JP2643401C - - Google Patents

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JP2643401C
JP2643401C JP2643401C JP 2643401 C JP2643401 C JP 2643401C JP 2643401 C JP2643401 C JP 2643401C
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ノートン カンパニー
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【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、寸法等級を調整され、ほぼ離散状態の研磨砥粒と、ガラス、硬化し
た樹脂、または金属のような異種の連続状結合剤とが混合して成る結合型研磨工
具、特に研磨ホイールに関する。研磨砥粒としては、ダイアモンド、立方晶ほう
化窒素(CBN)等のような、「超研磨剤」として知られているものもある。ダイア
モンドおよび CBNは単結晶または多結晶である。超研磨剤は、アルミナ、ジルコ
ニア−アルミナ、および炭化けい素のような通常の研磨剤よりもかなり硬くかつ
高価である。 背景技術 超研磨剤は一般的に通常の研磨剤に比べて単位体積当り約1000倍のコストがか
かるにもかかわらず、工具鋼のような種類の材料の研磨におけるコスト効果が小
さい。超研磨材料は主として約 100〜400 の砥粒サイズで用いられる。従来、一
般的に、超研磨剤を含有する研磨ホイール中にある程度気孔が存在した方が普通
は望ましいが、超研磨剤砥粒を含有する工具の総合的研磨性能は工具中の超研磨
剤の体積率と密接な関係があることが見出されている。従来、研磨工具中には通
常の研磨剤と一緒に超研磨剤が用いられているが研磨工具を工具鋼のような硬い
被加工物に用いた場合、研磨工具中の通常研磨剤は基本的に一種の充填材として
機能し、切削工具総寿命に対する研磨剤としてはほとんど貢献しない。たとえば
、Makhloufらの米国特許4,652,277(1987.3.24.発行)は、リム(周縁)領域
のみに CBNを含有する研磨ホイールに炭化けい素とアルミナを用いて、リム領域
とコア(芯部)領域の熱膨張係数をできるだけ近ずけるようにすることを教示し
ているが、これら通常の研磨剤が研磨ホイールの切削性能に研磨剤として直接貢
献しているという示唆はない。 発明の開示 所定体積率の超研磨剤を含有する結合型研磨工具の研磨有効性は、焼結した特
定のタイプのアルミニウム質研磨砥粒を超研磨剤と一緒に用いることによって多
くの用途でかなり向上できることを見出した。本発明に適したアルミニウム質研
磨砥粒を、本明細書中では「微結晶アルミナ」または「 MCA」と呼称する。これ
らの研磨剤は、たとえば米国特許 4,623,364および同 4,314,827に記載されたゾ
ル・ゲル法によって製造できる。これのうちより望ましい方法は、極めて微細な
「種」をゾルに添加する前者の方法である。その際、種材料の量は最終製品中の
アルミナ総量の5wt%未満であり、2wt%以下が望ましい。種の添加によって、
種添加しない米国特許 4,314,827の方法よりも極めて微細な結晶組織が得られ、
種添加による生成物から製造される研磨砥粒は密度が高くかつ硬さが高い。研磨
ホイール中の MCA配合量は、最高約 47vol%から最低約 10vol%である。もちろ
ん、存在する MCAの量が多いほどコスト低減が大きくなる。 本発明に用いる微結晶アルミナの望ましい特徴は、従来の方法で調整した断面
を光学顕微鏡あるいは電子顕微鏡によって倍率 5,000〜20,000で観察したときに
認められるミクロ組織において、主としてアルファ・アルミナまたはアルミン酸
マグネシウムのようなアルミニウム・スピネルの非常に微細な結晶が緻密に充填
された状態になっていることである。主要な微結晶は最大寸法が約1μm以下、
望ましくは約 0.7μm以下、更に望ましくは約 0.3μm以下である。主要な微結
晶には倍率約5000倍でほとんどあるいは全くファセッティングは認められず、ほ
ぼ等軸晶であって、アスペクト比2を超えるものはなく、普通は 1.5未満である
。 上記の主要なタイムの微結晶の他に、本発明に用いるための MCAは、主要な微
結晶の幾つかが成長して形成されたと考えられるラス形粗大アルミナ結晶、また
は結晶粒界の不明瞭なスピネル・マトリックスのような、他の物質を約 40vol%
まで含有できる。 本発明に用いる MCA研磨砥粒は、密度が化学分析による理論密度の90%以上、
望ましくは95%以上であり、硬さが 16GPa以上、望ましくは 18GPa以上、更に望
ましくは 19GPa以上である。 発明を実施するための最良の形態 本発明に用いる MCAは種々の方法で製造することが可能であり、米国特許 4,6
23,364、同 4,314,827、および同 4,744,802の方法が望ましい。これらのうち第
一および第三の特許による砥粒製造方法では、ベーマイトのような水和物状のア
ルミナを含有し、この含有アルミナの一部とスピネルを形成し得るマグネシアの
ような物質を任意に含有したゾルまたはゲルに、非常に微細な結晶質の種粒子を
混合した後、種添加したゾルまたはゲルを乾燥させ、乾燥した種添加ゲルを適当
な温度で適当な時間加熱して所要のミクロ組織にする。研磨砥粒のミクロ組織は
非セル状であることが望ましい。研磨砥粒の分粒処理は最終の加熱工程の前また
は後に行なうことができるが、加熱前の方が容易であるため望ましい。 種物質としては、米国特許 4,623,364が教示するアルファ・アルミナがあるが
、これの代りに酸化第二鉄のように種として有効であればどのような物質を用い
てもよく、また水和アルミナのゾルまたはゲルの任意の形で種添加してもよいが
、ゾルおよびCottringerの教示する種が一般的に望ましい。Cottringerの教示す
る望ましい物質を用いた場合、種はできる限り微細であることが望ましく、種の
総量は最終生成物中のアルミナ総重量の5%以下、更に望ましは2%以下である
。 微結晶アルミニウム質砥粒と超研磨砥粒とを本発明にしたがって一緒に用い、
以下結合型研磨工具の従来技術にしたがって、これらを従来の結合剤(任意にポ
ロシティー形成剤を含む)と混合し、適当な形状に加圧形成し、そして加熱する
ことによって、全体としてほぼ均一な組成の研磨工具を形成する。結合剤として
は、ガラス、ガラス化物、レジノイド、または金属を用いることができ、また金
属を充填したレジノイド結合剤および樹脂を含浸したガラス化物結合剤のような
混成結合剤を用いることもできる。本発明では、活性または不活性の全ての公知
の充填剤、たとえばテフロン、グラファイト、銀あるいは硫酸カリウム、氷晶石
、カヤナイト等を超研磨ホイール中に用いることができる。また、本発明の特徴
である混合砥粒を研磨ホイールの外周部で濃密化させることができる。そのため
に、たとえば支持体表面に電気メッキで付着させた金属中に砥粒を嵌入させたり
、あるいはろう付タイプの合金の周囲に混合砥粒を置いた状態で真空炉内でこの 合金を軟化または溶融させて、砥粒を合金中に十分沈め、工具の冷却後に砥粒が
保持されるようにしたりする。これも本発明を用いるために採用される従来の生
産技術であり、一般的に、従来知られかつ実質的に超研磨砥粒を用いたどのよう
な従来のタイプまたは形状の結合型研磨工具をも、超研磨砥粒の一部を本発明に
したがった微結晶アルミニウム質砥粒に置き代えることによって(それ以外は従
来の方法を用いて)、有利に製造することができる。 以下、限定しない実施例によって本発明を更に詳しく説明する。 実施例 実施例1〜5および比較例C1〜C6 これらの例では、第1表に示した組成の特定タイプのガラス化物結合剤を用い
て製造した研磨ホイールについて説明する。 これらの成分を混合し加圧成形してホイールの形状にした成形体を、キルン内
で60℃/時間の昇温速度で1100℃まで加熱して1100℃で6時間保持した後加熱を
停止し、キルンを閉じた状態で室温まで放冷した。3種類の研磨粒子を用いた。
これらは、それぞれ、ジェネラルエレクトリック社製の従来の単結晶CBN(第2表
中「 CBN」で表記)、ノートン社(マサチューセッツ州ウォーセスター)製の微
結晶アルミニウム質研磨剤SG(第2表中「 MCA」で表記)、およびノートン社(
マサチューセッツ州ウォーセスター)製の高純度溶融アルミナ研磨剤32A(第2
表中「32A」で表記)である。用いた研磨剤は全てANSIの標準で粒度 150〜粒度
180の等級であった。本実施例および本比較例として製造した研磨ホイールは、
外径:約19mm、取付用中心孔の径:約6.35mm、厚さ:約15.9mmであった。各ホイ
ールの組成を第2表に示す。 * 結合剤中に従来のムライト充填剤を使用。 第2表に示した組成の研磨ホイールを用いて、外径:約70mm、中心孔の径:約
25.4mm、厚さ:約 9.5mmの円板状被加工物の研磨試験を行なった。ここで「ID研
磨」と略称するタイプの試験は、上記円板の内径を研磨する試験であり、ホイー
ルを外周速度10,000ft/分で動かし、1分間当りに除去される金属の量で表わし
た研磨速度を(研磨ホイールは摩耗しないと仮定して)2.46cm3/分(「低」)と
5.74cm3/分(「高」)の2水準で行なった。研磨試験中周期的に、回転式ダイ
アモンド工具によって従来の方法で研磨ホイールのドレッシングを行なった。研
磨中従来の油(White and Bagley type 1572)を均等に流して、研磨ホイールと
被加工物とを冷却し、研磨ホイールの動力源としては従来の研磨機(Bryant Mod
el 263)を用いた。AISI 52100工具鋼(硬さ HR C 60に調質)で作った被加工物
を用いた場合の研磨試験の結果を第3表に示す。「G比」とは、研磨によって除
去された金属の体積を、同量の研磨による研磨ホイールの摩耗体積で除した値で ある。相対G比および相対投入動力の数値は、ホイールC1の値を 100とし、他
のホイールの値をこれに対応させて算出した値である。 上記の結果から、微結晶アルミニウム質研磨剤に CBNをほんの6%混合したホ イールタイプ2が、高価な CBN粒子を10倍以上の量で含んだ従来タイプC5と同
等のG比および投入動力であり、他のどのホイールよりもG比がかなり高く、か
つG比の利点を損うような多量の投入動力を必要とせずにこのG比が得られてい
ることが分かる。低研磨速度では、ホイールタイプ3は CBN量が37.5%未満の他
のどのホイールよりもG比が高く、余分な投入動力を必要としないから、大きな
経済的利点がある。ほんの3%の CBNでも、試験した CBNなしのホイールよりも
ホイール性能はかなり向上する。 比較例C7A〜C9A 特に表としては掲げていないが、 MCA砥粒の代りに32A砥粒を用いた他はそれ
ぞれ実施例1,2、および3と同様に作り、試験した。これらのホイールは、タ
イプ1,2、および3の10分の1未満の研磨効率であった。 実施例6および比較例C7〜C9 研磨ホイールタイプ6はタイプ3と同一組成で作ったが、成形後の最高加熱温
度を1100℃でなく 930℃にした。比較例C7は CBN 25vol%、ポロシティー体積
25%、粒度 150の溶融アルミナ 23vol%として作り、最高温度 930℃に加熱した
他はタイプ4と同じである。比較例C8およびC9は、 CBN研磨剤の代りに全て
MCA研磨剤(C8)または全て32A研磨剤(C9)を用いた他はC7と同様であ
る。これら4種類の組成で、それぞれ外径研磨用の直径 127mmの研磨ホイールと
内径研磨用の直径76.2mmの研磨ホイールを作った。研磨試験の条件は前述の実施
例・比較例と同様であるが、ただし、被加工物としてはAISI 52100の他にインコ
ネル 781および AISI M7工具鋼を用い、外径および内径について種々の研磨速度
で研磨した。上記試験の代表的な結果を、油(White and Bagley 1572)中で研磨
した場合について第4表に、水と水溶性油との混合液中で研磨した場合について
第5表に示す。 (注)研磨速度=相対金属除去速度。 一般的に第4表および第5表に示したタイプの試験では研磨速度(金属除去速
度)が大きくなるほどG比が小さくなる。これらの表中で金属除去速度および対
応するG比の範囲を決めれば、G比が最大のときに金属除去速度は最小になる。
G比の範囲のみを決めると、実績データは極めて大きく変動する。この変動は試
験される金属の損失あるいはその他の未知の要因と考えられる。 第4表の結果から、本発明にしたがったホイールは、52100の外径研磨につい
て高価な超研磨剤の3タイプのホイールとほぼ同等の性能であり、インコネルの
外径研磨以外の全ての試験について高濃度の超研磨剤ホイールにくらべて経済的
に有利であることがわかる。本発明にしたがったホイールは、超研磨剤を用いな
い従来ホイールよりも著しく優れている。 (注)研磨速度=相対金属除去速度。 第5表の結果から、本発明にしたがった研磨ホイールの相対性能は水溶性油冷
却時には油冷却時ほど良好でないことが分かる。しかし、本発明にしたがったホ
イールは超研磨剤を用いないホイールにくらべて経済的に有利なことは確かであ
る。 実施例7〜8および比較例C10〜C11 これらの例では、外周に砥粒濃度の高い層を基本的に一層設けた研磨工具に本
発明を適用した場合について説明する。その場合、結合剤としてろう付合金を用
い、以下のようにして付着させた。 1)プレフォーム(予備成形体)一典型的には鋼製−を清浄し、サンドブラスト
処理する。 2)プレフォームにろう付ペーストを塗布する。ろう付ペースト塗布層の厚さは
、砥粒寸法、濃度、砥粒露出量に応じて決める。 3)ろう付ペースト層上に研磨剤粒子を散布する。 4)真空炉(真空度1×10-4torr以上)に装入する。 5)用いたろう付ペーストに応じたろう付温度に加熱する。 6)真空を維持した状態で冷却する。 後は外観上の仕上げをすれば完了である。 用いたろう付ペーストは、セラミック、ダイアモンド、 CBN等のような濡れ性
の悪い材料の接合用に改良された市販の AWS BVAg-8b合金である。 本実施例・比較例の研磨工具は全て、有効外周層中の砥粒体積率を等しくした
。砥粒の種類は、タイプC10については全量 CBN、タイプC11については半量 C
BNで半量38A、タイプ7については半量 CBNで半量 MCA、タイプ8については3
/4量 CBNで1/4量 MCAとした。SG/CBN 試験で用いた研磨剤の濃度は 100%
と表現する。これは、散布によって到達し得る最高密度の意味である。これは具
体的には研磨部分表面積の約75%が研磨剤で覆われていることであり、粒度80の
場合にはほぼ 1.4ct/in2である。 本実施例・比較例で作製した研磨ホイールは、既に説明した実施例・比較例の
研磨ホイールよりくらべて、仕上後の工具表面から砥粒がかなり突き出ている。
そのため、このタイプのホイールは初期の切削が急速に進行し、初期工具摩耗が
急速に起こるので、研磨工具の損失体積を正確に測定することは極めて困難であ
る。したがって、本実施例・比較例については性能測定方法を変えた。すなわち
、損失体積の代りにホイール半径の変化を測定した。除去された金属の体積は前
出の実施例・比較例同様に測定した。代表的な試験条件についての結果を第6表
に示す。 第6表から、タイプ7とタイプC10とはほぼ同性能であり、他はこれらより劣
ることが分かる。タイプ7はタイプC10の半分しか超研磨剤を用いないので、タ
イプ7の経済性が明らかに優れている。 実施例9および比較例C12 この例では、レジノイド結合剤を用いて乾式研磨を行なった場合について本発
明を説明する。比較例C12はニッケル被覆した CBN砥粒を 25vol%用いており(
以下「被覆したボラゾン」を「CB」と表示する)、実施例9は同一量の CBNに加
えて粒度 100の MCAを 4.75vol%を用いてある。これらのホイールの加熱前(グ
リーン状態)結合剤の組成は下記のとおりであった。 CBN+研磨コーティング+ヘキサフルオロけん酸ナトリウム … 47.0vol% ロングフローフェノール樹脂+石灰 … 36.7vol% 液状フルフラル … 2.3vol% 片状銀 … 14.0vol% 研磨砥粒と結合剤を結合型研磨工具を生産するための従来方法で混合した後、
鋼製金型に入れ、温度約 160℃、圧力約 40MPa、時間約30分で成形して最終的な
研磨ホイールを作製した。 これらの研磨ホイールについて、外周速度3600ft/分で、第7表に示した4種
類の研磨代で、被加工物として AISI M2鋼(硬さ HR C 60に調質)を用いて研磨
試験を行なった。 これら2タイプの相対G比は相対投入動力よりも常に大きいので、本発明にし
たがった研磨ホイールは実用上有利であり、その傾向は研磨代が大きくなるほど
著しい。 実施例10〜11 これらの例では本発明の研磨ホイールの性能に対する、ガラス化した結合剤の
使用の著しい効果について説明する。 ガラス化した結合剤を用いた、直径 127mm、厚さ16mm、中心孔直径22mmの研磨
ホイールを従来の方法で作製した。1組の研磨ホイール(「タイプ10」と呼称す
る)を市販のフリットType 3GF 259A(0.Hommel社製(ピッツバーグ,ペンシルベ
ニア州))で結合してから 900℃で焼成して結合剤を硬化させた。もう1組のホイ
ール(「タイプ11」と呼称する)を市販の結合剤HA4(ノートン社製(ウォーセ
スター,マサチューセッツ州)で結合してからやはり 900℃で焼成した。これら
のホイールは、ダイアモンドまたは CBNを研磨剤として用いる多くの研磨処理に
広く用いられているストレートリムタイプのホイールである。リムすなわち研磨
領域は下記の混合組成であり、仕上り状態の体積パーセントも併記してあるとお
りである。 ホイールのコアの混合組成および仕上り状態の体積率は下記のとおりであった
作製した研磨ホイールについて、水と水溶性油を10:1の比で混合した冷却剤
を用いて 52100鋼の研磨試験を行なった。ホイール10はホイール11にくらべてG
比がほぼ2倍であり、研磨中の投入動力が若干少なかった。ここで、ホイール10
は研磨領域のポロシティーが 25vol%であったのに対し、ホイール11ではそれが
73.39vol%であった点に注意すべきである。フリット結合剤は研磨中に作用する
硬さが本来柔いので試験結果に影響を及ぼすことなく、両ホイールの実際の硬さ
がほぼ等しくなるようにホイール10にはより多くの結合剤を添加した。 実施例12および比較例C12A これらの例では、金属で結合を行ない、外周部の砥粒を特別に突出させないホ
イールに本発明を用いた場合について説明する。実施例12では CBN砥粒と MCA砥
粒とを体積比3:1で用い、比較例C12Aではこれと砥粒総体積を等しくして C
BN砥粒のみを用いた。結合剤組成は銅81.4%、錫18.6%であった。銅粉末と錫粉
末を湿潤剤と一緒に混合し、砥粒を添加して再び混合し、これを芯型の周りで約
330MPaの圧力を負荷して冷間加圧成形してグリーン(生)ホイールとした。この
グリーンホイールに、窒素・水素混合雰囲気中で約 550℃まで5時間で昇温し、
この温度で3時間保持する焼成を施して研磨ホイールを得た。この製造方法は、
混合タイプの砥粒を用いた他は従来どおりである。両タイプのホイールについて 同一条件の試験をそれぞれ2回行なった平均の結果から、タイプ12はタイプC12
にくらべてG比が17%高く、投入動力は約10%少なかった。したがって、タイ
プ12の方が望ましい。 実施例13および比較例C12 これらの例では、油冷却で鋼を研磨するレジノイド結合ホイールに本発明を用
いた場合について説明する。実施例13は実施例9と同様てあるが、ただし研磨砥
粒の総量を 25vol%とし、このうち1/4を MCA砥粒、残部をCBとした。 AISI
M2鋼(硬さ HR C 65に調質)を油冷却、低研磨速度で研磨して、タイプ13のホイ
ールをタイプC12のホイールと比較した。タイプ13はタイプC12にくらべてG比
が45%高く、投入動力が若干少なかった。 実施例14および15 これらの例は実施例9と近い関係にある。用いた材料は実施例と同様であった
が、ただしニッケル被覆した MCA砥粒を用いた。被覆は従来の方法で行ない、被
覆厚さは被覆後の砥粒重量の54%に相当する厚さとした。実施例14はこの被覆以
外は実施例9と同様である。一方、実施例15は、この他に砥粒の MCA 6.25vol%
、 CB 18.75vol%であった点が更に異なる。これらのタイプのホイールについて
、実施例9の乾式研磨で同一鋼を研磨した試験結果を第8表に示す。 第8表のデータと第7表のデータとの比較から、この結合剤の場合の本発明の
利点が、 MCA砥粒にニッケル被覆を施すと更に顕著になることが分かる。同様の
試験条件で冷却を水溶性油に変えてタイプ14および15の試験を行なった。その場
合、タイプC12にくらべたタイプ14および15のG比の優位性は第8表のレベルよ りもかなり低かったが、全く消失することはなかった。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 寸法等級を調整され、ほぼ離散状態の研磨砥粒を、この研磨砥粒とは化学
    的に異なる結合材料のマトリックス中に保持した結合型研磨工具において、上記
    研磨砥粒は、ダイアモンドもしくは CBNの超研磨砥粒と、ゾル・ゲル法によるア
    ルミナを焼結した微結晶砥粒との混合物から成り、上記研磨砥粒の6〜25 vol%
    が上記超研磨砥粒であり、上記研磨砥粒の94〜75 vol%が上記ゾル・ゲル法によ
    るアルミナを焼結した微結晶砥粒である結合型研磨工具。 2. 前記微結晶の最大寸法が 0.7μm以下である請求の範囲第1項記載の結合
    型研磨工具。 3. 前記微結晶の最大寸法が 0.3μm以下である請求の範囲第1項記載の結合
    型研磨工具。 4. 前記微結晶砥粒が非セル状である請求の範囲第1項から第3項までのいず
    れか1項に記載の結合型研磨工具。 5. 前記微結晶砥粒の硬さが 18GPa以上である請求の範囲第1項から第4項ま
    でのいずれか1項に記載の結合型研磨工具。 6. 前記結合材料が、ほぼ金属酸化物から成るガラスである請求の範囲第1項
    から第5項までのいずれか1項に記載の結合型研磨工具。 7. 前記超研磨砥粒の体積が工具の総体積の9%以下である請求の範囲第1項
    から第6項までのいずれか1項に記載の結合型研磨工具。 8. 前記結合材料がフェノール樹脂の硬化生成物であり、前記微結晶砥粒が前
    記工具中に結合される前にニッケル被覆されている請求の範囲第1項から第5項
    までのいずれか1項に記載の結合型研磨工具。

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