JP2508759B2 - イメ―ジスキャナにおける浮動回路 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （発明の分野） 本発明は、原稿に書かれている文字とか、写真などを
イメージスキャンし、イメージスキャンして得られた文
字や写真に係るアナログ画像信号を二値化した信号をワ
ードプロセッサに出力するイメージスキャナに係り、詳
しくは文字であっても写真であってもそれらの画像を最
適な画質でワードプロセッサの表示器画面上にイメージ
表示させるための浮動回路に関する。

（従来技術とその問題点） これまでのイメージスキャナにあっては、第４図に示
すように二値化回路02を構成する比較回路04の一方の入
力部へのアナログ画像信号が与えられる充放電回路を設
けた浮動回路06を備え、その充放電回路出力に基づいて
基準電圧決定回路08で前記二値化するための基準電圧を
決定してその比較回路04の他方の入力部に与えるように
したものがある。

ところが、このイメージスキャナでは、アナログ画像
信号が文字であると写真であるとには拘わらず、その基
準電圧を決定していたから、細かい文字の場合ではその
文字がつぶされたようにしてイメージ表示されたり、写
真の場合では輪郭が不鮮明な状態でイメージ表示された
りして低い画質のものしか得られなかった。

（発明の目的） 本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであ
って、文字と写真の場合とに対応して充放電回路の充放
電時定数を切り換えることにより、それぞれに最適な基
準電圧に設定されるようにして細かい文字の場合ではそ
れがつぶされることなく明瞭にイメージ表示され、また
写真の場合では輪郭が鮮明な状態でイメージ表示される
ようにすることを目的としている。

（発明の構成と効果） 本発明は、このような目的を達成するために、アナロ
グ画像信号の充放電回路と、基準電圧の設定モードが文
字モードのときには前記充放電回路から切り離され、写
真モードのときには前記充放電回路に接続される充放電
コンデンサと、前記各モードに対応して前記充放電コン
デンサの前記切り離し側と接続側とに切り換え操作され
る切換スイッチと、与えられた前記充放電回路出力を出
力するバッファトランジスタとを含み、前記充放電回路
の充放電時定数は、文字モードのときに比べて写真モー
ドのときの方が大きくなるように前記充放電コンデンサ
は前記切換スイッチにより前記充放電回路に接続される
ことを特徴としている。

この構成によれば、文字モードのときは切換スイッチ
により充放電コンデンサが充放電回路から切り離される
から、文字のアナログ画像信号に対応する基準電圧はそ
の充放電コンデンサのない充放電回路の充放電時定数に
対応した値となるが、写真モードのときは切換スイッチ
により充放電コンデンサが充放電回路に接続されるか
ら、写真のアナログ画像信号に対応する基準電圧はその
充放電コンデンサを含めた充放電回路の充放電時定数に
対応した値となる。そして、この場合、その充放電時定
数は、写真モードの方が文字モードの場合よりも大きく
なるように設定されている。

その結果、本発明によれば、文字モードにおける基準
電圧はその文字のアナログ画像信号の変化に追随して変
化することで細かい文字でもそれに対応した二値化信号
が得られて細かい文字のイメージ表示の画質が向上す
る。これに対して、写真モードにおける基準電圧は文字
の場合よりもその追随変化が少なくなり、その結果、写
真の濃淡変化の境界での輪郭部分がより強調されること
になるから、写真の場合のイメージ表示の画質も向上す
る。

（実施例の説明） 以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明す
る。第１図は本発明の実施例に係るイメージスキャナに
おける浮動回路の回路図である。第１図において、２は
文字や写真のアナログ画像信号が与えられる入力端子、
４は抵抗６とダイオード８とを介して入力端子２に接続
された充放電回路である。この充放電回路４は放電経路
を構成する抵抗4aと充放電コンデンサ4bとで構成されて
いる。10は充放電回路４がベースに接続されるととも
に、コレクタを抵抗12を介して接地され、かつエミッタ
をダイオード14と抵抗16とを介して電源＋Vccに接続さ
れたバッファトランジスタである。バッファトランジス
タ10のエミッタはダイオード14を介して出力端子18に接
続されている。

そして、本発明は上記構成に加えて、基準電圧の設定
モードが文字モードのときには充放電回路４から切り離
され、写真モードのときには充放電回路４に接続される
充放電コンデンサ20と、前記各モードに対応して充放電
コンデンサ20の切り離し側と接続側とに切り換え操作さ
れる切換スイッチ22とを備えていることに特徴を有して
いる。切換スイッチ22は充放電回路４に接続された可動
端子22aと、文字モードの場合にその可動端子22aが接続
される個別接点22bと、写真モードの場合にその可動端
子22aが接続される個別接点22cとから構成されている。

次に動作を第２図および第３図を参照して説明する。
第２図（ａ）は文字モードの場合に入力端子２から与え
られるアナログ画像信号の波形図を示し、第２図（ｂ）
は第２図（ａ）の場合における充放電回路４の出力波形
図を示している。また、第３図（ａ）は写真モードの場
合における入力端子２から与えられるアナログ画像信号
の波形図を示し、第３図（ｂ）は第３図（ａ）の場合に
おける充放電回路４の出力波形図を示している。

（ａ）文字モードの場合〔第２図（ａ）、第２図（ｂ）
参照〕：この文字モードの場合は、切換スイッチ22の可
動端子22aは個別接点22b側に切り換え操作される。この
切り換え操作により、充放電回路４の充放電時定数は充
放電コンデンサ20が切り離された状態の値となる。そし
て、この状態で入力端子２には、第２図（ａ）に示すよ
うなアナログ画像信号が入力される。入力端子２に与え
られたアナログ画像信号は、抵抗６とダイオード８とを
介して充放電回路４に入力される。その充放電回路４の
出力は第２図（ｂ）に示すように、ほぼ第２図（ａ）の
アナログ画像信号の波形変化に追随した波形となってい
る。したがってバッファトランジスタ10、ダイオード14
を介して出力端子18に出力される充放電回路４出力に基
づいて作成される基準電圧を元にして比較回路において
アナログ画像信号を二値化した場合は、細かい文字であ
ってもそれに対応した二値化信号が、ワードプロセッサ
に与えられることになる。

したがって、ワードプロセッサの表示器画面上では細
かい文字のイメージ表示ができる。

（ｂ）写真モードの場合〔第３図（ａ）、第３図（ｂ）
参照〕：この写真モードの場合は、切換スイッチ22の可
動端子22aは個別接点22c側に切り換えられる。したがっ
て、充放電回路４には充放電コンデンサ20が接続される
ことになるから、その充放電時定数は大きくなってい
る。そして、入力端子２に与えられる第３図（ａ）に示
すような写真のアナログ画像信号に対する充放電回路４
出力の波形は、第３図（ｂ）に示すようにアナログ画像
信号の変化には殆ど追随しない状態のものとなる。その
結果、アナログ画像信号のレベルが変わる境界、つまり
輪郭部分ではその輪郭がより強調された二値化信号が得
られる。したがって、ワードプロセッサの表示器画面上
では、輪郭部分が強調された写真がイメージ表示され
る。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本発明の実施例に係り、第１図は
イメージキャナの浮動回路の回路図、第２図は文字モー
ドの場合に係り、第２図（ａ）は文字に係るアナログ画
像信号の波形図、第２図（ｂ）は第２図（ａ）の場合に
おける充放電回路の出力波形図、第３図は写真モードの
場合に係り、第３図（ａ）は写真に係るアナログ画像信
号の波形図、第３図（ｂ）は第３図（ａ）の場合におけ
る充放電回路の出力波形図である。 第４図はイメージスキャナの浮動回路とその浮動回路の
周辺の回路との回路図である。 ２……入力端子、４……充放電回路、10……バッファト
ランジスタ、20……充放電コンデンサ、22……切換スイ
ッチ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−23680（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−266965（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−59270（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】アナログ画像信号の充放電回路と、 基準電圧の設定モードが文字モードのときには前記充放
   電回路から切り離され、写真モードのときには前記充放
   電回路に接続される充放電コンデンサと、 前記各モードに対応して前記充放電コンデンサの前記切
   り離し側と接続側とに切り換え操作される切換スイッチ
   と、 与えられた前記充放電回路出力を出力するバッファトラ
   ンジスタ とを含み、 前記充放電回路の充放電時定数は、文字モードのときに
   比べて写真モードのときの方が大きくなるように前記充
   放電コンデンサは前記切換スイッチにより前記充放電回
   路に接続されることを特徴とするイメージスキャナにお
   ける浮動回路。