JP2508543B2 - インジウム塩類水溶液の精製方法 - Google Patents
インジウム塩類水溶液の精製方法Info
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- JP2508543B2 JP2508543B2 JP32060087A JP32060087A JP2508543B2 JP 2508543 B2 JP2508543 B2 JP 2508543B2 JP 32060087 A JP32060087 A JP 32060087A JP 32060087 A JP32060087 A JP 32060087A JP 2508543 B2 JP2508543 B2 JP 2508543B2
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C01—INORGANIC CHEMISTRY
- C01G—COMPOUNDS CONTAINING METALS NOT COVERED BY SUBCLASSES C01D OR C01F
- C01G15/00—Compounds of gallium, indium or thallium
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
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- Inorganic Chemistry (AREA)
- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は塩化インジウム,硫酸インジウムなどのイン
ジウム塩類水溶液から重金属不純物を除き、純度の高い
インジウム塩類の水溶液を得る方法に関する。
ジウム塩類水溶液から重金属不純物を除き、純度の高い
インジウム塩類の水溶液を得る方法に関する。
(従来技術とその問題点) 従来のインジウムの高純度化工程、インジウムを含む
化合物半導体スクラツプなどからインジウムを回収する
工程などでは、多くの場合塩化インジウム,硫酸インジ
ウムなどの形態を経由して金属インジウムの採取が行わ
れるが、高純度のインジウムを得るためには、これらの
化合物の段階で不純物の除去を十分に行つておくことが
必要である。
化合物半導体スクラツプなどからインジウムを回収する
工程などでは、多くの場合塩化インジウム,硫酸インジ
ウムなどの形態を経由して金属インジウムの採取が行わ
れるが、高純度のインジウムを得るためには、これらの
化合物の段階で不純物の除去を十分に行つておくことが
必要である。
一般にインジウム塩類水溶液中に存在する不純物の種
類及び濃度は必ずしも一定したものではないが、インジ
ウム−リン化合物半導体スクラツプの処理の場合につい
て示すと、重金属としては、錫,鉄,亜鉛などがあり、
更にガリウムなどもしばしば混在する。インジウムに対
するこれらの不純物の比率は通常数10〜数1,000ppmであ
る。これらの不純物の中で、錫はインジウムと電気化学
的性質が近似しているため、特に金属化の工程以前にお
ける除去が重要視されるが、インジウム溶液中の微量な
いし少量の錫の除去法の一つであるリン酸エステル系溶
媒による溶液抽出法についてみると、この方法は、通
常、抽出−有機相の洗浄−逆抽出の3工程を必要とする
ほか、錫や鉄を十分除去するため、洗浄剤としてフツ酸
を用いるなど、不利な点が少なくない。また、塩化イン
ジウム溶液の場合、錫の除去に陰イオン交換樹脂を利用
する方法も知られているが、この方法の適用には錫の濃
度がごく低い場合に限定されるという問題がある。
類及び濃度は必ずしも一定したものではないが、インジ
ウム−リン化合物半導体スクラツプの処理の場合につい
て示すと、重金属としては、錫,鉄,亜鉛などがあり、
更にガリウムなどもしばしば混在する。インジウムに対
するこれらの不純物の比率は通常数10〜数1,000ppmであ
る。これらの不純物の中で、錫はインジウムと電気化学
的性質が近似しているため、特に金属化の工程以前にお
ける除去が重要視されるが、インジウム溶液中の微量な
いし少量の錫の除去法の一つであるリン酸エステル系溶
媒による溶液抽出法についてみると、この方法は、通
常、抽出−有機相の洗浄−逆抽出の3工程を必要とする
ほか、錫や鉄を十分除去するため、洗浄剤としてフツ酸
を用いるなど、不利な点が少なくない。また、塩化イン
ジウム溶液の場合、錫の除去に陰イオン交換樹脂を利用
する方法も知られているが、この方法の適用には錫の濃
度がごく低い場合に限定されるという問題がある。
このような点からみて、本発明者らはインジウムに随
伴する錫,鉄などを主な対象として、それらをごく低濃
度まで除去する簡単な方法について検討した結果、重金
属イオンと反応して水に難溶性の塩をつくることが知ら
れている芳香族置換基を有するN−ニトロソヒドロキシ
ルアミン類に着目し、実験をつづけた結果、インジウム
イオンはこのアミン類と錯体を形成するものの弱酸性領
域においてはその濃度が数10g/と高い場合も全く沈殿
を生ぜず、一方錫(2価、4価)、鉄(3価)、などの
イオンはごく低濃度においても沈殿を生成し、またガリ
ウム,ゲルマニウムにも類似した挙動がみられることを
見出し、本発明に到達した。
伴する錫,鉄などを主な対象として、それらをごく低濃
度まで除去する簡単な方法について検討した結果、重金
属イオンと反応して水に難溶性の塩をつくることが知ら
れている芳香族置換基を有するN−ニトロソヒドロキシ
ルアミン類に着目し、実験をつづけた結果、インジウム
イオンはこのアミン類と錯体を形成するものの弱酸性領
域においてはその濃度が数10g/と高い場合も全く沈殿
を生ぜず、一方錫(2価、4価)、鉄(3価)、などの
イオンはごく低濃度においても沈殿を生成し、またガリ
ウム,ゲルマニウムにも類似した挙動がみられることを
見出し、本発明に到達した。
(発明の構成) すなわち、本発明によれば、インジウム塩類水溶液の
pHを0.5〜2.5の範囲に調節し、該水溶液に芳香族置換基
を有するN−ニトロソヒドロキシルアミン類の化合物を
添加して随伴する重金属不純物を難溶性の塩として分離
することを特徴とするインジウム塩類水溶液の精製方法
が得られる。
pHを0.5〜2.5の範囲に調節し、該水溶液に芳香族置換基
を有するN−ニトロソヒドロキシルアミン類の化合物を
添加して随伴する重金属不純物を難溶性の塩として分離
することを特徴とするインジウム塩類水溶液の精製方法
が得られる。
本発明で使用される芳香族置換基を有するN−ニトロ
ソヒドロキシルアミンとしては、N−ニトロソフエニル
ヒドロキシルアミン(アンモニウム塩の一般名:クペロ
ン),N−ニトロソナフチルヒドロキシルアミン(アンモ
ニウム塩の一般名:ネオクペロン)などが知られてお
り、上記の各イオンの挙動は塩化物溶液、硫酸塩溶液の
いずれの場合でもほぼ同様である。
ソヒドロキシルアミンとしては、N−ニトロソフエニル
ヒドロキシルアミン(アンモニウム塩の一般名:クペロ
ン),N−ニトロソナフチルヒドロキシルアミン(アンモ
ニウム塩の一般名:ネオクペロン)などが知られてお
り、上記の各イオンの挙動は塩化物溶液、硫酸塩溶液の
いずれの場合でもほぼ同様である。
本発明において、クロペンを用いて処理する場合につ
いて述べると、まずインジウム塩類水溶液のpHを0.5〜
2.5の範囲に調節し、これにクペロンの水溶液を添加す
ると、不純物の種類に応じて白色(錫,ガリウムな
ど),褐色(鉄)の沈殿が生成するのでしばらく放置し
て沈殿が凝集するのを待つて沈殿を分離する。pHが0.5
より低くなると、不純物の除去率がかなり低下し、2.5
を越えると、インジウムが何等かの形で沈殿し、損失が
増加するおそれがある。最も好ましいpHは1〜2の範囲
である。クペロンの添加量は次の式から計算される当量
の3〜8倍が適当である。添加量としてはインジウムの
濃度が低いときは少な 〔C6H5N(NO)O〕nM M:金属イオン n:金属イオンの電荷数 く、また濃度が高いときは多く用いる。インジウムの濃
度が数10g/の範囲においては4倍程度で十分である。
なお、不純物の濃度が数mg/と非常に低いときは生成
する沈殿の過性が悪くなるので、クロロフオルム,ケ
ロシンなどを用いて沈殿を溶解して分離する。
いて述べると、まずインジウム塩類水溶液のpHを0.5〜
2.5の範囲に調節し、これにクペロンの水溶液を添加す
ると、不純物の種類に応じて白色(錫,ガリウムな
ど),褐色(鉄)の沈殿が生成するのでしばらく放置し
て沈殿が凝集するのを待つて沈殿を分離する。pHが0.5
より低くなると、不純物の除去率がかなり低下し、2.5
を越えると、インジウムが何等かの形で沈殿し、損失が
増加するおそれがある。最も好ましいpHは1〜2の範囲
である。クペロンの添加量は次の式から計算される当量
の3〜8倍が適当である。添加量としてはインジウムの
濃度が低いときは少な 〔C6H5N(NO)O〕nM M:金属イオン n:金属イオンの電荷数 く、また濃度が高いときは多く用いる。インジウムの濃
度が数10g/の範囲においては4倍程度で十分である。
なお、不純物の濃度が数mg/と非常に低いときは生成
する沈殿の過性が悪くなるので、クロロフオルム,ケ
ロシンなどを用いて沈殿を溶解して分離する。
今、例としてインジウム25〜50g/と錫(4価),鉄
(3価),ガリウム(3価)のそれぞれ数10mg/を含
む塩化物溶液にpH1において4当量のクペロンを添加し
て処理を行つたときの液中の不純物の濃度を示すと、
錫0.2mg/以下、鉄1mg/以下、ガリウム4〜6mg/と
なり、錫に対する除去効果が特に優れている。生成する
沈殿の中には少量のインジウムが付着しているが、これ
は水で洗浄することによつて回収されるので、インジウ
ムの損失はほとんど生じない。なお、クペロンの代わり
に、ネオクペロンを用いてもほぼ同様な結果が得られ
る。
(3価),ガリウム(3価)のそれぞれ数10mg/を含
む塩化物溶液にpH1において4当量のクペロンを添加し
て処理を行つたときの液中の不純物の濃度を示すと、
錫0.2mg/以下、鉄1mg/以下、ガリウム4〜6mg/と
なり、錫に対する除去効果が特に優れている。生成する
沈殿の中には少量のインジウムが付着しているが、これ
は水で洗浄することによつて回収されるので、インジウ
ムの損失はほとんど生じない。なお、クペロンの代わり
に、ネオクペロンを用いてもほぼ同様な結果が得られ
る。
(発明の効果) 本発明は上記の構成をとることによつて、インジウム
塩類の水溶液を対象に極めて単純な操作によつて随伴す
る重金属不純物の高度な除去を可能ならしめるもので、
高純度金属の製造、半導体原料の製造などの分野におい
て非常に有用である。
塩類の水溶液を対象に極めて単純な操作によつて随伴す
る重金属不純物の高度な除去を可能ならしめるもので、
高純度金属の製造、半導体原料の製造などの分野におい
て非常に有用である。
次に、本発明を実施例によつてより具体的に説明する
が、以下の実施例は本発明の範囲を制限するものではな
い。
が、以下の実施例は本発明の範囲を制限するものではな
い。
実施例1 本実施例においては、錫と鉄の少量を含有する塩化イ
ンジウムの模擬液を試料とし、pHと不純物の除去率との
関係を調べた結果について述べる。
ンジウムの模擬液を試料とし、pHと不純物の除去率との
関係を調べた結果について述べる。
試料として、pHの異なるインジウム50g/,錫(4
価)14mg/,鉄(3価)9.8mg/の組成のものを調製
し、その各50mlに対し、クベロンの濃度1%の水溶液3.
1ml(4当量)を常温で撹拌しながら徐々に添加した。3
0分間放置後、東洋紙No.6を用いて生成した沈殿を
別し、洗液を併せて60mlとした。このようにして処理
した液の分析結果は表1のとおりで、pHが1.1以上の場
合には錫と鉄の高い除去率が得られ、一方インジウムの
損失は1%以下にすぎない。
価)14mg/,鉄(3価)9.8mg/の組成のものを調製
し、その各50mlに対し、クベロンの濃度1%の水溶液3.
1ml(4当量)を常温で撹拌しながら徐々に添加した。3
0分間放置後、東洋紙No.6を用いて生成した沈殿を
別し、洗液を併せて60mlとした。このようにして処理
した液の分析結果は表1のとおりで、pHが1.1以上の場
合には錫と鉄の高い除去率が得られ、一方インジウムの
損失は1%以下にすぎない。
実施例2 本実施例ではインジウム−リン化合物半導体スクラツ
プからインジウムを回収する過程で得られた表2の組成
の塩化インジウム水溶液の精製について述べる。本溶液
の200mlをとり、撹拌しながら濃度28%のアンモニア水
を加えてpHを 1.5に調節し、次に濃度2%のクペロンの水溶液12.6ml
(5当量)を常温で徐々に添加した。30分間放置したの
ち、東洋紙No.6を用いて沈殿を別し、洗液を併せ
て240mlとした。この処理液の分析結果は表3に示す
とおりで、この例からも錫の除去に特に有効なことが確
認される。
プからインジウムを回収する過程で得られた表2の組成
の塩化インジウム水溶液の精製について述べる。本溶液
の200mlをとり、撹拌しながら濃度28%のアンモニア水
を加えてpHを 1.5に調節し、次に濃度2%のクペロンの水溶液12.6ml
(5当量)を常温で徐々に添加した。30分間放置したの
ち、東洋紙No.6を用いて沈殿を別し、洗液を併せ
て240mlとした。この処理液の分析結果は表3に示す
とおりで、この例からも錫の除去に特に有効なことが確
認される。
Claims (1)
- 【請求項1】インジウム塩類水溶液のpHを0.5〜2.5の範
囲に調節し、該水溶液に芳香族置換基を有するN−ニト
ロソヒドロキシルアミン類の化合物を添加して随伴する
重金属不純物を難溶性の塩として分離することを特徴と
するインジウム塩類水溶液の精製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32060087A JP2508543B2 (ja) | 1987-12-18 | 1987-12-18 | インジウム塩類水溶液の精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32060087A JP2508543B2 (ja) | 1987-12-18 | 1987-12-18 | インジウム塩類水溶液の精製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01160830A JPH01160830A (ja) | 1989-06-23 |
JP2508543B2 true JP2508543B2 (ja) | 1996-06-19 |
Family
ID=18123226
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32060087A Expired - Lifetime JP2508543B2 (ja) | 1987-12-18 | 1987-12-18 | インジウム塩類水溶液の精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2508543B2 (ja) |
-
1987
- 1987-12-18 JP JP32060087A patent/JP2508543B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01160830A (ja) | 1989-06-23 |
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