、上下方
向におけるこの長孔の後端開口位置と、後輪がリヤアー
ムに支持された状態における車軸位置とをほぼ同じ高さ
にすることができる。このため、リヤアームに対する後
輪の着脱時に、車軸を長孔に嵌脱させようとする場合に
は、重量物である車体をほとんど持ち上げることなく、
後車軸を長孔の後端開口から前後進させてこの長孔に後
車軸を嵌脱させることができる。従って、リヤアームに
対する後輪の着脱作業は容易にすることができる。

【図面の簡単な説明】

図はこの発明の実施例を示し、第１図は第２図の部分拡
大図、第２図は自動二輪車の側面図である。１……自動二輪車、２……車体フレーム、７……リヤア
ーム、９……後車軸（車軸）、10……後輪、17……長
孔、Ｇ……接地面、Ｇ′……仮想平面、Ｃ……中心線

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】車体フレームにリヤアームを後下り状に支
持し、このリヤアームの後端に一端が開口し他端がこの
リヤアームの前方に向って延びる長孔を形成し、上記リ
ヤアーム後端の後方側からこの長孔に対する後輪用車軸
の嵌入でこの後輪がリヤアームに支持される自動二輪車
の後輪支持構造において、上記長孔の中心線をリヤアー
ムの長手方向に対し後上りに形成したことを特徴とする
自動二輪車の後輪支持構造。