JP2510102B2 - 自動溶接装置のア―ク発生リトライ方法およびその装置 - Google Patents

自動溶接装置のア―ク発生リトライ方法およびその装置

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JP2510102B2 JP19339091A JP19339091A JP2510102B2 JP 2510102 B2 JP2510102 B2 JP 2510102B2 JP 19339091 A JP19339091 A JP 19339091A JP 19339091 A JP19339091 A JP 19339091A JP 2510102 B2 JP2510102 B2 JP 2510102B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスシールドメタルア
ーク溶接を用いた例えばロボット溶接等の自動溶接装置
による多層盛溶接において、前層ビード表面の溶接アー
ク消弧部に非導電性のスラグが凝固し、次層形成のため
の再点弧時に電流が流れずアークスタート不良となった
場合に、これを自動的に回避することのできる自動溶接
装置のアーク発生リトライ方法およびその装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】周知のアークセンサによる開先自動倣い
制御機能を備え、ガスシールドメタルアーク溶接を用い
た自動溶接装置、例えばロボット溶接では、溶接アーク
の消弧、再点弧が何度も繰り返されるが、この溶接アー
クの消弧時や再点弧開始時の電極ワイヤの位置は、アー
クセンサによって開先巾方向の中心に位置するように制
御される。
【0003】このようなロボット溶接等において、特に
多層盛溶接を行う場合、前層ビード表面の溶接アーク消
弧部に非導電性のスラグが凝固すると、次層形成のため
の再点弧時に、電極ワイヤがこのスラグ上に送給され、
電流が流れず、アークスタート不良となることがある。
【0004】このような場合、従来は作業者がスラグを
除去するか、ロボットを移動してトーチ位置を変更する
ようにしている。
【0005】このように、アークスタート不良となった
場合に、人手によってスラグ回避のための手立てを講ず
るのは、従来、スタート指令があれば、先ずアークが必
ず発生するものとして装置やプログラムが構成されてい
るためである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の自動溶接装置の
アーク発生リトライ方法は、以上のように、人手によっ
て行われているので、アークスタート不良によりロボッ
トの稼動率が低下したり、無人化が図れないという問題
点があった。
【0007】本発明は以上の点に鑑み、前層ビード表面
のスラグによって再点弧時にアークスタート不良が発生
した場合でも、これを自動的に回避することのできる自
動溶接装置のアーク発生リトライ方法およびその装置を
提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明に係
る自動溶接装置のアーク発生リトライ方法は、揺動アー
クセンサによる開先自動倣い制御機能を備えた自動溶接
装置により、消耗電極ワイヤを用いて開先内に所定高さ
のビードを開先線末端まで形成した後、アークを消弧さ
せ、前記ワイヤを保持するトーチを次層位置まで上昇さ
せて所定のビード冷却時間待機させる第1の工程と、所
定のビード冷却時間後、スタート指令によりワイヤの送
給と溶接電源の出力を開始してから所定時間経過しても
アークの発生がない場合は、トーチ下方の前層ビード上
の溶接開始点にスラグが発生していると判定する第2の
工程と、スラグが発生していると判定された場合は、ワ
イヤ送給と溶接電源の出力を停止させ、トーチを所定量
上昇させた後、その層の揺動巾片側端部まで移動させ、
アークスタートを行なわせる第3の工程と、第3の工程
でもアーク点弧しない場合は、ワイヤ送給と溶接電源の
出力を再び停止させ、トーチを所定量上昇させた後、そ
の層の揺動巾他側端部まで移動させ、再アークスタート
を行なわせる第4の工程とを有することを特徴としてい
る。
【0009】また、本発明の第2の発明に係る自動溶接
装置のアーク発生リトライ方法は、回転アークセンサに
よる開先自動倣い制御機能を備えた自動溶接装置によ
り、消耗電極ワイヤを用いて開先内に所定高さのビード
を開先線末端まで形成した後、アークを消弧させ、前記
ワイヤを保持するトーチを次層位置まで上昇させて所定
のビード冷却時間待機させる第1の工程と、所定のビー
ド冷却時間後、スタート指令によりワイヤの送給と溶接
電源の出力を開始してから所定時間経過してもアークの
発生がない場合は、トーチ下方の前層ビード上の溶接開
始点にスラグが発生していると判定する第2の工程と、
スラグが発生していると判定された場合は、ワイヤ送給
と溶接電源の出力を停止させ、トーチを回転させた後、
アークスタートを行なわせる第3の工程とを有すること
を特徴としている。
【0010】また、本発明の第3の発明に係る自動溶接
装置のアーク発生リトライ装置は、揺動アークセンサに
よる開先自動倣い制御機能を備え、多層盛溶接を消耗電
極ワイヤにより各層毎に所定の冷却時間をおきながら行
う自動溶接装置において、スタート指令がありかつ所定
時間経過してもアークの発生がない場合は、前記ワイヤ
を保持するトーチの下方の前層ビード上の溶接開始点に
スラグが発生していると判定するスラグ判定手段と、こ
のスラグ判定手段でスラグが発生していると判定された
場合は、ワイヤ送給と溶接電源の出力を停止させるスラ
グ回避指令手段と、前記スラグ判定手段がスラグを検出
しかつX,Y軸スタート指令があると、Y軸モータ駆動
部に対して、トーチを上方向に所定量移動させる指令を
し、第1のX軸移動信号または第2のX軸移動信号が入
力されるとアーク発生を開始させる指令をする第1のス
ラグ回避手段と、この第1のスラグ回避手段からY軸上
方向への移動指令が出力されると、そのときの開先巾方
向のX軸位置と予め設定されている揺動巾とから求めら
れた揺動巾片側端部までの第1のX軸移動量に基づい
て、X軸モータ駆動部に対して、トーチをX軸の揺動巾
片側端部に移動させる指令をするとともに、前記第1の
スラグ回避手段に第1のX軸移動信号を出力する第2の
スラグ回避手段と、この第2のスラグ回避手段が第1の
X軸移動信号を出力した後に前記スラグ判定手段がスラ
グが発生していると判定した場合は、予め設定されてい
る前記揺動巾から求められた、前記第1のX軸移動量の
方向とは逆方向の第2のX軸移動量に基づいて、X軸モ
ータ駆動部に対して、トーチをX軸の揺動巾他側端部に
移動させる指令をするとともに、前記第1のスラグ回避
手段に第2のX軸移動信号を出力する第3のスラグ回避
手段とを設けたものである。
【0011】また、本発明の第4の発明に係る自動溶接
装置のアーク発生リトライ装置は、回転アークセンサに
よる開先自動倣い制御機能を備え、多層盛溶接を消耗電
極ワイヤにより各層毎に所定の冷却時間をおきながら行
う自動溶接装置において、スタート指令がありかつ所定
時間経過してもアークの発生がない場合は、前記ワイヤ
を保持するトーチの下方の前層ビード上の溶接開始点に
スラグが発生していると判定するスラグ判定手段と、こ
のスラグ判定手段でスラグが発生していると判定された
場合は、ワイヤ送給と溶接電源の出力を停止させるスラ
グ回避指令手段と、前記スラグ判定手段がスラグを検出
しかつトーチ回転スタート指令があると、前記トーチ回
転駆動部に対して、トーチを回転させる指令をし、トー
チが回転したことを知らせる信号の入力があればアーク
発生を開始させる指令をするスラグ回避制御手段とを設
けたものである。
【0012】
【作用】本発明においては、前層ビード表面のスラグに
より再点弧時にアークスタート不良が発生しても、この
スラグをスラグ判定手段が検出し、これに基づいてスラ
グ回避制御手段がトーチを上方向に所定量移動させてか
ら開先揺動巾両端部のいずれかに移動させ、又はトーチ
を回転させてスラグを自動的に回避し、アークの発生を
可能にする。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例に係る自動溶接装置
のアーク発生リトライ方法およびこの方法に用いられる
装置を、図1乃至図6に基づいて説明する。図1は揺動
アークセンサによる開先自動倣い制御機能を備え、多層
盛溶接を消耗電極ワイヤにより各層毎に所定の冷却時間
をおきながら行う揺動アーク溶接ロボットに本発明を適
用したもので、アーク発生リトライ装置の回路構成を示
すブロック図、図2はその要部の詳細な回路構成を示す
ブロック図、図3乃至図6はこの装置を用いたアーク発
生リトライ方法を説明するための工程図である。
【0014】図1において、1,2は母材、3は母材
1,2のV形開先に対向配置されたトーチ、4はトーチ
3に保持された消耗電極ワイヤである。このワイヤ4
は、送給モータ5により定速送給されながら電源ユニッ
ト6からの直流定電圧電源または直流定電流電源の供給
を受け、所定のアーク電流またはアーク電圧を保持する
ようにして溶接アークを飛ばす。
【0015】トーチ3は、ロボット先端に水平に取り付
けられたX軸ブロック7の送りねじ8にギヤ結合され、
X軸モータ9により送りねじ8に沿って水平(X軸±方
向)に移動する。
【0016】X軸ブロック7は、ロボット先端に垂直に
取り付けられたY軸ブロック10の送りねじ11にギヤ
結合され、Y軸モータ12により送りねじ11に沿って
垂直(Y軸±方向)に移動する。
【0017】13はアーク検出手段であり、電源ユニッ
ト6からの直流定電圧電源または直流定電流電源の、ア
ーク電流またはアーク電圧を検出して、アークが発生し
ていれば、後述の揺動アーク制御装置とスラグ判定手段
に対してアーク検出信号を出力し、アークが発生してい
なければ出力を停止するものである。
【0018】14は周知の揺動アークセンサによる開先
自動倣い制御機能を備えた揺動アーク制御装置であり、
スタート指令があると、電源ユニット6、ワイヤ送給モ
ータ駆動部15、X軸モータ駆動部16、及びY軸モー
タ駆動部17をオン状態にさせて、これによりアーク検
出手段13からのアーク検出信号の入力があると、この
アーク検出信号に基づいて、ワイヤ送給モータ駆動部1
5、X軸モータ駆動部16、及びY軸モータ駆動部17
を制御して揺動アークを発生させる。また、スタート指
令があり、溶接電源をオン状態にし、ワイヤ送給が開始
された後、スラグ検出信号が入力されると、そのスラグ
回避指令部14aが、溶接電源とワイヤ送給モータ駆動
部15をオフ状態にし、その後、スタンバイ指示信号が
入力すると、溶接電源とワイヤ送給モータ駆動部15を
再びオン状態に戻すものである。18はスラグ判定手段
であり、スタート指令がありかつ所定時間経過してもア
ーク検出手段13からのアーク検出信号入力がなけれ
ば、ワイヤ4が前層ビード上の溶接開始点にスラグが発
生していると判定し、揺動アーク制御装置14と、後述
のスラグ回避制御手段、Y軸移動量算出手段、X軸移動
量算出手段、X軸移動量読込手段に対し、それぞれスラ
グ検出信号を出力するものである。
【0019】19はY軸移動量算出手段であり、スラグ
判定手段18からのスラグ検出信号の入力があると、現
在のトーチ3のY軸位置と予め設定されている層データ
とから、次層までのトーチ3のY軸移動量を算出し、算
出したY軸移動量を後述のスラグ回避制御手段の第1の
スラグ回避手段とY軸移動終了判定手段に対しそれぞれ
出力するものである。
【0020】20はX軸移動量算出手段であり、スラグ
判定手段18からのスラグ検出信号の入力があると、現
在のトーチ3のX軸位置(V形開先線中央位置)と予め
設定されているその層における揺動巾データWとから、
揺動巾片側端部までのトーチ3の第1のX軸移動量W/
2を算出し、算出した第1のX軸移動量W/2を後述の
スラグ回避制御手段の第2のスラグ回避手段とX軸移動
終了判定手段に対しそれぞれ出力するものである。
【0021】21はX軸移動量読込手段であり、スラグ
判定手段18からのスラグ検出信号の入力があると、予
め設定されているその層におけるトーチ3の揺動巾デー
タWを読み、読み込んだトーチ3の揺動巾Wを第2のX
軸移動量Wとし、この第2のX軸移動量Wを後述のスラ
グ回避制御手段の第3のスラグ回避手段とX軸移動終了
判定手段に対しそれぞれ出力するものである。
【0022】22はスラグ回避制御手段であり、図2に
示すように、第1のスラグ回避手段22aと、第2のス
ラグ回避手段22bと、第3のスラグ回避手段22cと
から構成されており、スラグ判定手段18からのスラグ
検出信号と、X,Y軸スタート指令またはX,Y軸再ス
タート指令の入力があると、Y軸移動量算出手段19か
らのY軸移動量と、X軸移動量算出手段20からの第1
のX軸移動量W/2またはX軸移動量読込手段21から
の第2のX軸移動量Wに基づいて、X軸モータ駆動部1
6及びY軸モータ駆動部17に指令を与え、トーチ3の
スラグ回避動作を行なわせるものである。
【0023】すなわち、第1のスラグ回避手段22a
は、スラグ判定手段18からのスラグ検出信号とX,Y
軸スタート指令があると、Y軸移動量算出手段19から
のY軸移動量に基づき、Y軸モータ駆動部17に対して
トーチ3をY軸−方向の次層位置まで移動させる指令を
する。また、第2のスラグ回避手段22bからの第1の
X軸移動信号、あるいは第3のスラグ回避手段22cか
らの第2のX軸移動信号が入力されると、後述のスタン
バイ指示手段に対して、アーク発生を開始させる指令を
するものである。
【0024】また、第2のスラグ回避手段22bは、第
1のスラグ回避手段22aからY軸−方向への移動指令
が出力されると、X軸移動量算出手段20からの第1の
X軸移動量W/2に基づき、X軸モータ駆動部16に対
してトーチ3をX軸−方向の揺動巾片側端部まで移動さ
せる指令をするとともに、第1のスラグ回避手段22a
に第1のX軸移動信号を出力するものである。
【0025】また、第3のスラグ回避手段22cは、第
2のスラグ回避手段22bが第1のX軸移動信号を出力
した後に、スラグ判定手段18がスラグが発生している
と判定した場合に、X軸移動量読込手段21からの第2
のX軸移動量Wに基づき、X軸モータ駆動部16に対し
てトーチ3をX軸+方向の揺動巾他側端部まで移動させ
る指令をするとともに、第1のスラグ回避手段22aに
第2のX軸移動信号を出力するものである。
【0026】23はY軸移動終了判定手段であり、スラ
グ回避制御手段22の動作時に、Y軸移動量算出手段1
9からのY軸移動量と、Y軸モータ駆動部17からの出
力とを比較して、その差が零になればY軸移動が終了し
たと判断し、スラグ回避制御手段22に対してY軸移動
終了信号を出力するものである。
【0027】24はX軸移動終了判定手段であり、スラ
グ回避制御手段22の動作時に、X軸移動量算出手段2
0からの第1のX軸移動量W/2またはX軸移動量読込
手段21からの第2のX軸移動量Wと、X軸モータ駆動
部16からの出力とを比較して、その差が零になればX
軸移動が終了したと判断し、スラグ回避制御手段22に
対してX軸移動終了信号を出力するものである。
【0028】25はスタンバイ指示手段であり、スラグ
回避制御手段22の第1のスラグ回避手段22aからア
ーク発生を開始させる指令があると、揺動アーク制御装
置14に対してスタンバイ指示信号をするものである。
【0029】次に、前述の構成を有する実施例装置を用
いたアーク発生リトライ方法を図3乃至図6に基づいて
説明する。
【0030】先ず、揺動アークセンサによる開先自動倣
い制御機能を備えた揺動アーク溶接ロボットにより、消
耗電極ワイヤ4を用いて母材1,2のV形開先内に所定
高さのビードb(第1層)を開先線末端まで形成した
後、V形開先線中央位置にてアークを消弧させ、トーチ
3を次層(第2層)位置まで上昇させて所定のビード冷
却時間待機させる(図3)。
【0031】次に、所定のビード冷却時間後、スタート
指令により、溶接電源をオン状態にし、ワイヤ4の送給
を開始する。ワイヤ4の送給を開始してから所定時間経
過してもアークの発生がなければ、トーチ下方の第1層
ビードb上の溶接開始点にスラグsが発生していると判
定し(図4)、ワイヤ送給と溶接電源の出力を停止させ
る。
【0032】次いで、トーチ3を更に次層(第3層)位
置まで上昇させた後、第2層の揺動巾Wの片側端部まで
W/2移動させ、アークスタートを行なわせる(図
5)。この時、トーチ3は第3層位置にあるが、スター
ト指令があると、設定された第2層位置まで自動的に下
降してからワイヤ4の送給を開始する。
【0033】揺動巾片側端部(図5)にてアーク点弧し
ない場合は、ワイヤ送給と溶接電源の出力を再び停止さ
せ、トーチ3を再度第3層位置まで上昇させた後、第2
層の揺動巾他側端部までW移動させ、アークスタートを
行なわせる(図6)。
【0034】図7乃至図10はいずれも本発明の他の実
施例に係る自動溶接装置のアーク発生リトライ方法およ
びこの方法に用いられる装置を示すもので、図7は回転
アークセンサによる開先自動倣い制御機能を備え、多層
盛溶接を消耗電極ワイヤにより各層毎に所定の冷却時間
をおきながら行う回転アーク溶接ロボットに本発明を適
用したもので、アーク発生リトライ装置の回路構成を示
すブロック図、図8乃至図10はこの装置を用いたアー
ク発生リトライ方法を説明するための工程図である。な
お、各図中、図1乃至図6に相当する部分には同一符号
を付してある。図7において、30は基端がロボット先
端に垂直に取り付けられたY軸ブロック10の送りねじ
11にギヤ結合されるとともに、先端にトーチ3を回転
可能に支持してなるアームで、Y軸モータ12により送
りねじ11に沿って垂直(Y軸±方向)に移動する。
【0035】Y軸ブロック10は、ロボット先端に水平
に取り付けられたX軸ブロック7の送りねじ8にギヤ結
合され、X軸モータ9により送りねじ8に沿って水平
(X軸±方向)に移動する。
【0036】トーチ3は、アーム30に取り付けたトー
チ回転用モータ31の出力軸にギヤ32,33を介して
結合され、トーチ回転用モータ31により回転させられ
る。消耗電極ワイヤ4は、トーチ3内を斜め方向に貫通
しており、そのトーチ3からの突出端は母材1,2の狭
開先巾両端位置にて隅部を狙えるようになっている。
34は周知の回転アークセンサによる開先自動倣い制御
機能を備えた回転アーク制御装置であり、スタート指令
があると、電源ユニット6、ワイヤ送給モータ駆動部1
5、X軸モータ駆動部16、Y軸モータ駆動部17、及
びトーチ回転駆動部35をオン状態にさせて、これによ
りアーク検出手段13からのアーク検出信号の入力があ
ると、このアーク検出信号に基づいて、ワイヤ送給モー
タ駆動部15、及びトーチ回転駆動部35を制御して回
転アークを発生させ、更に開先線方向への移動時には、
X軸モータ駆動部16とY軸モータ駆動部17とによ
り、開先線自動倣い制御による動作を行なわせる。ま
た、スタート指令があり、溶接電源をオン状態にし、ワ
イヤ送給が開始された後、スラグ判定手段18からスラ
グ検出信号が入力されると、そのスラグ回避指令部34
aが、溶接電源とワイヤ送給モータ駆動部15をオフ状
態にし、その後、スタンバイ指示手段25からスタンバ
イ指示信号が入力すると、溶接電源とワイヤ送給モータ
駆動部15を再びオン状態に戻すものである。
【0037】36はスラグ回避制御手段であり、スラグ
判定手段18がスラグを検出しかつトーチ回転スタート
指令があると、トーチ回転駆動部35に対してトーチ3
を回転させる指令をし、トーチ3が回転したことを知ら
せるトーチ回転信号の入力があれば、スタンバイ指示手
段25に対してアーク発生を開始させる指令をするもの
である。
【0038】37はトーチ回転判定手段であり、スラグ
回避制御手段36の動作時に、トーチ回転駆動部35か
らの出力があれば、トーチ3が回転したと判断し、スラ
グ回避制御手段36に対してトーチ回転信号を出力する
ものである。
【0039】次に、この実施例装置を用いたアーク発生
リトライ方法を図8乃至図10に基づいて説明する。
【0040】先ず、回転アークセンサによる開先自動倣
い制御機能を備えた回転アーク溶接ロボットにより、消
耗電極ワイヤ4を用いて母材1,2の狭開先内に所定高
さのビードb(第1層)を開先線末端まで形成した後、
狭開先線中央位置にてアークを消弧させ、トーチ3を次
層(第2層)位置まで上昇させて所定のビード冷却時間
待機させる(図8)。
【0041】次に、所定のビード冷却時間後、スタート
指令により、溶接電源をオン状態にし、ワイヤ4の送給
を開始する。ワイヤ4の送給を開始してから所定時間経
過してもアークの発生がなければ、トーチ下方の第1層
ビードb上の溶接開始点にスラグsが発生していると判
定し(図9)、ワイヤ送給と溶接電源の出力を停止させ
る。
【0042】次いで、トーチ3を回転させ、トーチ3が
回転すればアークスタートを行なわせる(図10)。
【0043】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、前
層ビード表面のスラグにより再点弧時にアークスタート
不良が発生しても、このスラグをスラグ判定手段により
検出し、これに基づいてスラグ回避制御手段によりトー
チを上方向に所定量移動させてから開先揺動巾両端部の
いずれかに移動させ、又はトーチを回転させるようにし
たので、これを自動的に回避させることができ、自動溶
接装置の稼動率を向上させることが可能となり、無人化
が図れるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る自動溶接装置のアーク
発生リトライ装置の回路構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例に係る自動溶接装置のアーク
発生リトライ装置の要部の詳細な回路構成を示すブロッ
ク図である。
【図3】本発明の一実施例に係る自動溶接装置のアーク
発生リトライ方法の第1の工程を説明するための説明図
である。
【図4】本発明の一実施例に係る自動溶接装置のアーク
発生リトライ方法の第2の工程を説明するための説明図
である。
【図5】本発明の一実施例に係る自動溶接装置のアーク
発生リトライ方法の第3の工程を説明するための説明図
である。
【図6】本発明の一実施例に係る自動溶接装置のアーク
発生リトライ方法の第4の工程を説明するための説明図
である。
【図7】本発明の他の実施例に係る自動溶接装置のアー
ク発生リトライ装置の回路構成を示すブロック図であ
る。
【図8】本発明の他の実施例に係る自動溶接装置のアー
ク発生リトライ方法の第1の工程を説明するための説明
図である。
【図9】本発明の他の実施例に係る自動溶接装置のアー
ク発生リトライ方法の第2の工程を説明するための説明
図である。
【図10】本発明の他の実施例に係る自動溶接装置のア
ーク発生リトライ方法の第3の工程を説明するための説
明図である。
【符号の説明】
3 トーチ 4 消耗電極ワイヤ 14 揺動アーク制御装置 14a,34a スラグ回避指令部 15 ワイヤ送給モータ駆動部 16 X軸モータ駆動部 17 Y軸モータ駆動部 18 スラグ判定手段 22,36 スラグ回避制御手段 22a 第1のスラグ回避手段 22b 第2のスラグ回避手段 22c 第3のスラグ回避手段 34 回転アーク制御装置 35 トーチ回転駆動部 b ビード s スラグ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 揺動アークセンサによる開先自動倣い制
    御機能を備えた自動溶接装置により、消耗電極ワイヤを
    用いて開先内に所定高さのビードを開先線末端まで形成
    した後、アークを消弧させ、前記ワイヤを保持するトー
    チを次層位置まで上昇させて所定のビード冷却時間待機
    させる第1の工程と、 所定のビード冷却時間後、スタート指令によりワイヤの
    送給と溶接電源の出力を開始してから所定時間経過して
    もアークの発生がない場合は、トーチ下方の前層ビード
    上の溶接開始点にスラグが発生していると判定する第2
    の工程と、 スラグが発生していると判定された場合は、ワイヤ送給
    と溶接電源の出力を停止させ、トーチを所定量上昇させ
    た後、その層の揺動巾片側端部まで移動させ、アークス
    タートを行なわせる第3の工程と、 第3の工程でもアーク点弧しない場合は、ワイヤ送給と
    溶接電源の出力を再び停止させ、トーチを所定量上昇さ
    せた後、その層の揺動巾他側端部まで移動させ、再アー
    クスタートを行なわせる第4の工程とを有することを特
    徴とする自動溶接装置のアーク発生リトライ方法。
  2. 【請求項2】 回転アークセンサによる開先自動倣い制
    御機能を備えた自動溶接装置により、消耗電極ワイヤを
    用いて開先内に所定高さのビードを開先線末端まで形成
    した後、アークを消弧させ、前記ワイヤを保持するトー
    チを次層位置まで上昇させて所定のビード冷却時間待機
    させる第1の工程と、 所定のビード冷却時間後、スタート指令によりワイヤの
    送給と溶接電源の出力を開始してから所定時間経過して
    もアークの発生がない場合は、トーチ下方の前層ビード
    上の溶接開始点にスラグが発生していると判定する第2
    の工程と、 スラグが発生していると判定された場合は、ワイヤ送給
    と溶接電源の出力を停止させ、トーチを回転させた後、
    アークスタートを行なわせる第3の工程とを有すること
    を特徴とする自動溶接装置のアーク発生リトライ方法。
  3. 【請求項3】 揺動アークセンサによる開先自動倣い制
    御機能を備え、多層盛溶接を消耗電極ワイヤにより各層
    毎に所定の冷却時間をおきながら行う自動溶接装置にお
    いて、 スタート指令がありかつ所定時間経過してもアークの発
    生がない場合は、前記ワイヤを保持するトーチの下方の
    前層ビード上の溶接開始点にスラグが発生していると判
    定するスラグ判定手段と、 このスラグ判定手段でスラグが発生していると判定され
    た場合は、ワイヤ送給と溶接電源の出力を停止させるス
    ラグ回避指令手段と、 前記スラグ判定手段がスラグを検出しかつX,Y軸スタ
    ート指令があると、Y軸モータ駆動部に対して、トーチ
    を上方向に所定量移動させる指令をし、第1のX軸移動
    信号または第2のX軸移動信号が入力されるとアーク発
    生を開始させる指令をする第1のスラグ回避手段と、 この第1のスラグ回避手段からY軸上方向への移動指令
    が出力されると、そのときの開先巾方向のX軸位置と予
    め設定されている揺動巾とから求められた揺動巾片側端
    部までの第1のX軸移動量に基づいて、X軸モータ駆動
    部に対して、トーチをX軸の揺動巾片側端部に移動させ
    る指令をするとともに、前記第1のスラグ回避手段に第
    1のX軸移動信号を出力する第2のスラグ回避手段と、 この第2のスラグ回避手段が第1のX軸移動信号を出力
    した後に前記スラグ判定手段がスラグが発生していると
    判定した場合は、予め設定されている前記揺動巾から求
    められた、前記第1のX軸移動量の方向とは逆方向の第
    2のX軸移動量に基づいて、X軸モータ駆動部に対し
    て、トーチをX軸の揺動巾他側端部に移動させる指令を
    するとともに、前記第1のスラグ回避手段に第2のX軸
    移動信号を出力する第3のスラグ回避手段とを設けたこ
    とを特徴とする自動溶接装置のアーク発生リトライ装
    置。
  4. 【請求項4】 回転アークセンサによる開先自動倣い制
    御機能を備え、多層盛溶接を消耗電極ワイヤにより各層
    毎に所定の冷却時間をおきながら行う自動溶接装置にお
    いて、 スタート指令がありかつ所定時間経過してもアークの発
    生がない場合は、前記ワイヤを保持するトーチの下方の
    前層ビード上の溶接開始点にスラグが発生していると判
    定するスラグ判定手段と、 このスラグ判定手段でスラグが発生していると判定され
    た場合は、ワイヤ送給と溶接電源の出力を停止させるス
    ラグ回避指令手段と、 前記スラグ判定手段がスラグを検出しかつトーチ回転ス
    タート指令があると、前記トーチ回転駆動部に対して、
    トーチを回転させる指令をし、トーチが回転したことを
    知らせる信号の入力があればアーク発生を開始させる指
    令をするスラグ回避制御手段とを設けたことを特徴とす
    る自動溶接装置のアーク発生リトライ装置。
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