JP2509619B2 - 海藻健康育成物 - Google Patents

海藻健康育成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、海藻健康育成物に係り、特に海藻類に栄養
を与えて成長を促進させることのできる海藻健康育成物
に関する。
〔従来技術とその問題点〕
本発明の海藻健康育成物を投与する対象となる海藻類
の性質を、その一種である海苔について説明する。
海苔は養殖され、食用に供されている。
この海苔の養殖は、一般に、海苔網に海苔の胞子を植
え付ける種付けから始まり、芽長が10〜15mmの幼芽にな
るまでの育苗段階と、幼芽から摘採可能な成芽になるま
での育成段階とを経て、成芽を摘採することにより一番
芽の養殖が終了する。その後に、摘採後の成芽が伸びて
再び摘採することにより二番芽の養殖が終了する。以
後、この成芽の成長と摘採とが繰返えされる。
このようにして養殖された海苔の原藻から乾海苔を生
産するものであるが、良質の乾海苔を得るには良質な海
苔の原藻を育てる必要がある。
この良質な海苔の原藻として備えなければならない条
件としては、第1に総色素量が多くて色が濃いこと、第
2に肉質が軟質であること、第3に呈味成分が十分であ
ることが挙げられる。
更に、良質な乾海苔として備えなければならない条件
としては前記条件の他に、光沢に優れていることが挙げ
られる。
そして、良質な海苔の原藻を育てるには、養殖期間の
中でも初期の育苗段階で健全な幼芽を育てることが肝要
であるとされている。
しかしながら、今日では海苔の養殖漁場の貧栄養化に
伴なって、海苔の原藻および乾海苔の品質が低下する傾
向にある。
これは海苔の原藻の成長率が悪くなることが原因と考
えられる。
そのため、従来から各種の対策が行なわれているが、
それぞれ後述するような問題点があった。
例えば、育苗段階から育成段階において、海苔網糸、
幼芽、成芽に付着する珪藻類等を取除くために酸処理を
施している。すなわち、クエン酸、リンゴ酸、リン酸等
を用いて、溶液をpH1.5〜5.0の範囲の適正pHに設定し、
その溶液中に海苔網をどぶ付けしたり、その溶液を海苔
網に噴霧していた。
しかしながら、この酸処理は珪藻類や青さ等の除去に
は有効であるが、海苔の成長を促進させることはできな
かった。
また、前記酸処理と併用もしくは単独で施把を行なっ
ている。すなわち、海苔の原藻が必要とする栄養素を成
分中に含有した栄養剤を幼芽や成芽に投与している。こ
の栄養剤が含有する栄養素としては、窒素、リン、カリ
ウム、海苔の葉体の光合成促進物質である微量金属、各
種ビタミン、アミノ酸類等が挙げられる。
しかしながら、海苔の幼芽や成芽が前記栄養素を摂取
するには、少なくとも30〜60分もの間前記栄養剤と接触
している必要があるのに対し、施把作業の都合上、長時
間施把処理を施すことができない。なぜなら、施把作業
は海中に展張されている海苔網を締結部をほどいて船上
に上げ、船上にて栄養剤が添加されている溶液中に浸漬
させ、その後海苔網を海中に再設置するものであり、非
常に手間を要する作業であるから、多数の海苔網に対し
て限られた時間内に施把を行なうには、浸漬時間を短縮
するほかない。従って、従来の栄養剤を用いた施把処理
では十分な効果を得ることができず、換言すれば、速効
性の栄養剤が無かった。
〔発明の目的〕
本発明はこれらの点に鑑みてさなれたものであり、栄
養成分として海藻類によって速効的に吸収されて、海藻
類の成長を促進させることのできる海藻健康育成物を提
供することを目的とする。
〔発明の概要〕
本発明の海藻健康育成物は、ユリ科植物から抽出した
海藻類に栄養を与えて成長を促進させることのできる抽
出成分を有することを特徴とする。
〔発明の実施例〕
本発明は本発明者らの鋭意研究の結果、ユリ科植物か
らの抽出成分が海苔等の海藻類の健全な生育を促がすの
に極めて有効であることを究明することによって為され
たものである。
ユリ科植物としては、にんにく、玉ねぎ、ねぎ、にら
等がある。
これらのユリ科植物からの抽出成分としては、アリイ
ン、アリシン、ジアリルジサルファイド、ジアリルトリ
サルファイド、プロビルアリルジサルファイド、アルギ
ニン、フィチン、システイン、チオ乳酸やこれらの配糖
体のスコルチニン等があり、本明細書ではこれらを抽出
成分と総称する。
これらの抽出成分は海苔の葉体に速効的に吸収され、
その葉体成長を促進させる。また、配糖体である「スコ
ルチニン」は海苔の原藻を著しく成長促進させるもので
あった。
また、本発明の海藻健康育成物は、前記ユリ科の植物
からの抽出成分が通常は液体状にして得られるので、そ
の抽出成分を適当な溶液に添加して液体状としたり、抽
出成分中の水分を蒸発させて粉末状としたり、粉末を固
めて錠剤状としたりして用いるとよい。
次に、本発明の海藻健康育成物の作用効果を従来例と
比較した実験に基づいて説明する。
先ず、海苔の養殖の育苗段階に適用した場合における
幼芽の成長日数と色調について説明する。
(1) 育苗段階における幼芽の成長日数の実験 実験方法 海苔の胞子を海苔網に種付けした後、長さが10〜15mm
の幼芽が成長するまでの成長日数を、未処理の場合、本
発明の海藻健康育成物によって処理した場合および従来
の栄養剤によって処理した場合の3種類について、A,B,
Cの区域においてそれぞれ測定した。
なお、本発明の海藻健康育成物としては生にんにくを
ミンチ加工して微細なものとして得られた抽出成分(以
下、にんにくエキスという)を用いており、海水中に含
有させた容積割合を3%、1%、0.5%の3種類の液状
物を用いた。また、従来の栄養剤としては、アミノ酸、
各種ビタミン、窒素、リン、カリウムの混合物を用い
た。そして、本発明物および従来の栄養剤とも、種付け
した後5日目および10日目の2度に渡って、海苔網を干
出した時にそれぞれ液状物を噴霧処理した。
実験結果 それぞれの場合の幼芽の成長日数は表1の通りとなっ
た。
(2) 育苗段階における幼芽の色調 実験方法 未処理の場合、本発明に係るにんにくエキスを3%含
有させて処理した場合、このにんにくと栄養剤とを一緒
に処理した場合、栄養剤のみにより処理した場合の4種
類について、幼芽の色調をD区、E区について観察し
た。ただし、他の条件は前記(1)項の場合と前同様で
ある。
実験結果 それぞれの場合の幼芽の色調は、色調において低級品
の海苔として分類される赤目を×印、普通の海苔として
分類される普通目を○印、高級品の海苔として分類され
る黒目を◎印として、各実験区の結果を相対的に評価し
て表わすと、表2に示す通りとなった。
以上の実験より、にんにくエキスは幼芽の成長促進効
果があり、しかも海苔網へのにんにくエキスの処理が噴
霧処理という極めて短時間であるにもかかわらず十分な
成長促進効果があり、栄養成分が速効的に海苔に吸収さ
れていることが認められる。また、にんにくエキスと栄
養剤との混合物は幼芽の色調を黒くさせる効果を有する
ことが認められる。
次に、成芽を摘採した後に、本発明の海藻健康育成物
を適用した場合について説明する。
実験方法 A区およびB区において、それぞれ大きさが5尺×10
間の海苔網を冷凍出庫後1度摘採し、その摘採後の海苔
網を下記の4種類の供試物中に10分間浸漬し、再び海中
に張設し、1反の海苔網から摘採した海苔の原藻により
乾海苔を800枚程度生産することができるような葉体に
なるまで成芽を養殖し、その後、成芽を摘採し、ミンチ
加工を施し、抄製、脱水、乾燥を順に行って乾海苔を生
産する。そして、成芽が乾海苔800枚程度に相当するま
で成長する養殖日数と、得られた乾海苔の色調、光沢等
を計数して観察する。
各供試物の成分は次の通りである。
第1供試物は扶桑化学工業株式会社製の酸処理剤(W
クリーン100)を海水により100倍に希釈してpH2.1に調
整したもの。
第2供試物は第1供試物に3%のにんにくエキスを添
加してpH2.1に調整したもの。
第3供試物は第2供試物に従来のアミノ酸・ビタミン
類等の栄養剤を添加したもの。
第4供試物は第1供試物に前記栄養剤を添加したも
の。
実験結果 それぞれの場合の養殖日数および須賀式色計で計測し
た乾海苔の色調を表わすL値、a値および光沢は第3表
の通りである。
なお、L値とは乾海苔の色の濃さ、出来栄えを判断す
る尺度となり値が小さい程品質が高い。a値とは、値い
が小さい程黒目であることを表わす。そして、光沢は値
が大きい程良好であることを表わす。
以上の実験により、乾海苔の色調については、第1お
よび第4供試物のように酸処理剤のみおよび酸処理剤に
栄養剤を添加したものを用いた従来の処理方法より、本
発明に係るにんにくエキスをこれらに添加した第2およ
び第3供試物を用いて処理した方が、はるかに優れてい
ることが認められる。特に、第3供試物が最も有効であ
る。
また、摘採後の成芽の成長率については、本発明に係
るにんにくエキスを添加した第2および第3供試物が従
来例に比べてはるかに成長率が高いことが認められる。
また、本発明に係るにんにくエキスを添加した第2お
よび第3供試物を用いた場合には、成芽を何回摘採して
も海苔の原藻の柔かさ、色、光沢等の葉質が変化せず、
同一の海苔網を用いて多数回の摘採を行なうことがで
き、生産性が著しく向上する。これに対し、従来の処理
方法によれば摘採の回数が多くなるに従って、海苔の葉
質が劣化して行くものであった。
〔発明の効果〕
このように本発明の海藻健康育成物は、ユリ科植物か
らの抽出成分をもって海苔等の海藻類に栄養促進を施す
ものであるから、栄養成分として海苔等に速効的に吸収
され、これにより処理作業が従来に比べて極めて簡単と
なるとともに迅速処理を行なうことができ、海苔等は健
康を保持したまま高い成長率で成長し、その収穫率も大
きく向上されることとなり、常に高品質の海苔等を得る
ことができる等の効果を奏する。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ユリ科植物から抽出した海藻類に栄養を与
    えて成長を促進させることのできる抽出成分を有するこ
    とを特徴とする海藻健康育成物。
JP62117887A 1987-05-14 1987-05-14 海藻健康育成物 Expired - Lifetime JP2509619B2 (ja)

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