JP2509379C - - Google Patents

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JP2509379C
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、結合された研摩体の研削性能を高めるためシリカ発生物質を添加す
ることにより焼成前に改質される、ビトリファイド(ガラス)結合ゾルゲルアル
ミナ質焼結研摩体、すなわち研削砥石、セグメント砥石、手研ぎ用の砥石、その
他同種類のものに関する。 アルミナ質ゾルゲル研摩材粒子の表面をシリカ又はシリカ発生物質、例えばコ
ロイドシリカもしくは有機のケイ素含有化合物、例を挙げるとシリケート、シラ
ン、ケイ素エーテル、ケイ素エステル及びシリコーンの如きもの、で処理すると
、結果として得られるガラス質で結合された研摩材粒子の研削性能は大いに向上
する、ということが分った。これらの処理は、研摩材粒子から研摩材結合体が形
成される前に製造工程の間で実施される場合に効果的であることが分った。 〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕 本発明は、詳しく言えば、ゾルゲルアルミナ質研摩材粒子を用いて調製される
ビトリファイド結合研削砥石に関する。ビトリファイド結合研削砥石は、レジノ
イド結合砥石すなわちフェノールーアルデヒド結合砥石とは、ビトリファイド結
合研削砥石が粒子を結合するのにガラス相を使用し、従って実質的により高い温
度で処理される(樹脂結合砥石の場合には約400℃以下であるのに対しビトリ
ファイド砥石の場合には約800℃以上)という点で異なる。より高い製造温度
が使用されるため、ビトリファイド結合砥石は、レジノイド結合砥石が耐えるこ
とができるよりも高い使用温度に耐えることができる。同様に、焼結されたゾル
ゲルアルミナ質研摩材粒子は他のアルミナ質研摩材粒子すなわち溶融アルミナと
は性質が異なることが知られている、ということにも言及すべきである。米国特
許第4543107号明細書は、ゾルゲル粒子から製造されるビトリファイド砥
石は溶融アルミナ粒子から製造される同様の砥石よりも低い温度で処理されねば
ならない、ということを開示する。ゾルゲル粒子は一般に、申し分のない砥石を
得るためには、通常のビトリファイド結合剤については約1100℃以下、そし
てより粘性の高いアルミナ及びシリカ結合剤については約1220℃以下で処理
されねばならない。 ケイ素含有物質は、比較的低温で処理されるレジノイド結合砥石すなわちフェ
ノール−ホルムアルデヒドその他同様のもので結合された砥石について性質を改
良するために、研摩材粒子コーティングその他同様のものとして使われているが
、ビトリファイド結合砥石の場合には使用されていない。これは、ケイ素含有物
質は多くの物品の撥水性を改良することが知られており、そしてレジノイド結合
研削砥石は使用中に存在する冷却水の作用のために劣化を被ることが知られてい
るので、驚くべきことではない。レジノイド砥石のための研摩材粒子のケイ素処
理は、レジノイド結合研摩性物品を効果的に「防水性」にして、レジノイド結合
研摩性物品の有効寿命を通じて強度劣化を防止し且つ研削等級の維持を増加させ
る。ビトリファイド研摩材結合体は水による劣化に対し本来的に耐性があるので
、そのような処理は行なわれていない。更に、ビトリファイド結合体は成形のた
めに極端に高い温度にさらされるので、存在しているいずれの有機シランも温度 により破壊され、こうして結果として得られる研削砥石の性能に影響を及ぼさな
いことが予期されよう。通常の溶融アルミナ質粒子の場合には、シランの予期さ
れた分解は下記に示されるように起こらない。 また、ビトリファイド結合砥石は、以前から研削助剤としての溶融硫黄で含浸
されている。溶融硫黄は、砥石が焼成された後にその砥石に存在し、かくして砥
石を形成するために使用される個々のアルミナ粒子に作用することができない。 コットリンジャー(Cottringer)らの米国特許第4623364号明細書及び
1987年3月9日出願の係属中の米国特許出願第023346号明細書は、ア
ルミナ−水和物の結晶性α−アルミナへの転化を促進することが可能である結晶
性α−アルミナ又は他の物質を種として加えたアルミナ−水和物のゲルを加熱す
ることによる、研摩材粒子を含めた種々のセラミックス体の調製を記載する。そ
のような種入りのゾルゲルアルミナ研摩材粒子は、サブミクロンの大きさのα−
アルミナ結晶、高い硬度、そして、種を加える手順を使用しない米国特許第45
18397号明細書のライシーザー(Leitheiser)らの教示により製造されるゾ
ルゲル研摩材粒子よりも高い密度によって特徴づけられる。同じように、シュワ
ベル(Schwabel)の米国特許第4744802号明細書は、該形成剤がα−酸化
第二鉄である、緻密な高硬度ゾルゲル焼結アルミナ研摩材粒子を製造するための
、種入れ又は核形成法を記載する。 この出願及び開示される発明の目的上、「ゾルゲル焼結アルミナ研摩材」なる
用語は、米国特許第4518397号、同第4623364号及び同第4744
802号各明細書のいずれか一つの教示並びに当該技術分野で使用される他のゾ
ルゲル技術により製造された研摩材に対して適用しようとするものである。 〔課題を解決するための手段及び作用効果〕 単独の又は他の研摩材と組み合わせたアルミナ質ゾルゲル研摩材粒子の表面を
、これらの研摩材粒子を成形してガラス質で結合された研削体にする前にシリカ
又はシリカ発生物質で処理すると、そのような研削体の研削性能が有意に向上す
る、ということが見いだされた。この結果は、同じやり方でもって、通常の溶融
アルミナの研摩材すなわちゾルゲル技術によって調製されていないものを用いて
同じ処理を利用しようとする努力は、研削性能の上記の如き向上を示さないビト リファイド結合研摩体をもたらしたことから、とりわけ思いがけぬことである。 改良さた研削砥石を結果としてもたらすこの現象は、十分には理解されていな
いが、今のところは、ゾルゲル焼結アルミナ質研摩材の非常に微細な結晶の表面
の反応性が通常の溶融アルミナ研摩材のはるかにより大きな基本結晶のそれと比
べて増大していることに関係していると考えられる。 次に、本発明を詳しく説明する。 本発明のビトリファイド結合された研摩材結合体は、少なくとも一部分のもの
がシリカ又はシリカ発生物質で処理されているゾルゲルアルミナ質粒子とガラス
質結合剤とから構成される。 アルミナ質粒子は、微結晶性ベーマイトのような水和アルミナと水と硝酸のよ
うな酸とから調製された乾燥させたゲルを破砕及び焼成することを伴うゾルゲル
技術により調製される。最初のゾルは、10〜15重量%までのスピネル、ムラ
イト、二酸化マンガン、チタニア、マグネシア、セリア、ジルコニア粉末もしく
はもっと大量に例えば40%以上加えることのできるジルコニア前駆物質、ある
いは他の相溶性添加剤又はそれらの前駆物質を、更に含んでもよい、これらの添
加剤は、破砕靭性、硬さ、破砕性、破砕機構あるいは乾燥挙動といったような性
質を改変するために標準的に含まれる。最も好ましい態様においては、ゾル又は
ゲルは、焼結時の水和アルミナ粒子のα−アルミナへの転化を容易にするのに有
効な量の分散されたサブミクロンの結晶性の種物質又はそれの前駆物質を含む。
適当するそのような種は当該技術分野において周知である。種物質の量は水和ア
ルミナの約10重量%を超えるべきではなく、また約5%を上回る量には標準的
に利益がない。種が十分に細かい(好ましくは約60m2/g以上)である場合
、約0.5〜10%の量を使用することができ、約1〜5%がより好ましい。種
は、硝酸第二鉄溶液のような前駆物質の形で加えてもよい。一般には、種物質は
、α−アルミナと同形であり且つ同様の結晶格子寸法(約15%以内)を有する
べきであり、また、α−アルミナへの転化の起こる温度(約1000〜1100
℃)で乾燥したゲル中に存在すべきである。種入りのもの及び種の入っていない
ものの両方の適当なゲルの調製は、当該技術分野においては破砕及び焼成処理が
そうであるようによく知られており、それゆえにこれについてのより以上の詳細 は文献でもって容易に入手可能であり、ここには含めない。 このように調製された各アルミナ質粒子は、結晶の大きさが約10μm未満、
好ましくは約1μm未満である、多数の非多孔性α−アルミナ結晶から本質的に
構成される。この研摩材は、理論密度の少なくとも約95%の密度を有する。 アルミナ質粒子は、次いでシリカ又は、処理された粒子で作製された研摩材結
合体の焼成を行う間に粒子の表面でシリカを発生させるケイ素化合物で処理され
る。焼成前かあるいは焼成後に個々の研摩材粒子にシリカに富む表面をもらすい
ずれのケイ素含有化合物を、本発明で使用してもよい。ここで使用するのに適し
たケイ素化合物は、コロイドシリカをも、例えばシラン、シリケート、ケイ素エ
ーテル、ケイ素エステル及びシリコーンの如き有機のケイ素含有化合物をも包含
する。シリカに富む表面の特定の源が重要であることは見いだされていないが、
異なる源が研削性能に差異を生じさせることは分っており、これまでの最良の結
果はコロイドシリカを処理剤として使用した場合に観察されている。観測された
性能の違いは、特定のケイ素化合物の粒子表面への付着性の程度、あるいは使用
される特定の焼成条件下でのケイ素化合物のシリカへの転化の程度、あるいはシ
リカに富む層の厚さ、あるいはシリカの存在により研摩体に発生する圧縮の程度
に由来するものかもしれない。 好ましくは、ケイ素化合物はそれ自体がシリカであって、例えばフュームドシ
リカ、コロイドシリカもしくはシリカゲルであり、あるいは有機シラン、より好
ましくは、個々のゾルゲルアルミナ質粒子上により均一な被覆が生じるのを助け
る官能基を有するもの、であろう。そのような官能基の例には、アミノ基、ビニ
ル基、アクリロ基、メタクリロ基及びメルカプト基が含められる。これらの官能
基を含有しているシランは多数の商業的供給源より容易に入手可能である。フュ
ームドシリカの使用は、単独に使用しようとあるいはシランのようなシリカ発生
物質との混合物で使用しようと、とりわけ有利である。 ゾルゲルアルミナ質粒子のケイ素化合物での処理は、粒子を所望量のケイ素化
合物と均一に混合して均一性を保証するため十分に混ぜ合わせることによってた
やすく達成することができる。この処理は、粒子と結合剤とから所望の研摩材結
合体を作製する前に製造過程のいずれの点で実行してもよい。最も都合よくは、 ケイ素化合物を研摩材結合体の製造における第一の工程として混合しながら粒子
に加え、続いてビトリファイド結合剤への前記物質及びいずれかの他の所望の成
分を加えることであろう。あるいはまた、粒子は、ケイ素化合物と一緒に混合し
てケイ素化合物で前処理し、次いでこの処理された粒子を後に研摩材結合体の成
形に使用するため保管することができる。ケイ素化合物は一般にゾルゲルアルミ
ナ質粒子の表面を濡らすので、特定のケイ素化合物と通例的な混合を行う以上の
ことは必要ないことが分っている。 ここに示されるように、本発明の研摩材結合体は、少なくとも一部分のものが
説明されたように処理されているアルミナ質粒子と、ビトリファイド結合剤から
構成される。研摩材及び結合剤の具体的な量は、幅広く変えることができる。適
当な組成は、いずれも体積により表して、結合剤が約3〜76%、研摩材が約2
4〜62%、そして気孔が約0〜73%の範囲にわたることができる。好ましく
は、研摩材結合体は約3〜39%の結合剤、約30〜56%の研摩材、そして約
0〜67%の気孔を含む。中空のガラスビーズ、中実のガラスビーズ、発泡ガラ
ス粒子、バブルドアルミナの如き媒体その他同様のものを含めた通常の気孔を、
本発明の研摩材結合体に取入れて、それにより結合度と組織番号の変化に関する
自由度をより広くしてもよい。 本発明の研摩製品は、ビトリファイド結合剤で結合される。いずれの従来のビ
トリファイド結合剤組成物も、それが、非常に高いため結合剤とゾルゲルアルミ
ナ質粒子との間に有害な相互作用が起こる温度で成熟しないことを条件として、
本発明で使用することができる。一般には、比較的低い焼成温度すなわち約11
00℃未満の温度を必要とする結合剤が使用されよう。適当なビトリファイド結
合剤組成物、米国ペンシルベニア州ピッツバーグのO.ホメル(Hommel)・カン
パニーやその他から商業的に入手可能である。結合剤は、当該技術分野において
周知のように、約50体積%までの充填材又は研削助剤を含むことができる。ビ
トリファイド結合剤は、充填材の混入を受けることができるとは言え、そのよう
な結合剤を熟成させるのに高温が必要とされるため有用な物質をいくらか制限す
る。このように、適当な充填材には、特定のビトリファイド結合剤の熟成温度に
従って、藍晶石、ムライト、霞石閃長岩、グラファイト及び二硫化モリブデンの 如き物質が含まれる。 使用される実際の結合剤により主として決められる通常の条件で焼成後、ビト
リファイド結合体は通常のやり方でもって溶融硫黄のような研削助剤で又は、研
削助剤を砥石の気孔へ運ぶためエポキシ樹脂の如きビヒクルで、含浸して差支え
ない。 充填材及び研削助剤のほかに、研摩材結合体は全体の約1〜90体積%の量の
1種又は2種以上の別の研摩材を含むことができる。この別の研摩材は、例えば
その粒径がより細かい場合には充填材として、あるいはそれがより粗い場合には
補助的な又は副次的な研摩材として働くことができる。 一部の研摩用途においては、この別の研摩材は被覆されたゾルゲルアルミナ質
研摩粒子のための希釈剤として機能しよう。他の応用においては、この別の研摩
材は、ビトリファイド結合された製品の全体的な研削特性を、全体効率において
あるいは研削される材料に与えられる仕上げにおいて高めることもある。この別
の研摩材は、溶融アルミナ、共溶融アルミナージルコニア、焼結アルミナージル
コニア、炭化ケイ素、立方晶窒化ホウ素、ダイアモンド、フリント、ガーネット
、バブルドアルミナ、バブルドアルミナージルコニアその他同種類のものでよい
。 処理されたゾルゲル研摩材粒子及びこれらの粒子を含有しているビトリファイ
ド結合体は、一般には、次に掲げる例が示すように従来技術の未処理研摩材及び
結合体より優れている。これらの研摩体は、全種類の金属、例え挙げれば、ステ
ンレス鋼、鋳鋼、焼入れ工具鋼のような種々の鋼や鋳鉄、例えば可鍛鋳鉄、可鍛
鉄、球状黒鉛鋳鉄、チルド鋳鉄及びモジュラ鋳鉄の如きものや、クロム、チタン
及びアルミニウムのような金属を研削するのに適している。全ての研摩材及びそ
れらを含有しているビトリファイド結合体の場合のように、本発明の研摩材及び
結合体は一部の金属を研削するのに他のものよりも効果的で、且つ、一部の研削
用途において他のものにおけるよりも効率的であろう。利用される研摩材がここ
に記載された処理された研摩材である場合に、めざましい携帯用砥石、切断砥石
、精密研削砥石、セグメント砥石、トラック研削砥石及び工具研削砥石が得られ
る。 〔実施例〕 以下に掲げる限定しない例において、全ての部数及び百分率は別段の明示がな
い限りは重量によるものである。また、ここで使用される「研摩材粒子」なる用
語は研摩材の個々の粒子のことである。 例1 米国特許第4623364号明細書の教示に従ってANSIサイズ54の焼結
された種入りゾルゲルアルミナ研摩材粒子を製造し、そしてこれを使って米国特
許第4543107号明細書の教示に従う試験砥石を作製した。これらに記載さ
れた手順を、研摩材粒子をガラス質結合剤と混ぜ合わせる直前に1.5重量%の
特定のケイ素含有化合物、すなわち種々のシラン類又はコロイドシリカでそれぞ
れ処理したことを除いて利用した。 直径5インチ(127mm)そして厚さ0.5インチ(12.7mm)で1.25
インチ(31.75mm)の孔のある試験砥石を、それぞれ異なる研削試験用に作
製した。焼成後、各砥石の面の幅を試験前に0.25インチ(6.345mm)に
減少させた。各砥石の製造手順は次に述べるとおりであった。 砥石A(標準の砥石) 1000gの54グリットの種入りゾルゲル焼結アルミナ研摩材を秤量して混
合用ボウルに入れ、29ccの水で湿らせた。混合を続けながら、12gのデキス
トリン、次いで119.7gの、表1に組成が示される結合剤F、そして追加の
20gのデキストリンを加えた。最後のデキストリンを加えてから2分間混合後
に、この混合物をプレスして砥石にした。プレスされた各砥石は、重さが367
.9gであり、またプレスされ体積は168.05ccであった。 砥石B(Y9576(商標)処理) 1000gの54グリットの種入りゾルゲル焼結アルミナ研摩材を秤量して混
合用ボウルに入れ、そして、米国ニューヨーク州タリータウン(Tarrytown)の
ユニオン・カーバイド社より入手したフェニルアミノアルキルトリメトキシシラ
ンすなわちY9576(商標)有機官能性シラン15gで湿らせた。混合を続け
ながら、14ccの水、12gのデキストリン、119.7gの結合剤F及び追加
の20gのデキストリンを加えた。混合時間、プレスされた砥石の重量及び体積 は、砥石Aの場合と同じであった。 砥石C(A1102(商標)処理) 1000gの54グリットの種入りゾルゲル焼結アルミナ研摩材を秤量して混
合用ボウルに入れ、そして、A1102(商標)有機官能性シランとしてユニオ
ン・カーバイド社より入手したアミノシラン15gで湿らせた。混合を続けなが
ら、14ccの水、12gのデキストリン、119.7gの結合剤F、そして追加
の20gのデキストリンを加えた。混合時間、プレスされた砥石の重量及び体積
は、砥石Aと同じであった。 砥石D(Y9492(商標)処理) 1000gの54グリットの種入りゾルゲル焼結アルミナ研摩材を秤量して混
合用ボウルに入れ、そして、Y9492(商標)アミノ官能性シランとしてユニ
オン・カーバイド社より入手したアミノアルキルトリオキシジシラン15gで湿
らせた。混合を続けながら、50ccの水、12gのデキストリン、119.7g
の結合剤F、そして追加の20gのデキストリンを加えた。2分間混合後に、こ
の混合物をプレスして砥石にした。各砥石の重量はプレスしたままで378 8
gあり、またプレスされた体積は168.05ccであった。 砥石E(コロイドシリカ処理) 1000gの54グリットの種入りゾルゲル焼結アルミナ研摩材を秤量して混
合用ボウルに入れ、そして、ラドックス(Ludox)AS−40(商標)とし
て米国デラウェア州ウィルミントン(Wilmington)のE.I.デュポン社より入手し
たコロイドシリカ15gで湿らせた。混合を続けながら、14ccの水、12gの
デキストリン、119.7gの結合剤F、そして追加の20gのデキストリンを
加えた。2分間混合後、この混合部物をプレスして、砥石Aと同じプレスされた
重量及び体積を有する砥石にした。 結合剤F、すなわち試験砥石の全部において使用されたがらす質結合剤の組成
を、表1に示す。この結合剤はフリット処理された結合剤であるから、その未焼
成の組成と焼成された組成とは同一である。 砥石A〜Eをそれぞれ風乾させ、そして空気中で43時間900℃で焼成し、
次いでこの温度で16時間均熱してから室温まで冷却させた。焼成後、砥石を面
の幅を0.25インチ(6.35mm)に減少させてスロット研削試験用に調製し
た。 乾式スロット研削試験を、スロットの長さ16インチ(40.64cm)のRc
60に焼入れされたD3工具鋼により行った。試験は、砥石速度を6500sfpm
(33.02smps)に設定しそしてテーブル速度を50fpm(0.254mps)に
設定したBrown and Sharpe平面研削盤を使って行った。また、試験は、3種類の
ダウンフィード、すなわち2重の通過当り0.5,1、及び1,5ミル(0.0
127,0.0254、及び0.0381mm)で実行し、全部が合計して100
ミル(2.54mm)に達したが、但し1.5ミルのダウンフィードでは100.
5ミル(2.667mm)に達した。各切込み速度で、砥石の摩耗、金属の除去量
、及び動力を測定した。試験結果を表2に示す。 砥石の摩耗単位体積当りの除去された金属の体積の尺度としての研削比(S/
W)は、砥石を交換しなくてはならなくなる前の金属の全除去量を決定するので
、研削砥石の性能の尺度のうちの一つである。研削砥石の有用性のもう一つの、
更にもっと重要な尺度は、砥石が除去することのできる金属の量ばかりでなくそ
れがそうする速度をも考慮する特性(Quality)の尺度(S2/W)であ
る。表2のデータより、研削比も特性も、試験されたシリカを発生する砥石処理
の全部により著しく改良されたことが明らかである。これは、砥石の実際の使用
条件により近い、より早い切込み速度の場合に特にそのとおりである。最も激し い切込み速度において、砥石E(コロイドシリカで処理された)は、未処理の砥
石Aよりも156%大きな研削比及び158%大きな特性を示した。同じように
、砥石D(Y9492シランで処理された)は、111%大きい研削比及び11
2%大きい特性を示した。 例2 例1におけるように調整された砥石を、水道水で1:40に希釈した、米国マ
サチューセッツ州ウースターのWhite & Bagley社より入手した水性研削液E55
(商標)を使用する研削試験でもって更に評価した。試験は、8500sfpm(4
3.2smps)に設定した砥石速度でRc55に焼入れした4340鋼により行っ
た。そのほかの試験条件は、1.5ミルの送り量では行わなかったことを除いて
例1におけるとおりであった。この湿式研削試験の結果を表3に示す。 ここでも、研削性能の実質的な向上が試験された処理の全部について起こった
。砥石D及びEは再び最良の結果を示した。0.5ミルのダウンフィード時の砥 石Dは、研削比の166%の向上及び特性の145%の向上を示した。そのほか
の処理された砥石については、研削比の向上は砥石Bの場合の31%から砥石E
の場合の121%までの範囲にわたる一方、特性の向上は砥石Cの場合の11%
から砥石Eの場合の70%までの範囲にわたった。 例3 更に別の一連の試験砥石を、例1の砥石Bでは1.5%の量で使用したシラン
Y9576(商標)の量を増減させて作製した。すなわち、0.5%、1.0%
及び2%のシランY9576を使って三つの追加の試験砥石F,G及びHをそれ
ぞれ作製した。製造手順は、1000gの研摩材粒子当りそれぞれ5g、10g
及び20gのY9576シランを使用したことを除き、砥石Bのそれと同じであ
った。砥石F,G及びHは、砥石A(0% Y9576)及び砥石B(1.5%
Y9576)と一緒に、シランの量が増加するのを評価した一連の砥石を構成
する。例1及び例2におけるのと同じ研削試験法、すなわち焼入れされたD3工
具鋼による乾式研削試験法及び4340鋼による湿式研削試験法を使用した。乾
式研削試験の結果を表4に、また湿式研削試験の結果を表5に示す。 この特定のシラン処理についての表4の乾式研削試験結果は、シランの量を増
加させて0.5%より多くすると性能が向上し、また1.5%は2.0%とほぼ
同じ程度に効果的であった、ということを示す。表5の湿式研削試験結果は、0
.5%のY9576が少ししか効果がないという点で同様であった。この湿式研
削試験では、1.5%がこのシランについての最適量に相当するようである一方
で、1.0%のシラン量も2.0%のシラン量も極めて同じような性能を示した
。 比較例A 例1及び2手順を、ゾルゲルアルミナ粒子をいくつかの比較的大きなすなわち
約50〜100μmの結晶を有し該ゾルゲルアルミナ粒子と同様の高純度の溶融
アルミナ研摩材と取替えたことを除いて、繰り返した。こうして、研削砥石J及
びKを例1におけるように調製した。砥石Jは、ケイ素処理された粒子を含有し
ないという点で砥石Aと同様であり、そして砥石Kは、Y9576有機官能性シ ランとしてユニオン・カーバイド社より入手したフェニルアミノアルキルトリメ
トキシシラン1.5%をそのほかの砥石構成成分を加える前に研摩材粒子に混ぜ
入れたという点で砥石Bと同様であった。 これらの二つの砥石を、乾式及び湿式の両方の研削条件下で例1及び2におけ
るのと同じ材料により評価した。乾式研削試験の結果を表Aに、そして湿式研削
試験の結果を表Bに示す。 表A及びBの両方における未処理の試料とシランで処理された試料との間の結
果の類似から容易に分るように、シラン処理は溶融アルミナ研摩材粒子の研削性
能を変化させなかった。 ゾルゲルアルミナ研摩材の表面をシリカで富ませるここで直接言及された手段
以外の手段は当業者にとっては明らかであろうということ、そしてこれらの他の
手段は本発明の範囲内にあるものと考えられるということを理解すべきである。 例4 それぞれが5×1/2×7/8インチ(127×12.7×22.225mm)
の寸法の二組の砥石を調製した。両方の組とも、80グリットの種入りソルゲル
アルミナを使い、そしてこれらは下記に示すのを除いて例1(砥石A)において
説明した一般的技術により調製された。 これらの二組の砥石で使用された粒子は別々に調製された。一方のバッチは未
処理であり、それに対して他方は、1200gのアルミナ粒子、6gの脱イオン
水、23.4gの動物性にかわ系水性結合剤、そしてキャボット(Cabot)・コ
ーポレーションよりC8549の呼称で入手可能なCabo−Silフュームド
シリカ4.92gを一緒に混ぜ合わせてフュームドシリカで処理された。後者の
処理によって、砥石におけるシリカの量は約0.41重量%になった。両方のバ
ッチとも174.96gの結合剤F(例1より)と混ぜ合わせ、そして乾燥及び
焼成を行って砥石を作製した。 フュームドシリカで処理された粒子から作製された砥石は、未処理の粒子から
作製された砥石と同様の物理的性質を、それらが有意により小さいサンドブラス
ト貫入値を有する(3.63であるのに対して3.08)ことを除いて、持って
いた。 湿式の外部プランジ研削試験でもってRc60〜62に焼入れされた5210
0鋼による評価を、5%のW.S.オイルを研削液として使いそして8500sf
pm(43.2smps)の砥石速度を使用して行ったところ、表6に示された結果が
得られた。 上記の結果から分るように、フュームドシリカによる処理は、より少ない動力
を消費しながら研削比を有意に向上させた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 (i)シリカに富む表面を有するゾルゲル焼結アルミナ質研摩
    材粒子及び(ii)ビトリファイド結合剤を含んでなる研摩材結合体。 【請求項2】 前記ゾルゲル焼結アルミナ質研摩材粒子が種入りのゾルゲル焼
    結アルミナ質研摩材粒子である、請求項1記載の研摩材結合体。 【請求項3】 前記ゾルゲル焼結アルミナ質研摩材粒子が理論密度の少なくと
    も95%の密度を有し、且つ、ジルコニア、チタニア、マグネシア、セリア、ス
    ピネル、ハフニア、ムライト、二酸化マンガン、これらの酸化物の前駆物質、及
    びそれらの混合物からなる群より選択された50重量%までの酸化物を含む、請
    求項1記載の研摩材結合体。 【請求項4】 24〜62体積%の研摩材、3〜76体積%の結合剤及び0〜
    73体積%の気孔から本質的になる、請求項1記載の研摩材結合体。 【請求項5】 30〜60体積%の研摩材、3〜40体積%の結合剤及び0〜
    67体積%の気孔から本質的になる、請求項1記載の研摩材結合体。 【請求項6】 溶融アルミナ、共溶融アルミナ−ジルコニア、焼結アルミナ−
    ジルコニア、炭化ケイ素、立方晶窒化ホウ素、ダイアモンド、フリント、ガーネ
    ット、バブルドアルミナ、バブルドアルミナージルコニア、及びそれらの混合物
    から本質的になる群より選択された2体積%から90体積%までの別の研摩材を
    更に含む、請求項1記載の研摩材結合体。 【請求項7】 前記ビトリファイド結合剤が30体積%までの充填材を含む、
    請求項1記載の研摩材結合体。 【請求項8】 前記充填材が藍晶石、ムライト、霞石閃長岩、グラファイト、
    二硫化モリブデン及びそれらの混合物から本質的になる群より選択される、請求
    項7記載の研摩材結合体。 【請求項9】 当該研摩材結合体が、工具を研ぐ砥石、精密研削砥石、クリー
    プ送り砥石、切断砥石又は携帯用砥石である、請求項1記載の研摩材結合体。 【請求項10】 焼結されたゾルゲルアルミナ質研摩材粒子をケイ素化合物で
    被覆し、そしてこれらの被覆粒子を、該ケイ素化合物をシリカに変え且つこのシ
    リカを表面に固定するのに十分な温度で且つ十分な時間熱処理することを含む、
    シリカに富む表面を有しビトリファイド結合剤で結合して使用される焼結ゾルゲ
    ルアルミナ質研摩材粒子の製造方法。 【請求項11】 前記ケイ素化合物がシラン、シリケート、ケイ素エーテル、
    ケイ素エステル及びシリコーンから本質的になる群より選択された有機のケイ素
    含有化合物である、請求項10記載の方法。 【請求項12】 前記粒子が0.5〜3重量%のケイ素化合物で被覆される、
    請求項10記載の方法。 【請求項13】 前記ケイ素化合物がアミノ基、ビニル基、アクリロ基、メタ
    クリロ基及びメルカプト基からなる群より選択された少なくとも一つの官能基を
    含有している、請求項10記載の方法。 【請求項14】 焼結されたゾルゲルアルミナ質研摩材粒子をシリカ物質で被
    覆し、そしてこれらの被覆粒子を、該シリカを表面に固定するのに十分な温度で
    且つ十分な時間熱処理することを含む、シリカに富む表面を有しビトリファイド
    結合剤で結合して使用される焼結ゾルゲルアルミナ質研摩材粒子の製造方法。 【請求項15】 前記シリカがコロイドシリカ及びシリカゲルからなる群より
    選択される、請求項14記載の方法。 【請求項16】 前記粒子が0.5〜3重量%のシリカで被覆される、請求項
    14記載の方法。 【請求項17】 研摩材結合体を調製するために使用される個々の焼結ゾルゲ
    ルアルミナ質研摩材粒子を0.5〜3重量%のケイ素化合物で被覆し、そしてこ
    れらの被覆粒子を、シリカ被覆を該粒子の表面に固定しそしてシリカに富む表面
    を生じさせるのに十分な温度で且つ十分な時間熱処理することを含む、ビトリフ
    ァイド結合された焼結ゾルゲルアルミナ研摩材結合体の研削性能を向上させる方
    法。 【請求項18】 前記ケイ素化合物がコロイドシリカ及びシリカゲルから本質
    的になる群より選択される、請求項17記載の方法。 【請求項19】 前記ケイ素化合物がシラン、シリケート、ケイ素エーテル、
    ケイ素エステル及びシリコーンから本質的になる群より選択される、請求項17
    記載の方法。 【請求項20】 前記ケイ素化合物がシランである、請求項17記載の方法。 【請求項21】 前記シランが個々のゾルゲルアルミナ質粒子上に均一な被覆
    を生じさせるのを助ける1又は2以上の官能基を有する、請求項20記載の方法
    。 【請求項22】 前記官能基がアミノ基、ビニル基、アクリロ基、メタクリロ
    基及びメルカプト基から本質的になる群より選択される、請求項21記載の方法
    。 【請求項23】 前記シランがアミノシランである、請求項20記載の方法。 【請求項24】 前記アミノシランがアミノアルキルトリオキシジシランであ
    る、請求項23記載の方法。 【請求項25】 前記ゾルゲル焼結アルミナ質研摩材粒子が種入りのゾルゲル
    焼結アルミナ質研摩材粒子である、請求項17記載の方法。

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