JP2511419Y2 - 使捨ておむつ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は使捨ておむつに係るものであって、被装着者
を仰向け状態でも立せた状態に於ても、おむつの装着を
容易に可能とするとともにおむつを被装着者にフィット
させて、横漏れの防止を行おうとするものである。

従来の技術 従来、赤ちゃん等の被装着者に使捨ておむつを装着す
るには、被装着者を仰向けに寝かして行っている。そし
てこの寝かした状態から、被装着者の両足を持ち上げ、
尻部の下に吸収体の背側を位置する。この吸収体の腹側
を、被装着者の股部を介して被装着者の腹部に当てが
う。次に吸収体の背側と吸収体の腹側外面とを貼着部で
左右片側づつ止着していた。

しかしながら、この従来の使捨ておむつは、上記のご
とく貼着部で片側づつ止着する場合、例えば吸収体の右
側の背側と腹側とを先に貼着部で固定しようとすれば、
左側は全く固定されていないから、吸収体は不自然に右
側に偏って引っ張られた状態で、まず右側が止着固定さ
れる。次に左側を止着固定するが、上記右側への偏りを
是正するため、今度は吸収体の左側の背側を強く引いた
状態で、腹側に止着固定する。この状態に於て、このお
むつは背側が強く引っ張られ、腹側は弛緩状態と成り易
く、サイドフラップに形成したギャザーを充分に伸張さ
せる事ができない。そのため、ギャザーに充分な収縮復
元力を生じさせる事ができないから、おむつは股下部分
で密着不良を起こし、横漏れを生じる欠点を有してい
た。

また上述のごとく、被装着者を仰向け状態で装着しよ
うとすると、このおむつは、仮装着を行うことなく直接
本装着を行うものである。そのため、装着中に被装着者
が暴れる等すると、おむつは、はだけたり、ヨレたりし
て装着を困難としていた。また本装着前に被装着者の腹
部におむつを係止させる事ができない。そのため、日常
立つことのできる幼児におむつを装着する場合に於て
も、この被装着者を必ず仰向けにして行う必要があり、
おむつの装着に手間が掛るものであった。

考案が解決しようとする課題 本考案は上述のごとき課題を解決しようとするもので
あって、被装着者におむつの装着を行う場合、被装着者
が仰向け状態や立っている状態でも、また暴れている場
合にも、被装着者へのおむつの本装着を行う前に仮装着
を行って、おむつの装着を容易なものとする事を目的と
する。また他の目的は装着状態に於て、サイドフラップ
のギャザーに充分な収縮復元力を生じさせて、おむつを
被装着者にフィットできるようにし、横漏れを防止しよ
うとするものである。

課題を解決するための手段 本考案は上述のごとき課題を解決するため、被装着者
の腹側に位置させる腹側吸収体と被装着者の背側に位置
させる背側吸収体とを、液透過性の表面層と液不透過性
の防漏層の間に体液を吸収する吸収層を位置して形成
し、この別個に形成した腹側吸収体と背側吸収体の一端
を連結帯により環状に連結するとともに背側吸収体の吸
収部の両側に設けたサイドフラップにギャザーを形成
し、このギャザーを設けたサイドフラップと吸収部間に
切込みを形成し、この切込みにより分離した一対のサイ
ドフラップと吸収部の先端に、腹側吸収体の外面に貼着
するための貼着部を形成して成るものである。

作用 本考案は上述のごとく構成したものであるから、使捨
ておむつを装着するには、被装着者が仰向け状態でも、
立っている状態でも良いが、一例に於て仰向け状態に於
ける装着例を説明する。この装着はまず連結帯により環
状に連結した腹側と背側の吸収体の間に、仰向状態の被
装着者の腹部を挿入し、おむつの仮装着を行う。

このように、おむつを本装着する前に仮装着するか
ら、従来方式の如く、腹側と背側の左右いずれかのエン
ドフラップを最初に止着固定した後、他方のエンドフラ
ップを固定する方法とは異なるものである。従って、お
むつが装着中に脱落したり、左右のいずれかに偏らせた
りする事がなく、被装着者の体に正確に装着できる。ま
た被装着者が多少暴れる等の動きが有っても、容易にお
むつの本装着を可能とする。

またこの仮装着状態からおむつを本装着するには、腹
側吸収体を被装着者の股下に位置する。そしてこの腹側
吸収体の外面に背側吸収体を被覆し、吸収部の先端の貼
着部を腹側吸収体の外面に貼着する。さらにこの吸収部
とは切込みによって分離したサイドフラップの貼着部
を、腹側吸収体の外面両側に貼着する。

この本装着は、サイドフラップを吸収部とともに止着
するのではなく、サイドフラップを吸収部とは別個に分
離して腹側吸収体の外面に止着可能としている。そのた
め、吸収部の貼着部を腹側吸収体に貼着後、位置のズレ
等を生じる事がない。またサイドフラップを両方同時に
引張りながら腹側吸収体の両側に貼着できるから、両側
のギャザーを均等に充分伸張して収縮復元力を生じさせ
る事ができる。その結果おむつの股下部分の密着性を向
上して、おむつにフィット性をもたらし、横漏れ防止効
果を向上している。

また上記装着例では、一例として被装着者を仰向け状
態としておむつを装着する例を説明したが、他の異なる
装着例においては、被装着者を立たせた状態でおむつを
装着する事ができる。そのためには、まず腹側吸収体と
背側吸収体とによって形成された環状部に、立っている
被装着者の足を片方づつに挿入して行う。この方法によ
って、被装着者が両足を床等に着けた状態のままでも、
環状部を被装着者の腹部に係止する事ができるから、被
装着者の動きによっても、容易に脱落する事のないおむ
つの仮装着状態を得る事ができる。

またこの仮装着状態から本装着を行うには、上記装着
例と同様に腹側吸収体を被装着者の股下に位置する。次
にこの腹側吸収体の外面に背側吸収体を被覆し、吸収部
の先端の貼着部を腹側吸収体の外面に貼着して、おむつ
の本装着を行う事ができる。

このように、従来成し得なかった立った姿勢でのおむ
つの装着を、母親等の装着者が一人でも容易に行う事が
できるものである。

実施例 以下本考案の一実施例を説明すれば、（１）は腹側吸
収体で、装着状態に於て赤ちゃん、幼児等の被装着者
（２）の腹側に位置し、長さ方向の寸法を、被装着者
（２）の腹部から股下までを被覆し得るものとする。こ
の腹側吸収体（１）の内面と対向する位置に、被装着者
（２）の背側に位置する背側吸収体（３）を形成する。
この背側吸収体（３）の長さ方向の寸法を、背側の腰部
から腹側吸収体（１）の外面を少なくとも一部被覆し得
る寸法としている。この腹側吸収体（１）は、液透過性
の不織布等で形成した表面層（４）と、液不透過性のポ
リエチレンフィルム等で形成し防漏層（５）との間に、
この表面層（４）および防漏層（５）よりも小面積の液
吸収性の吸収層を介装する事により形成している。また
表面層（４）、吸収層、防漏層（５）とから成る腹側吸
収部（６）を形成し、表面層（４）と防漏層（５）とに
より形成した腹側エンドフラップ（７）を一端に突出し
ている。また背側吸収体（３）も表面層（４）と防漏層
（５）との間に、この表面層（４）および防漏層（５）
よりも小面積の吸収層を介装する事により形成してい
る。また表面層（４）、吸収層、防漏層（５）とから成
る背側吸収部（８）の外周に、表面層（４）と防漏層
（５）とにより形成したサイドフラップ（10）（11）と
背側エンドフラップ（12）を突出している。また、この
腹側吸収体（１）と背側吸収体（３）の上部に形成し
た、腹側エンドフラップ（７）、背側エンドフラップ
（12）を、弾力性を有する天然ゴム、ウレタンゴム等
を、表面層（４）と防漏層（５）とで被覆した連結帯
（13）で環状に連結し、この環状部（14）に、被装着者
（２）の腹部を挿入可能としている。また背側吸収体
（３）の背側吸収部（８）の両側に位置する一対のサイ
ドフラップ（10）（11）には、ウレタンゴム、天然ゴム
等の伸縮材によってギャザー（15）（16）を形成してい
る。このギャザー（15）（16）を設けたサイドフラップ
（10）（11）と背側吸収部（８）間に、長さ30mm〜150m
mの切込部（17）（18）を形成する。またこの切込部（1
7）（18）により分離された、一対のサイドフラップ（1
0）（11）と背側吸収部（８）の先端に、粘着テープ等
のサイドフラップ側貼着部（20）と吸収部側貼着部（2
1）を形成する。そしてこれらの貼着部（20）（21）を
介して、サイドフラップ（10）（11）と背側吸収部
（８）の先端を腹側吸収部（６）の外面に貼着可能とし
ている。

上述のごとく構成した使捨ておむつ（22）を被装着者
（２）に装着するには、被装着者（２）が仰向け状態で
も、立たせた状態でも良いが、一例に於て仰向け状態に
於ける装着例を説明する。この装着はまず連結帯（13）
により環状に連結した環状部（14）に、第４図に示すご
とく仰向状態の被装着者（２）の腹部を挿入し、おむつ
（22）の仮装着を行う。

このように、おむつ（22）を本装着する前に仮装着す
るから、従来方式の如く、腹側と背側の左右いずれかの
エンドフラップ（７）（12）を最初に止着固定した後、
他方のエンドフラップ（12）（７）を固定する方法とは
異なるものである。従って、おむつ（22）が装着中に脱
落したり、左右のいずれかに偏らせたりする事がなく、
被装着者（２）の体に正確に装着できる。また被装着者
（２）が多少暴れる等の動きが有っても、容易におむつ
（22）の本装着を可能とする。

またこの仮装着状態からおむつ（22）を本装着するに
は、第５図に示すごとく腹側吸収体（１）を被装着者
（２）の股下に位置する。そしてこの腹側吸収体（１）
の外面に、背側吸収体（３）を被覆するとともに背側吸
収部（８）の先端の吸収部側貼着部（21）を腹側吸収体
（１）の外面に貼着する。さらに、この背側吸収部
（８）とは切込みによって分離したサイドフラップ（1
0）（11）のサイドフラップ側貼着部（20）を、第６図
に示すごとく腹側吸収体（１）の外面両側に貼着する。

この本装着は、サイドフラップ（10）（11）を背側吸
収部（８）とともに止着するのではなく、サイドフラッ
プ（10）（11）を背側吸収部（８）とは別個に分離して
腹側吸収体（１）の外面に止着可能としている。そのた
め、背側吸収部（８）の吸収部側貼着部（21）を腹側吸
収体（１）に貼着後、位置のズレ等を生じる事がない。
またサイドフラップ（10）（11）を両方同時に引張りな
がら腹側吸収体（１）の両側に貼着できるから、両側の
ギャザー（15）（16）を均等に充分伸張して収縮復元力
を生じさせる事ができる。その結果おむつ（22）の股下
部分の密着性を向上して、おむつ（22）にフィット性を
もたらし、横漏れ防止効果を向上している。

また上記装着例では、一実施例として被装着者を仰向
け状態としておむつ（22）を装着する例を説明したが、
他の異なる装着例においては、被装着者（２）を立たせ
た状態でおむつ（22）を装着することができる。そのた
めには、まず腹側吸収体（１）と背側吸収体（３）とに
よって形成された環状部（14）に、立っている被装着者
（２）の足を片方づつに挿入して行う。この方法によっ
て、被装着者（２）が両足を床等に着けた状態のままで
も、環状部（14）を被装着者（２）の腹部に係止する事
ができるから、被装着者（２）の動きによっても、容易
に脱落する事のないおむつ（22）の仮装着状態を得る事
ができる。

またこの仮装着状態から本装着を行うには、上記装着
例と同様に腹側吸収体（１）を被装着者（２）の股下に
位置する。次にこの腹側吸収体（１）の外面に背側吸収
体（３）を被覆し、背側吸収部（８）の先端の吸収部側
貼着部（21）を腹側吸収体（１）の外面に貼着して、お
むつ（22）の本装着を行う事ができる。

このように、従来成し得なかった立った姿勢でのおむ
つの装着を、母親等の装着者が一人でも容易に行う事が
できるものである。

考案の効果 本考案は上述のごとく構成したものであるから、環状
部を被装着者の腹部に係止して、おむつを被装着者に仮
装着状態とする事ができるので、装着中に於て不容易に
おむつを脱落したり、おむつを左右のいずれにも偏る事
なく、被装着者の体に正確に装着する事ができる。また
このおむつの装着を、仮装着を行う事によって被装着者
が仰向けに寝た状態だけでなく、立たせた状態でも、多
少暴れたりしても容易に行うことができる。

また背側吸収体の吸収部を腹側吸収体の外面に貼着し
た後に、サイドフラップを引張りながら腹側吸収体の両
側に貼着できるから、両側のギャザーを均等に充分伸張
させて、ギャザーに収縮復元力を生じさせ、おむつの股
下部分を良好に密着した、横漏れ防止効果を向上できる
ものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すものであって、第１図は斜
視図、第２図は腹側吸収体の正面図、第３図は背側吸収
体の正面図、第４図は装着過程を示す側面図、第５図、
第６図は装着過程を示す正面図、第７図は装着状態を示
す側面図である。 （１）……腹側吸収体、（２）……被装着者 （３）……背側吸収体、（４）……表面層 （５）……防漏層、（８）……吸収部 （10）（11）……サイドフラップ （13）……連結帯 （15）（16）……ギャザー （20）（21）……貼着部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】被装着者の腹側に位置させる腹側吸収体と
   被装着者の背側に位置させる背側吸収体とを、液透過性
   の表面層と液不透過性の防漏層の間に体液を吸収する吸
   収層を位置して形成し、この別個に形成した腹側吸収体
   と背側吸収体の一端を連結帯により環状に連結するとと
   もに背側吸収体の吸収部の両側に設けたサイドフラップ
   にギャザーを形成し、このギャザーを設けたサイドフラ
   ップと吸収部間に切込みを形成し、この切込みにより分
   離した一対のサイドフラップと吸収部の先端に、腹側吸
   収体の外面に貼着するための貼着部を形成した事を特徴
   とする使捨ておむつ。