JP2508111B2 - 通紙装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は帯状体の巻取機特に巻取ドラムの両側にちど
り状にコアを配置して分割した紙匹等を巻き取る巻取機
の通紙装置に関するものである。

［従来の技術］ 広幅の紙匹を所定の幅に切断して巻き取るスリッタワ
インダには種々の形式のものがあり、通紙方法も種々工
夫されている。

例えば、第３図に示すような２本の巻取ドラムa,b上
にコアｃを所要の間隔で直列に配置して、幅方向に分割
した紙匹ｄを巻き取る方式では、全て、同一方向に走行
するので通紙が比較的容易なため、通紙作業も自動化さ
れている。

又、第４図に示すような１本又は２本の巻取ドラムｅ
の両側にコアc,c′をちどり状に配置して分割した紙匹
d,d′を巻き取る方式では、巻取ドラムｅの紙匹入側に
あるコアｃへの通紙は比較的容易であるが、紙匹出側に
あるコアｃ′への通紙は、紙匹ｄ′を渡したい方向が巻
取ドラムｅ等により塞がれて見えず且つ入側の支持フレ
ームｈのため狭くて作業者が入ることも難かしいため、
困難な作業であった。

そのため、従来は第５図に示すように巻取ドラムｅ′
に多数の孔ｆを穿設し、該巻取ドラムｅ′の下方に、三
角ベルトコンベアｇを昇降可能に設置し、更に、支持フ
レームｈにエアノズルi,j,k,lを配設して、紙匹ｄ′の
先端部を吸引した巻取ドラムｅ′に吸着させ、エアノズ
ルi,j,k,lによりエアを吹き付けて紙匹ｄ′のはがれを
防止しながら、巻取ドラムｅ′を回転させて通紙してい
る。

［発明が解決しようとする問題点］ しかしながら、巻取ドラムｅ′には多数の孔ｆがあ
り、しかも全体の1/4以下しか紙によって塞がれないた
め、相当大きな排気容量が必要とされる反面、紙の吸着
効果は必ずしも充分でなく、更にエアノズルi,j,k,l及
び三角ベルトコンベアｇによりガイドしても、はがれた
り、折れ込んだりして三角ベルトコンベアｇとの間で詰
ることが多く、スムーズに通紙できず、設備や加工が複
雑且つ高価となる割に通紙作業時間が長くかかり、又多
数の作業員を要し稼働率も低かった。

［問題点を解決するための手段］ 本発明は上述の従来の問題点を解決し、簡単な構造で
確実且つ迅速に通紙し得るようにすることを目的として
なしたもので、巻取ドラムに先端が巻き付けられた紙
を、該巻取ドラムに隣接して配置されたコアに導く通紙
装置において、磁性体により形成した巻取ドラムと、該
巻取ドラムに巻き付けた紙の先端を押えるために巻取ド
ラムの円周面に密着して沿うよう屈撓可能な一枚のシー
ト状の磁石帯と、該磁石帯を先端に取り付けた支持用帯
状体と、巻取ドラム上方の巻取機フレームに取り付けら
れ前記支持用帯状体の巻き出し及び巻き取りをするため
のリールとからなることを特徴とする通紙装置にかかる
ものである。

［作用］ 本発明では、リールから磁石帯を有する支持用帯状体
を引き出して、通紙先端を巻取ドラムに磁石帯により磁
着して固定し、巻取ドラムを回転すると、支持用帯状体
がリールから巻き出されて紙匹が挾まれるように保持さ
れ、通紙される。通紙後磁石帯を剥離し、リールにより
帯状体を巻き取ることにより待機状態となる。

［実施例］ 以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説明する。

第１図及び第２図は本発明の一実施例の説明図であ
り、鉄、コバルト、ニッケル等の磁性金属により形成し
た巻取ドラム１を回転駆動装置と連結し、該巻取ドラム
１の下方に樋状の永久磁石帯落下防止カバー２を、該巻
取ドラム１の全長に亘って若しくは紙匹出側巻取り部
に、該巻取ドラム１に対して所要の間隙で配設してあ
る。

永久磁石帯３は、永久磁石粉を天然又は合成樹脂に混
入して板状に成型した可撓性の永久磁石シートが取扱い
の点で適当である。該永久磁石帯３の長さは分割して巻
取る紙匹４の最小幅と同程度でよく、紙匹４出側のコア
５と同数用意する。

図中、６は紙匹、７はスリッタ、4,4′は分割された
紙匹、５′は紙匹入側のコアを示す。

前記永久磁石帯３を布、合成樹脂シート等の長尺の支
持用帯状体８の先端に夫々取り付け、該各支持用帯状体
８を巻取ドラム１上方の巻取機フレーム９にブラケット
10及びピン11を介して回転可能に取り付けたリール12に
巻き付け、正逆回転可能なモータ13により駆動されるロ
ーラ14により前記巻取ドラム１の回転と等速で支持用帯
状体８を巻出しし得るようにしてある。

以上のように構成したので、スリッタ７により所要の
幅に分割した紙匹4,4′の先端を巻取ドラム１の紙匹入
側に導き、紙匹４′を紙匹入側にあるコア５にノリ又は
接着テープ等により該先端を固着し、該コア５′を巻取
ドラム１に押し付ける。

残りの紙匹４の先端部を巻取ドラム１に夫々押し当
て、各上方のリール12から支持用帯状体８をモータ13及
びローラ14により巻き出し、該支持用帯状体８の先端部
の永久磁石帯３を前記紙匹４の上から巻取ドラム１に磁
着させて、該紙匹４を夫々固定する。

次いで、巻取ドラム１を半回転乃至3/4回転させると
共にモータ13を駆動して支持用帯状体８を同一速度で巻
き出すと、紙匹４が支持用帯状体８により巻取ドラム１
表面に密着した状態で保持され、紙匹出側まで容易且つ
確実に通紙される。

通紙後、永久磁石帯３を引き離し、モータ13を逆回転
させることにより、支持用帯状体８を巻き取ることがで
き、次の通紙作業まで待機させることができ、前記永久
磁石帯３を引き離すことによりフリーになった紙匹４の
先端をコア５に固着すれば、巻取り開始可能となる。

なお、本発明は上述の実施例のみに限定されるもので
はなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変
更を加え得ることは勿論である。

［発明の効果］ 以上述べたように本発明の通紙装置によれば、下記の
如き種々の優れた効果を発揮する。

（Ｉ）屈撓可能なシート状の磁石帯により通紙先端を強
力且つ簡単に巻取ドラムに固定することができる。

（II）（Ｉ）により通紙中に通紙先端がはがれたり、折
れ込まれることがなくなるので、通紙を確実にしかも迅
速に行なうことができる。従って、通紙作業時間が大幅
に短縮され、巻取機の稼動率が著しく向上する。

（III）巻取ドラムは一般に鉄等の磁性体により形成さ
れているので、巻取ドラムには従来のような特別な加工
を必要とせず、且つ磁石帯も比較的安価に製作できるの
で、従来に比べ構造が著しく簡単になり、設備費を大幅
に削減することができる。

（IV）磁石帯を帯状体の先端に取り付けて、巻き出し及
び巻き取り可能としたので、磁石帯の装着及び収納が容
易となり、通紙の作業性が更に向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の説明図、第２図は第１図に
示した装置による紙匹の固定状態を示す説明図、第３図
は巻取機の一例を示す説明図、第４図は巻取機の他の例
の説明図、第５図は従来の通紙装置の一例を示す説明図
である。 １は巻取ドラム、２は永久磁石帯落下防止カバー、３は
永久磁石帯、4,4′は紙匹、5,5′はコア、８は支持用帯
状体、12はリールを示す。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】巻取ドラムに先端が巻き付けられた紙を、
   該巻取ドラムに隣接して配置されたコアに導く通紙装置
   において、磁性体により形成した巻取ドラムと、該巻取
   ドラムに巻き付けた紙の先端を押えるために巻取ドラム
   の円周面に密着して沿うよう屈撓可能な一枚のシート状
   の磁石帯と、該磁石帯を先端に取り付けた支持用帯状体
   と、巻取ドラム上方の巻取機フレームに取り付けられ前
   記支持用帯状体の巻き出し及び巻き取りをするためのリ
   ールとからなることを特徴とする通紙装置。