JP2511643Y2 - 開封容易な包装体 - Google Patents

開封容易な包装体

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JP2511643Y2
JP2511643Y2 JP1989128750U JP12875089U JP2511643Y2 JP 2511643 Y2 JP2511643 Y2 JP 2511643Y2 JP 1989128750 U JP1989128750 U JP 1989128750U JP 12875089 U JP12875089 U JP 12875089U JP 2511643 Y2 JP2511643 Y2 JP 2511643Y2
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和樹 高石
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Description

【考案の詳細な説明】 (a)産業上の利用分野 本考案は、開封容易な包装体に関し、特に、本体を突
出形成して内容物収容部を形成すると共に該内容物収容
部の開口周縁に鍔体を水平に一体的に延出形成し、前記
内容物収容部を被覆する裏面シートを前記鍔体に固着
し、以て、錠剤、カプセル剤、粒状体、粉体、液体等を
収容し、容易に取り出すことのできるところの開封容易
な包装体に関する。
(b)従来の技術 錠剤、カプセル剤等を収容する開封容易な包装体とし
ては、通常、例えば、実開昭63−158874号公報に開示さ
れている如く、本体を突出形成して内容物収容部を形成
すると共に該内容物収容部の開口周縁に鍔体(フランジ
部)を水平に一体的に延出形成し、前記内容物収容部を
被覆する裏面シート(蓋フィルム)を前記鍔体(フラン
ジ部)に固着した構造を採っている。
そして、開封を容易にする為に、前記鍔体(フランジ
部)の一端部を開封突片として、この一部に半切横線
(ハーフスリット)を入れ、この開封突片を上方に持ち
上げたときに半切横線から容易に切断できて、この開封
突片を掴みながら裏面シート(蓋フィルム)を鍔体(フ
ランジ部)から剥離できるように構成されていた。
こうした構造の他に、内容物収容部を被覆する裏面シ
ート(蓋フィルム)の剥離を容易にするために、開封突
片を局部的に分離し易くする方法として、上述した半切
横線(ハーフスリット)に代わる手段として切り込みノ
ッチを入れる方式も用いられている。
(c)考案が解決しようとする問題点 このように、上述の開封突片を局部的に分離し易くす
る方法として、上述した半切横線(ハーフスリット)や
切り込みノッチ(或いはピールオープンフィルム)を用
いると、製造工程が増え、且つ、特別の加工機器を備え
なければならないので製造コストが高くつく。
こうした半切横線(ハーフスリット)や切り込みノッ
チが必要なのは、本体の成形に比較的強度のある素材
(例えば、耐衝撃性がある)を使用するため、開封突片
が所要の箇所で破断してくれるように予め強度を落とし
ておく必要があるためである。
このような強度のある素材は、この種の包装体として
必要なものではあるが、収容物を保護するという意味に
おいて包装体としての保形性が必要というのであれば、
格別耐衝撃性のある素材を用いるには及ばないのであ
る。
そこで、折り曲げ等によって比較的容易に切断可能な
素材、例えば、ポリスチレン等の脆化性を有するプラス
チックを用いることを考えたのであるが、単に、この種
の素材を用いて包装体を形成しても、所要の箇所で奇麗
に破断できるとは限らず、構造的な工夫が要求されるこ
とが分かった。
(d)問題点を解決するための手段 本考案は上述の問題に鑑み、ポリスチレン等の脆化性
を有するプラスチックを用いて包装体を形成するもので
ありながら、ハーフスリットやノッチ(或いはピールオ
ープンフィルム)を用いずに所要の箇所で奇麗に破断で
きて、包装体を開封できるようにすることを目的とす
る。
本考案は、かかる目的を達成するために、 本体1の一部を突出形成して内容物収容部4を形成す
ると共に該内容物収容部4の開口周縁に鍔体5を水平に
一体的に延出形成し、前記内容物収容部4を被覆する裏
面シート3を前記鍔体5に固着した開封容易な包装体で
あって、 前記本体1を脆化性を有するポリスチレンの板状体で
構成すると共に前記裏面シート3を前記本体1の鍔体5
に一体的に溶着可能な柔軟シートで構成し、 前記本体1の内容物収容部4の開口周縁の一角を、前
記裏面シート3の開封に際しての開口部頂点6aとする平
面視で外方に突出する山形をなす山形開口部6に形成
し、 前記内容物収容部4の底部から前記開口部頂点6aへの
傾斜側壁と前記裏面シート3の平面となす立ち上がり角
度θが50°〜80°に設定され、 前記裏面シート3の開封に際して、前記鍔体5が、前
記内容物収容部4の開口周縁において、前記開口部頂点
6aを始点として脆性破壊により前記内容物収容部4から
裂断されるように構成されている、 という手段を講じたのである。
そして、本考案に於いては、前記鍔体5に、前記山形
開口部6の両側で、且つ平行に補強用リブ7・7を設け
てあるのが好ましいのである。
(d)作用 本考案によれば、本体1を脆化性を有するポリスチレ
ンの板状体で構成することによって、鍔体5を摘んでの
折り曲げ等の外力付与によって、その箇所を破断させる
ことが可能となったのであるが、特に、前記本体1の内
容物収容部4の開口周縁の一角を、前記裏面シート3の
開封に際しての開口部頂点6aとする平面視で外方に突出
する山形をなす山形開口部6に形成し、以て、開封の為
の外力の作用を、この山形開口部6の開口部頂点6aに集
中させることができ、この箇所からの破断を可能にした
のである。
そして、破断が始まると、この破断が順次山形開口部
6の稜線(斜辺)に、その破断力が集中する状態で移行
して行き、結果として山形開口部6に沿って内容物収容
部4の開口周縁が裂断され、開口されることになるので
ある。
この際、鍔体5と裏面シート3とが一体的に溶着され
ているので、鍔体5を引っぱることによって裏面シート
3を引き剥がし、内容物収容部4を開放できるのであ
る。即ち、裏面シート3が本体1(鍔体5)から剥離さ
れるのではなく、鍔体5が本体1から裂断されることに
よって、結果として裏面シート3が内容物収容部4を開
放することになるのである。
更に、前記内容物収容部4の底部から前記開口部頂点
6aへの傾斜側壁と前記裏面シート3の平面となす立ち上
がり角度θが50°〜80°に設定されていることで、水平
の鍔体5を摘んで上方に折り曲げる時に、てこの原理を
利用して(山形開口部6の底辺近傍を支点、開口部頂点
6aの箇所を作用点、鍔体5の摘み位置を力点とする)、
最も少ない力で山形開口部6の開口部頂点6aに破断を生
じさせることができるのである。
そして、この傾斜角度θは、開封後に内容物(液体の
場合)を注ぎ出す際、前記山形開口部6の開口部頂点6a
を注ぎ口とした最適の傾斜角度となる。
また、本考案に於いては、前記鍔体5に、前記山形開
口部6の両側で、且つ平行に補強用リブ7・7を設けて
ある場合には、この鍔体5に強度を付与し、開封に際し
て鍔体5を摘んで上方に引き上げる際に、この鍔体5が
不測の箇所で破断するのを防止し、その作用が山形開口
部6の開口部頂点6aに一層、確実に集中させることがで
きるのである。
(e)実施例 以下、本考案にかかる開封容易な包装体の好適実施例
につき、図面を参照して詳述する。
第1実施例 第1図乃至第3図に示すように、この包装体は、本体
1の一部を突出形成して内容物収容部4を形成すると共
に該内容物収容部4の開口周縁に鍔体5を水平に一体的
に延出形成し、前記内容物収容部4を被覆する裏面シー
ト3を前記鍔体5に固着して構成されている。この本体
1の成形は、真空、圧空又は型締め等の方法によって行
う。2は、側壁を示す。
前記本体1を脆化性を有するポリスチレンの板状体で
構成している。この脆化性を有するポリスチレンとは、
柔軟性のない硬いもので、衝撃その他の外力に対する脆
性を有するものを言うのであって、耐衝撃性を与えたHI
ポリスチレン、AS、ABS等のコーポリマーを除く。
前記裏面シート3を前記本体1の鍔体5に一体的に溶
着可能な柔軟シートで構成してある。この裏面シート3
は、前記本体1のポリスチレン等の板より柔軟、強靱な
素材で構成される。
そして、前記本体1の内容物収容部4の開口周縁の一
角を、前記裏面シート3の開封に際しての開口部頂点6a
とする平面視で外方に突出する山形をなす山形開口部6
に形成してある(第2図参照)。
また、前記内容物収容部4の底部から前記開口部頂点
6aへの傾斜側壁と前記裏面シート3の平面となす立ち上
がり角度θが略70°に設定されている。この角度θは、
50°〜80°であれば本考案の作用効果が期待できること
が分かっている。
このように構成してあるので、前記裏面シート3の開
封に際して、前記鍔体5の一部を摘んで上方に持ち上げ
ると、上記作用(d)の項において詳述した通り、前記
内容物収容部4の開口周縁において、第3図に示すよう
に、前記開口部頂点6aを始点として脆性破壊により前記
内容物収容部4から裂断されるのであり、この際、山形
開口部6の底辺近傍を支点、開口部頂点6aの箇所を作用
点、鍔体5の摘み位置を力点とするてこの原理によっ
て、楽に裂断を行うことが出来るのである。
第2実施例 第4図及び第5図に基づいて説明すると、この実施例
は、基本的に第1実施例と変わるところがないが、ここ
では、前記鍔体5に、前記山形開口部6の両側で、且つ
平行に補強用リブ7・7を設けてある点が異なる。
この補強用リブ7・7は、本体1の素材が脆性をもつ
ために、開封に際して、その鍔体5を摘んで上方に引っ
張る際に、この鍔体5の不測の箇所で破断することがな
ように十分な強度を付与し、その結果、その破断力が山
形開口部6の開口部頂点6aに一層、確実に集中させるこ
とができるように工夫したものである。
その他の構成については、重複説明を避けるため、第
1実施例と同じ部材番号を引用し、その詳細説明を省略
する。
(f)考案の効果 本考案によれば、ポリエチレン等の脆化性を有するプ
ラスチックを用いて包装体を形成し、その本体を独特の
構造(平面視三角形、側面視で50°〜80°の立ち上がり
角度θ)とすると共に裏面シートを本体(鍔体)から剥
離するのではなく、鍔体を本体から裂断することによっ
て、結果として裏面シートが内容物収容部を開放すると
いう考え方によって、ハーフスリットやノッチ(或いは
ピールオープンフィルム)を用いずに、所要の箇所で奇
麗に破断して開封が可能な包装体を低コストで提供でき
るという顕著な効果を奏するに至ったものである。
【図面の簡単な説明】
図面は、本考案にかかる開封容易な包装体の好適実施例
を示し、第1図は、第1実施例にかかる包装体の全体の
縦断側面図、第2図は、その底面図、第3図は、開封作
用を示す縦断側面図、第4図は、第2実施例を示す包装
体の全体の縦断側面図、第5図は、その底面図である。 図中 1……本体 2……側壁 3……裏面シート 4……内容物収容部 5……鍔体 6……山形開口部 6a……開口部頂点 7……補強用リブ

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】本体1の一部を突出形成して内容物収容部
    4を形成すると共に該内容物収容部4の開口周縁に鍔体
    5を水平に一体的に延出形成し、前記内容物収容部4を
    被覆する裏面シート3を前記鍔体5に固着した開封容易
    な包装体であって、 前記本体1を脆化性を有するポリスチレンの板状体で構
    成すると共に前記裏面シート3を前記本体1の鍔体5に
    一体的に溶着可能な柔軟シートで構成し、 前記本体1の内容物収容部4の開口周縁の一角を、前記
    裏面シート3の開封に際しての開口部頂点6aとする平面
    視で外方に突出する山形をなす山形開口部6に形成し、 前記内容物収容部4の底部から前記開口部頂点6aへの傾
    斜側壁と前記裏面シート3の平面となす立ち上がり角度
    θが50°〜80°に設定され、 前記裏面シート3の開封に際して、前記鍔体5が、前記
    内容物収容部4の開口周縁において、前記開口部頂点6a
    を始点として脆性破壊により前記内容物収容部4から裂
    断されるように構成されていることを特徴とする開封容
    易な包装体。
  2. 【請求項2】前記鍔体5に、前記山形開口部6の両側
    で、且つ平行に補強用リブ7・7を設けてある請求項
    (1)記載の開封容易な包装体。
JP1989128750U 1989-11-01 1989-11-01 開封容易な包装体 Expired - Lifetime JP2511643Y2 (ja)

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JPH0366874U JPH0366874U (ja) 1991-06-28
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH037325Y2 (ja) * 1987-04-04 1991-02-22

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JPH0366874U (ja) 1991-06-28

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