JP2510128Y2

JP2510128Y2 - シリンダヘッドのブリ―ザ構造

Info

Publication number: JP2510128Y2
Application number: JP1989115720U
Authority: JP
Inventors: 雅久神谷
Original assignee: Suzuki Motor Co Ltd
Current assignee: Suzuki Motor Co Ltd
Priority date: 1989-09-30
Filing date: 1989-09-30
Publication date: 1996-09-11
Anticipated expiration: 2004-09-30
Also published as: JPH0354225U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、自動車用エンジンのシリンダヘッド内にブ
リーザ室を形成するための、シリンダヘッドのブリーザ
構造に関するものである。

（従来の技術）従来、第４図に示すように、エンジンのシリンダヘッ
ド上部１はシリンダヘッドカバー２に覆われ、その内部
にはカムシャフト３の軸受ハウジング４がボルト５で固
定され、軸受ハウジング４の上部にカムシャフト３への
オイル供給用のパイプ６が延設して軸受ハウジング４と
連結されているものがある。第５図に示すように、パイ
プ６は中央部寄りに延設され各軸受ハウジング４と連結
している。

また、シリンダヘッドカバー２の裏側には、取付け時
においてパイプ６の上端と当接するようにして平板状の
プレート７がボルト８で固定されており、このシリンダ
ヘッドカバー２の裏側とプレート７に囲まれた上部スペ
ースがブリーザ室９となっている。このようにしてブリ
ーザ室９を形成することは実開昭60−10815号公報等に
開示されている。

（考案が解決しようとする課題）しかしながら、上記の構造ではパイプ６の上部にブリ
ーザ室９を形成するため、シリンダヘッドカバー２の高
さはそのブリーザ室９の部分だけ余計に必要となって、
エンジン全体の高さが増大することになり、エンジンの
小型化には不都合である。また、第４図からも明らかな
ようにプレート７の下側部10はデッドスペースとなり、
有効な構成とはされていない。また、プレート７の板厚
はブリーザ室９を区画するだけなので薄くされ、このた
め、剛性がなく、エンジン振動により共鳴音発生の原因
にもなり騒音が拡大されることになる。

本考案は、シリンダヘッドの内部にデッドスペースを
作らず、かつ共振しにくいプレートによってブリーザ室
を区画するようにしたシリンダヘッドのブリーザ構造を
提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段）本考案は上記目的を達成するために、シリンダヘッド
の上部に設けたカムシャフトハウジングの上面に、該カ
ムシャフトハウジングのシャフト軸方向に配したオイル
供給用のパイプを連結し、前記シリンダヘッドにシリン
ダヘッドカバーを取付けて前記カムシャフトハウジング
上にブリーザ室を形成するシリンダヘッドのブリーザ構
造において、前記シリンダヘッド内に、内部を上下に二分するブリ
ーザプレートを配設すると共に、前記シリンダヘッドカ
バーの裏側の前記カムシャフトハウジングの上面に近接
した高さ位置に、前記ブリーザプレートの縁部を係合さ
せ、前記裏側壁面の上方が縮径する段部を形成し、しか
も、前記ブリーザプレートに前記シリンダヘッドカバー
の取付け用孔を形成させ、該ブリーザプレートにパイプの断面形状に沿う断面円
弧状の突部を前記シャフト軸方向に形成させたことを特
徴とする。

（作用）上記の構成とすることによって、カムシャフトハウジ
ングの上部にブリーザプレートを載置することで、ブリ
ーザプレートの突部がオイル供給用のパイプ外周を覆
い、取付け用孔に取付け用のボスを嵌め込むことによ
り、ブリーザプレートの位置決めが簡単に行える。次
に、シリンダヘッドカバーを取付けるときには、段部に
よってブリーザプレートの縁部が支持され、ねじをボス
に挿通して締め付けることでシリンダヘッドカバーがシ
リンダヘッドに連結する。

また、この構造によって、シリンダヘッド上部の高さ
を低くすることができ、パイプの両側に、パイプ上部の
狭い空間を介して連通する２つのブリーザ室が形成され
る。また、ブリーザプレートの突部形状、および縁部が
支持されていることによって、エンジンの振動に対して
共鳴しにくくなっている。

（実施例）次に、本考案の一実施例を第１図ないし第３図に基づ
いて説明する。第１図に示すように、シリンダヘッド11
に装着されたバルブ12はシリンダヘッド上部13に取付け
られたカムシャフトハウジング14内のカムシャフト15に
バルブロッカアーム16を介して連動可能に設けられてい
る。カムシャフトハウジング14の上部にはオイル供給用
のパイプ17が中央部寄りに延設してカムシャフトハウジ
ング14と連結されている。18は取付ボルトである。

カムシャフトハウジング14部全体の上面には第２図、
第３図に示すブリーザプレート19が載置できるようにな
っている。ブリーザプレート19は中央部寄りに断面半円
弧状の突部19aを形成した細長い平板であり、細長い突
部19aに沿って取付け用の孔20が複数開けられ、カムシ
ャフトハウジング14に係合する突片19bが形成されてい
る。一方、シリンダヘッド上部13はシリンダヘッドカバ
ー21によって覆われており、ブリーザプレート19の側縁
を押える段部21aがシリンダヘッドカバー21の裏側に形
成されている。通常、ブリーザプレート19の孔20にはボ
スが嵌め込まれ、シリンダヘッドカバー21を被せたとき
にカバー取付ねじ22が容易に挿通できるようにされてい
る。そして、カバー取付ねじ22で締付けることにより突
片19bと共にブリーザプレート19は固定される。そし
て、ブリーザプレート19の中間部ではシリンダヘッドカ
バー21の天井にパイプ17を覆った突部19aが接近して隙
間が形成され、パイプ17の両側に隙間によって連通した
ブリーザ室23a,23bが形成されている。

以上のようにしてシリンダヘッド上部13を装着したこ
とにより、従来の取付けによるデッドスペースがなくな
り、エンジン全体の高さを低くすることができた。ま
た、ブリーザプレート19は従来のものより剛性があり振
動による騒音が減少された。また、中央部寄りにパイプ
17が延設されているので、ブローバイガスがこのパイプ
17とシリンダヘッドカバー21の天井部分との間を通過す
るときにオイル分離が起きブローバイガス内のオイル分
離を促進させることが可能となる。

（考案の効果）本考案は、以上のように構成したものであり、シリン
ダヘッドカバーの裏側にブリーザプレートをねじで取付
けないので、部品点数が減り、また、ブリーザプレート
に突部を設けブリーザプレート面を下げたのでパイプの
両側方にブリーザ室が形成され、シリンダヘッド全体の
高さを低くすることができる。また、これによって部品
点数の減少等、重量が軽減されてエンジン全体をコンパ
クト化することができ、車両デザインの自由度が増え
る。

また、ブリーザプレートを載置するときの位置決めが
簡単になり、シリンダヘッドカバーを後から取付けるの
で組み付け作業が容易になる。また、ブリーザプレート
の共鳴音防止、騒音の低減が計られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例のシリンダヘッド部の断面
図、第２図はシリンダヘッド内部においてブリーザ室を
区画するプレートの断面図、第３図は第２図に示すプレ
ートの平面図、第４図は従来のシリンダヘッド部の断面
図、第５図は第４図に示すシリンダヘッド部のシリンダ
ヘッドカバーを取外したときの平面図である。 13……シリンダヘッド上部 14……カムシャフトハウジング 17……パイプ 19……ブリーザプレート 19a……突部 21……シリンダヘッドカバー 23a,23b……ブリーザ室

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】シリンダヘッドの上部に設けたカムシャフ
トハウジングの上面に、該カムシャフトハウジングのシ
ャフト軸方向に配したオイル供給用のパイプを連結し、
前記シリンダヘッドにシリンダヘッドカバーを取付けて
前記カムシャフトハウジング上にブリーザ室を形成する
シリンダヘッドのブリーザ構造において、前記シリンダヘッド内に、内部を上下に二分するブリー
ザプレートを配設すると共に、前記シリンダヘッドカバ
ーの裏側の前記カムシャフトハウジングの上面に近接し
た高さ位置に、前記ブリーザプレートの縁部を係合さ
せ、前記裏側壁面の上方が縮径する段部を形成し、しか
も、前記ブリーザプレートに前記シリンダヘッドカバー
の取付け用孔を形成させ、該ブリーザプレートにパイプの断面形状に沿う断面円弧
状の突部を前記シャフト軸方向に形成させたことを特徴
とするシリンダヘッドのブリーザ構造。