JP2508885B2 - ハ―スロ―ル - Google Patents

ハ―スロ―ル

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JP2508885B2
JP2508885B2 JP2122330A JP12233090A JP2508885B2 JP 2508885 B2 JP2508885 B2 JP 2508885B2 JP 2122330 A JP2122330 A JP 2122330A JP 12233090 A JP12233090 A JP 12233090A JP 2508885 B2 JP2508885 B2 JP 2508885B2
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  • Heat Treatments In General, Especially Conveying And Cooling (AREA)
  • Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は熱間圧延ライン、冷間圧延ライン、溶融金属
メッキライン等における連続焼鈍炉に使用されるハース
ロールに関する。なお、本明細書では被覆は特にことわ
りのない限り溶射被覆を意味する。
〔従来の技術〕
ハースロールで解決しなければならない大きな問題が
ビルドアップであることは周知のとおりである。ハース
ロールにおけるビルドアップ対策の主流は、ロール表面
に対する皮膜コーティングであり、コーティング物質と
しては、マトリックス金属中にセラミックス、特に酸化
物系セラミックスを分散させたいわゆるサーメットが現
在は最高と考えられている。
サーメットにおけるセラミックス含有率は、特公昭56
−34632号公報および特公昭58−17775号公報に示される
ように、通常は50体積%以下である。しかし、一部で
は、特開昭63−199857号公報に見られるように、セラミ
ックス含有率が50体積%を超えたサーメットをハースロ
ールへ適用することも試みられている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ハースロールのロール表面にサーメットをコーティン
グ(通常は溶射コーティング)した場合、耐ビルドアッ
プ性は、サーメットにおけるセラミックス含有率に支配
され、セラミックス含有率が大きくなるほど良好にな
る。しかし、「溶射技術vol.9−No.2」P62〜68にも報告
されているように、セラミックス含有率が増大するにつ
れて皮膜の耐熱衝撃性が劣化し、加熱、冷却の繰り返し
により皮膜剥離を生じるようになる。このようなことか
ら、セラミックス含有率は50体積%程度が実用的上限と
されている。
従って、特公昭56−34632号公報および特公昭58−177
75号公報に開始されたサーメットでは、セラミックス含
有率が50%以下に抑えられているので、耐熱衝撃性は比
較的良好なレベルに維持される。しかし、耐ビルドアッ
プ性は必ずしも満足するレベルとは言えない。また、特
開昭63−199857号公報に開示されたサーメットコーティ
ングロールは、耐ビルドアップ性は良好なものの、耐熱
衝撃性については特に記載はないが、サーメットにおけ
るセラミックス含有率が50%を超えることから充分な性
能は保有していないように推察される。
本発明の目的は、セラミックスを多量含有したサーメ
ットの被覆により優れた耐ビルドアップ性を確保し、し
かも、セラミックスの多量含有に伴う耐熱衝撃性の劣化
を抑えたハースロールを提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
ハースロールのロール表面をサーメットで被覆する場
合、サーメットにおけるセラミックスとしては、ビルド
アップの原因となる鋼材表面のスケールが結合し難い酸
化物系セラミックスが好適である。この酸化物系セラミ
ックスも、含有率の増大につれて耐ビルドアップ性を向
上させるが、その一方では、耐熱衝撃性の劣化を引き起
こす。
本発明者らは、サーメット中のセラミックスを増量し
たときの耐熱衝撃性の劣化対策について種々検討した結
果、皮膜中に若干量の気孔が存在する場合に耐熱衝撃性
の劣化が抑えられることを知見した。
すなわち、皮膜中に気孔が存すると、一見耐熱衝撃性
が劣るかのように考えられるが、皮膜中に占める気孔の
割合が10体積%以下の場合には、皮膜に微小亀裂が発生
してもその亀裂が気孔で停留して亀裂の伝播が停止する
ので、皮膜全体の巨視的な破壊には至らず、見掛け上は
延性が向上し、その結果、セラミックス含有率が50体積
%を超える場合にも、実用上支障ない耐熱衝撃性の確保
されることが本発明者らの調査から判明した。ただし、
気孔が過剰に存在する場合には、皮膜を構成している粒
子同志の結合が弱まるために、皮膜は容易に分離破断す
る。
セラミックス含有率が50体積%超のサーメットコーテ
ィングハースロールは特開昭63−199875号公報に開示さ
れている。ここに気孔率の開示はないが、サーメット溶
射に際して粒子の飛行速度を高め、かつ1回の溶射皮膜
厚を薄くするとの記載があり、このことからして、溶射
皮膜は緻密で、皮膜中の気孔をできるだけ排除したもの
であることが想像される。従って、前述したとおり、そ
の皮膜は耐ビルドアップ性は良好なものの耐熱衝撃性は
不足する。
皮膜における気孔率の制御は、例えばプラズマ溶射に
おいて、そのフレーム速度を調整することに可能であ
る。すなわち、プラズマ溶射では、主たる溶射条件であ
るプラズマガス量が増加すると、プラズマ流速が増加
し、プラズマ中の粒子滞留時間が短くなって粒子の溶融
が阻害され気孔を生じる。逆に、プラズマガス量が少な
いと、粒子滞留時間が確保され、粒子の溶融が促進され
るが、粒子の飛行速度が遅いために粒子同志が充分に密
着せず、この場合にも気孔が発生する。従って、プラズ
マガス量の調節に伴うフレーム速度の変化により、気孔
率の制御が可能になる。
本発明は上記知見に基づきなされたもので、ロール表
面に、気孔を2〜10体積%含み、気孔を除いた部分がAl
2O3,TiO2,ZrO2,Y2O3,MgO,CaO,SiO2,Cr2O3の少なくとも
1種を50体積%以上85体積%未満含み、残部耐熱合金及
び不可避不純物よりなるサーメットの溶射被覆層を有す
ることを特徴とするハースロールを要旨とする。
〔作用〕
本発明のハースロールにおいて、ロールは従来ロール
と同様の耐熱合金にて構成される。
ロール表面の被覆層は、マトリックス金属に酸化物系
セラミックスが混合されたサーメット系皮膜であり、2
〜10体積%の気孔を含んでいる。
サーメットにおけるマトリックス金属は、耐熱合金を
用い、例えばNi−Cr,Ni−Al,Ni−Cr−Al、Ni−Cr−Al−
Y,Co−Cr−Al−Y,Ni−Co−Cr−Al−Y合金等が適する。
酸化物系セラミックスはAl2O3,TiO2,ZrO2,Y2O3,MgO,C
aO,SiO2,Cr2O3の単独又は複合とする。
サーメットにおける酸化物系セラミックスの含有率を
50体積%以上85体積%未満とした理由、およびサーメッ
トを除いた気孔部分の皮膜における占有率を2〜10体積
%とした理由は次のとおりである。
サーメットにおけるセラミックスの含有率が50体積%
未満では、第1図(a)に示すように、マトリックス金
属1中に酸化物系セラミックス2が点在するために、耐
ビルドアップ性が不足する。50体積%以上では、第1図
(b)に示すように、酸化物系セラミックス2中にマト
リックス金属1が点在するようになり、良好な耐ビルド
アップ性が確保されるが、サーメット自体の耐熱衝撃性
は低下する。しかし、皮膜中に2〜10体積%の気孔が含
まれることにより、皮膜全体としての耐熱衝撃性は確保
される。皮膜における気孔の占有率が2体積%未満で
は、気孔による亀裂伝播阻止効果が不足し、耐熱衝撃性
を充分に改善できない。逆に、10体積%超では、気孔の
介在により粒子同志の密着性が低下し、皮膜が剥離しや
すくなる。ただし、サーメットにおける酸化物系セラミ
ックスの含有量が85体積%以上になると、サーメットに
2〜10体積%の気孔が付加されても、熱衝撃による皮膜
の亀裂、剥離を防止することは困難になる。
皮膜の厚みについては、薄いほど熱衝撃に対して優れ
た効果を示すので、0.1mm以下が望ましい。
気孔の大きさは、気孔が微細に分散する方が、亀裂伝
播距離が短くなり皮膜が剥離しにくくなるので、0.01mm
以下が望ましい。
なお、皮膜形成法としては、プラズマ溶射が望まし
い。プラズマ溶射であれば前記したようにフレーム速度
の調整により容易に気孔率の調整が可能となる。
〔実施例〕
ハースロールを想定して、第2図に示す試片3を作製
した。この試片3は、SUS310板材4の表面にサーメット
をプラズマ溶射して0.05mm厚の皮膜5を被覆したもので
ある。サーメットはマトリックス金属としてのCo−Cr−
Al−Y合金と、酸化物系セラミックスとしてのZrO2・8Y
2O3との混合物とし、セラミックス含有量は0〜100体積
%の範囲で種々変更した。また、皮膜における気孔の占
有率は0〜14体積%の範囲で種々変更した。ハースロー
ルを想定した前記試片3の耐ビルドアップ性および耐熱
衝撃性を調査した結果を以下に説明する。
耐ビルドアップ性試験 鋼材スケール(Fe2O3)の融点は高いので、これに水
ガラス(Na2O・SiO2)を加えて融点を低下させたものを
ビルドアップ物質とした。この物質は5Na2O・Fe2O3・8S
iO2なる組成を有し、融点は850℃である。この物質を10
φ×5の円盤状に焼成し第2図(a)に示すように、
こ焼成体6を前述のハースロールを想定した試片3の皮
膜5上に置き、これを還元性雰囲気(N2+5%H2)中で
900℃に加熱した。この加熱により、試片3上の焼成体
6は第2図(b)に示すように溶融して周囲に広がっ
た。広がった後の焼成体径Dを測定し、広がる前の焼成
体径10mmに対する拡大率、すなわち により皮膜表面とビルドアップ物質との濡れ性を調査
し、耐ビルドアップ性の評価指標とした。
結果を第3図に示すが、サーメットにおけるセラミッ
クス量が50体積%以上になると、皮膜における気孔率の
大小にかかわらず、耐ビルドアップ性が著しく改善され
る。
耐熱衝撃性試験 JIS H8666(セラミックス溶射試験方法)に従って耐
熱衝撃性を調査した。加熱温度は1000℃とした。結果を
第4図に示す。皮膜に2〜10体積%の気孔が含まれるこ
とにより、サーメットに80体積%のセラミックスが含有
された場合にも、セラミックス量が30体積%の緻密質サ
ーメット皮膜に匹敵する優れた耐熱衝撃性が確保され
た。
〔発明の効果〕
以上の説明から明らかなように、本発明のハースロー
ルは、皮膜を構成するサーメットにセラミックスが多量
含有されているので優れた耐ビルドアップ性を示し、し
かも、セラミックスの多量含有に伴なう耐熱衝撃性の劣
化をサーメットへの気孔付加により補い、セラミックス
含有率をひかえた従来の緻密質皮膜コーティングロール
に匹敵する優れた耐熱衝撃性を保有する。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)(b)はセラミックス含有率の相違による
皮膜構造の変化を示す模式図、第2図(a)(b)は耐
ビルドアップ性評価試験を説明するための模式図、第3
図および第4図は本発明の有効性を明らかにするための
実験結果を示す図表である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 4/10 C23C 4/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロール表面に、気孔を2〜10体積%含み、
    気孔を除いた部分がAl2O3,TiO2,ZrO2,Y2O3,MgO,CaO,SiO
    2,Cr2O3の少なくとも1種を50体積%以上85体積%未満
    含み、残部耐熱合金及び不可避的不純物よりなるサーメ
    ットの溶射被覆層を有することを特徴とするハースロー
    ル。
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