JP2510948Y2 - 建設資材搬送装置用吊具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、建設資材搬送装置、特
に自動搬送装置に用いて好適な荷吊具に関する。

【０００２】

【従来の技術】建設工事における建設資材の搬送は、大
別して垂直搬送と水平搬送とがあり、このうち垂直搬送
は、多くの場合、建設工事の初期段階ではもっぱらクレ
ーンによる建設資材の吊り上げが行われ、建設工事が進
み建物躯体の完成が近付くと建物躯体の外壁等にガイド
レールを敷設しそのガイドレールに沿って昇降する昇降
台による垂直搬送が併用される。

【０００３】ところで、建設工事において垂直搬送は大
きいウエイトを占め、とくに仕上げ工事、設備工事段階
では、多品種の資材が集中して搬入されるので、迅速に
搬送しないと工程に及ぼす影響が大きい。

【０００４】さて、昇降台による資材の垂直搬送におい
て比較的多くの人手と時間を要するのは、資材の昇降台
に吊設された吊具への荷積みと荷解放である。

【０００５】また、実開平３−１２２０７５号公報の技
術が開示されているが、この別置きの昇降装置でつり下
げられた昇降台に吊持された方形状の枠体よりなる吊具
は、コンテナ状或は台車状の荷には有効であるが、例え
ば円盤状の荷を吊り上げることは困難である。一方、建
設工事においては扱う資材の形状は種々雑多であり、上
記の技術では対応できない。また、雑多な形状の資材は
荷積み及び荷解放ができない。

【０００６】したがって、本考案は、資材の吊具への荷
積み及び荷解放が迅速且つ容易であり、取り扱う荷の形
状・大きさ対して多目的に使用できる建設資材搬送装置
用吊具を提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、建物躯
体の外壁の開口部の両側、或は床開口部内等に設けられ
た左右一対のガイド部材に沿って昇降する昇降台にスラ
イド機構を介して吊設される建設資材の吊具において、
その吊具は一対の横行用レールを有しており、その一対
の横行用レールにはそれぞれ一対の横行トロリが移動自
在に設けられ、その横行トロリに一体に構成された荷支
持体がそれぞれ固着されており、その荷支持体の下端部
には水平部が設けられ、その水平部は前記一対の横行ト
ロリの荷支持体の水平部が相互に内側を向くフォーク状
となるよう構成されている。

【０００８】

【作用】左右一対の吊具の間隔を縮めて両吊具における
フォーク状の荷支持体の水平部で資材を支持し荷積みす
る。そして巻上装置により吊具を吊設した昇降台をガイ
ド部材に沿って上昇させ、所定の階層に来たら停止させ
る。次いで昇降台に備えているスライド機構により、資
材を支持した吊具を建物躯体の外壁の開口部を通して建
物躯体内に搬入する。次いで左右一対の吊具の間隔を拡
げることにより荷解放を行う。

【０００９】

【実施例】以下、図面を参照して本考案の実施例につい
て説明する。

【００１０】図１及び図２において、躯体工事が略完了
した躯体Ａの各階１Ｆ〜８Ｆの外壁Ｂには長方形の荷搬
入出用開口部Ｃが形成されている。そして、外壁Ｂの各
開口部Ｃの両側には一対のガイド部材１、１が敷設され
ており、そのガイド部材１、１に沿って昇降する昇降台
２が設けられている。この昇降台２には、本考案が対象
とする吊具４がスライド機構（図示は省略）を介して吊
設されている。昇降台２は巻上機（図示は省略）により
昇降される。

【００１１】１Ｆで吊具４に荷積みされた建設資材Ｄ
は、昇降台２により例えば８Ｆまで上昇され、次いでス
ライド機構により吊具４が水平移動されて外壁Ｂの開口
部Ｃを通って躯体Ａ内に搬入され、各用途に使用され
る。

【００１２】図３に吊具４の詳細を示す。上記昇降台２
はスライド機構（図示は省略）を介して前後一対の横行
用レール３、３を支持している。吊具４、４は相互に接
近・離隔し建設資材の荷積み・荷解放を行う左右一対よ
りなる。各吊具４は、横行用レール３、３に沿って転動
する横行トロリ５と、その横行トロリ５と一体とされて
いて左右一対の吊具４、４を対峙させた図３の状態にお
いて水平部６ａが相互に内側を向くフォーク状の荷支持
体６とから構成されている。図示の例では吊具４は独立
した４つの吊具からなっているが、前後の吊具を連結部
材で連結したものとしてもよい。吊具４、４の間隔の縮
小及び拡大移動は、図示は省略したが例えばモータ駆動
のスクリュウ機構で行うようにする。

【００１３】左右一対の吊具４、４の間隔を縮めて両吊
具４、４で資材を支持して荷積みし、左右一対の吊具
４、４の間隔を拡げることにより荷解放を行うものであ
るが、荷支持体６は水平部６ａを有するフォーク状のも
のであるので、資材が例えば円盤状のものであっても、
フォークの水平部６ａで支持して荷積みすることができ
る。また図４に示すように、先端に吊環９を設けた吊り
治具８を有する台車７の場合は、吊環９にフォークの水
平部６ａを差込んで吊り上げることができる。

【００１４】

【考案の効果】本考案は上記のように構成されており、
以下の優れた効果を奏することができる。 （ａ） 左右一対の荷支持体を接近・離隔するだけで容
易・迅速に資材の荷積み及び荷解放ができる。 （ｂ） 荷支持体が横行レールの上部に突出しないの
で、スライド機構との取り合いが容易である。 （ｃ） 例えば、円盤状の荷を扱う事ができ、荷の形状
・大きさに左右されずに、多目的に使用できる。 （ｄ） したがって、建設資材の搬送、特に垂直搬送が
効率よくでき、そのまま開口部から建物内に搬入でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案が実施される昇降台による建設資材搬送
装置の側面図。

【図２】本考案が実施される昇降台による建設資材搬送
装置の正面図。

【図３】本考案の実施例に係る荷吊具の外観図。

【図４】本考案の実施例に係る荷吊具により吊り上げら
れる荷の一例を示す外観図。

【符号の説明】

Ａ・・・躯体 Ｂ・・・外壁 Ｃ・・・開口部 Ｄ・・・資材 １Ｆ〜８Ｆ・・・各階 １・・・ガイド部材 ２・・・昇降台 ３・・・横行用レール ４・・・吊具 ５・・・横行トロリ ６・・・荷支持体

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 建物躯体の外壁の開口部の両側、或は床
   開口部内等に設けられた左右一対のガイド部材に沿って
   昇降する昇降台にスライド機構を介して吊設される建設
   資材の吊具において、その吊具は一対の横行用レールを
   有しており、その一対の横行用レールにはそれぞれ一対
   の横行トロリが移動自在に設けられ、その横行トロリに
   一体に構成された荷支持体がそれぞれ固着されており、
   その荷支持体の下端部には水平部が設けられ、その水平
   部は前記一対の横行トロリの荷支持体の水平部が相互に
   内側を向くフォーク状となるよう構成されたことを特徴
   とする建設資材搬送装置用吊具。