JP2511061Y2 - トランスファ―バ― - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、例えばトランスファー
プレスの如き複数の加工ステーションを有する加工装置
において、各加工ステーションで加工されたワークを後
続の加工ステーションへ一斉に移送するトランスファー
バーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】複数の加工ステーションを有する加工装
置、例えばトランスファープレスは、各加工ステーショ
ン毎に各種のプレス型を加工順に配置し、全加工ステー
ションに跨がって設けたトランスファーバーにて各加工
ステーションのプレス型にあるワークを一斉に後続の加
工ステーションのプレス型に移送し、各加工ステーショ
ンにおいてそれぞれのプレス型にてワークを順次プレス
加工して製品を成形するように構成されている。

【０００３】上記トランスファープレスにおいて使用さ
れている各加工ステーションのプレス型でプレス加工さ
れたワークを後続の加工ステーションのプレス型へ一斉
に移送するトランスファーバーは、例えば図３に示すよ
うに、適宜の駆動手段により所定ストロークで昇降並び
に前後動するように構成されたシャトルバー（１）に、
複数の加工ステーションと対応させて例えばバキューム
カップを備えたチャック（２）（２）…を定ピッチで配
設してあり、加工終了後、シャトルバー（１）を降下さ
せて全てのチャック（２）（２）…により各ステーショ
ンで加工されたプレス型（３）（３）…上のワーク
（４）（４）…をチャッキングし、続いてシャトルバー
（１）を上昇させて各ステーションのプレス型（３）
（３）…からワーク（４）（４）…を取出し、この後、
シャトルバー（１）を前進させてワーク（４）（４）…
をそれぞれ次の加工ステーションへ移送させ、ここで、
シャトルバー（１）を再び降下させてワーク（４）
（４）…を各ステーションのプレス型（３）（３）…に
セットし、セット後、シャトルバー（１）を上昇・後退
して次の動作に備える。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】ところで、上記トラン
スファープレスでプレス加工されたワーク（４）は、次
工程へ搬送するためにパレット等に適当枚数積込まねば
ならない。

【０００５】ところが、上記トランスファーバーでは全
てのチャック（２）（２）…がシャトルバー（１）によ
り所定ストロークでしか昇降並びに前後動できないた
め、トランスファープレスによりプレス加工されたワー
ク（４）をパレット等に高さを異ならせて積込むことが
困難である。

【０００６】そこで、従来は、図３に示すように、トラ
ンスファープレスの前方に適宜のアンローダー装置
（５）を配設し、このアンローダー装置（５）にてトラ
ンスファーバーの最終部のチャック（２）からプレス加
工されたワーク（４）を受取り、これをパレット（６）
に高さを異ならせて順次積込むようにしている。

【０００７】ところが、このように従来は、アンローダ
ー装置を別途設ける必要があるため、設備コストが高く
つくとともに、スペースの有効利用を図ることができな
いという問題点があった。

【０００８】そこで、本考案は上記の問題点に鑑みてな
されたもので、加工されたワークをパレット等に積込め
るようにしたトランスファーバーを提供することを目的
とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本考案は上記目的を達成
するため、適宜の駆動手段により一定ストロークで昇降
並びに前後動するように構成されたシャトルバーに、加
工ステーションと対応させて定ピッチでワークを保持す
る機能を有する複数のチャックを配設させたトランスフ
ァーバーにおいて、上記複数のチャックのうち、最終部
のチャックを上下機構を介して上下動可能にシャトルバ
ーに配設したものである。

【００１０】

【作用】本考案のトランスファーバーは最終部のチャッ
クを上下機構を介して上下動可能にシャトルバーに配設
したことにより、加工されたワークのパレット等への積
込みが可能となった。

【００１１】

【実施例】以下、本考案のトランスファーバーを図１お
よび図２に基づいて説明する。

【００１２】図１および図２は本考案に係るトランスフ
ァーバーの一実施例を示したものである。

【００１３】図１および図２において、（11）（11）は
平行に対向配置された一対のシャトルバーで、適宜の駆
動手段により所定ストロークで昇降並びに前後動するよ
うに構成されている。（12）（12）…は例えばワーク
（13）を吸着保持する複数のバキュームカップを備えた
チャックで、上記一対のシャトルバー（11）（11）に、
例えばトランスファープレスの各加工ステーションと対
応させて定ピッチで配設した支持杆（14）（14）…にそ
れぞれ装設されている。上記支持杆（14）（14）…のう
ち、最終部以外の支持杆（14）（14）…は両端を上記一
対のシャトルバー（11）（11）に一体に取付けてある
が、最終部の支持杆（14）は両端を上下機構（15）（1
5）を介して一対のシャトルバー（11）（11）に上下動
可能に取付けてある。上記上下機構（15）は、例えば図
２に示すように、正逆回転可能なサーボモーター（16）
の出力軸（16ａ）に駆動用傘歯車（17）を固着し、この
駆動用傘歯車（17）と噛合う従動傘歯車（18）を一端に
固着させている伝達軸（19）の他端にピニオン（20）を
固着し、このピニオン（20）と噛合うラック（21）に最
終部の支持杆（14）の一端部を一体に取付けてなり、サ
ーボモーター（16）を駆動させてその出力軸（16ａ）を
正逆回転させることにより駆動用傘歯車（17）、従動傘
歯車（18）、伝達軸（19）、ピニオン（20）およびラッ
ク（21）を介して支持杆（14）が上下動し、これに伴っ
て最終部のチャック（12）が上下動するように構成され
ている。

【００１４】本考案に係るトランスファーバーは上記構
造からなり、次に上記構造においてその作用動作を説明
する。

【００１５】先ず、加工終了後、一対のシャトルバー
（11）（11）を降下させて全てのチャック（12）（12）
…により各ステーションで加工されたワーク（13）（1
3）…をチャッキングする。続いて、一対のシャトルバ
ー（11）（11）を上昇させてチャック（12）（12）…に
チャッキングされたワーク（13）（13）…を各ステーシ
ョンから取出した後、一対のシャトルバー（11）（11）
を前進させてワーク（13）（13）…をそれぞれ次の加工
ステーションへ移送させる。ここで、一対のシャトルバ
ー（11）（11）を再び降下させて最終部以外のチャック
（12）（12）にチャッキングされたワーク（13）（13）
…を各ステーションにセットするとともに、最終部のチ
ャック（12）を上下機構（15）（15）により上下動して
当該最終部のチャック（12）にチャッキングされたワー
ク（13）をパレット（図示せず）に積込む。この後、最
終部のチャック（12）を上下機構（15）（15）により元
の高さに戻すとともに、一対のシャトルバー（11）（1
1）を上昇・後退して次の動作に備える。

【００１６】尚、上記実施例ではトランスファープレス
に適用した場合について説明しているが、本考案はこれ
に限定されるものではなく、複数の加工ステーションを
有する加工装置において各ステーションで加工されたワ
ークを後続のステーションへ一斉に移送する場合に適用
し得る。

【００１７】

【考案の効果】以上説明したように、本考案によれば、
加工されたワークをチャッキングする最終部のチャック
を上下動できるようにしたから、加工されたワークをパ
レット等へ積込むことが可能となり、これにより、従来
のように適宜のアンローダー装置を別途設ける必要がな
いため、設備コストを削減することができ、しかも、シ
ャトルバーの最終部下方を積込みスペースに利用するこ
とができるため、スペースの有効利用を図ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るトランスファーバーの一実施例を
示す斜視図である。

【図２】上下機構の一例を示す斜視図である。

【図３】トランスファープレスと従来のトランスファー
バーを示す概略図である。

【符号の説明】

11 シャトルバー 12 チャック 13 ワーク 14 支持杆 15 上下機構 16 サーボモーター 17 駆動用傘歯車 18 従動傘歯車 19 伝達軸 20 ピニオン 21 ラック

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 適宜の駆動手段により一定ストロークで
   昇降並びに前後動するように構成されたシャトルバー
   に、加工ステーションと対応させて定ピッチでワークを
   保持する機能を有する複数のチャックを配設させたトラ
   ンスファーバーにおいて、 上記複数のチャックのうち、最終部のチャックを上下機
   構を介して上下動可能にシャトルバーに配設したことを
   特徴とするトランスファーバー。