JP2509739Y2 - ゴルフクラブ用シヤフト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、外周面が艶消し調の耐久性塗膜で被覆さ
れているゴルフクラブ用シヤフトに関するものである。

〔従来の技術〕

一般にゴルフクラブ用シヤフトはその素材がスチール
やカーボン等であり、通常はそのままの状態で使用され
ている。しかしながら、最近のフアツシヨン化の傾向か
ら、レデイス用ゴルフシヤフト等、一部のシヤフトに、
染料，顔料等を含む着色ポリウレタン樹脂を塗布するこ
とが行われている。この種のシヤフトは、外観が美麗で
あるばかりでなく、その塗膜特性（耐摩耗性，硬度，耐
候性，シヤフトとの密着性）によりシヤフト本体に傷が
つきにくいという利点を備えている。しかも、通常は、
上記塗膜はプレー時における日光の反射の抑制等の見地
から表面が艶消し状態にされており、これが重厚感を増
すため好まれている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記シヤフトは、使用の継続により、
ポリウレタン樹脂塗膜の艶消し効果が使用している途中
で消失してしまうという欠点を有しており、場合によつ
ては、艶消し効果が残存している部分と艶消し効果が消
失している部分とができてシヤフトの表面がむらになり
見栄えが悪くなるという事態が生じる。また、上記シヤ
フトでは、市場の望む高級感および触感を表出すること
に限界がある。そこで、機能性，フアツシヨン性ととも
に塗膜の耐久性の良いシヤフトの開発が望まれている
が、このようなものは未だ実現されていないのが実情で
ある。

この考案は、このような事情に鑑みなされたもので、
傷がつきにくく触感もよくしかも艶消し効果が長期間接
続するゴルフクラブ用シヤフトの提供をその目的とす
る。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するため、この考案のゴルフクラブ
用シヤフトは、ゴルフクラブ用シヤフトの外周面が、天
然コラーゲンの超微粉末を含有する塗膜によつて被覆さ
れているという構成をとる。

〔作用〕

すなわち、このゴルフクラブ用シヤフトは、外周面が
天然コラーゲン、特に天然皮革の超微粉末が含有された
塗膜で被覆されている。したがつて、上記シヤフトの表
面に天然コラーゲンの超微粉末が分散するため、シヤフ
トの外周面がいわばバツクスキン調のレザーで被覆され
たようなソフトで高級感のある艶消し状態になる。ま
た、上記艶消し状態は、天然コラーゲンの超微粉末が含
有されて塗膜の表面に凹凸が形成されることにより形成
されているため、長期間持続する。さらに、上記シヤフ
トの塗膜は天然コラーゲンの超微粉末が含有されて強靱
であるため、他のゴルフクラブ等に接触等しても傷がつ
きにくい。そのうえ、天然コラーゲンの超微粉末は、吸
湿性およ放湿性に優れているため、上記シヤフトを手で
触れてもべたついたりせず、汚れが付着しにくいという
利点を奏する。

なお、この考案の天然コラーゲンは特に限定するもの
ではないが、天然皮革をミクロンオーダーに超微粉末化
したプロテインパウダーが最も好ましい。また、天然コ
ラーゲンは、天然コラーゲン繊維であつても差し支えな
い。

つぎに、この考案を実施例にもとづいて詳しく説明す
る。

〔実施例１〕 カーボン繊維をフイラメントワインデイング法により
太径部の直径が15mm、細径部の直径が8mmのテーパ状の
ゴルフクラブ用シヤフトを作製する。一方、第１図に示
すように、略中央に穴部１が穿設されたゴム板２で底部
が構成されたしご塗装用のタンク３内に、天然コラーゲ
ン（天然皮革）の超微粉末を分散させたウレタン樹脂塗
料４（出光石油化学社製、プロテインマテイロ）を充填
しておく。このしご塗装用タンク３の上方からシヤフト
５を、ゴム板２の穴部１にシヤフト５の細径部側が貫通
するように挿入し、細径部を下方に引つ張つてしご塗装
を行うことにより、膜厚30μｍの塗膜で外周が被覆され
たシヤフト５を得た。

このようにして得られたゴルフクラブ用シヤフトの構
造を第２図に示す。図において、５はカーボン繊維から
なるシヤフト、６は天然コラーゲンの超微粉末を分散さ
せたウレタン樹脂塗膜である。

このゴルフクラブ用シヤフトは、外周面が天然コラー
ゲンの超微粉末を含有したウレタン樹脂塗膜で被覆され
ているため、いわばバツクスキン調の極薄レザーを被覆
したようなソフトで高級感のある外観となる。また、上
記ゴルフクラブ用シヤフトの外周に形成された塗膜は、
天然コラーゲンの超微粉末とウレタン樹脂とが複合した
ものであるため、傷つき等が生じにくく、したがつて、
使用中におけるシヤフト折損等の事故も生じなくなる。

〔実施例２〕 カーボン繊維のプレプレグを用いてシートワインデイ
ングし、太径部の直径が15.5mm,細径部の直径が9.3mmの
テーパ状のゴルフクラブ用シヤフトを作成した。このシ
ヤフトの外周に、実施例１で用いた塗料を吹き付け塗装
することにより、膜厚40μｍの塗膜で被覆されたシヤフ
トを得た。

上記実施例で得られたゴルフクラブ用シヤフトは、実
施例１と同様の作用効果を奏する。

なお、上記ゴルフクラブ用シヤフトの外周に形成する
塗膜は、艶消し効果およびシヤフト外周の保護作用をも
たすために、通常20〜100μｍの膜厚に設定することが
好ましい。より好ましいのは、30〜50μｍの膜厚に設定
することである。また、上記ゴルフクラブ用シヤフトの
素材としては、ゴルフクラブとして適し、塗膜の密着性
がよいものであれば、特に、限定するものではないが、
カーボンが密着性およびシヤフトの機能性に優れている
ため好適である。また、塗膜形成樹脂材料は、ウレタン
樹脂に限定するものではなく、エポキシ樹脂等、他の樹
脂材料でも差し支えない。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案のゴルフクラブ用シヤフト
は、外周面が天然コラーゲンの超微粉末が含有された塗
膜で被覆されている。したがつて、シヤフトの表面が、
レザーで被覆されたような高級感のある艶消し状態とな
り、しかもその艶消し効果が長期間持続する。また、天
然コラーゲンの超微粉末が塗膜に分散しているため、手
で触れた感触がソフトになる。また、天然コラーゲンの
超微粉末は、吸湿性および放湿性に優れているため、こ
れを含有した塗料で上記シヤフトの外周に塗膜が形成さ
れているため、シヤフトを手で触れてもべたつかず、汚
れが付着しにくい。

【図面の簡単な説明】

第１図はしご塗装の説明図、第２図（ａ）はこの考案の
一実施例の横断面図、同図（ｂ）は上記実施例の縦断面
図である。 ５……シヤフト、６……塗膜

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ゴルフクラブ用シヤフトの外周面が、天然
   コラーゲンの超微粉末を含有する塗膜によつて被覆され
   ていることを特徴とするゴルフクラブ用シヤフト。